これから、彼と

栄吉

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10話②

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私は現在いま瑠華るか様と璃音りおと一緒に理事長室にいる

「俺を理事長室に呼んで、俺達の関係がバレたら、マズくないのか?」

「転入してきたばかりの生徒を呼んだんだ。手続き上のことだと言えば問題ない。私達の関係がバレることはない」

私はそう言って、一呼吸おくと、

「それよりも、私は、新田虎之丞しんでんとらのじょうの行動を逐一報告しろと言った筈だ。屋上で二人で昼食を食べるくらいには仲良くなったようだが、報告がないのは何故だ」

と、言った

「俺のことも見張ってるのか?」

璃音りおが、瑠華るか様と私の顔を見ながら言う

「見張ってるだなんて、人聞きの悪い」

瑠華るか様が言う

虎之丞とらのじょうは至ってマジメな生徒だ。成績優秀、スポーツ万能、誰とでも仲良くできるイイ奴だ」

璃音りおがそう言うと

「そんなことを聞いているのではない」

瑠華るか様が言う

「じゃあ、どんなことを聞きたいんだ?恋愛関係のこととか?」

瑠華るか様との顔色が少し変わった。やはり、彼のこととなると、冷静さを欠くのだな

「人の恋愛事情に口出すなんて、それは、理事長としての立場からなのか?」

「そうだ。教師と生徒の恋愛はPTAや教育委員会が煩い」

瑠華るか様が言う

「理事長としての立場ね、でも、そんなことに目くじらをたてられるような立場のか?」

「どういう意味だ」「どういう意味だ」

私と瑠華るか様が同時に言う

「どういう意味だって、言葉どうりの意味だよ」

「……」「……」

「お前は、オヤジに子供と妻を捨てさせて、秘書兼恋人にしているじゃないか。そんな奴が生徒と先生の恋愛に関して、とやかく言えるのかってことだよ」


「お前などと言うんじゃない。瑠華るか様だ。ましてや瑠華るか様は…」

「僕のことを何て呼ぼうがどうでも良い。それよりも、玲音れおんは恋人ではない」

瑠華るか様が言う

「恋人ではない?世間では二人は恋人同士でペアリングをしていると思っているぞ、俺もそう思っているけどな」

世間にどう思われても良いと思っていた。しかし、まさか、璃音りおもずっとそんな勘違いをしていたなんて

「これは、瑠華るか様とのペアリングではない。遠目から見ると似ているが、近くで見るとデザインが少し違う。それに、これは、璃華りか様とのペアリングだ」


「俺は、オフクロが、そんなデザインの指輪しているのなんて、見たことないぞ」

璃華りか様は立場上人目のあるところでペアリングなんてつけられないからな、見たことなくても仕方ない。だが、璃華りか様は今も、大事に持っている筈だ」

「僕の指輪は、彼とのペアリングだ」

「彼?」

「僕が高校を卒業する時に彼に指輪を贈っている。だが、彼は、その指輪を身につけてもいないし、持っている様子もない」

「彼とやらが誰かは分からないが、そんなの直接本人に聞けば良いだろう」

そうだ、その通りなのだ。だが、瑠華るか様には無理だ。ビジネスに関しては冷静沈着な瑠華るか様が、彼のこととなるると冷静さを失う。ましてや、彼の前だと、思ったことなど言えない
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