夢見る頃を過ぎても

篠原皐月

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第61話 決壊~清人の場合

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 いきなり体を強く引き寄せられた真澄は、上半身を引き倒される形になり、清人にのしかかる体勢になった。更に左手で後頭部から首の位置を押さえつけられ、顔を近付けた清人に噛みつくようなキスをされる。

「きゃっ……、っうん……、ふぅっ……」
 反射的に口を開こうとした所を狙った様に、すかさず清人が自分の舌を差し入れてきて、真澄のそれをかすめる様な淫靡な動きをする。その感触に真澄が動揺して固まっているうちに、清人は更に後ろから押さえつける力を強くして、真澄が咄嗟に身動きできない様にした。
 そうしておいて、清人は右手で真澄の背中のファスナーを全開にし、更に器用な事に片手でブラのホックまで外してしまう。緩んだ服とブラの感覚に、一気に羞恥心が限界を超えた真澄は慌てて行動を起こした。

「ちょっと! いきなり何するのよっ!」
 狼狽しながら床に両手を付き、真っ赤な顔で勢い良く腕を伸ばして清人から上半身を離した真澄に、清人はふてぶてしく言ってのける。

「真澄は、俺を養ってくれるんだろ? それならそのお返しに、ご主人様に身体でご奉仕するって、相場が決まってる」
 そう言いながら清人は上半身を起こし、まだ自分の脚の上に跨って座っていた真澄の首に手を伸ばした。そして素早く彼女の首に巻き付いていたストールを解いて床に置き、背中のファスナーが全開になった事で胸元がかなり開いたワンピースの縁に手をかけて引っ張る。

「ちょ、ちょっと待って!」
 慌てて清人の体の上から飛び退いてワンピースの胸元を押さえた真澄だったが、清人は易々と片手でその腕を取り、それを横に伸ばしながら服を脱がせにかかった。

「待たない。早速前払いしてやるから、ジタバタしないでちょっと大人しくしてろ」
「ふざけないでよ! 玄関先でいきなり何をする気!?」
「人の家の玄関先で、問答無用で押し倒しておいて、何を今更」
 流石に清人がこれから何をする気か分かった真澄は、狼狽しつつも非難がましい声を上げたが、清人は呆れた様に小さく笑ったのみだった。そして難なく真澄の体を半回転させながら、あっさりと両腕から服の袖を脱がせてしまう。

「何? 逆ギレ? 一週間若い子とよろしくやってたくせに、自分の行為を棚に上げて、何よそれはっ!」
 腰の部分に集まったワンピースの生地と下着を涙目で押さえながら真澄が非難すると、清人は盛大に顔を顰めながら腹立たしげに言い返した。

「わけが分からない事を言ってるのは、そっちだろうが!? この一週間、俺が真澄の事を考えながら、何回自分で抜いたと思ってんだ?」
「はぁ? 何なのよそれ! 知らないし知りたくも無いわよ! それに私、初めてなんだけど!?」
 動揺しまくった真澄が、脱がされかけている服を押さえながら殆ど無意識に口にした言葉にも、清人は手の動きを止めないままあっさりと応じた。

「それは知ってるから安心しろ。本当に世の中の野郎どもの目が、節穴揃いで助かったな」
「何でそんな事、知ってるのよ!!」
「熱海で色々したからな。……ったく、意識が無い相手にどうこうするのは流石に拙いかと、最後までやらなかったあの時の自分を、絞め殺したくなってきたぞ」
 真澄に覆い被さる様にしてその腰をすくい上げ、清人がワンピースを足まで下ろして脱がせつつ、如何にも忌々しげに呟くと、真澄は悲鳴混じりの声を上げた。

「色々って何!? 私が知らない所で何をしてたのよ! 第一、どうしてこんなに脱がせるのが手慣れてるわけ!?」
「それは何と言っても、真澄とは違って俺は場数を踏んでるからな。だけど真澄はこれまでの俺を、寛大な心で許してくれるんだろ?」
 ニヤリと笑いながら両肩を掴まれ、さり気なくスリップとブラのストラップを摘んで引き下ろした清人の手の動きを一瞬遅れて止めようとしながら、真澄は力一杯叫んだ。

「あれは気の迷いよ! その言葉は綺麗さっぱり撤回させて貰うわ! 最低ぇぇぇっ!!」
 しかしそんな盛大な罵倒にも、清人はどこかうっとりするような声音で感想を述べながら、真澄の体からスリップとブラを呆気なく取り去る。

「貶す言葉も、真澄に言われると心地良いな……。大丈夫だ、すぐに最高って言わせてやるから」
「何なのよ、その意味不明な俺様発言! しかも人格が豹変してるし!」
「悪いが元々こういう性格だ。真澄の前では少し大人しくしていただけだからな。だが俺がこういう人間だっていうのは、真澄だって薄々分かってただろ?」
「ええ、しっかり分かってたわよ! 結構容赦なくて抜け目が無くて、えげつない性格破綻者だって! でも狡いじゃない!」
「狡いって……、何がどう狡いんだ?」
 最後に残っていたショーツとストッキングを苦もなく真澄の足から抜き取り、無造作にそこら辺に放り投げた清人が不思議そうに真澄に問いかけた。すると壁際に追い込まれていた真澄は、両脚を閉じて両腕で胸を隠しながら、今にも泣き出しそうな顔で叫ぶ。

「人を裸にしてるクセに、自分だけそんなにきっちり着込んだままで! こっちが余計に、恥ずかしいでしょうが!!」
 そんな八つ当たりじみた指摘に、清人は自身が相変わらずジャケットまで羽織っているのに対し、真澄は一糸纏わぬ姿であるのを認めて小さく噴き出した。そうしてクスクス笑いながら、徐にジャケットを脱ぎ出す。

「……ああ、確かにこれは狡いな。じゃあ良い子にして、そのまま待ってろ。すぐに恥ずかしく無いようにしてやるから」
 そう言って清人は含み笑いをしながら脱いだジャケットを床に放り出し、次いでベルトのバックルに手をかけた。そこで恥ずかしさのあまり直視出来なくなった真澄は、顔を逸らして両眼を閉じる。そして耳に届く微かな金属音や衣擦れの音を、意識的に頭の中から追いやりながら、今更な事を考えた。

(そっちが脱いでも、十分恥ずかしいわよ! 何なの? いきなりのこの展開は!? 私、今日は絵のお礼を言って、例の年下の彼女の事が本当かどうか、確認しに来ただけよね!?)
 元はと言えば自分が変な勘違いした上、キレて清人を押し倒した事が原因なのだが、それを認識できるだけの冷静さは、今の真澄には無かった。
 そんな埒もない事を考えているうちに、いきなり身体に腕を回されて軽く引き寄せられたかと思ったら、床に慎重に横たえさせられる。しかし急に背後に感じた冷気に驚き、真澄は悲鳴混じりの声を上げた。

「……っ、ひゃあっ!」
 そして反射的に目を開けると、自分の身体を跨ぐ形で四つん這いになった清人の上半身が目に入る。しかし真澄は、先程までとは打って変わって、真剣そのものの表情で自分を見下ろしてくる清人を見て、思わず口を噤んだ。すると清人が、静かに声をかけてくる。

「なあ……、真澄? 一つだけ頼みがあるんだが……」
「……何?」
 この状況で一体何を言われるのかと、真澄は幾分怖じ気付きながら問い返したが、清人は真顔で話を続けた。

「真澄を一生大事にする。間違っても金の心配なんかさせないし、仕事だって好きなだけして構わない。家事も全面的に俺がするから。だから……」
「だから?」
 そこで何故か言葉を濁した清人を、真澄が不思議そうに眺めた。すると清人が常より低い、かすれ気味の声で囁く。

「だから、頼むから……、俺を置いていかないでくれ……」
「え?」
(置いていくって……、何?)
 清人が絞り出す様に告げた言葉の意味が、咄嗟に分からなかった真澄は、二・三回まばたきをして清人を凝視した。そして数秒後、唐突に《それ》を悟る。

(そうか……、色々事情があったにせよ、由紀子さんはこの人を手放して行ってしまって、叔母様には全くの予想外の出来事で置いて逝かれたんだわ。ひょっとして……、自分と関わったせいで不幸になったかもしれないとか、そんな馬鹿な事を、独りで密かに考えていたとか?)
 そこまで考えた真澄は、これまでの清人に関してのあれこれを思い返し、得心がいった。

(そう考えると納得できるわ……。叔母様達が亡くなって、清香ちゃんを引き取ってからの、それ以前に輪をかけたあの過保護っぷり。単に保護者の立場になったから、余計に心配症になった訳じゃなくて、万が一自分と一緒に居る事で、清香ちゃんが不幸にならない様に、全力で気を配って守ってたとか?)
 そこで黙ったまま自分を見下ろしている清人の瞳の中に、不安と躊躇する色を見い出した真澄は、心の中で呆れ果てた。

(だから私の家との確執もそうだけど、もしかしたら結婚する事で私を不幸にするかもしれないと思って、踏ん切りが付かなかったとか? ……本当に、頭は良いくせに、変な所で底抜けの馬鹿なんだから)
 そこで真澄は清人にどう伝えようかと一瞬悩んでから、静かに話し出した。

「……玲二は何事も飽きっぽくて、浩一はそもそも小動物系が苦手なの」
「はぁ?」
「知らない?」
「……知っているが。それが何なんだ?」
 いきなり話題を変えられ、且つこの場にいない彼女の弟達の名前を唐突に持ち出された事で、清人は戸惑ってから若干気を悪くしたように真澄を見やった。しかしそんな事は気にせずに、真澄が話を続ける。

「知り合いから貰ったり、ありがた迷惑のプレゼントをされたり、縁日で購入したりして、私達が小さい頃、結構家でペットを飼っていたのよ。金魚にハムスターにミドリガメ。インコにヒヨコに……、ああ、カブトムシも飼っていたわね」
「それで?」
「浩一達がああだから、最初は三人で世話していても、すぐに私だけで面倒を見る事になっていたの。餌や水をあげて、定期的にケージや飼育箱や水槽を掃除して。死んだら庭の隅にお墓を作ってあげて、今でもちゃんと手入れをしているわ」
「面倒見が良い真澄らしいな。目に見える様だ」
 大人しく話を聞いていた清人が、ここで思わずと言った感じで表情を緩めた。すると真澄が右手を伸ばし、清人の左頬に手を添えながら、静かに言い聞かせる。

「だから……、私の言う事をちゃんと聞くって約束できるなら、首輪を付けて鎖に繋いで、ちゃんと死ぬまで面倒みてあげる。絶対に捨てたり置き去りにする様な真似はしないから、安心しなさい。大型犬を飼うのは初めてだけど、基本的に私に従順だし、それほど手がかからないタイプみたいだから、大して心配は要らないと思うし」
「真澄……」
 それを聞いて真顔になった清人に、真澄は尚もたたみかける。

「一般的に女性の方が平均寿命は長いし、二歳くらい年上でもどうって事無いわよ。そっちが死んだ後も、私の事は心配要らないわよ? ちゃんとあなたの葬式を出してあげてから、若いツバメを探して、残りの人生を謳歌する事にするから安心して」
 そんな事を堂々と真顔で言い切られてしまった清人は、もはや苦笑する事しかできなかった。

「……それは嬉しいな。ありがたくて涙が出そうだ。死んだ後に若い男に乗り換えられると思ったら、うっかり早死にできないじゃないか」
「それが嫌なら、せいぜい長生きする事ね」
 そこで真澄は口調を改め、清人を軽く睨み付けながら釘をさした。

「その代わり…………、美味しいものを食べさせてあげるとか言われたからって、こっそり抜け出して余所でつまみ食いなんかしてきたら、その場で叩き出すからそのつもりでね?」
 軽く睨まれつつ脅された清人だったが、面白がっている様な笑顔を見せつつ、楽しそうに言い返す。

「もうご主人様の手からしか餌は貰わないから、そんな心配は無用だな。……と言うか、もうご主人様しか食べる気がしないんだ。だから死ぬまで面倒見てくれ」
「良い心がけね」
 それを聞いた真澄が小さく笑うと、清人は上機嫌で真澄の顔に自分の顔を近付けた。

「それじゃあ早速、いただきます」
「ちょっと待って」
 そこでいきなり顔面を掌で押しのけられた清人は、本気で気分を害した様に文句を口にした。

「何なんだ。まさかこの期に及んで、やっぱり嫌だとか言うんじゃないだろうな?」
 憮然とした顔付きで清人が真澄を見下ろしたが、一方の真澄は清人に負けず劣らずの仏頂面で訴える。

「あのね……、面倒臭がってこんな所でがっついでないで、ベッドまで運ぶ位しなさい。さっきから背中とお尻が冷たくてしょうがないのよ!」
 そう言われた清人は我に返り、漸く周りの状況に気が付いた。そして床に横たわっている真澄に、笑いを堪える表情で神妙に申し出る。

「それは大変失礼しました。すぐにお運びしますので、俺に掴まって下さい、ご主人様」
「落としたら、承知しないわよ?」
「そんな真似は死んでもしません。信用して下さい」
 僅かにからかう口調で告げながら清人が体を真澄に近付けると、真澄の両腕が清人の首の後ろに回される。そこに圧力を感じながら、清人は足を動かして真澄の身体の横に移動し、彼女の背中と脚の下に腕を差し入れ、壊れ物を扱う様に注意深く抱き上げた。
 そのまま清人が立ち上がっても、勿論その腕は安定感を損なう事は無く、首に回された腕は形だけ真澄の体を支えるものになる。しかし敢えて真澄が腕に力を入れ、上半身を起こす様にして自分の顔を清人の顔に近づけると、心得た清人がそれに応える様に顔を傾け、真澄の唇に自分のそれを静かに重ねた。
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