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~ 狼泊との対決 ~
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僕はあれから、街を歩く時落ち着かない。狼泊がいつ襲ってくるんではないかと、ビクビクしていたからだ。
真堂丸は朝、僕が目を覚ました時には何処かに出かけたみたいで、すでにいなかった。
「文太さん」
それは、昨日助けを求めに来た男であった。
「昨日は本当にありがとうございました」
「いえ、僕は何もしてませんから」
「そんなことないですよ、どれだけ救われたか、申し遅れましたが あっしの名前は太一と申します」
「あっ、どうも」
「太一さん、道来さんはその後どうですか?」
「傷が深かったみたいでまだ休んでます、じきに良くなるだろうって、それより仲間が殺された気落ちのほうがデカイみたいで」
「そうですか」
「後、もう一人の兄貴にも礼を伝えといて下さい、すみません、あっし達のせいで、あいつに命を狙われるはめになってしまって」
「あはは、あの人強いから大丈夫だと思います」
「あのお方は何者なんでしょうか?」
僕は名前を伝えるのはやめておいた
「あっ、実は僕もあまり知らないんです、たまたま会って一緒にいるくらいで」と、答えておいた。
「そうですか、もし狼泊が来た時は、あっしも命をかけてお守りします。道来さんも同じだと思います、実際、何が出来るか分からないですけど・・・あいつは強い」
僕は太一さんに別れを告げ、街を歩き続けた。
何だか知り合いが増えて嬉しい気持ちにもなる。
太一さんは、今や出会った時とは別人のようだ。
僕は引き続き、気を引き締めながら街を散歩し続けた。
これからどうやってお金を稼ごう、狼泊は本当に来るのだろうか。
この先どうなるんだろう?
ハァー 悩みは考えたら尽きない
「気持ちを切り替え、今日は文太お酒でも飲んでみよう」
初めてのお酒だ。
よしっ、行くぞ!!
時刻は夕暮れ時
文太は酒に酔い倒れていた
「だあーっ 酔っ払っちゃったよ 愉快 ツウカイ ハハッ」
介抱してくれたのは太一だった。
「まさか、文太さんが道端で倒れてるとはな」
太一は歩いてる時、店の前で倒れてる文太を発見した。
店の主人に聞いた「親父、彼は酔ってるのか?」
「そうですよ、たったこれだけで」
おちょこ三杯であった。
太一は文太を担ぎ、文太の住んでる家まで運んでいた。
しかし、その頃
狼泊は確実に近づいて来ていたのだった。彼の異常な嗅覚は真堂丸の居場所を突き止めつつあった
「この辺りから匂いがするな どの家に居るかすぐ探し出してやる」
家に着き、中から平八郎が出て来る。そして、目にした文太の姿に驚いた「どうしたんですか?」
「何、少し酔ってるだけだ、後は頼む。それと前は悪かった」
太一は頭を下げ気まずさもあり、すぐさま帰ろうと振り返った。
「あっ、あれは? もう一人の兄貴?」
真堂丸が道を歩いて、こちらに向かってきている
その時だった
「ハハハハ 何だ 役者が揃ってるじゃないか」
甲高い不気味な声が辺りに響き渡る
太一は聞き覚えのあるその声にゾッとする
「狼泊」
向かいの屋根の上に四足歩行で立つ不気味な人間が視界に入った。
太一はすぐに、狼泊がこないだ持っていた武器とはまるで、違う武器を所持してることに気づいた。両手両足の各指先から尖った刃物まるで自分の爪のように突き出ている。
「何だあの武器は、初めて目にする」
太一が驚く
平八郎は腰を抜かし「ひぃぃぃっ化け物」
中から「父ちゃん」と喜一が、文太はぐっすり眠っている
「おい親父、扉を閉めとけ」
闘いが始まると感じた太一は叫ぶ
「はいっ」
すぐさま、太一は刀を抜き構える
「あははは 雑魚には用はないんだよ、俺が殺したいのはお前だよ」狼泊が睨んだ先には真堂丸が立っていた。
と同時に、狼泊は仕掛ける、凄まじい速さ、そして何という身のこなし。こいつは人間じゃねえ、本物の獣だ。
その動きをあらためて直視した太一は、自分には全く歯が立たない事を痛感していた。
しかし驚くべきことは、その猛攻を躱し、よける、この目の前の得体の知れない男の姿だった。
真堂丸も刀を抜く
キィン キィン キン キン
金属が力強くぶつかり合う音が辺りに鳴り響く、凄まじい速度で刀はぶつかり合っている
「あはは やはりお前と闘うのは面白いな」狼泊は笑っていた。
騒がしい音を耳にし、たくさんの人間がなんだなんだと集まり始める。
「ちっ、人間が集まりやがって」狼泊は舌打ちした。
「おいっ場所を変えないか、こないだの山の下、あそこで決着をつけよう」狼泊はそう言い 四足歩行で辺りにいる人間を斬りさきながら走っていく
真堂丸も後に続く。
家の中で目を覚ました文太
「あれっここは平八郎さんの家?どうやら飲み過ぎちゃったかな」
ガラッ 突然、扉が開く
「文太さん、 もう一人の兄貴と狼泊が決着をつけに、山に向かいました」
「えっ?」
僕らは慌てて すぐに走って山に向かった。
大丈夫だよね、真堂丸。 胸の鼓動が異様に速く脈打つのを感じる
僕らが山のふもとに着いた時、勝負はすでに始まっていた。
目の前では凄まじい攻防が繰り広げられている、狼泊の攻撃は両手についた刃物にとどまらず 両足までも襲ってくる
しかし、それを見事にさばく真堂丸
「文太さん、あの方は一体誰なんです?俺はこんな見事な闘いを初めて見やす」
僕は息をのんだ、男と男が命をかけて闘っている、少しでもあの刃物が身体をかすめようものなら、赤い血しぶきが飛び散り その者は死ぬだろう。
そしてもう二度と動かない
目の前で行われているのは命のやりとりだったのだ。
僕は怖かった
怖くて、怖くて、おそろしかった。
真堂丸を失うんじゃないかという恐怖
何度、目をつむろうと思った事だろう、何度目を背けようとしたことだろう
その時だった
真堂丸の刀を狼泊が両手の刃物で掴んだのだ
「もらった」
身体をよじらせ その反動で両足の刃物が真堂丸に襲いかかる、今刀は抑えられてる
「危ない」僕は思わず叫んでいた
だが驚いたのは狼泊だった。
両足が真堂丸に、届くと思ったその時 両手の刃物は木っ端微塵になり、真堂丸の刀は狼泊の身体を斬り裂いた。
狼泊はとっさにかわそうとしたが、既に胸からは血がドクドク流れている
その時だった、真堂丸は狼泊に何やら語りかけ始めた。
「お前のように他者に攻撃をしかけ、襲ってくる類の人間達を見てきて、気づいた事がある。 お前達の刀からは同じ叫び声が聴こえる」
「それは何だ?」血を流す狼泊は真堂丸を睨みつけ言った。
「助けてくれと言う悲鳴だよ」
「あははははは」狼泊は笑っている
「そうかも…知れんな 俺はな、狼に育てられた人間なのさ」
「俺の親は、赤ん坊の俺を山に捨てた。
俺は死んで当然の状況の中、俺の命を救ったのは、一匹の狼だった。
俺に餌を持ってきては人間の俺を育ててくれたのさ、信じられないだろう?俺は幸せだった
人間と言う、己の事しか考えない馬鹿どもと違い、山の動物達は俺に優しくしてくれた。
だがなその幸せを壊したのも人間だった。
ある日、俺が住処に戻った時、俺を育てた狼は人間に殺され喰われていたのさ、奴等は動物を食料にしかみないが、俺からすれば人間こそが勘違いな利己主義に支配された獣同然。
喰われ食料にされて当然な生き物なんだよ、あははははは」
狼泊は甲高い声をあげ笑った。
「いかれてますぜあの野郎」太一は言った。
僕は何だか頷けなかった
「さあ、ヤレヨ 食料にすればいい」
真堂丸は刀を振りあげた
「ふぅー、これで一安心ですね、文太さん」
その時だった。
振りかざされる刀の前に文太が立っていたのだ。
「もうやめましょう、決着は着きました。無駄に命を奪うのやめましょうよ」文太は涙を流している
「僕には狼泊さんの気持ちも痛いほど分かりました、僕も同じ状況で育ったなら、人を憎んだかもしれない」
「どけ」真堂丸は言った
「どきません、僕を斬ってからにしてください」
その言葉に誰よりも驚いたのは狼泊
信じられなかった、今まで自分が見てきた人間、欲しいものはどんな手を使ってでも奪う人間
自分の為なら平気で人を見捨て、利用する人間
ここに立つ一人の男は自分が今まで目にしてきた人間とまるで違っていた。
人間の中にもこんな奴がいるのか・・・
真堂丸は刀をしまった
「貴様、勝負に勝って命を奪わず去るつもりか、また殺しに行くぞ」
「そん時はまた相手をしてやるよ」
僕は真堂丸の心が晴れた様な言葉の響きをきいて、少しはっとした。真堂丸はどことなく少し嬉しそうに見えた。
「貴様名は何という?」
「真堂丸 」
その名をきいた、狼泊と太一は驚きを隠せなかった。
「つえぇはずだよ」太一はポツリと驚きながらつぶやく。
真堂丸は、そそくさと、歩いて街に歩き始めた。
「待ってくださいよ」
「おいっ小僧 貴様の名は?」
「ぼっ、ぼくですか 文太です」
僕は真堂丸を追った。
太一はいまだに信じられなかった。
今さっきまで目にしていた光景、俺はあの真堂丸の闘いをこの目で見ていた。
それともう一つ驚いたこと、それは自分を殺そうとしてた獣同然の様な男の為に、自分の命を差し出しかばった男の姿
心の中になにかが、強烈に突き刺さった。
太一は今、胸の中で何とも言えない、言葉では説明出来ないものがこみ上げてきてるのを感じていた。
それはとても暖かく、また見えないはずなのにとても美しく感じるものだった。
そして、この瞬間から、この二人の為なら自分の命すら平気で差し出せる自分がいる事に気づいていた。
狼泊を一瞬見つめ、太一も二人をすぐに追う。
「待ってくだせぇ~」
狼泊は独り地面に顔をうずめ泣いていた
それはこの世に生をうけて初めて狼泊が流した嬉し涙であった。
真堂丸は朝、僕が目を覚ました時には何処かに出かけたみたいで、すでにいなかった。
「文太さん」
それは、昨日助けを求めに来た男であった。
「昨日は本当にありがとうございました」
「いえ、僕は何もしてませんから」
「そんなことないですよ、どれだけ救われたか、申し遅れましたが あっしの名前は太一と申します」
「あっ、どうも」
「太一さん、道来さんはその後どうですか?」
「傷が深かったみたいでまだ休んでます、じきに良くなるだろうって、それより仲間が殺された気落ちのほうがデカイみたいで」
「そうですか」
「後、もう一人の兄貴にも礼を伝えといて下さい、すみません、あっし達のせいで、あいつに命を狙われるはめになってしまって」
「あはは、あの人強いから大丈夫だと思います」
「あのお方は何者なんでしょうか?」
僕は名前を伝えるのはやめておいた
「あっ、実は僕もあまり知らないんです、たまたま会って一緒にいるくらいで」と、答えておいた。
「そうですか、もし狼泊が来た時は、あっしも命をかけてお守りします。道来さんも同じだと思います、実際、何が出来るか分からないですけど・・・あいつは強い」
僕は太一さんに別れを告げ、街を歩き続けた。
何だか知り合いが増えて嬉しい気持ちにもなる。
太一さんは、今や出会った時とは別人のようだ。
僕は引き続き、気を引き締めながら街を散歩し続けた。
これからどうやってお金を稼ごう、狼泊は本当に来るのだろうか。
この先どうなるんだろう?
ハァー 悩みは考えたら尽きない
「気持ちを切り替え、今日は文太お酒でも飲んでみよう」
初めてのお酒だ。
よしっ、行くぞ!!
時刻は夕暮れ時
文太は酒に酔い倒れていた
「だあーっ 酔っ払っちゃったよ 愉快 ツウカイ ハハッ」
介抱してくれたのは太一だった。
「まさか、文太さんが道端で倒れてるとはな」
太一は歩いてる時、店の前で倒れてる文太を発見した。
店の主人に聞いた「親父、彼は酔ってるのか?」
「そうですよ、たったこれだけで」
おちょこ三杯であった。
太一は文太を担ぎ、文太の住んでる家まで運んでいた。
しかし、その頃
狼泊は確実に近づいて来ていたのだった。彼の異常な嗅覚は真堂丸の居場所を突き止めつつあった
「この辺りから匂いがするな どの家に居るかすぐ探し出してやる」
家に着き、中から平八郎が出て来る。そして、目にした文太の姿に驚いた「どうしたんですか?」
「何、少し酔ってるだけだ、後は頼む。それと前は悪かった」
太一は頭を下げ気まずさもあり、すぐさま帰ろうと振り返った。
「あっ、あれは? もう一人の兄貴?」
真堂丸が道を歩いて、こちらに向かってきている
その時だった
「ハハハハ 何だ 役者が揃ってるじゃないか」
甲高い不気味な声が辺りに響き渡る
太一は聞き覚えのあるその声にゾッとする
「狼泊」
向かいの屋根の上に四足歩行で立つ不気味な人間が視界に入った。
太一はすぐに、狼泊がこないだ持っていた武器とはまるで、違う武器を所持してることに気づいた。両手両足の各指先から尖った刃物まるで自分の爪のように突き出ている。
「何だあの武器は、初めて目にする」
太一が驚く
平八郎は腰を抜かし「ひぃぃぃっ化け物」
中から「父ちゃん」と喜一が、文太はぐっすり眠っている
「おい親父、扉を閉めとけ」
闘いが始まると感じた太一は叫ぶ
「はいっ」
すぐさま、太一は刀を抜き構える
「あははは 雑魚には用はないんだよ、俺が殺したいのはお前だよ」狼泊が睨んだ先には真堂丸が立っていた。
と同時に、狼泊は仕掛ける、凄まじい速さ、そして何という身のこなし。こいつは人間じゃねえ、本物の獣だ。
その動きをあらためて直視した太一は、自分には全く歯が立たない事を痛感していた。
しかし驚くべきことは、その猛攻を躱し、よける、この目の前の得体の知れない男の姿だった。
真堂丸も刀を抜く
キィン キィン キン キン
金属が力強くぶつかり合う音が辺りに鳴り響く、凄まじい速度で刀はぶつかり合っている
「あはは やはりお前と闘うのは面白いな」狼泊は笑っていた。
騒がしい音を耳にし、たくさんの人間がなんだなんだと集まり始める。
「ちっ、人間が集まりやがって」狼泊は舌打ちした。
「おいっ場所を変えないか、こないだの山の下、あそこで決着をつけよう」狼泊はそう言い 四足歩行で辺りにいる人間を斬りさきながら走っていく
真堂丸も後に続く。
家の中で目を覚ました文太
「あれっここは平八郎さんの家?どうやら飲み過ぎちゃったかな」
ガラッ 突然、扉が開く
「文太さん、 もう一人の兄貴と狼泊が決着をつけに、山に向かいました」
「えっ?」
僕らは慌てて すぐに走って山に向かった。
大丈夫だよね、真堂丸。 胸の鼓動が異様に速く脈打つのを感じる
僕らが山のふもとに着いた時、勝負はすでに始まっていた。
目の前では凄まじい攻防が繰り広げられている、狼泊の攻撃は両手についた刃物にとどまらず 両足までも襲ってくる
しかし、それを見事にさばく真堂丸
「文太さん、あの方は一体誰なんです?俺はこんな見事な闘いを初めて見やす」
僕は息をのんだ、男と男が命をかけて闘っている、少しでもあの刃物が身体をかすめようものなら、赤い血しぶきが飛び散り その者は死ぬだろう。
そしてもう二度と動かない
目の前で行われているのは命のやりとりだったのだ。
僕は怖かった
怖くて、怖くて、おそろしかった。
真堂丸を失うんじゃないかという恐怖
何度、目をつむろうと思った事だろう、何度目を背けようとしたことだろう
その時だった
真堂丸の刀を狼泊が両手の刃物で掴んだのだ
「もらった」
身体をよじらせ その反動で両足の刃物が真堂丸に襲いかかる、今刀は抑えられてる
「危ない」僕は思わず叫んでいた
だが驚いたのは狼泊だった。
両足が真堂丸に、届くと思ったその時 両手の刃物は木っ端微塵になり、真堂丸の刀は狼泊の身体を斬り裂いた。
狼泊はとっさにかわそうとしたが、既に胸からは血がドクドク流れている
その時だった、真堂丸は狼泊に何やら語りかけ始めた。
「お前のように他者に攻撃をしかけ、襲ってくる類の人間達を見てきて、気づいた事がある。 お前達の刀からは同じ叫び声が聴こえる」
「それは何だ?」血を流す狼泊は真堂丸を睨みつけ言った。
「助けてくれと言う悲鳴だよ」
「あははははは」狼泊は笑っている
「そうかも…知れんな 俺はな、狼に育てられた人間なのさ」
「俺の親は、赤ん坊の俺を山に捨てた。
俺は死んで当然の状況の中、俺の命を救ったのは、一匹の狼だった。
俺に餌を持ってきては人間の俺を育ててくれたのさ、信じられないだろう?俺は幸せだった
人間と言う、己の事しか考えない馬鹿どもと違い、山の動物達は俺に優しくしてくれた。
だがなその幸せを壊したのも人間だった。
ある日、俺が住処に戻った時、俺を育てた狼は人間に殺され喰われていたのさ、奴等は動物を食料にしかみないが、俺からすれば人間こそが勘違いな利己主義に支配された獣同然。
喰われ食料にされて当然な生き物なんだよ、あははははは」
狼泊は甲高い声をあげ笑った。
「いかれてますぜあの野郎」太一は言った。
僕は何だか頷けなかった
「さあ、ヤレヨ 食料にすればいい」
真堂丸は刀を振りあげた
「ふぅー、これで一安心ですね、文太さん」
その時だった。
振りかざされる刀の前に文太が立っていたのだ。
「もうやめましょう、決着は着きました。無駄に命を奪うのやめましょうよ」文太は涙を流している
「僕には狼泊さんの気持ちも痛いほど分かりました、僕も同じ状況で育ったなら、人を憎んだかもしれない」
「どけ」真堂丸は言った
「どきません、僕を斬ってからにしてください」
その言葉に誰よりも驚いたのは狼泊
信じられなかった、今まで自分が見てきた人間、欲しいものはどんな手を使ってでも奪う人間
自分の為なら平気で人を見捨て、利用する人間
ここに立つ一人の男は自分が今まで目にしてきた人間とまるで違っていた。
人間の中にもこんな奴がいるのか・・・
真堂丸は刀をしまった
「貴様、勝負に勝って命を奪わず去るつもりか、また殺しに行くぞ」
「そん時はまた相手をしてやるよ」
僕は真堂丸の心が晴れた様な言葉の響きをきいて、少しはっとした。真堂丸はどことなく少し嬉しそうに見えた。
「貴様名は何という?」
「真堂丸 」
その名をきいた、狼泊と太一は驚きを隠せなかった。
「つえぇはずだよ」太一はポツリと驚きながらつぶやく。
真堂丸は、そそくさと、歩いて街に歩き始めた。
「待ってくださいよ」
「おいっ小僧 貴様の名は?」
「ぼっ、ぼくですか 文太です」
僕は真堂丸を追った。
太一はいまだに信じられなかった。
今さっきまで目にしていた光景、俺はあの真堂丸の闘いをこの目で見ていた。
それともう一つ驚いたこと、それは自分を殺そうとしてた獣同然の様な男の為に、自分の命を差し出しかばった男の姿
心の中になにかが、強烈に突き刺さった。
太一は今、胸の中で何とも言えない、言葉では説明出来ないものがこみ上げてきてるのを感じていた。
それはとても暖かく、また見えないはずなのにとても美しく感じるものだった。
そして、この瞬間から、この二人の為なら自分の命すら平気で差し出せる自分がいる事に気づいていた。
狼泊を一瞬見つめ、太一も二人をすぐに追う。
「待ってくだせぇ~」
狼泊は独り地面に顔をうずめ泣いていた
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