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2話
しおりを挟む次の日は、最悪で、私達が嫌いな雨だった。
私も雨は嫌いだ。
だってお婆ちゃんに会えないから……。
早く晴れないかな……お婆ちゃんに会いたいよ。
次の日もまた次の日も雨だった。
今日もお婆ちゃんに会えそうにないな……。
その時だった。
他の仲間達が急いで、高いところに逃げろ! って叫んでいた。
私はよく分からなかったけど、必死な仲間達に誘われて高い場所に逃げた。
そこから見たのは川から水が溢れだして家が半分くらい沈んでるのが分かった。
私は、ゾッとした。
もし逃げ遅れてたら私は……お婆ちゃん! お婆ちゃんは大丈夫だろうか……確かめたい、でも水が苦手で泳げない私は、確かめる事も出来ない。
仲間達にも確かめたけど逃げるのに必死で分からないとの事だった。
どうか無事でいて、お婆ちゃん。
その後、やっと晴れたのは7日後だった。
その間に仲間達によると人間が壊れてしまった川を直してなんとかしたらしい。
水は未だに残っていて私達は逃げた場所から動けなかった。
私は早くお婆ちゃんが無事か知りたかった。
それから何日が経ったかは分からないけどやっと水がひいては少しだけ泥が残ってるだけになった。
私は急いで、少しだけ泥だらけになりながらもお婆ちゃん家に急いだ。
お婆ちゃん家が見え、いつものように縁側へと向かうと、畳やタンスなどが置いてあった。
そんなの関係ないと、いつもより大きな鳴き声で、ニャー、と鳴いた。
いつもならすぐに出てくるお婆ちゃんが出てこない。
もう一度、ニャー、と鳴いたが出てこない。
ニャー、ニャー、ニャー。
(お婆ちゃん、お婆ちゃん、お婆ちゃん! )
やっと鳴き声に気づいたのか誰かが出てきた。
「ネコ? もしかしてここのお婆ちゃんの飼い猫か?」
「ネコなんて飼ってるなんて聞いたことなかったけどなぁ」
「あ、そういえば……いつもお婆ちゃんに会いに来てる野良猫なら見たことある、このネコちゃんじゃない?」
(誰? お婆ちゃんは無事なの? )
私はそのお婆ちゃん家にいる3人の人間を見つめた。
離れない私を見た人間が私に近づいてきた。
「お婆ちゃん、今はね避難所にいるよ。後で私が連れていってあげるわ」
「今、連れていってあげなよ。ネコちゃん、凄く会いたいって言ってるみたいだし」
「そうね。じゃあ行ってくるわ、行こうかネコちゃん」
よく分からないけど女の人に抱き抱えられ、私はお婆ちゃんの家から出てしばらく抱き抱えられたまま歩いてテントがいっぱい建ってる所に着いた。
私はキョロキョロと回りを見て、お婆ちゃんを見つけると女の人の腕の中から飛び降りてお婆ちゃんの所へと向かった。
ニャー!
私が強く鳴くとお婆ちゃんがこちらを振り向いた。
「クロ!」
私はすぐにお婆ちゃんの腕にすり寄った。
(お婆ちゃん、良かった無事で……本当に良かった! )
「クロ、無事だったのかい。良かった良かった!」
お婆ちゃんは私を抱き締めた。
暖かくて、とても安心した。
もうずっと離れたくないって思った。
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