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魔獣 その1
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感謝状を受け取った翌日、ティナはいつものように教会内の掃除をしていた。
「あー面倒くさい、サボりたい」
「またアンジュさんに怒られるよ」
「ババアは、教会本部に呼出しを受けてるんだろ、サボってもバレねえよ」
「私がアンジュさんに報告するからバレるよ」
「アリアてめー」
2人が言い合いをしてると、教会の扉が開いた。
ティナ達が扉の方を見ると、そこにはカイルの姿があった。
ティナが嫌そうな顔をした。
「お前何しに来たんだ」
「お客様に対して失礼なやつだな」
「お帰りくださいお客様、神はあなたの顔をみたくないらしいです」
「お前はいつから神と対話できるようになったんだ」
「こらティナ、隊長さんに失礼な態度をとらない」
「えー」
「えーじゃありません」
アリアがカイルの方を見る。
「すいません、ティナが毎回失礼を…」
「いえ、いいですよ、アリアさんのせいではありませんから」
「それで今日はどういった用事で来られたのですか?」
「ええ、今日はティナに用があって」
ティナは自分を指差した。
「私に用事なのか、てっきりアリアを口説きに来たのかと…」
カイルがため息をつく。
「お前は俺を何だと思ってるんだ、今日は仕事で来てるんだぞ、ほら憲兵の服来てるだろ」
「仕事中にアリアを食事に誘ってただろ!?」
「まぁその事は一旦置いといてだな」
「おい…勝手に置くな」
「今日はさっき言った通り、仕事できた、正確に言えば、お前に仕事の依頼を持って来た」
ティナが首を傾げる。
「依頼?」
「そうだ依頼だ、最近街で連続して行方不明者が出てるのを知ってるか?」
「あぁこの前市場で聞いた」
「行方不明者達に接点はなく、手がかりも見つからない、何一つ痕跡がないんだ…俺はこの事件が人の手で行われたものではないと思っている」
「じゃあ誰がやったんだよ」
「魔獣だ」
ティナがその言葉に反応する。
「魔獣だと…」
アリアが会話を遮るように手を振って否定した。
「隊長さん、ここ数年魔獣を見たって話し周辺の街でも聞きませんよ、勘違いでは?それに魔獣なんて人目についてすぐ噂になるでしょ」
「そうでもないですよアリアさん、お前なら俺の言ってる事が分かるだろティナ」
ティナが真剣な表情で答える。
「あぁ…」
「どうしたのティナ真剣な顔して…」
ティナは少し黙った後アリアを見た。
「なぁアリア、魔獣ってどうやってできるか知ってるか?」
アリアが首を傾げる。
「自然に生まれてくるんじゃないの?」
「自然に生まれたら今頃大変なことになってるわ!?」
カイルがティナに代わって説明を始めた。
「アリアさん、魔光石ってご存知ですか?」
「すごいエネルギーを持ってる石ですよね」
「そうです、魔光と呼ばれる未知のエネルギーを持った石です、そしてあの大戦を引き起こす、きっかけになった石でもあります」
教会内が静まりかえる。
「帝国は、領土内で大量に採掘された魔光石を使い数々の兵器を生み出し、周辺諸国に戦争をしかけ、数々の国を侵略して行きました」
「そして、帝国は軍事力を上げるため一つの実験を行いました」
「実験ですか?」
「その実験とは、生物と魔光石との融合実験です」
アリアは顔をこわばらせた。
「まさかその実験って」
カイルが頷いた。
「そうです、魔獣を生み出す実験です、なので魔獣は誰かが人為的に作り出さないと生まれません」
「それじゃあ、もし隊長さんの予想が当たっていれば…」
カイルがティナを見る。
「何者かがカヌエの街内部で、魔獣を生み出したという事です」
黙り込んでいたティナが口を開いた。
「私がやったとでも…」
ティナの言葉にカイルが腹を抱えて笑った。
「お前みたいなバカに魔獣を生み出せるわけないだろ!?」
「何だと、誰がバカだ!」
カイルに殴りかかろうとするティナをアリアが抑えた。
「ちょっとティナ怒らない、怒らない」
「じゃあお前、本当に何しに来たんだよ?」
「言っただろ依頼だ依頼、魔獣探しのな」
アリアがカイルを睨みつける。
「ティナに危険なマネをさせろとでも…」
「そう睨まないでくださいアリアさん、探す手伝いだけです」
「どうしてティナなんですか?」
黙り込むティナを見てカイルが口を開く。
「先程帝国の実験の話しをしましたね」
「はい」
「その実験の最終的な目的は、人と魔光との融合…すなわち人間兵器を生み出す事です」
「それってまさか…」
「そこにいるティナ=ハーロックは、人と魔光の融合体…帝国が生み出した人間兵器です」
「ティナ…まさか…」
ティナは唇を噛みながら答えた。
「そうだ、私は人でもないただの化け物だ、気持ち悪いだろ…」
そう言ってティナは俯いた。
「はぁー」
アリアはため息をついた後、ティナの頭を撫でた。
「何言ってるのティナ…昔の事なんて関係ないわ、私が知ってるティナは、うるさくて、食い意地がはってて、我儘で、言う事を聞かないろくでもない子だけど…街のみんなや私達を一番に思ってくれる素敵なシスターでしょ」
「アリア…」
俯いていたティナから笑みが溢れた。
「そうだな、私は私だ、ありがとなアリア…」
笑みを返すように、アリアも微笑んだ。
「どういたしまして」
ティナがカイルを見る。
「それで私にどうやって魔獣を見つけろと」
「しらばっくれるな、お前魔光の痕跡が見えるだろ」
「お前どうしてそれを…」
「元六花なめるなよ、魔光兵器を使ってお前と戦った事もあるんだ、お前の行動からそんなの読み取れるわ!?」
ティナは少し黙った後口を開いた。
「クソ、わかったよ…探せばいいんだろ」
アリアが怒った表情でティナを見た。
「いけません、そんな危ない事許しません」
「だそうだ、カイル残念だったな」
カイルが懐から、金貨の入った袋を取り出した。
「一応報酬も用意したのだが」
金貨を見てアリアが黙り込んだ。
「そんなの出されても、アリアが許してくれないから行けません、アリアからも言ってやれよ!」
「ティナ行きなさい」
「えっ?」
アリアがティナに顔を近づけながらもう一度口を開く。
「ティナ行きなさい」
「アリア、目が怖いぞ」
「ティナ…」
「わかった、わかったから、その顔やめて、本当に怖いぞ」
「話しはまとまったか、行くぞティナ」
「あいよ」
教会を出よとするカイルをアリアが呼び止めた。
「あの、隊長さん」
「どうかされましたか?」
「くれぐれもティナを危ない目に合わさないでくださいね」
「はい、私が絶対に守りますので」
「それでは、よろしくお願いします」
頭を下げるアリアに見送られながら、ティナとカイルは教会を出た。
「あー面倒くさい、サボりたい」
「またアンジュさんに怒られるよ」
「ババアは、教会本部に呼出しを受けてるんだろ、サボってもバレねえよ」
「私がアンジュさんに報告するからバレるよ」
「アリアてめー」
2人が言い合いをしてると、教会の扉が開いた。
ティナ達が扉の方を見ると、そこにはカイルの姿があった。
ティナが嫌そうな顔をした。
「お前何しに来たんだ」
「お客様に対して失礼なやつだな」
「お帰りくださいお客様、神はあなたの顔をみたくないらしいです」
「お前はいつから神と対話できるようになったんだ」
「こらティナ、隊長さんに失礼な態度をとらない」
「えー」
「えーじゃありません」
アリアがカイルの方を見る。
「すいません、ティナが毎回失礼を…」
「いえ、いいですよ、アリアさんのせいではありませんから」
「それで今日はどういった用事で来られたのですか?」
「ええ、今日はティナに用があって」
ティナは自分を指差した。
「私に用事なのか、てっきりアリアを口説きに来たのかと…」
カイルがため息をつく。
「お前は俺を何だと思ってるんだ、今日は仕事で来てるんだぞ、ほら憲兵の服来てるだろ」
「仕事中にアリアを食事に誘ってただろ!?」
「まぁその事は一旦置いといてだな」
「おい…勝手に置くな」
「今日はさっき言った通り、仕事できた、正確に言えば、お前に仕事の依頼を持って来た」
ティナが首を傾げる。
「依頼?」
「そうだ依頼だ、最近街で連続して行方不明者が出てるのを知ってるか?」
「あぁこの前市場で聞いた」
「行方不明者達に接点はなく、手がかりも見つからない、何一つ痕跡がないんだ…俺はこの事件が人の手で行われたものではないと思っている」
「じゃあ誰がやったんだよ」
「魔獣だ」
ティナがその言葉に反応する。
「魔獣だと…」
アリアが会話を遮るように手を振って否定した。
「隊長さん、ここ数年魔獣を見たって話し周辺の街でも聞きませんよ、勘違いでは?それに魔獣なんて人目についてすぐ噂になるでしょ」
「そうでもないですよアリアさん、お前なら俺の言ってる事が分かるだろティナ」
ティナが真剣な表情で答える。
「あぁ…」
「どうしたのティナ真剣な顔して…」
ティナは少し黙った後アリアを見た。
「なぁアリア、魔獣ってどうやってできるか知ってるか?」
アリアが首を傾げる。
「自然に生まれてくるんじゃないの?」
「自然に生まれたら今頃大変なことになってるわ!?」
カイルがティナに代わって説明を始めた。
「アリアさん、魔光石ってご存知ですか?」
「すごいエネルギーを持ってる石ですよね」
「そうです、魔光と呼ばれる未知のエネルギーを持った石です、そしてあの大戦を引き起こす、きっかけになった石でもあります」
教会内が静まりかえる。
「帝国は、領土内で大量に採掘された魔光石を使い数々の兵器を生み出し、周辺諸国に戦争をしかけ、数々の国を侵略して行きました」
「そして、帝国は軍事力を上げるため一つの実験を行いました」
「実験ですか?」
「その実験とは、生物と魔光石との融合実験です」
アリアは顔をこわばらせた。
「まさかその実験って」
カイルが頷いた。
「そうです、魔獣を生み出す実験です、なので魔獣は誰かが人為的に作り出さないと生まれません」
「それじゃあ、もし隊長さんの予想が当たっていれば…」
カイルがティナを見る。
「何者かがカヌエの街内部で、魔獣を生み出したという事です」
黙り込んでいたティナが口を開いた。
「私がやったとでも…」
ティナの言葉にカイルが腹を抱えて笑った。
「お前みたいなバカに魔獣を生み出せるわけないだろ!?」
「何だと、誰がバカだ!」
カイルに殴りかかろうとするティナをアリアが抑えた。
「ちょっとティナ怒らない、怒らない」
「じゃあお前、本当に何しに来たんだよ?」
「言っただろ依頼だ依頼、魔獣探しのな」
アリアがカイルを睨みつける。
「ティナに危険なマネをさせろとでも…」
「そう睨まないでくださいアリアさん、探す手伝いだけです」
「どうしてティナなんですか?」
黙り込むティナを見てカイルが口を開く。
「先程帝国の実験の話しをしましたね」
「はい」
「その実験の最終的な目的は、人と魔光との融合…すなわち人間兵器を生み出す事です」
「それってまさか…」
「そこにいるティナ=ハーロックは、人と魔光の融合体…帝国が生み出した人間兵器です」
「ティナ…まさか…」
ティナは唇を噛みながら答えた。
「そうだ、私は人でもないただの化け物だ、気持ち悪いだろ…」
そう言ってティナは俯いた。
「はぁー」
アリアはため息をついた後、ティナの頭を撫でた。
「何言ってるのティナ…昔の事なんて関係ないわ、私が知ってるティナは、うるさくて、食い意地がはってて、我儘で、言う事を聞かないろくでもない子だけど…街のみんなや私達を一番に思ってくれる素敵なシスターでしょ」
「アリア…」
俯いていたティナから笑みが溢れた。
「そうだな、私は私だ、ありがとなアリア…」
笑みを返すように、アリアも微笑んだ。
「どういたしまして」
ティナがカイルを見る。
「それで私にどうやって魔獣を見つけろと」
「しらばっくれるな、お前魔光の痕跡が見えるだろ」
「お前どうしてそれを…」
「元六花なめるなよ、魔光兵器を使ってお前と戦った事もあるんだ、お前の行動からそんなの読み取れるわ!?」
ティナは少し黙った後口を開いた。
「クソ、わかったよ…探せばいいんだろ」
アリアが怒った表情でティナを見た。
「いけません、そんな危ない事許しません」
「だそうだ、カイル残念だったな」
カイルが懐から、金貨の入った袋を取り出した。
「一応報酬も用意したのだが」
金貨を見てアリアが黙り込んだ。
「そんなの出されても、アリアが許してくれないから行けません、アリアからも言ってやれよ!」
「ティナ行きなさい」
「えっ?」
アリアがティナに顔を近づけながらもう一度口を開く。
「ティナ行きなさい」
「アリア、目が怖いぞ」
「ティナ…」
「わかった、わかったから、その顔やめて、本当に怖いぞ」
「話しはまとまったか、行くぞティナ」
「あいよ」
教会を出よとするカイルをアリアが呼び止めた。
「あの、隊長さん」
「どうかされましたか?」
「くれぐれもティナを危ない目に合わさないでくださいね」
「はい、私が絶対に守りますので」
「それでは、よろしくお願いします」
頭を下げるアリアに見送られながら、ティナとカイルは教会を出た。
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