マシュマロ系令嬢は悪役令嬢にはなれない

きみいち

文字の大きさ
4 / 30
マシュマロ系令嬢と婚約者

4.

しおりを挟む
「――エマさん、ハンスといっしょに使いを頼まれてくれないか?」
「え?」

 ルゴット夫人を送り出しリビングに戻ってきたエマに、婚約者が書きつけを差し出した。
 エマのなめらかな眉間に、一瞬が寄る。

「今からこの用事をすませることになりますと、マリアベル様の夕飯のお時間までに間に合うかどうか……」
「私がいるから問題はないよ。マリアベル嬢も大丈夫だよね?」
「はい、大丈夫です」
「でも……」

 渋るエマの肩に、婚約者の侍従がなにかをあきらめた表情で手を置いた。



「マリアベル嬢、おいで」

 そう言って婚約者が叩いたのは、自身の膝の上だった。

「え? あの……」

 異性の膝の上に乗るなど、幼い頃に父親の膝の上に乗せてもらった以来だ。はっきりわかることは、社交界デビュー間近の令嬢のすることではない。

 戸惑うマリアベルに婚約者が微笑む。

「マリアベル嬢は私の妻になる人だから、将来背負う重みと責任をじかに感じたいんだ」
「まあ、シモン様」

 なんて責任感の強い方だろう。
 マリアベルは感激しながら、婚約者の膝の上に身体を横にして腰を下ろした。

 婚約者が張り出したマリアベルの胸を見つめているが、婚約者の顔がちょうどそこになるのでしょうがないのである。

「あの、重くはございませんか?」
「大丈夫。そんなやわな鍛え方はしていないよ。それよりも、あなたの侍女は優秀だけど、ちょっと意地悪だね」
「えっ? エマがシモン様に対して、なにか粗相でも?」
「このワンピースは襟がローマンカラーのうえ、背中側にくるみボタンが付いている」
「はい、そうですね」

 マリアベルは修道女の制服のように、首元まである立ち襟に手を添える。
 ちょっと胸のあたりが窮屈だけれども、エマが選んだのだから文句はない。

「つまり、胸元はのぞき見れないし、脱がしにくい」

 マリアベルはかちんと固まった。
 のぞき見? 脱がしにくい?

「うひゃあっ!?」

 婚約者がマリアベルの胸に頬を押し付けた。

「ああ、やわらかい……」
「やっ、あっ、シモン様っ!?」

 婚約者の右手は、ワンピースの上から胸の弾力を確かめるように動き、左手はマリアベルの背中のボタンを器用に外している。

 マリアベルのワンピースが腰のあたりまですとんと落ちた。上半身を下着姿にされたマリアベルは、慌てて胸とぽっこりお腹をおさえる。

 婚約者の手のひらが、下着の裾から入ってきた。

「やぁ、あっ、んっ、シモンさまぁ」

 マリアベルの大ぶりなふたつの果実は、婚約者の手によって乱暴に揉みしだかれ、吸い付かれなぶられ甘噛みされる。

「シモン様っ、ぁ、いたっ、うぅっ」
「はあっ、はあっ、マリアベルは私のものだ。絶対、逃すものか」

 ふるふる震えるマリアベルの胸の谷間に顔を埋めて、婚約者がなにやら不穏なことを口走っている。

 ――逃がすもなにもあなたの婚約者はさほどモテませんわよ。
 マリアベルは胸もとにある婚約者の頭を抱きしめた。
 
「シモン様。わたしはあなたのものです」
「マリアベル!」

 真っ赤に色づいた果実の先端を、ぢゅううっと強く吸われ、マリアベルは背中を反らした。

「ひゃあん、シモンさまぁっ!!」

 じわりと股の間が濡れた気がする。
 もじもじと膝を擦り合わせていると、マリアベルの果実をむさぼるのに夢中になっていた婚約者が顔を上げた。

「ああ、濡らしてしまった?」
「ごめんなさい」
「どうして謝るの? 私の愛撫で感じてくれたんだろう? 嬉しいよ」

 婚約者は嬉しそうに微笑むと、安堵するマリアベルの膝下に腕を通し、抱え上げた。

「シモン様!?」
「こういう時のために鍛えているんだ」

 婚約者の足は、まっすぐマリアベルの寝室へと向かっていた。
 ドアを開けマリアベルを寝台へと横たわらせると、自身もすぐに乗り上げてくる。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

側妃は捨てられましたので

なか
恋愛
「この国に側妃など要らないのではないか?」 現王、ランドルフが呟いた言葉。 周囲の人間は内心に怒りを抱きつつ、聞き耳を立てる。 ランドルフは、彼のために人生を捧げて王妃となったクリスティーナ妃を側妃に変え。 別の女性を正妃として迎え入れた。 裏切りに近い行為は彼女の心を確かに傷付け、癒えてもいない内に廃妃にすると宣言したのだ。 あまりの横暴、人道を無視した非道な行い。 だが、彼を止める事は誰にも出来ず。 廃妃となった事実を知らされたクリスティーナは、涙で瞳を潤ませながら「分かりました」とだけ答えた。 王妃として教育を受けて、側妃にされ 廃妃となった彼女。 その半生をランドルフのために捧げ、彼のために献身した事実さえも軽んじられる。 実の両親さえ……彼女を慰めてくれずに『捨てられた女性に価値はない』と非難した。 それらの行為に……彼女の心が吹っ切れた。 屋敷を飛び出し、一人で生きていく事を選択した。 ただコソコソと身を隠すつもりはない。 私を軽んじて。 捨てた彼らに自身の価値を示すため。 捨てられたのは、どちらか……。 後悔するのはどちらかを示すために。

お飾り王妃の死後~王の後悔~

ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。 王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。 ウィルベルト王国では周知の事実だった。 しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。 最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。 小説家になろう様にも投稿しています。

【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが

ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。 定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました

蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。 そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。 どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。 離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない! 夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー ※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。 ※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。

処理中です...