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第六章 カーネリアン王国の夏
◇46 スラス伯爵家
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朝起きてから、昨日のようにマリアが来てくれた。支度の準備を手伝ってくれて、それからお母様達と朝食をとった。この世界に来てから最初の頃に食べた久しぶりのちょっと微妙な味……ではあったけれど、ちゃんと食べた。ナカムラ兄妹は……あぁ、料理とにらめっこしてる……気持ちはわかる。
「……あら?」
「どうした?」
馬車に乗り込もうと思ったところで、足を止めた。宿の近くにいる女の子を見つけたからだ。彼女の手には籠とお花。通る人達に声をかけているみたいだけど、見向きもせず通り過ぎていく人達ばかり。
マリア、と彼女を呼び持ってきて預けていた私のお小遣いを貰って女の子の所に。
「お、お花いりませんか?」
「可愛いお花ね、いくつあるの?」
「その……」
籠の中にはこんもりお花がたくさん。いち、に、さん……と数えてみたら、全部で25本。
見たところ、摘みたてだしお花も綺麗。これ、なんていうお花なんだろう。後で持ってきたお花図鑑を見てみよう。
「じゃあ、全部ちょうだい」
「ぜっ全部ですか!?」
「うん」
吃驚したようで固まってしまったみたい。いくら? と聞いたら我に返り値段を教えてくれた。じゃあ、25本だから、と計算して袋の中からお金を出して渡した。
本当にいいの? と言った顔をしていたけれど、私は笑ってありがとうと返した。ちょっと驚かせちゃったかな。
「お嬢様、旅行中ですよ?」
「あはは、ついね」
「もう」
喜んでくれたんだからいいじゃない。それに、ちゃんと押し花セットは持ってきているから問題なしだ。
けれど、ア~ヤ~メ~ちゃ~ん~! とお母様には言われてしまい、お花は取り上げられてしまった。次に泊まる宿でマリアに押し花にしてもらいなさい、と。はぁーい、そうします。
「アヤメちゃんらしいね」
「そう?」
「そうだな」
るんるんで馬車に乗り込んだのだった。
きっと、あの子は生活に困ってたんじゃないかな。こういう子っているんだ、と思っていたらつい身体が動いてしまった。
「この国って孤児院とかあるの?」
「どの国にもそういう所はあると思うよ。さっきの子はきっと孤児院の子なんじゃないのかな。そんな服装だったし」
へぇ、見れば分かるんだ。私そういうの全然知らないからな。あとでお母様かマリアに教えてもらおう。
そう思いつつ馬車に揺られながら外を眺めていた。
途中で休憩を入れつつ、売られている屋台の食べ物を買って食べたり。二人はここに来てあまり経ってないから私と同じく知らない事ばかり。結構楽しかった。
「なにこれ~!」
「揚げ物? 素揚げみたいな?」
「じゃない?」
「ジャガイモっぽい!」
「だな」
日本の食べ物と比べつつ。けれど、ちょっと塩分多いな、これ。
そんな楽しい旅路を進んでいたら、今日の泊まる場所、スラス伯爵のお屋敷に到着した。ここは、この時期になると毎年ここに泊めてもらっているらしい。とても友好的で良い人なんだとか。だから、今年も歓迎してくれた。
事前に人数を伝えておいたから、宿でのグループで3部屋用意してくれている。
「ぜひお会いしたいと私共思っておりました、アドマンス嬢」
「光栄です」
玄関前でスラス伯爵が自ら出迎えてくれた。伯爵は、私と話をしたかったらしい。もしかして、事業の話がしたいのかな? デビュタントでもそんな話が沢山来たし。
では食事までごゆっくり、と各部屋に案内された。
さすが伯爵家のお屋敷なだけに、用意してくださったお部屋はとても豪華だ。アドマンス家とはまた違った雰囲気だから、ちょっと落ち着かないかも。でも泊めてくださってありがとうございます。
食事の時間になり、マリアが呼びに来てくれた。お母様達とも合流して、食堂に。
食堂には、伯爵の家族だろう人達が集まっていた。夫人と、息子さんなのかな?
「妻のナミリア、そして息子のウォールです」
「お久しぶりです、アドマンス公爵夫人、レストリス侯爵夫人、そして初めましてですね、アドマンス令嬢、それと……」
「スフェーン王国から参りました、ナカムラ男爵家次男タクミ・ナカムラと、私の妹で長女のナナミ・ナカムラです」
伯爵達はナカムラ男爵の事を知っていたらしいけれど、料理革命を起こしたお爺様の事しか聞いた事がなかったみたい。だけど、話はすぐに私に移ってしまった。
沢山の料理が並べられ、食事をしながら私の事業のお話が続いた。そういった話を知らない人にするのが苦手だったから、途中でお母様が話題を変えてくれて。
「そういえば、ご令嬢にはまだ婚約者がいないと聞きました」
「あ、はい」
「ウチの息子は優秀でしてね、歳も近いですし、まずはお話から…」
「申し訳ないけれど、娘はまだこちらに来て日が浅いから、そう言ったものはまだ早いと思っているの」
ズバッとお母様がそう言ってくださったので何とかその話は終わった。歳が近いって言ってたけど、見たところ20代後半くらいじゃない? 全然近くないじゃないですか。10歳くらい離れてるんですけど。
……とは顔には出さず、ニコニコして食事を終えたのだった。
「下心ありすぎよ、あのヒゲ親父」
「あ、はは……」
お部屋に戻ってすぐにナナミちゃんの口からそれが出てきた。だいぶムカついているようだ。
「しかもあの紹介した男、ずーっとアヤメちゃんの事ジロジロ見ててさぁ、気持ち悪いったらありゃしない」
そんなナナミちゃんの様子に、私は苦笑いしか出来なかった。だってほんとの事だもん。
そんな時、コンコンッ、とこの部屋のドアがノックされた。マリアかな? と思ってたけど、それは意外な人だった。いや、少し考えてみればあり得るか。
さっき話題に出てきた人、この家の子息だった。
私が出たほうがいいかも、と言ってナナミちゃんが出てくれた。私、隠れてた方がいい? どこに隠れようか。何しに来たのか気になるから扉の死角になるここにいようかな。とこっそり音を立てずに隠れた。
「こんばんは、ナナミ嬢。アヤメさんはいらっしゃいますか?」
「……今日初めて会ったレディにその呼び方はないんじゃないですか」
許可、貰ったんですか? と聞くナナミちゃん。アヤメさん、だなんて許可した覚えはない。そこはアドマンス嬢かアヤメ嬢でしょ。
彼は、それは失礼しました、と謝罪はしてきたけど直す気はないらしい。それで? とまた聞いてきた。
「何かご用ですか?」
「夜分遅くにすみません。少し、貴方とお話ししたいと思いましてね」
「……」
すまないと思ってるなら来ないでよ。と言ってしまいそうになってしまった。
これは困ったな。断る? でも泊めてもらってる身だし。
と、困っていたら何となく足音が聞こえてきた。マリア? それともジルベルト?
「こんな夜遅くに何してるんです?」
「……こんばんは」
わぁ、この声はタクミ君だ。タイミングバッチリじゃない?
「ただお話をしにきただけですよ」
「夜分遅くに、今日初めて会ったご令嬢達と?」
「えぇ」
「まさか、伯爵家の子息がこんな不躾な方だとは思いませんでしたよ。話は明日の朝にしてやってくれませんか」
「……貴方は?」
「ウチの妹が忘れ物をしたんでね、届けに来ただけですよ」
忘れ物……? マリア、何か間違っちゃったかな? でも宿の時はなかったよね?
子息は、不満そうな声で、おやすみなさいと一言残して去っていった。
戻ったかな? とそっと扉の方に顔を出した。
「ありがとお兄ちゃん」
「いいよ、別に。偶然だし」
ほれ、と渡された布に包まれた荷物。あ、とナナミちゃんが受け取って。中身が分かったのかな。
んじゃおやすみ、と帰っていった。
「あ~なるほどなるほど」
「え?」
中身を開けたナナミちゃんは何か分かったようだ。忘れ物のはずだよね? でも、一緒に見た私は、これがナナミちゃんのものだとは思えなかった。
だって、これ男物の着物じゃん。これ絶対タクミ君のだよね。
「お兄ちゃん耳いいからね~」
「あ、なるほど」
わざわざ助けに来てくれたのか。後でまたお礼言わなきゃ。
不満気ではあったから、また来るかなと思ってはいたけどその心配はいらなかったみたい。
朝も絶対来るだろうな、と思ってたらビンゴ。でも準備を手伝いに来てくれたマリアが追い返してくれた。マリア、強いな。
でも、朝ご飯中も話題は私の事だった。お母様が何とかしてくれたけど。
滞在時間が一泊だけでよかったぁ、って思っちゃった。まぁ、予定より早い出発ではあったけど。
どんだけ私を婚約者にしたいのよ、と呆れてしまったけど異世界人だから仕方ない、のかな?
「おにーちゃーん、なにぶすーっとしてるのよ」
「してない」
「いや、丸わかりよ」
「見間違いだろ」
「いやいやいや、それはないって」
遠くで何やら話してるナカムラ兄妹。何話してるんだろ? 料理の話とか?
「……あら?」
「どうした?」
馬車に乗り込もうと思ったところで、足を止めた。宿の近くにいる女の子を見つけたからだ。彼女の手には籠とお花。通る人達に声をかけているみたいだけど、見向きもせず通り過ぎていく人達ばかり。
マリア、と彼女を呼び持ってきて預けていた私のお小遣いを貰って女の子の所に。
「お、お花いりませんか?」
「可愛いお花ね、いくつあるの?」
「その……」
籠の中にはこんもりお花がたくさん。いち、に、さん……と数えてみたら、全部で25本。
見たところ、摘みたてだしお花も綺麗。これ、なんていうお花なんだろう。後で持ってきたお花図鑑を見てみよう。
「じゃあ、全部ちょうだい」
「ぜっ全部ですか!?」
「うん」
吃驚したようで固まってしまったみたい。いくら? と聞いたら我に返り値段を教えてくれた。じゃあ、25本だから、と計算して袋の中からお金を出して渡した。
本当にいいの? と言った顔をしていたけれど、私は笑ってありがとうと返した。ちょっと驚かせちゃったかな。
「お嬢様、旅行中ですよ?」
「あはは、ついね」
「もう」
喜んでくれたんだからいいじゃない。それに、ちゃんと押し花セットは持ってきているから問題なしだ。
けれど、ア~ヤ~メ~ちゃ~ん~! とお母様には言われてしまい、お花は取り上げられてしまった。次に泊まる宿でマリアに押し花にしてもらいなさい、と。はぁーい、そうします。
「アヤメちゃんらしいね」
「そう?」
「そうだな」
るんるんで馬車に乗り込んだのだった。
きっと、あの子は生活に困ってたんじゃないかな。こういう子っているんだ、と思っていたらつい身体が動いてしまった。
「この国って孤児院とかあるの?」
「どの国にもそういう所はあると思うよ。さっきの子はきっと孤児院の子なんじゃないのかな。そんな服装だったし」
へぇ、見れば分かるんだ。私そういうの全然知らないからな。あとでお母様かマリアに教えてもらおう。
そう思いつつ馬車に揺られながら外を眺めていた。
途中で休憩を入れつつ、売られている屋台の食べ物を買って食べたり。二人はここに来てあまり経ってないから私と同じく知らない事ばかり。結構楽しかった。
「なにこれ~!」
「揚げ物? 素揚げみたいな?」
「じゃない?」
「ジャガイモっぽい!」
「だな」
日本の食べ物と比べつつ。けれど、ちょっと塩分多いな、これ。
そんな楽しい旅路を進んでいたら、今日の泊まる場所、スラス伯爵のお屋敷に到着した。ここは、この時期になると毎年ここに泊めてもらっているらしい。とても友好的で良い人なんだとか。だから、今年も歓迎してくれた。
事前に人数を伝えておいたから、宿でのグループで3部屋用意してくれている。
「ぜひお会いしたいと私共思っておりました、アドマンス嬢」
「光栄です」
玄関前でスラス伯爵が自ら出迎えてくれた。伯爵は、私と話をしたかったらしい。もしかして、事業の話がしたいのかな? デビュタントでもそんな話が沢山来たし。
では食事までごゆっくり、と各部屋に案内された。
さすが伯爵家のお屋敷なだけに、用意してくださったお部屋はとても豪華だ。アドマンス家とはまた違った雰囲気だから、ちょっと落ち着かないかも。でも泊めてくださってありがとうございます。
食事の時間になり、マリアが呼びに来てくれた。お母様達とも合流して、食堂に。
食堂には、伯爵の家族だろう人達が集まっていた。夫人と、息子さんなのかな?
「妻のナミリア、そして息子のウォールです」
「お久しぶりです、アドマンス公爵夫人、レストリス侯爵夫人、そして初めましてですね、アドマンス令嬢、それと……」
「スフェーン王国から参りました、ナカムラ男爵家次男タクミ・ナカムラと、私の妹で長女のナナミ・ナカムラです」
伯爵達はナカムラ男爵の事を知っていたらしいけれど、料理革命を起こしたお爺様の事しか聞いた事がなかったみたい。だけど、話はすぐに私に移ってしまった。
沢山の料理が並べられ、食事をしながら私の事業のお話が続いた。そういった話を知らない人にするのが苦手だったから、途中でお母様が話題を変えてくれて。
「そういえば、ご令嬢にはまだ婚約者がいないと聞きました」
「あ、はい」
「ウチの息子は優秀でしてね、歳も近いですし、まずはお話から…」
「申し訳ないけれど、娘はまだこちらに来て日が浅いから、そう言ったものはまだ早いと思っているの」
ズバッとお母様がそう言ってくださったので何とかその話は終わった。歳が近いって言ってたけど、見たところ20代後半くらいじゃない? 全然近くないじゃないですか。10歳くらい離れてるんですけど。
……とは顔には出さず、ニコニコして食事を終えたのだった。
「下心ありすぎよ、あのヒゲ親父」
「あ、はは……」
お部屋に戻ってすぐにナナミちゃんの口からそれが出てきた。だいぶムカついているようだ。
「しかもあの紹介した男、ずーっとアヤメちゃんの事ジロジロ見ててさぁ、気持ち悪いったらありゃしない」
そんなナナミちゃんの様子に、私は苦笑いしか出来なかった。だってほんとの事だもん。
そんな時、コンコンッ、とこの部屋のドアがノックされた。マリアかな? と思ってたけど、それは意外な人だった。いや、少し考えてみればあり得るか。
さっき話題に出てきた人、この家の子息だった。
私が出たほうがいいかも、と言ってナナミちゃんが出てくれた。私、隠れてた方がいい? どこに隠れようか。何しに来たのか気になるから扉の死角になるここにいようかな。とこっそり音を立てずに隠れた。
「こんばんは、ナナミ嬢。アヤメさんはいらっしゃいますか?」
「……今日初めて会ったレディにその呼び方はないんじゃないですか」
許可、貰ったんですか? と聞くナナミちゃん。アヤメさん、だなんて許可した覚えはない。そこはアドマンス嬢かアヤメ嬢でしょ。
彼は、それは失礼しました、と謝罪はしてきたけど直す気はないらしい。それで? とまた聞いてきた。
「何かご用ですか?」
「夜分遅くにすみません。少し、貴方とお話ししたいと思いましてね」
「……」
すまないと思ってるなら来ないでよ。と言ってしまいそうになってしまった。
これは困ったな。断る? でも泊めてもらってる身だし。
と、困っていたら何となく足音が聞こえてきた。マリア? それともジルベルト?
「こんな夜遅くに何してるんです?」
「……こんばんは」
わぁ、この声はタクミ君だ。タイミングバッチリじゃない?
「ただお話をしにきただけですよ」
「夜分遅くに、今日初めて会ったご令嬢達と?」
「えぇ」
「まさか、伯爵家の子息がこんな不躾な方だとは思いませんでしたよ。話は明日の朝にしてやってくれませんか」
「……貴方は?」
「ウチの妹が忘れ物をしたんでね、届けに来ただけですよ」
忘れ物……? マリア、何か間違っちゃったかな? でも宿の時はなかったよね?
子息は、不満そうな声で、おやすみなさいと一言残して去っていった。
戻ったかな? とそっと扉の方に顔を出した。
「ありがとお兄ちゃん」
「いいよ、別に。偶然だし」
ほれ、と渡された布に包まれた荷物。あ、とナナミちゃんが受け取って。中身が分かったのかな。
んじゃおやすみ、と帰っていった。
「あ~なるほどなるほど」
「え?」
中身を開けたナナミちゃんは何か分かったようだ。忘れ物のはずだよね? でも、一緒に見た私は、これがナナミちゃんのものだとは思えなかった。
だって、これ男物の着物じゃん。これ絶対タクミ君のだよね。
「お兄ちゃん耳いいからね~」
「あ、なるほど」
わざわざ助けに来てくれたのか。後でまたお礼言わなきゃ。
不満気ではあったから、また来るかなと思ってはいたけどその心配はいらなかったみたい。
朝も絶対来るだろうな、と思ってたらビンゴ。でも準備を手伝いに来てくれたマリアが追い返してくれた。マリア、強いな。
でも、朝ご飯中も話題は私の事だった。お母様が何とかしてくれたけど。
滞在時間が一泊だけでよかったぁ、って思っちゃった。まぁ、予定より早い出発ではあったけど。
どんだけ私を婚約者にしたいのよ、と呆れてしまったけど異世界人だから仕方ない、のかな?
「おにーちゃーん、なにぶすーっとしてるのよ」
「してない」
「いや、丸わかりよ」
「見間違いだろ」
「いやいやいや、それはないって」
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