これから、彼と

８話①

「この間来た転入生の様子はどうだ？」

僕の作ったおつまみをたべながら、尚しょうが聞く

「様子はどうだ？ってどういう意味？」

「珍しい時期に転入して来ただろう？」

あぁ、そうか、生徒のことを心配しているんだな。やはり尚しょうは優しいな

「頭も良く、スポーツも出来るし、イケメンだし、コミュニティ能力も優れているみたいで、もう、みなと馴染んでいるよ、それに、なんとなく…」

「なんとなく、何だ？」

「いや、何でもない」

何となく高校時代の理事長を思い出すなんて…尚しょうには言えない。そんなことを言ったら、また、尚しょうは僕のことを色々と心配しだすだろう。今だって、充分心配して、毎日のように、こうして、仕事帰りに様子を見に来てくれている。尚しょうに、もう、これ以上、心配はかけたくない