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過去編 家庭教師ジスラン1
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下腹部に妙な不快感を覚え、ルネは目を覚ました。
湿った衣服が肌に張り付く、嫌な感触。
身体を起こし、気のせいであってくれと祈りながら布団をめくり上げた。
感触の通り、寝間着の股間部分に染みが広がっている。
信じ難い光景にルネは青ざめた。
この歳になって粗相をしてしまうとは――。
とにかく着替えなければとベッドの上に膝立ちになりズボンを下ろしたルネは、衣服や下着に付着しているものが尿ではないことに気が付いた。
白く濁った液体に恐る恐る触れてみると、少し粘ついている。
それに臭いも尿とは異なる。
状況からして自分の身体から出たものに間違いないが、これは一体何なのだろう。
粗相ではないとすると、病気の類だろうか。
ベッドの上で考え込んでいると、寝室の扉を叩く音が聞こえた。
「ルネ様、おはようございます。入ってもよろしいでしょうか」
物音が聞こえたのだろう。
扉の前で主人の起床を待っていた従者のノアが、ドア越しに声を掛けてきた。
ノアはルネより四歳年上の、専属の従者だ。
ヴィレール領内の地方領主の家系の者で、ルネが八歳になる頃に屋敷にやってきたため、かれこれ六年の付き合いになる。
いずれ騎士団の宿舎住まいになることを見据え、ここ最近は着替えや風呂などは自分でするようにしているが、起床の管理や衣服の用意、風呂の準備などは引き続きノアに任せている。
ルネはノアを家族や友人のように思っているが、ノアが一貫して従属の態度を崩さないため、ジュストとルネのような気安い雰囲気はない。
とはいえ決して不仲というわけではない。
むしろ二人の関係は良好だ。
ノアがルネを大切にしてくれているのは言葉の端々から伝わってくるし、ルネもまたノアを信頼している。
粗相のように見える姿を見られるのは気恥しいが、一人で悩んでいても埒が明かないし、どのみち着替えをするためにはノアが必要だ。
ルネが入室を許可すると、ノアは律義に「失礼します」と告げてから扉を開けた。
「ルネ様……なぜ下着を」
寝室に足を踏み入れたノアは、衣服と下着を膝まで下ろしているルネを見て身体をぎくりと強張らせた。
「ノア……」
ルネは手招きをしながら、入り口に立ち尽くしているノアの名を呼んだ。
ノアは気まずそうな顔で口を固く結ぶと、ノアらしからぬ遅々とした足取りでベッドに近付いてきた。
「寝ている間にここから白い液体が出たんだけど、何か分かる……?」
不安げなルネの顔と下腹部を交互に見たノアは、返答に窮したようで押し黙ってしまった。
「ノア……?」
常に冷静なノアは、感情を顔に出すことは滅多にない。
そのノアが困ったように口を閉ざしているのは、やはり悪い病の兆候なのだろうか。
「……おめでとうございます、ルネ様」
「え?」
ようやく口を開いたノアの言葉が理解できず、ルネは思わず首を傾げた。
「ノア……どういう意味?」
ノアはルネの問いかけに曖昧に頷くだけで、答えてはくれなかった。
「詳しくはルノー様からお聞きになるのがよろしいかと思います」
「兄上に……?」
「はい。報告してまいります」
ノアは手早くルネの着替えと清拭用の濡れタオルを準備すると、一礼してから部屋を出ていった。
訳が分からないが、とりあえず悪いものではなさそうだ。
安堵したルネはベッドから降り、用意してもらった温かいタオルで下腹部を丁寧に拭った。
下着を取り換え、寝間着から着替えを済ませて一息ついた頃、バタバタと廊下を走る音が聞こえてきた。
「ルネ! 大人になったんだって!?」
扉が開くと同時に、ルノーの興奮した声が室内に響き渡った。
「兄上。おはようございます」
「ああ、ルネがついに……」
ルネの挨拶が聞こえていないのか、ルノーはベッドの前にいるルネのもとへ一直線にやってきた。
そしてまじまじと上から下まで見つめてから、寂しそうな笑みを浮かべた。
「お前ももうそんな歳か……」
「あの、兄上……大人になったとはどういう意味でしょうか」
「ノアから何も聞いてないのか?」
「はい。おめでとう、としか……」
ルネの返答を聞いたルノーは、盛大な溜め息を吐き出した。
「あいつめ、だから真っ先に俺を呼びに来たんだな。まあ、純粋な瞳に見上げられたら言いにくいのは分かるが……」
「兄上?」
「あー……、えーとだな」
それからルノーはばつの悪そうな表情で、あの白い液体は病気ではなく、身体が大人になった印だと教えてくれた。
「大人になると、寝ている間に白い液体が出るのですね……知りませんでした。兄上も同じですか? その際に下着が汚れてしまうと思うのですが、兄上は対策などされていますか?」
病気でないと判明した途端、ルネは好奇心を押さえられず矢継ぎ早に質問した。
語学や歴史、経営学など学問については一通り教わっているが、身体の仕組みについてきちんと学んだことは一度もなかったからだ。
ルネの質問責めに苦笑いを浮かべたルノーは、宥めるようにルネの頭をぽんぽんと撫でた。
「ルネ、知的好奇心が旺盛なのは素晴らしいが、こういう話は家族同士だと気恥ずかしいものなんだ。俺も子細は父上ではなく、家庭教師から教わったしね」
ルノーを困らせてしまったのだと気付き、ルネはしゅんと肩を落とした。
「……そうなのですね。申し訳ありません、兄上」
「初対面の先生だと緊張するだろうから、今雇っている方の中から選ぶことになると思う。早速父上と相談してくるよ」
こくんと頷くと、ルノーはルネの前髪を掻き分け、額に触れるだけの口づけをした。
ルノーが頬や額にキスをするのは、決まってルネが気を落とした時だ。
ルノーやノアがルネを祝いつつも明言を避けたのは、それだけ繊細な話題ということなのだろう。
扉へ向かう優しい兄の背中を見つめながら、ルネは大人になることへの漠然とした期待と不安に胸をざわつかせていた。
それからちょうど一週間が経った頃、性教育の担当はジスランになったとルノーから告げられた。
ジスランにはルネが十歳の頃から歴史と法律を担当してもらっている。
彼以外にも語学や数学、マナー、ダンス、音楽など複数の教師がいるが、礼儀正しく温和な性格と継続年数からジスランに決めたそうだ。
ルネには原因を伝えられないまま辞めていってしまう教師も多い中、長く勤めているジスランには家族の皆が信頼を寄せている。
ルネも知識の豊富なジスランの講義が好きで、週に二度の来訪をいつも楽しみにしている。
「自分の身体の変化が少し心細かったのですが、ジスラン先生なら私も安心です」
「そうだな。今日の午後は歴史じゃなく、そっちの講義をしてもらうよう先生には事前に手紙で連絡してある」
手配をしてくれた礼を告げると、ルノーはルネの髪を撫でてから部屋を出ていった。
それからルネは少しだけ落ち着かない心地で、いつもの日課をこなしながらジスランがやってくる午後を待った。
湿った衣服が肌に張り付く、嫌な感触。
身体を起こし、気のせいであってくれと祈りながら布団をめくり上げた。
感触の通り、寝間着の股間部分に染みが広がっている。
信じ難い光景にルネは青ざめた。
この歳になって粗相をしてしまうとは――。
とにかく着替えなければとベッドの上に膝立ちになりズボンを下ろしたルネは、衣服や下着に付着しているものが尿ではないことに気が付いた。
白く濁った液体に恐る恐る触れてみると、少し粘ついている。
それに臭いも尿とは異なる。
状況からして自分の身体から出たものに間違いないが、これは一体何なのだろう。
粗相ではないとすると、病気の類だろうか。
ベッドの上で考え込んでいると、寝室の扉を叩く音が聞こえた。
「ルネ様、おはようございます。入ってもよろしいでしょうか」
物音が聞こえたのだろう。
扉の前で主人の起床を待っていた従者のノアが、ドア越しに声を掛けてきた。
ノアはルネより四歳年上の、専属の従者だ。
ヴィレール領内の地方領主の家系の者で、ルネが八歳になる頃に屋敷にやってきたため、かれこれ六年の付き合いになる。
いずれ騎士団の宿舎住まいになることを見据え、ここ最近は着替えや風呂などは自分でするようにしているが、起床の管理や衣服の用意、風呂の準備などは引き続きノアに任せている。
ルネはノアを家族や友人のように思っているが、ノアが一貫して従属の態度を崩さないため、ジュストとルネのような気安い雰囲気はない。
とはいえ決して不仲というわけではない。
むしろ二人の関係は良好だ。
ノアがルネを大切にしてくれているのは言葉の端々から伝わってくるし、ルネもまたノアを信頼している。
粗相のように見える姿を見られるのは気恥しいが、一人で悩んでいても埒が明かないし、どのみち着替えをするためにはノアが必要だ。
ルネが入室を許可すると、ノアは律義に「失礼します」と告げてから扉を開けた。
「ルネ様……なぜ下着を」
寝室に足を踏み入れたノアは、衣服と下着を膝まで下ろしているルネを見て身体をぎくりと強張らせた。
「ノア……」
ルネは手招きをしながら、入り口に立ち尽くしているノアの名を呼んだ。
ノアは気まずそうな顔で口を固く結ぶと、ノアらしからぬ遅々とした足取りでベッドに近付いてきた。
「寝ている間にここから白い液体が出たんだけど、何か分かる……?」
不安げなルネの顔と下腹部を交互に見たノアは、返答に窮したようで押し黙ってしまった。
「ノア……?」
常に冷静なノアは、感情を顔に出すことは滅多にない。
そのノアが困ったように口を閉ざしているのは、やはり悪い病の兆候なのだろうか。
「……おめでとうございます、ルネ様」
「え?」
ようやく口を開いたノアの言葉が理解できず、ルネは思わず首を傾げた。
「ノア……どういう意味?」
ノアはルネの問いかけに曖昧に頷くだけで、答えてはくれなかった。
「詳しくはルノー様からお聞きになるのがよろしいかと思います」
「兄上に……?」
「はい。報告してまいります」
ノアは手早くルネの着替えと清拭用の濡れタオルを準備すると、一礼してから部屋を出ていった。
訳が分からないが、とりあえず悪いものではなさそうだ。
安堵したルネはベッドから降り、用意してもらった温かいタオルで下腹部を丁寧に拭った。
下着を取り換え、寝間着から着替えを済ませて一息ついた頃、バタバタと廊下を走る音が聞こえてきた。
「ルネ! 大人になったんだって!?」
扉が開くと同時に、ルノーの興奮した声が室内に響き渡った。
「兄上。おはようございます」
「ああ、ルネがついに……」
ルネの挨拶が聞こえていないのか、ルノーはベッドの前にいるルネのもとへ一直線にやってきた。
そしてまじまじと上から下まで見つめてから、寂しそうな笑みを浮かべた。
「お前ももうそんな歳か……」
「あの、兄上……大人になったとはどういう意味でしょうか」
「ノアから何も聞いてないのか?」
「はい。おめでとう、としか……」
ルネの返答を聞いたルノーは、盛大な溜め息を吐き出した。
「あいつめ、だから真っ先に俺を呼びに来たんだな。まあ、純粋な瞳に見上げられたら言いにくいのは分かるが……」
「兄上?」
「あー……、えーとだな」
それからルノーはばつの悪そうな表情で、あの白い液体は病気ではなく、身体が大人になった印だと教えてくれた。
「大人になると、寝ている間に白い液体が出るのですね……知りませんでした。兄上も同じですか? その際に下着が汚れてしまうと思うのですが、兄上は対策などされていますか?」
病気でないと判明した途端、ルネは好奇心を押さえられず矢継ぎ早に質問した。
語学や歴史、経営学など学問については一通り教わっているが、身体の仕組みについてきちんと学んだことは一度もなかったからだ。
ルネの質問責めに苦笑いを浮かべたルノーは、宥めるようにルネの頭をぽんぽんと撫でた。
「ルネ、知的好奇心が旺盛なのは素晴らしいが、こういう話は家族同士だと気恥ずかしいものなんだ。俺も子細は父上ではなく、家庭教師から教わったしね」
ルノーを困らせてしまったのだと気付き、ルネはしゅんと肩を落とした。
「……そうなのですね。申し訳ありません、兄上」
「初対面の先生だと緊張するだろうから、今雇っている方の中から選ぶことになると思う。早速父上と相談してくるよ」
こくんと頷くと、ルノーはルネの前髪を掻き分け、額に触れるだけの口づけをした。
ルノーが頬や額にキスをするのは、決まってルネが気を落とした時だ。
ルノーやノアがルネを祝いつつも明言を避けたのは、それだけ繊細な話題ということなのだろう。
扉へ向かう優しい兄の背中を見つめながら、ルネは大人になることへの漠然とした期待と不安に胸をざわつかせていた。
それからちょうど一週間が経った頃、性教育の担当はジスランになったとルノーから告げられた。
ジスランにはルネが十歳の頃から歴史と法律を担当してもらっている。
彼以外にも語学や数学、マナー、ダンス、音楽など複数の教師がいるが、礼儀正しく温和な性格と継続年数からジスランに決めたそうだ。
ルネには原因を伝えられないまま辞めていってしまう教師も多い中、長く勤めているジスランには家族の皆が信頼を寄せている。
ルネも知識の豊富なジスランの講義が好きで、週に二度の来訪をいつも楽しみにしている。
「自分の身体の変化が少し心細かったのですが、ジスラン先生なら私も安心です」
「そうだな。今日の午後は歴史じゃなく、そっちの講義をしてもらうよう先生には事前に手紙で連絡してある」
手配をしてくれた礼を告げると、ルノーはルネの髪を撫でてから部屋を出ていった。
それからルネは少しだけ落ち着かない心地で、いつもの日課をこなしながらジスランがやってくる午後を待った。
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