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第七話 夏の初花
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やってられるかよ、と呟いて白羅は立ち上がった。冷ややかに池を見下ろし、プイッと顔を背けて反対方向へ歩き出す。自分を取り巻く霧が濃くなり、さっきまでは見えていた足の甲が隠れた。
(さっき黒い水で見たのは、包の皮を剥いた時だよな……)
たしか、漣が白羅の従僕になってから三月ほど経った頃だ。
最初は強引に抱いていた。焔禅の顔を見た大事な生き証人だから、殴るな蹴るな殺すなと命じられていたものの、どうせコイツもすぐに死ぬだろう。そんな風に思っていたからだ。
だが意外と漣は持ちこたえた。仲間の一人だった夜鷹の女が、漣に通和散を与えて使い方を教えたのもある。
「死にたくなかったら、腹くくるしか無いんだよ」
それが夜鷹の女の口癖だった。彼女の指導もあり、早いうちに漣は白羅に口淫しながら後孔をほぐすことを覚えた。そして白羅に犯される現実を受け入れたのか、激しい抵抗をしなくなった。それでも。
「お前なんか、お前なんか大嫌いだ……」
小さな声で睨みながら、眉に皺を寄せて痛みに耐えながら、漣はいつも呟いた。その小さな反抗心が白羅には面白く映り、もっと喘がせてやろうと昂ぶった。
だから抱いた。抱きまくった。暇になれば抱いた。暇でなくても抱いた。気が向いたら抱いた。
白羅の仕事は人斬りなので、命令に従って人を斬りさえすれば誰も何も言わなかった。当時たむろしていた大きな屋敷の一室で、飯を食って酒を飲んで眠る日々を過ごしていた白羅は、情欲が湧くたびに漣を抱き潰した。
三ヶ月。漣の肌に噛みつき、吸い付き、舐め回した。沢山の噛み跡と赤紫の痣がつき、漣の乳首はあっという間に小豆くらいまで膨らんだ。尻も引き締まり、後孔も広がり、剛直を突き挿せばナカが吸い付いてくるくらいまで身体が作り変えられた。
漣の肉体が己の獣淫を浴びるうちに熟すので、白羅はますます面白がった。
「うっ、あっ……ああっ……」
「そういや漣、お前ってまだ包なんだよなあ」
夏の昼だった。裸の漣を羽交い締めにした状態で胡座をかいた白羅は、若い陰茎をしごいて包皮を剥こうとした。刺激が強くて痛いのか、漣は身をよじって嫌がる。
「だーいじょーぶだって。痛いのなんざ、すぐに収まるって」
「ひっ! や、やだっ、止めて!」
「まあまあ……お、剥けたぜ。真っ赤だなあ。それに小せえし……お前、本当に男かぁ?」
ヒィッ……と喘ぐように叫び、漣は涙を流した。ポロポロと眦から溢れる透明な雫を、背後の白羅は笑いながら舐める。
なぜか不思議なことに、この頃の白羅はどれほど漣を抱き潰しても、壊して構わない相手だとは思えなくなっていた。
だから、性交の最中に漣がひどく嫌がった時や、泣き出したりすると、いったん動きを止めて舐めた。どうして舐めるのか白羅自身もよく分からないが、しばらくすると漣は落ち着き、困ったように眉を顰めて睨んできた。その表情を見てしまうと、白羅はなんともいえない心持ちになり、いっそう滾ってしまうのだが。
その日は何度かしごいたものの、痛みが強かったのか漣は達せず、飽きた白羅はいつもの通り押し倒そうとしたが、なんとなく気が変わり、少し違うことをしようと考えた。
「おら、漣。イケねえんなら、淫売のメスみたいに腰を振れ」
そう言って横たわると、白羅は褌を緩めて己の剛直を出した。そして、赤黒く張り詰めた肉棒を振りつつ、上にまたがって尻穴を嵌めろと命令する。
「……ちくしょう……」
そう零した漣は、半泣きになりながら通和散を探そうとするも、その手を白羅に止められた。
「いつでもソレがあるって思うなよ。無い時はどうすればいいか、テメエの頭で考えねえとなあ」
ニヤリと笑った白羅は、戸惑う漣の頭を掴み、己の股へ充てがった。
「ほぅら、よーく考えろよ」
眉間に皺を寄せつつ、漣は白羅の魔羅をしぶしぶ咥えた。眦に涙を浮かべながら、たどたどしい舌遣いで竿を舐め、亀頭をしゃぶる。鈴口から塩苦く生臭い液体があふれ出した。
「それを口ん中に貯めて、お前の尻ほぐすのに使え」
魔羅を包み込む口腔の熱さと舌の動きに悦楽を覚えて、白羅は笑った。誰かに対して、こんな風に命令して言うことをきかせるのは初めてだが、なかなか面白い。
絶望的な顔をした漣が顔を上げ、口元へ右手をやった。先走りと唾液の混ざったものをだらりと手のひらに垂らし、そのまま腕を捻って尻を触ろうとした時。
「どうやってほぐすのか見せてみろよ」
オレに見えるようにやれと、白羅はわざと意地悪そうな声で命令した。
漣は羞恥に耐えながら四つんばいになり、白羅の目の前に尻を向けた。手の中の液体を後孔に流し入れるように、人差し指と中指を使い、滑らかな双丘の谷間にある秘孔を縦に広げる。白い指がクチュクチュと音を立てながら二本、三本と出入りするたびに、少しづつ肉紅色の粘膜が広がっていく。
「…………んっ……」
どうやら漣は声を出さないようにしているらしい。
顔を見たいな。なんとなく白羅はそう思った。盛った犬のような姿で尻孔に指を抜き差しする細い身体が妙に色っぽく、いつになく漣が淫らに思えて、肉慾をそそられたのもある。
「ちんたらやってんじゃねーよ」
「はうっ!」
前言撤回。白羅はがばりと起き上がるなり、漣の上に覆いかぶさった。獣の交尾の姿勢で、漣の背後から後ろ孔に向けて、ぬらぬら光る己の魔羅をぐいっと挿し込む。先走りがけっこう出ていたこともあってか、思っていたよりすんなり入った。
漣の眉がきゅっと顰められる。
「……ああっ……んっ、ふうっ……」
グプッ、グチュッと音を立てて抜き挿しする。パンパンと肉体がぶつかる音が激しくなる。やがて、漣の喘ぎに淫靡な色が混じってきた。こんな声は初めてだな……そう思ってしまえば、腰の動きを止める理由は無い。まあ、元から無かったのだが。
いったん射して、漣の尻奥が充分に濡れた後、白羅は陰茎を引き抜いた。白いきめ細やかな肌に穿たれた大きな穴は、まるで紅色の粘膜の花が咲いたようにも見え、花の蜜の如くたらたらと白い液が滴り落ちている。
漣は腰を高く上げたまま上半身をぺたりと伏せ、ビクッ、ビクッと震えていた。
引き締まった尻と卑猥な孔を目の前にして、白羅は口角を上げて仰向けに転がった。血管が浮き出るほど滾っている己の剛直は、まだまだ収まりそうもない。
「……?」
「ほら、漣。さっき言ったヤツやれよ」
これで終わりと思うなよ、と笑いながら、白羅は漣の半身を起こし、腹の上に跨がらせた。
「………………やるの……?」
ぽつりと呟く漣の顔つきがいつもと違う気がする。顔を赤らめ、目尻を涙で濡らしているものの、どこか艶っぽくて扇情的だ。
「急がなくていいいから、ゆっくり入れろよ」
白羅にしては珍しく、人を労る言葉が出た。戸惑いながら、漣はおずおずと腰を下ろす。
「手を添えて、外れないようにしろ……っ!」
「……あ、ううっ」
慣れない姿勢のせいか、ストンと尻が落ちた。ドロドロにほぐれた漣の後孔に、熱く滾った白羅の魔羅が入る。漣の細い背中がのけぞり、痺れたように震え続けた。
「ほら、腰を動かせよ。モタモタすんな」
「はっ……ああっ、んんっ!」
喘ぎ声に色が混ざる。頬を染めた漣は、八つに割れた白羅の固い腹に両手を当て、細い身体を上下に動かし始めた。
「……んっ、はっ、あ、ああっ、うっ……」
「おら、漣。ちゃんと腰を使えって言ったろ?」
霧の中を歩きながら、白羅は困ったように頭をワシワシ掻いていた。
(そうだ、あん時から漣のヤツ、よがるようになったんだっけ……)
己の腕の中で気持ち良さそうに喘ぐ相手は漣が初めてで、面白がって抱き潰した。結局あの日は暗くなるまで嵌めまくり、最後の方は互いに意識が飛んでいた。
それから、漣が快楽に溺れる顔をもっと見たくなった。
どんなことをすれば嫌がるか、何をやれば蕩けるか、抱きながら試した。
気づいたら、漣以外を襲おうという気が失せていた。
「あいつ、痛いのが好きなんだよなあ」
痛すぎるのは怒るが、悪かったなと思って舐めると許してくれた。
言葉ではなく、身体で、表情で。
仕方ないなと眉を顰めた漣が腰をくねらせるのが合図で、許してくれと言わんがばかりに白羅から唇を塞ぐ。熱い舌を絡めあって唾液を交わし、漣の首から肩、鎖骨、乳首、腹と下へ向かって舐めたり噛んだりした。
ことの最中に我慢できなくなったのか、漣の方から白羅の男根にしゃぶりつき、喘ぎながら美味しそうに口淫することも多かった。そういう時、白羅はためらわずに喉奥まで突き挿して精を吐いた。
塩苦い雄液を飲み込んだ後、ゲホッ、ゴホッと咳き込んで、喉を抑えながらも漣は嫌がらず、射した後の肉竿に残る白い腎水をペロペロと舐め、もっと欲しいと言わんがばかりの上目遣いで白羅を誘うようにチロリと見る。
「この好きモンが」
「…………は、白羅の、せい、だろっ……」
「ギャハハハ!」
わざと下品な笑い声を立てて、真っ赤な顔で目を伏せる漣を押し倒した。ほっそりと形良い顎をクイと上げて唇を重ねれば、漣の方から舌を絡めてくる。本当に嫌ってなんかいないと言わんがばかりに。
そうやって、互いに喜悦に浸りながら体位を変えた。四十八手なんて序の口で、まだ身体の柔らかい漣を思う通りの姿勢にして嵌めまくった。そして腰紐で縛ったり、力を入れずに軽く叩いて言葉で煽ったり。何をやっても漣は受け入れたので、白羅は楽しかった。
いつも白羅は己が達するよりも先に漣のいいところを突つき、若茎を勃たせて射精させていた。漣の顰めた眉や固く瞑った目元、気持ち良さそうに溢れる掠れ声が気に入っていたし、それを見ると白羅はますます性欲が滾り、魔羅がいっそう昂ったからだ。
そして一度でも精を吐き出した後の漣は淫乱なメスへと変貌し、もっと激しく、もっと深く挿してほしいとねだりながら腰を動かしては白羅の剛直を求めた。こうなるともう互いに淫獣の喘ぎに変わり、色欲の虜と化してしまう。
そのせいだろうか。白羅が腹の奥まで挿れようが、孔の縁に引っかかるように抜こうが、骨と骨が当たるほどに激しく腰を打ち付けようが、漣は気持ち良さそうに鼻を鳴らして甘い吐息を漏らすばかりで、延々とよがり続けた。
目と目を合わせて交わりながら、なんとなく心が通じていたのだ。
「漣はオレだけのものだったのに……」
苦々しい思いで、白羅が小さく独白した時、足元で水音がした。
またしても池に戻っている。
「……ちっくしょうめ……」
悪態をついてると、水面がゆらいで光り始めた。
(さっき黒い水で見たのは、包の皮を剥いた時だよな……)
たしか、漣が白羅の従僕になってから三月ほど経った頃だ。
最初は強引に抱いていた。焔禅の顔を見た大事な生き証人だから、殴るな蹴るな殺すなと命じられていたものの、どうせコイツもすぐに死ぬだろう。そんな風に思っていたからだ。
だが意外と漣は持ちこたえた。仲間の一人だった夜鷹の女が、漣に通和散を与えて使い方を教えたのもある。
「死にたくなかったら、腹くくるしか無いんだよ」
それが夜鷹の女の口癖だった。彼女の指導もあり、早いうちに漣は白羅に口淫しながら後孔をほぐすことを覚えた。そして白羅に犯される現実を受け入れたのか、激しい抵抗をしなくなった。それでも。
「お前なんか、お前なんか大嫌いだ……」
小さな声で睨みながら、眉に皺を寄せて痛みに耐えながら、漣はいつも呟いた。その小さな反抗心が白羅には面白く映り、もっと喘がせてやろうと昂ぶった。
だから抱いた。抱きまくった。暇になれば抱いた。暇でなくても抱いた。気が向いたら抱いた。
白羅の仕事は人斬りなので、命令に従って人を斬りさえすれば誰も何も言わなかった。当時たむろしていた大きな屋敷の一室で、飯を食って酒を飲んで眠る日々を過ごしていた白羅は、情欲が湧くたびに漣を抱き潰した。
三ヶ月。漣の肌に噛みつき、吸い付き、舐め回した。沢山の噛み跡と赤紫の痣がつき、漣の乳首はあっという間に小豆くらいまで膨らんだ。尻も引き締まり、後孔も広がり、剛直を突き挿せばナカが吸い付いてくるくらいまで身体が作り変えられた。
漣の肉体が己の獣淫を浴びるうちに熟すので、白羅はますます面白がった。
「うっ、あっ……ああっ……」
「そういや漣、お前ってまだ包なんだよなあ」
夏の昼だった。裸の漣を羽交い締めにした状態で胡座をかいた白羅は、若い陰茎をしごいて包皮を剥こうとした。刺激が強くて痛いのか、漣は身をよじって嫌がる。
「だーいじょーぶだって。痛いのなんざ、すぐに収まるって」
「ひっ! や、やだっ、止めて!」
「まあまあ……お、剥けたぜ。真っ赤だなあ。それに小せえし……お前、本当に男かぁ?」
ヒィッ……と喘ぐように叫び、漣は涙を流した。ポロポロと眦から溢れる透明な雫を、背後の白羅は笑いながら舐める。
なぜか不思議なことに、この頃の白羅はどれほど漣を抱き潰しても、壊して構わない相手だとは思えなくなっていた。
だから、性交の最中に漣がひどく嫌がった時や、泣き出したりすると、いったん動きを止めて舐めた。どうして舐めるのか白羅自身もよく分からないが、しばらくすると漣は落ち着き、困ったように眉を顰めて睨んできた。その表情を見てしまうと、白羅はなんともいえない心持ちになり、いっそう滾ってしまうのだが。
その日は何度かしごいたものの、痛みが強かったのか漣は達せず、飽きた白羅はいつもの通り押し倒そうとしたが、なんとなく気が変わり、少し違うことをしようと考えた。
「おら、漣。イケねえんなら、淫売のメスみたいに腰を振れ」
そう言って横たわると、白羅は褌を緩めて己の剛直を出した。そして、赤黒く張り詰めた肉棒を振りつつ、上にまたがって尻穴を嵌めろと命令する。
「……ちくしょう……」
そう零した漣は、半泣きになりながら通和散を探そうとするも、その手を白羅に止められた。
「いつでもソレがあるって思うなよ。無い時はどうすればいいか、テメエの頭で考えねえとなあ」
ニヤリと笑った白羅は、戸惑う漣の頭を掴み、己の股へ充てがった。
「ほぅら、よーく考えろよ」
眉間に皺を寄せつつ、漣は白羅の魔羅をしぶしぶ咥えた。眦に涙を浮かべながら、たどたどしい舌遣いで竿を舐め、亀頭をしゃぶる。鈴口から塩苦く生臭い液体があふれ出した。
「それを口ん中に貯めて、お前の尻ほぐすのに使え」
魔羅を包み込む口腔の熱さと舌の動きに悦楽を覚えて、白羅は笑った。誰かに対して、こんな風に命令して言うことをきかせるのは初めてだが、なかなか面白い。
絶望的な顔をした漣が顔を上げ、口元へ右手をやった。先走りと唾液の混ざったものをだらりと手のひらに垂らし、そのまま腕を捻って尻を触ろうとした時。
「どうやってほぐすのか見せてみろよ」
オレに見えるようにやれと、白羅はわざと意地悪そうな声で命令した。
漣は羞恥に耐えながら四つんばいになり、白羅の目の前に尻を向けた。手の中の液体を後孔に流し入れるように、人差し指と中指を使い、滑らかな双丘の谷間にある秘孔を縦に広げる。白い指がクチュクチュと音を立てながら二本、三本と出入りするたびに、少しづつ肉紅色の粘膜が広がっていく。
「…………んっ……」
どうやら漣は声を出さないようにしているらしい。
顔を見たいな。なんとなく白羅はそう思った。盛った犬のような姿で尻孔に指を抜き差しする細い身体が妙に色っぽく、いつになく漣が淫らに思えて、肉慾をそそられたのもある。
「ちんたらやってんじゃねーよ」
「はうっ!」
前言撤回。白羅はがばりと起き上がるなり、漣の上に覆いかぶさった。獣の交尾の姿勢で、漣の背後から後ろ孔に向けて、ぬらぬら光る己の魔羅をぐいっと挿し込む。先走りがけっこう出ていたこともあってか、思っていたよりすんなり入った。
漣の眉がきゅっと顰められる。
「……ああっ……んっ、ふうっ……」
グプッ、グチュッと音を立てて抜き挿しする。パンパンと肉体がぶつかる音が激しくなる。やがて、漣の喘ぎに淫靡な色が混じってきた。こんな声は初めてだな……そう思ってしまえば、腰の動きを止める理由は無い。まあ、元から無かったのだが。
いったん射して、漣の尻奥が充分に濡れた後、白羅は陰茎を引き抜いた。白いきめ細やかな肌に穿たれた大きな穴は、まるで紅色の粘膜の花が咲いたようにも見え、花の蜜の如くたらたらと白い液が滴り落ちている。
漣は腰を高く上げたまま上半身をぺたりと伏せ、ビクッ、ビクッと震えていた。
引き締まった尻と卑猥な孔を目の前にして、白羅は口角を上げて仰向けに転がった。血管が浮き出るほど滾っている己の剛直は、まだまだ収まりそうもない。
「……?」
「ほら、漣。さっき言ったヤツやれよ」
これで終わりと思うなよ、と笑いながら、白羅は漣の半身を起こし、腹の上に跨がらせた。
「………………やるの……?」
ぽつりと呟く漣の顔つきがいつもと違う気がする。顔を赤らめ、目尻を涙で濡らしているものの、どこか艶っぽくて扇情的だ。
「急がなくていいいから、ゆっくり入れろよ」
白羅にしては珍しく、人を労る言葉が出た。戸惑いながら、漣はおずおずと腰を下ろす。
「手を添えて、外れないようにしろ……っ!」
「……あ、ううっ」
慣れない姿勢のせいか、ストンと尻が落ちた。ドロドロにほぐれた漣の後孔に、熱く滾った白羅の魔羅が入る。漣の細い背中がのけぞり、痺れたように震え続けた。
「ほら、腰を動かせよ。モタモタすんな」
「はっ……ああっ、んんっ!」
喘ぎ声に色が混ざる。頬を染めた漣は、八つに割れた白羅の固い腹に両手を当て、細い身体を上下に動かし始めた。
「……んっ、はっ、あ、ああっ、うっ……」
「おら、漣。ちゃんと腰を使えって言ったろ?」
霧の中を歩きながら、白羅は困ったように頭をワシワシ掻いていた。
(そうだ、あん時から漣のヤツ、よがるようになったんだっけ……)
己の腕の中で気持ち良さそうに喘ぐ相手は漣が初めてで、面白がって抱き潰した。結局あの日は暗くなるまで嵌めまくり、最後の方は互いに意識が飛んでいた。
それから、漣が快楽に溺れる顔をもっと見たくなった。
どんなことをすれば嫌がるか、何をやれば蕩けるか、抱きながら試した。
気づいたら、漣以外を襲おうという気が失せていた。
「あいつ、痛いのが好きなんだよなあ」
痛すぎるのは怒るが、悪かったなと思って舐めると許してくれた。
言葉ではなく、身体で、表情で。
仕方ないなと眉を顰めた漣が腰をくねらせるのが合図で、許してくれと言わんがばかりに白羅から唇を塞ぐ。熱い舌を絡めあって唾液を交わし、漣の首から肩、鎖骨、乳首、腹と下へ向かって舐めたり噛んだりした。
ことの最中に我慢できなくなったのか、漣の方から白羅の男根にしゃぶりつき、喘ぎながら美味しそうに口淫することも多かった。そういう時、白羅はためらわずに喉奥まで突き挿して精を吐いた。
塩苦い雄液を飲み込んだ後、ゲホッ、ゴホッと咳き込んで、喉を抑えながらも漣は嫌がらず、射した後の肉竿に残る白い腎水をペロペロと舐め、もっと欲しいと言わんがばかりの上目遣いで白羅を誘うようにチロリと見る。
「この好きモンが」
「…………は、白羅の、せい、だろっ……」
「ギャハハハ!」
わざと下品な笑い声を立てて、真っ赤な顔で目を伏せる漣を押し倒した。ほっそりと形良い顎をクイと上げて唇を重ねれば、漣の方から舌を絡めてくる。本当に嫌ってなんかいないと言わんがばかりに。
そうやって、互いに喜悦に浸りながら体位を変えた。四十八手なんて序の口で、まだ身体の柔らかい漣を思う通りの姿勢にして嵌めまくった。そして腰紐で縛ったり、力を入れずに軽く叩いて言葉で煽ったり。何をやっても漣は受け入れたので、白羅は楽しかった。
いつも白羅は己が達するよりも先に漣のいいところを突つき、若茎を勃たせて射精させていた。漣の顰めた眉や固く瞑った目元、気持ち良さそうに溢れる掠れ声が気に入っていたし、それを見ると白羅はますます性欲が滾り、魔羅がいっそう昂ったからだ。
そして一度でも精を吐き出した後の漣は淫乱なメスへと変貌し、もっと激しく、もっと深く挿してほしいとねだりながら腰を動かしては白羅の剛直を求めた。こうなるともう互いに淫獣の喘ぎに変わり、色欲の虜と化してしまう。
そのせいだろうか。白羅が腹の奥まで挿れようが、孔の縁に引っかかるように抜こうが、骨と骨が当たるほどに激しく腰を打ち付けようが、漣は気持ち良さそうに鼻を鳴らして甘い吐息を漏らすばかりで、延々とよがり続けた。
目と目を合わせて交わりながら、なんとなく心が通じていたのだ。
「漣はオレだけのものだったのに……」
苦々しい思いで、白羅が小さく独白した時、足元で水音がした。
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