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第十九話 あわわわわ……②
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すると、女性が突然こちらを振り返った。
私と目が合う。
女性の表情は憎しみにまみれていて、見ているだけで背筋が凍った。
「このブスのせいで、ゼルバ様は変わってしまった……。排除しなければ……。ゼルバ様を元に戻さなければ……」
ブツブツ呟く女性に、私は恐怖で眩暈がした。
キノルルの腕を爪の跡が残るんじゃないかってくらい強く掴みガクガク震えていたら、突然女性が動き出した。
スカートのポケットからナイフを取り出し、私に襲いかかってきたのだ。
「キャーーー!!」
こ、殺される!!
私は心の底から恐怖を感じた。
あまりの恐怖に逃げることさえ出来なかった。
必死に叫びながら血走った目をした女性が振り上げるナイフを見つめていた。
――すると。
視界の端っこで、ゼルバが動くのが見えた。
ゼルバはトンと地面を蹴ると、一瞬で女性との距離を縮めた。え? と思った時にはもう遅い。
ゼルバは女性の首を片手一本で掴み、ギリギリと絞めあげていた。
「死ね」
恐ろしい言葉をつぶやいたので、私とキノルルは本気で焦った。
「ゼルバ!? 何やってるの!?」
「ゼルバさん! ここで殺すのはやめて下さいよぉ~!」
女性は首を絞められて、涎を垂らしながら苦悶の表情を浮かべている。
キャー! このままじゃ本当に死んじゃう!
「ゼルバ! やめて!」
私がゼルバの腕にしがみ付くと、ゼルバはニコリと微笑んだ。
「大丈夫。コイツが死んでも正当防衛だから。俺が罪に問われることはないよ」
「そう言う問題じゃないのよぉ! 本当にやめてぇー!!」
私が泣きながら訴えると、ゼルバは慌てた。
「レノン。どうしたんだい? 泣かないで」
そんなことを言いながら、ゴミを捨てるようにブンっと女性を投げた。投げられた女性は店の壁に激突して、『あうっ!』と悲痛の叫びを漏らした。
ゼルバは困ったような表情で、泣いている私の背中をさすった。
「可哀想に。怖かったね。もうストーカーは退治したから大丈夫だよ」
怖いのはあの女性じゃなくて、ゼルバよぉ~!!!
私は恐怖のあまり、エグエグと泣き続けたのだった。
私と目が合う。
女性の表情は憎しみにまみれていて、見ているだけで背筋が凍った。
「このブスのせいで、ゼルバ様は変わってしまった……。排除しなければ……。ゼルバ様を元に戻さなければ……」
ブツブツ呟く女性に、私は恐怖で眩暈がした。
キノルルの腕を爪の跡が残るんじゃないかってくらい強く掴みガクガク震えていたら、突然女性が動き出した。
スカートのポケットからナイフを取り出し、私に襲いかかってきたのだ。
「キャーーー!!」
こ、殺される!!
私は心の底から恐怖を感じた。
あまりの恐怖に逃げることさえ出来なかった。
必死に叫びながら血走った目をした女性が振り上げるナイフを見つめていた。
――すると。
視界の端っこで、ゼルバが動くのが見えた。
ゼルバはトンと地面を蹴ると、一瞬で女性との距離を縮めた。え? と思った時にはもう遅い。
ゼルバは女性の首を片手一本で掴み、ギリギリと絞めあげていた。
「死ね」
恐ろしい言葉をつぶやいたので、私とキノルルは本気で焦った。
「ゼルバ!? 何やってるの!?」
「ゼルバさん! ここで殺すのはやめて下さいよぉ~!」
女性は首を絞められて、涎を垂らしながら苦悶の表情を浮かべている。
キャー! このままじゃ本当に死んじゃう!
「ゼルバ! やめて!」
私がゼルバの腕にしがみ付くと、ゼルバはニコリと微笑んだ。
「大丈夫。コイツが死んでも正当防衛だから。俺が罪に問われることはないよ」
「そう言う問題じゃないのよぉ! 本当にやめてぇー!!」
私が泣きながら訴えると、ゼルバは慌てた。
「レノン。どうしたんだい? 泣かないで」
そんなことを言いながら、ゴミを捨てるようにブンっと女性を投げた。投げられた女性は店の壁に激突して、『あうっ!』と悲痛の叫びを漏らした。
ゼルバは困ったような表情で、泣いている私の背中をさすった。
「可哀想に。怖かったね。もうストーカーは退治したから大丈夫だよ」
怖いのはあの女性じゃなくて、ゼルバよぉ~!!!
私は恐怖のあまり、エグエグと泣き続けたのだった。
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