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魔獣 その3
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「ギュルル…」
分身体が断末魔を上げ倒れ込む。
ティナは自分の頭を掻きむしった。
「あーーー、さっきから何体いるだよ」
「本体が街に出てこない事を考えると、魔獣はまだ成長しきっていないはずだ、その調子で頑張れ」
ティナがカイルを睨みつける。
「お前も少しは働けよ!なんで私ばっかり戦ってるんだーーー」
「魔光を切ると剣がもたないからな」
「じゃあ剣を使わず戦え」
カイルがキメ顔でティナを見る。
「剣のない俺は役立たずだぜ」
「はぁぁぁ、使えねーー」
「そんな事より先に進むぞ」
ティナは深いため息を着いた。
「はぁー、もうわかったよ」
通路を進み、用水路に着いたティナ達は、魔獣を探しながら用水路内を歩いていた。
「なぁこの流れてる水はどこに向かってるんだ?」
「街から離れた海に向かって流れてるぞ」
「汚い水を教会から見える海に流すなよ」
「安心しろ、浄水装置で水は綺麗になってるから大丈夫だ」
「それも魔光石を使ってるのか?」
「装置を動かすために微量だが使ってるな」
ティナが呆れた顔でカイルを見る。
「お前ら魔光石に頼り過ぎじゃないか」
「まぁそう言うな、魔光石は危険だが、そのおかげで人類の生活が豊かになったのも確かだ、使用方法を間違わなければ、これ程有益な物はないからな」
「そうか、街が自滅しないようせいぜい見張っとけよ」
カイルが笑いながら答えた。
「憲兵の俺に言うな、俺が見れるのは俺の手が届く範囲だけだ、だから先に魔獣の討伐だな」
「じゃあそろそろ魔獣に会いに行くか」
「お前魔獣の居場所がわかったのか?」
「多分だがな…魔獣は人間を食べるために海には出ない、つまり街の中心部に位置する場所にいるはずだ」
カイルが腕を組みながら考える。
「中心部か……そうか、中央にある水害時用の巨大空間ならもしかすると」
「そんな空間があるのか」
「あぁ、川の氾濫や、街が水で沈まないために一時的に水を貯水できる空間があるんだ、ティナそこに向かうぞ」
「おう」
高さ50m程の大きさの空間が地下に広がる。
街が丸々入りそうなその空間は、数百以上の巨大な柱で支えられていた。
「デカすぎだろ」
目の前に広がる巨大な空間に、ティナは口を開け驚いた。
驚くティナの様子を見て、カイルはドヤ顔でティナを見た。
「そうだろ、でかいだろ」
「ここだけ灯りがついてるんだな」
「ここは、大戦の時にシェルターとして使用されてたからな、灯りがついてるのも当然だ」
「そんな機能まであんのか!?」
「さぁ早く降りて魔獣を探すぞ」
そう言うとカイルは壁に設置されているハシゴを降り始めた。
「おいカイル上見んなよ」
「はぁ?なんでだ?」
ティナが少しだけ頬を赤くする。
「私が修道服だからだよ、見えるだろ…」
「ガキのパンツなんかに興味はない、アリアさんのなら興味あ…」
カイルの顔に勢いよくティナの蹴りが入った。
「ぐはぁ、ティナテメー…」
そのままカイルは地面に向かい落ちて行った。
梯子を降りたティナに、カイルが怒鳴った。
「お前覚えとけよ」
「ガキなんで覚えてませーん」
怒鳴るカイルの横をティナが歩く。
「早くしろよ、魔獣探すぞ」
「お前いつか泣かすからな」
「やれるもんならやってみろ」
巨大な柱を見ながらティナは口を開いた。
「ほんとでかいなこの柱」
「まぁ地上で爆撃あっても耐えれるからな」
「しかし、広いな探し回ってるけど、こう広かったら見つからないな」
「確かにだいぶ広いからなここは…」
ティナが急に立ち止まった。
「おいティナどうした?」
「なぁ、柱って動く機能でもあんのか」
「はぁ?何言ってんだお前、そんな機能あるわけないだろ」
「だよな…」
「訳分からん事言ってないで行くぞ」
ティナが顔を青くして指を差した。
「じゃああれはなんだと思う?」
ティナの指差す方向を見てカイルが顔を引きつらした。
そこには、家程の大きさの巨大なネズミ型の魔獣がいた。
「あぁ、あれは変わった柱だな、多分新しく導入されたんだろ」
「そっか柱かー」
2人が苦笑いを浮かべていると、魔獣が2人の方を見た。
「チュチュチュ」
2人は反転し走りだした。
「無理無理無理無理、デカすぎだろあれ」
「おい人間兵器なんとかしろよ」
「クソ憲兵お前がなんとかしろ、市民を守れや」
地響きと共に魔獣が2人の後を追う。
「おい追って来てるぞ」
「カイル、お前の自慢の剣技の見せ場が来たぞ」
「あんなデカいの切れるか」
「私を絶対守るって、アリアと約束してただろ!」
「よし、ティナは各地に出没した魔獣を狩るため旅に出たと言うことにしよう」
「帰ったらお前の無能っぷりをアリアに教えてやらないとなー!」
走る2人の目の前にハシゴが見えた。
「じゃあなカイル、囮よろしく」
そう言うとティナは加速し、ハシゴに手をかけ登り始めた。
追いついたカイルが剣を振るった。
「させるか!?」
カイルの剣がハシゴを両断した。
「えっ?」
激しい音と共にティナは地面に落ちた。
「カイルテメー」
起き上がったティナがカイルの胸ぐらを掴んだ。
「お前唯一の脱出手段を潰してどうすんだよ」
「おかしいな、劣化してハシゴが折れたのかな?」
「バレる嘘をつくなよ!」
「そんな事より、腹くくってあいつを倒すぞ」
ティナが頭をかきながら魔獣を見る。
「はぁ、一回戻っていろいろ準備したかったな…仕方ないやるか」
追ってくる魔獣に対し、ティナとカイルは構え始めた。
「よし、行くぞ!?」
分身体が断末魔を上げ倒れ込む。
ティナは自分の頭を掻きむしった。
「あーーー、さっきから何体いるだよ」
「本体が街に出てこない事を考えると、魔獣はまだ成長しきっていないはずだ、その調子で頑張れ」
ティナがカイルを睨みつける。
「お前も少しは働けよ!なんで私ばっかり戦ってるんだーーー」
「魔光を切ると剣がもたないからな」
「じゃあ剣を使わず戦え」
カイルがキメ顔でティナを見る。
「剣のない俺は役立たずだぜ」
「はぁぁぁ、使えねーー」
「そんな事より先に進むぞ」
ティナは深いため息を着いた。
「はぁー、もうわかったよ」
通路を進み、用水路に着いたティナ達は、魔獣を探しながら用水路内を歩いていた。
「なぁこの流れてる水はどこに向かってるんだ?」
「街から離れた海に向かって流れてるぞ」
「汚い水を教会から見える海に流すなよ」
「安心しろ、浄水装置で水は綺麗になってるから大丈夫だ」
「それも魔光石を使ってるのか?」
「装置を動かすために微量だが使ってるな」
ティナが呆れた顔でカイルを見る。
「お前ら魔光石に頼り過ぎじゃないか」
「まぁそう言うな、魔光石は危険だが、そのおかげで人類の生活が豊かになったのも確かだ、使用方法を間違わなければ、これ程有益な物はないからな」
「そうか、街が自滅しないようせいぜい見張っとけよ」
カイルが笑いながら答えた。
「憲兵の俺に言うな、俺が見れるのは俺の手が届く範囲だけだ、だから先に魔獣の討伐だな」
「じゃあそろそろ魔獣に会いに行くか」
「お前魔獣の居場所がわかったのか?」
「多分だがな…魔獣は人間を食べるために海には出ない、つまり街の中心部に位置する場所にいるはずだ」
カイルが腕を組みながら考える。
「中心部か……そうか、中央にある水害時用の巨大空間ならもしかすると」
「そんな空間があるのか」
「あぁ、川の氾濫や、街が水で沈まないために一時的に水を貯水できる空間があるんだ、ティナそこに向かうぞ」
「おう」
高さ50m程の大きさの空間が地下に広がる。
街が丸々入りそうなその空間は、数百以上の巨大な柱で支えられていた。
「デカすぎだろ」
目の前に広がる巨大な空間に、ティナは口を開け驚いた。
驚くティナの様子を見て、カイルはドヤ顔でティナを見た。
「そうだろ、でかいだろ」
「ここだけ灯りがついてるんだな」
「ここは、大戦の時にシェルターとして使用されてたからな、灯りがついてるのも当然だ」
「そんな機能まであんのか!?」
「さぁ早く降りて魔獣を探すぞ」
そう言うとカイルは壁に設置されているハシゴを降り始めた。
「おいカイル上見んなよ」
「はぁ?なんでだ?」
ティナが少しだけ頬を赤くする。
「私が修道服だからだよ、見えるだろ…」
「ガキのパンツなんかに興味はない、アリアさんのなら興味あ…」
カイルの顔に勢いよくティナの蹴りが入った。
「ぐはぁ、ティナテメー…」
そのままカイルは地面に向かい落ちて行った。
梯子を降りたティナに、カイルが怒鳴った。
「お前覚えとけよ」
「ガキなんで覚えてませーん」
怒鳴るカイルの横をティナが歩く。
「早くしろよ、魔獣探すぞ」
「お前いつか泣かすからな」
「やれるもんならやってみろ」
巨大な柱を見ながらティナは口を開いた。
「ほんとでかいなこの柱」
「まぁ地上で爆撃あっても耐えれるからな」
「しかし、広いな探し回ってるけど、こう広かったら見つからないな」
「確かにだいぶ広いからなここは…」
ティナが急に立ち止まった。
「おいティナどうした?」
「なぁ、柱って動く機能でもあんのか」
「はぁ?何言ってんだお前、そんな機能あるわけないだろ」
「だよな…」
「訳分からん事言ってないで行くぞ」
ティナが顔を青くして指を差した。
「じゃああれはなんだと思う?」
ティナの指差す方向を見てカイルが顔を引きつらした。
そこには、家程の大きさの巨大なネズミ型の魔獣がいた。
「あぁ、あれは変わった柱だな、多分新しく導入されたんだろ」
「そっか柱かー」
2人が苦笑いを浮かべていると、魔獣が2人の方を見た。
「チュチュチュ」
2人は反転し走りだした。
「無理無理無理無理、デカすぎだろあれ」
「おい人間兵器なんとかしろよ」
「クソ憲兵お前がなんとかしろ、市民を守れや」
地響きと共に魔獣が2人の後を追う。
「おい追って来てるぞ」
「カイル、お前の自慢の剣技の見せ場が来たぞ」
「あんなデカいの切れるか」
「私を絶対守るって、アリアと約束してただろ!」
「よし、ティナは各地に出没した魔獣を狩るため旅に出たと言うことにしよう」
「帰ったらお前の無能っぷりをアリアに教えてやらないとなー!」
走る2人の目の前にハシゴが見えた。
「じゃあなカイル、囮よろしく」
そう言うとティナは加速し、ハシゴに手をかけ登り始めた。
追いついたカイルが剣を振るった。
「させるか!?」
カイルの剣がハシゴを両断した。
「えっ?」
激しい音と共にティナは地面に落ちた。
「カイルテメー」
起き上がったティナがカイルの胸ぐらを掴んだ。
「お前唯一の脱出手段を潰してどうすんだよ」
「おかしいな、劣化してハシゴが折れたのかな?」
「バレる嘘をつくなよ!」
「そんな事より、腹くくってあいつを倒すぞ」
ティナが頭をかきながら魔獣を見る。
「はぁ、一回戻っていろいろ準備したかったな…仕方ないやるか」
追ってくる魔獣に対し、ティナとカイルは構え始めた。
「よし、行くぞ!?」
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