73 / 115
第八章 国際サミット
◇73 天ぷら
しおりを挟む
今朝、スフェーン王国の使者がこちらの邸宅にいらっしゃった。殿下からの伝言を持ってきてくれたのだ。
ナカムラ子息達が今日王城の料理人達との顔合わせになるから様子を見に行ってやってほしい、と。まぁ、すぐにでも動かなきゃ時間間に合わないもんね。
大丈夫かなぁ、と不安を抱きつつ馬車で王城に向かった。
殿下は、王宮の門番の方に一言言っておいてくれたみたいで、すぐに厨房に案内してくれた。
ん、だけど……
何だろう、この不穏な雰囲気。
タクミ、ナナミちゃん、ナオさん、リカルドさんと【なかむら】スタッフ勢ぞろいで来たみたいなんだけど……四人で話し合いをしてから何かにとりかかったみたい。
それを見ていた私に、ナオさんは気付いたみたい。駆け寄ってくれた。ナオさん、いつも気遣って下さってありがとうございます。忙しいのに邪魔しちゃってごめんなさい。
「来てくれてありがとう、悪いんだけど、味見してくれない?」
「え?」
あ、味見ですか?
どういう事? と聞こうと思っていたその時、厨房の皆さんが私に気付いたらしい、邪魔するつもりじゃなかったんだけど、ご挨拶をした。
「突然来てしまい申し訳ありません、私、アヤメ・アドマンスと申します」
「このような場所に来て下さるとは光栄です」
一応、私が来る事は知っていたらしい。見学をしたいらしいと言ってくれていたみたい。私の事は気にしないでください、と椅子だけ用意してもらった。
「料理長さん、料理判定はお嬢様にしてもらうのはいかがですか」
「……いいだろう、ではお嬢様、今から二つの料理を作りますのでどちらが美味しいか判定していただけませんか」
「え?」
「ただの腕試しです。こんな事に巻き込んでしまって申し訳ない気持ちはあるのですが、如何でしょう」
「あ、はい、私でよければ」
と、いう事になってしまった。
ナオさんに説明を求めると、タクミ達が来た時にいざこざがあったと教えてくれた。
「ふざけんな、ここは俺らの領域だ。余所者が入れるような場所でもねぇんだよ」
「はぁ? それはこっちのセリフだよ。こっちは王命を受けてここに来てんだ、邪魔するようだったら訴えるぞ」
「例え王命を受けていたとしても、お前らが出来る事なんてこれっぽっちもない。相手は他国の王族の方々だ、お前らみたいなひよっこに出来る事なんてこれっぽっちもねぇんだよ」
と。タクミ達は他国から来た者達だし、男社会な領域にナナミちゃん達(?)女性もいる。だから怒ってしまったわけね。
それで、タクミはこう言い放ったらしい。
「料理人なら口であーだーこーだー言うより料理で言え」
「いいだろう、ならお前達の異邦料理を食ってやろうじゃねぇか」
と、いう事になったらしい。お題は『揚げ物』で、皆さん油を用意してるみたい。
以前、スフェーンの王城でもこの手を使ったらしくて。だから今回もこれを言い出したみたい。
「それでね、アヤメちゃんにお願いがあるんだけどいい?」
「え?」
「アイツ、頭に血が上ってるみたいだから何とかしてくれない?」
アイツ、とはタクミの事らしい。確かに顔が怖い。
でも、何とかしろと言われても。何をすればいいのか聞いてみたら、小声でこしょこしょ。さ、頑張って! と見送られてしまった。頼まれてしまったのだからやらなきゃいけないし、と思いつつタクミに近寄った。
「アヤメ、嬢?」
私に気が付いたタクミの背中を……思いっきり叩いた。そして一言。
「お腹空いた」
……ちょっと強く叩きすぎたかな。黙っちゃった。でも、今度は笑い出して。
「了解、期待しててください」
王城の方々がいらっしゃる手前、いつもと同じような接し方ではないけれど、でも大丈夫そうな顔に戻ったから大丈夫かな。
包丁のまな板を叩くリズミカルな音が聞こえてくる。というか、速い。油を用意している人達もいて。この世界では、コンロはガスじゃない。魔道具だ。一度【なかむら】の厨房に入った事はあるけれど、管がなかった。
他の調理器具も魔道具のようなものが沢山。さすが異世界だ。ここでも魔道具登場か。
あ、どちらも揚げる作業に入ったかな? 油の音がするし、良い匂いがしてきた。朝ご飯を食べた後だけれど、なんかお腹が空いてきたかも。
「おまちどうさん、アヤメ嬢」
「完成いたしました、アドマンス嬢」
おぉ、ほぼピッタリ。意外と気が合う?
これは……天ぷら!! こっちは……何だろう。衣が、白い。
ではいただきます、とフォークでまずはここの料理人さんの方にナイフとフォークを入れた。中身は……お肉? 真ん中がちょっと赤いから、火の入れ加減がレアくらい?
ナイフで切っている感覚的には、普通の焼いたお肉みたい。一口にカットして、パクリ、と口に入れた。
……肉汁? 火は入ってる、と思うんだけど……肉の味しかしない。味付けってしたのかな。ここからだと見えなかったから確認出来なかったけれど、たぶんこれ、味付けしてない。
衣も、薄い。この味ってどう表せばいいのか分からないけれど……ちょっとこれ全部食べ切るのは無理かもしれない。
「これ、もしかしてソースあります?」
「え? ありませんよ。如何でしょう、肉本来の味を十分に引き出した揚げ料理です」
「うーん、ちょっと、私の口には、薄く感じます」
「え”っ」
あ、なんか、ごめんなさい。
さてさてお待ちかねの天ぷら!! 王宮の方々には悪いけれど、さっきからとても良い匂いがしてて早く食べたかったんだよね。何から行こうかな~! よし、君に決めた! エビだ! たぶん!
皆さんが見ているから今日は優雅に行こう。ナイフでエビを切った瞬間サクっといい音が鳴って余計食欲をそそられる。では、いただきます!
ん~~! 美味しい~~~!! サクサク感と中身のエビのぷりぷり!! 最初にかけた塩の味も見事にマッチしていくらでもいけちゃう!!
「え、尻尾までいくんですか?」
「エビに失礼」
「あははっ、流石アヤメ嬢!」
パクパク食べてしまいあっという間になくなってしまった。あぁ、今度は天丼をお願いしちゃおうかな。
あっ、王城の方々忘れてた。唖然として、口をぽかんとしていらっしゃる皆さん。私、悪い事しちゃったかな。でも、正直に言ったほうがいいよね。
「どーぞ」
この方達用に揚げていた天ぷらをナナミちゃんが出すと、一目散にフォークを持ってくる料理人さん達。あれ、そこまでですか?
そして、一口食べた瞬間に目を見開きバクバクと食べ始めてしまった。そのお陰でもうお皿はすっからかん。
すみませんでした、と皆さんすごい勢いで謝ったのだった。
「アヤメちゃんが美味しそ~に食べてくれたお陰だよ~!」
「え、本当?」
「ほんとほんと。アヤメちゃん正直だからね~、助かりましたよ」
でも、どうしてタクミはとっても不機嫌なのでしょう。という疑問に答えてくれたナナミちゃん。
「アヤメちゃんに中途半端な料理を食べさせたくなかったんだと思うよ。ほら、こっちにも丸見えだったじゃん?」
あ、王城の方々が揚げ料理を作ってたところか。食べる時にあんな顔をしていたのはそのせいね。
「アヤメちゃん忙しくて全然こっち来れなかったから結構不機嫌だったのよ。だから余計ね」
と、教えてくれた。私もずっと【なかむら】に行きたかったです。でも思わぬところで食べられたので私は満足。
と言っても、私その会食にも参加する事になってしまってるんだよねぇ……だから緊張はするけれどタクミ達の料理が食べられるのなら万々歳。楽しみだなぁ。
ナカムラ子息達が今日王城の料理人達との顔合わせになるから様子を見に行ってやってほしい、と。まぁ、すぐにでも動かなきゃ時間間に合わないもんね。
大丈夫かなぁ、と不安を抱きつつ馬車で王城に向かった。
殿下は、王宮の門番の方に一言言っておいてくれたみたいで、すぐに厨房に案内してくれた。
ん、だけど……
何だろう、この不穏な雰囲気。
タクミ、ナナミちゃん、ナオさん、リカルドさんと【なかむら】スタッフ勢ぞろいで来たみたいなんだけど……四人で話し合いをしてから何かにとりかかったみたい。
それを見ていた私に、ナオさんは気付いたみたい。駆け寄ってくれた。ナオさん、いつも気遣って下さってありがとうございます。忙しいのに邪魔しちゃってごめんなさい。
「来てくれてありがとう、悪いんだけど、味見してくれない?」
「え?」
あ、味見ですか?
どういう事? と聞こうと思っていたその時、厨房の皆さんが私に気付いたらしい、邪魔するつもりじゃなかったんだけど、ご挨拶をした。
「突然来てしまい申し訳ありません、私、アヤメ・アドマンスと申します」
「このような場所に来て下さるとは光栄です」
一応、私が来る事は知っていたらしい。見学をしたいらしいと言ってくれていたみたい。私の事は気にしないでください、と椅子だけ用意してもらった。
「料理長さん、料理判定はお嬢様にしてもらうのはいかがですか」
「……いいだろう、ではお嬢様、今から二つの料理を作りますのでどちらが美味しいか判定していただけませんか」
「え?」
「ただの腕試しです。こんな事に巻き込んでしまって申し訳ない気持ちはあるのですが、如何でしょう」
「あ、はい、私でよければ」
と、いう事になってしまった。
ナオさんに説明を求めると、タクミ達が来た時にいざこざがあったと教えてくれた。
「ふざけんな、ここは俺らの領域だ。余所者が入れるような場所でもねぇんだよ」
「はぁ? それはこっちのセリフだよ。こっちは王命を受けてここに来てんだ、邪魔するようだったら訴えるぞ」
「例え王命を受けていたとしても、お前らが出来る事なんてこれっぽっちもない。相手は他国の王族の方々だ、お前らみたいなひよっこに出来る事なんてこれっぽっちもねぇんだよ」
と。タクミ達は他国から来た者達だし、男社会な領域にナナミちゃん達(?)女性もいる。だから怒ってしまったわけね。
それで、タクミはこう言い放ったらしい。
「料理人なら口であーだーこーだー言うより料理で言え」
「いいだろう、ならお前達の異邦料理を食ってやろうじゃねぇか」
と、いう事になったらしい。お題は『揚げ物』で、皆さん油を用意してるみたい。
以前、スフェーンの王城でもこの手を使ったらしくて。だから今回もこれを言い出したみたい。
「それでね、アヤメちゃんにお願いがあるんだけどいい?」
「え?」
「アイツ、頭に血が上ってるみたいだから何とかしてくれない?」
アイツ、とはタクミの事らしい。確かに顔が怖い。
でも、何とかしろと言われても。何をすればいいのか聞いてみたら、小声でこしょこしょ。さ、頑張って! と見送られてしまった。頼まれてしまったのだからやらなきゃいけないし、と思いつつタクミに近寄った。
「アヤメ、嬢?」
私に気が付いたタクミの背中を……思いっきり叩いた。そして一言。
「お腹空いた」
……ちょっと強く叩きすぎたかな。黙っちゃった。でも、今度は笑い出して。
「了解、期待しててください」
王城の方々がいらっしゃる手前、いつもと同じような接し方ではないけれど、でも大丈夫そうな顔に戻ったから大丈夫かな。
包丁のまな板を叩くリズミカルな音が聞こえてくる。というか、速い。油を用意している人達もいて。この世界では、コンロはガスじゃない。魔道具だ。一度【なかむら】の厨房に入った事はあるけれど、管がなかった。
他の調理器具も魔道具のようなものが沢山。さすが異世界だ。ここでも魔道具登場か。
あ、どちらも揚げる作業に入ったかな? 油の音がするし、良い匂いがしてきた。朝ご飯を食べた後だけれど、なんかお腹が空いてきたかも。
「おまちどうさん、アヤメ嬢」
「完成いたしました、アドマンス嬢」
おぉ、ほぼピッタリ。意外と気が合う?
これは……天ぷら!! こっちは……何だろう。衣が、白い。
ではいただきます、とフォークでまずはここの料理人さんの方にナイフとフォークを入れた。中身は……お肉? 真ん中がちょっと赤いから、火の入れ加減がレアくらい?
ナイフで切っている感覚的には、普通の焼いたお肉みたい。一口にカットして、パクリ、と口に入れた。
……肉汁? 火は入ってる、と思うんだけど……肉の味しかしない。味付けってしたのかな。ここからだと見えなかったから確認出来なかったけれど、たぶんこれ、味付けしてない。
衣も、薄い。この味ってどう表せばいいのか分からないけれど……ちょっとこれ全部食べ切るのは無理かもしれない。
「これ、もしかしてソースあります?」
「え? ありませんよ。如何でしょう、肉本来の味を十分に引き出した揚げ料理です」
「うーん、ちょっと、私の口には、薄く感じます」
「え”っ」
あ、なんか、ごめんなさい。
さてさてお待ちかねの天ぷら!! 王宮の方々には悪いけれど、さっきからとても良い匂いがしてて早く食べたかったんだよね。何から行こうかな~! よし、君に決めた! エビだ! たぶん!
皆さんが見ているから今日は優雅に行こう。ナイフでエビを切った瞬間サクっといい音が鳴って余計食欲をそそられる。では、いただきます!
ん~~! 美味しい~~~!! サクサク感と中身のエビのぷりぷり!! 最初にかけた塩の味も見事にマッチしていくらでもいけちゃう!!
「え、尻尾までいくんですか?」
「エビに失礼」
「あははっ、流石アヤメ嬢!」
パクパク食べてしまいあっという間になくなってしまった。あぁ、今度は天丼をお願いしちゃおうかな。
あっ、王城の方々忘れてた。唖然として、口をぽかんとしていらっしゃる皆さん。私、悪い事しちゃったかな。でも、正直に言ったほうがいいよね。
「どーぞ」
この方達用に揚げていた天ぷらをナナミちゃんが出すと、一目散にフォークを持ってくる料理人さん達。あれ、そこまでですか?
そして、一口食べた瞬間に目を見開きバクバクと食べ始めてしまった。そのお陰でもうお皿はすっからかん。
すみませんでした、と皆さんすごい勢いで謝ったのだった。
「アヤメちゃんが美味しそ~に食べてくれたお陰だよ~!」
「え、本当?」
「ほんとほんと。アヤメちゃん正直だからね~、助かりましたよ」
でも、どうしてタクミはとっても不機嫌なのでしょう。という疑問に答えてくれたナナミちゃん。
「アヤメちゃんに中途半端な料理を食べさせたくなかったんだと思うよ。ほら、こっちにも丸見えだったじゃん?」
あ、王城の方々が揚げ料理を作ってたところか。食べる時にあんな顔をしていたのはそのせいね。
「アヤメちゃん忙しくて全然こっち来れなかったから結構不機嫌だったのよ。だから余計ね」
と、教えてくれた。私もずっと【なかむら】に行きたかったです。でも思わぬところで食べられたので私は満足。
と言っても、私その会食にも参加する事になってしまってるんだよねぇ……だから緊張はするけれどタクミ達の料理が食べられるのなら万々歳。楽しみだなぁ。
191
あなたにおすすめの小説
異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜
京
恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。
右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。
そんな乙女ゲームのようなお話。
異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
召喚先は、誰も居ない森でした
みん
恋愛
事故に巻き込まれて行方不明になった母を探す茉白。そんな茉白を側で支えてくれていた留学生のフィンもまた、居なくなってしまい、寂しいながらも毎日を過ごしていた。そんなある日、バイト帰りに名前を呼ばれたかと思った次の瞬間、眩しい程の光に包まれて──
次に目を開けた時、茉白は森の中に居た。そして、そこには誰も居らず──
その先で、茉白が見たモノは──
最初はシリアス展開が続きます。
❋他視点のお話もあります
❋独自設定有り
❋気を付けてはいますが、誤字脱字があると思います。気付いた時に訂正していきます。
『異世界転生してカフェを開いたら、庭が王宮より人気になってしまいました』
ヤオサカ
恋愛
申し訳ありません、物語の内容を確認しているため、一部非公開にしています
この物語は完結しました。
前世では小さな庭付きカフェを営んでいた主人公。事故により命を落とし、気がつけば異世界の貧しい村に転生していた。
「何もないなら、自分で作ればいいじゃない」
そう言って始めたのは、イングリッシュガーデン風の庭とカフェづくり。花々に囲まれた癒しの空間は次第に評判を呼び、貴族や騎士まで足を運ぶように。
そんな中、無愛想な青年が何度も訪れるようになり――?
【受賞&書籍化】先視の王女の謀(さきみのおうじょのはかりごと)
神宮寺 あおい
恋愛
謎解き×恋愛
女神の愛し子は神託の謎を解き明かす。
月の女神に愛された国、フォルトゥーナの第二王女ディアナ。
ある日ディアナは女神の神託により隣国のウィクトル帝国皇帝イーサンの元へ嫁ぐことになった。
そして閉鎖的と言われるくらい国外との交流のないフォルトゥーナからウィクトル帝国へ行ってみれば、イーサンは男爵令嬢のフィリアを溺愛している。
さらにディアナは仮初の皇后であり、いずれ離縁してフィリアを皇后にすると言い出す始末。
味方の少ない中ディアナは女神の神託にそって行動を起こすが、それにより事態は思わぬ方向に転がっていく。
誰が敵で誰が味方なのか。
そして白日の下に晒された事実を前に、ディアナの取った行動はーー。
カクヨムコンテスト10 ファンタジー恋愛部門 特別賞受賞。
わんこな旦那様の胃袋を掴んだら、溺愛が止まらなくなりました。
楠ノ木雫
恋愛
若くして亡くなった日本人の主人公は、とある島の王女李・翠蘭《リ・スイラン》として転生した。第二の人生ではちゃんと結婚し、おばあちゃんになるまで生きる事を目標にしたが、父である国王陛下が縁談話が来ては娘に相応しくないと断り続け、気が付けば19歳まで独身となってしまった。
婚期を逃がしてしまう事を恐れた主人公は、他国から来ていた縁談話を成立させ嫁ぐ事に成功した。島のしきたりにより、初対面は結婚式となっているはずが、何故か以前おにぎりをあげた使節団の護衛が新郎として待ち受けていた!?
そして、嫁ぐ先の料理はあまりにも口に合わず、新郎の恋人まで現れる始末。
主人公は、嫁ぎ先で平和で充実した結婚生活を手に入れる事を決意する。
※他のサイトにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる