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第一章 【2人の兄編】
胸のモヤモヤ ~グレンside~
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私はある日、リーゼリア家の双子の次男として生を授かりました。幼い頃から勉学に励み、魔法を得意とし、現在、王都にある魔法学校でも優秀な成績を収め、同学年で私に敵うものはいません。
肉体的にはあまり自信はありませんが、それ以外では何の不自由もありません。……唯一つの事を除いては、ね。
それは私の弟、ノエルの存在でした。私はノエルが心の底から嫌いです。小さなことでわめき散らし、私の勉強を妨害し、自己中心的な考えしかできないダメ人間。
生まれてから数年はとても優しい弟でした。勉強した私のことを慕ってくれていましたし、熱を出して倒れた時も一生懸命看病してくれた記憶があります。母様と父様に早く寝るよう怒られてシュンとした姿は鮮明に覚えてます。
しかし、いつからか酷くわがままになってしまい、だんだんと私はノエルのことを視界に入れることさえも嫌になり、存在していないものとしていました。双子の兄であるレイヴン兄様も同様にノエルのことが嫌いだと言っていました。言っていたはずですが……この前裏庭で、ノエルとレイヴン兄様が楽しそうにおしゃべりしているところを見た途端、胸部分に嫌なモヤモヤとした感覚が私を苦しめ、そのことに動揺を隠しきれませんでした。
こんな感覚は生まれて初めて持った感覚で、私自身どうしたら良いのかわからなくなって、その日の夜はあまり眠れませんでした。
そして今日、私はその感覚の正体を確かめるべく大嫌いなノエルと朝からデートをしているというわけです。
……しかし、なぜかノエルは1週間ほど前、崖から落ちた日からいつもと様子が変わりました。
何というか、昔の優しかったノエルに戻ったみたいに思えて仕方ないですね。
あれほど嫌っていた私やレイヴン兄様に大好きだと言ったり、次の日にはクッキーを作って来てくれたり……。
だから最近では嫌いという感情も少しばかり薄れたはずです。なにせ、視界に入れても嫌な気分にならないんですから。
ただし、嫌な気分にならない代わりに、胸がチクチクと痛み出すんです。それと同時に切なさが込み上げてくる。
本当に、私はどうしてしまったのでしょうね。
肉体的にはあまり自信はありませんが、それ以外では何の不自由もありません。……唯一つの事を除いては、ね。
それは私の弟、ノエルの存在でした。私はノエルが心の底から嫌いです。小さなことでわめき散らし、私の勉強を妨害し、自己中心的な考えしかできないダメ人間。
生まれてから数年はとても優しい弟でした。勉強した私のことを慕ってくれていましたし、熱を出して倒れた時も一生懸命看病してくれた記憶があります。母様と父様に早く寝るよう怒られてシュンとした姿は鮮明に覚えてます。
しかし、いつからか酷くわがままになってしまい、だんだんと私はノエルのことを視界に入れることさえも嫌になり、存在していないものとしていました。双子の兄であるレイヴン兄様も同様にノエルのことが嫌いだと言っていました。言っていたはずですが……この前裏庭で、ノエルとレイヴン兄様が楽しそうにおしゃべりしているところを見た途端、胸部分に嫌なモヤモヤとした感覚が私を苦しめ、そのことに動揺を隠しきれませんでした。
こんな感覚は生まれて初めて持った感覚で、私自身どうしたら良いのかわからなくなって、その日の夜はあまり眠れませんでした。
そして今日、私はその感覚の正体を確かめるべく大嫌いなノエルと朝からデートをしているというわけです。
……しかし、なぜかノエルは1週間ほど前、崖から落ちた日からいつもと様子が変わりました。
何というか、昔の優しかったノエルに戻ったみたいに思えて仕方ないですね。
あれほど嫌っていた私やレイヴン兄様に大好きだと言ったり、次の日にはクッキーを作って来てくれたり……。
だから最近では嫌いという感情も少しばかり薄れたはずです。なにせ、視界に入れても嫌な気分にならないんですから。
ただし、嫌な気分にならない代わりに、胸がチクチクと痛み出すんです。それと同時に切なさが込み上げてくる。
本当に、私はどうしてしまったのでしょうね。
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