冬馬君の秋と冬

だかずお

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『それぞれの朝』

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今はスーの家に泊まり、帰ってきた日の夜。

皆とも別れ、サーに送ってもらい冬馬君は自宅に帰って来ていた。

あー楽しかったなぁ。
楽しい思い出が終わり、ふと家に帰り、皆と別れ一人になると、何となく寂しい様な切ない様な不思議な気持ち。
さっきまでずっと一緒に過ごしていたみんなとも別れ、また明日からは自分の日常生活が始まる。
さっきまで一緒だったみんなの姿は今は隣にはない。

「もうみんなと会いたくなっちゃうよ、本当に楽しい週末だったなぁ、明日から学校だぁ」学校が嫌いだった冬馬君は学校に行くとなると少し嫌な気持ちになった。

みんなが泊まってて、賑やかだったこの部屋が懐かしい、そんなことを思う。
スーの家のまわりの景色や、みんなで遊びに行った場所が頭に浮かぶ。
やはり、寂しい、切ないともちょっと違うこの気持ち。
楽しかった思い出の余韻を感じ、浸ってしまう感覚とでも言えば良いのだろうか?
冬馬君の頭には週末の出来事がずっと浮かんでいた。


本当に楽しかったなぁ。


さて、明日から学校も頑張るかー。

目を閉じ眠りにつく。
楽しかった思い出と皆の顔を思い浮かべ。



冬馬君が眠る下の階、父隆の気分はあがっていた。
何故?

隆は今日は自分にご褒美をと、今まで飲んだ事のない、ちょっと高めのウィスキーに食べたいツマミを買ってきていたからだ。

「毎日お疲れ様、たかし」自分に優しい言葉をかけ。

ニンマリ

「まずは、ストレート」

グビッ

「キャハ~ 濃厚なアジィー」男のささやかな幸せ。

「あなた明日も仕事なんだからほどほどにね」正子に言われる隆は「分かってる」とニンマリ(絶対に分かってはいない)

「私はもう寝るからね」

「分かった、おやすみ」

隆はニンマリ、次はロックだ。

ゴキュッ

目を見開き「うっま」そして、チー鱈を口にほうばる。

男は一人頷いた。

「ありがとう、ウィスキーとチー鱈、この隆をこんなに幸せにしてくれてありがとう」既に酔い始めている。

男は黄昏れて言う

「ウィスキーの似合う男」

「the たかし」

グビッ グビッ

「かはーっ、幸せ」

「ああ、こうして自分の時間を大事にする、大切な事だなぁ」

「ウィスキーはお好きでしょう?」歌い出す

男は酔いも増し、気分爽快。

「ふぅー出来る大人の男、隆っ」
誰にも聞こえない様に照れながら小さな声で囁く。
こんな自分なら、もっとビッグになれる。

グビッ

「俺はビッグな男や」小さな声で囁いた。

キョロキョロ

グビッ

「ああ美味しい」男のささやかな幸せタイム。


その頃、多網家では。

多網は部屋で一人鼻くそをほじって丸めて、机に並べていた。

「えへへ」奴は不気味に笑う。

週末散々活躍し、皆を沸かせた多網の父サーは?

「明日仕事でどうか部長に怒られませんように」と祈っていた。

多網の妹、多美は夢を見ていた。

白馬に乗ったその男の名はイクラ様。

ああ、素晴らしいわぁイクラ様は、なんたって国中のキッズが知っているんだから。

それに引き換えこの多美は?
冬馬君の多美なんて誰も知らない。
なんたる事なの。
またも国民的スター永遠のライバルイクラを思い地団駄踏んでいた。
人と比較なぞするな、多美よ!(誰じゃい)


その頃、きみ子は?

ブッこいていた。

大喜は?

寝ていた(なんじゃ、このサラッと流すような流れ)


だが、奴は元気だった?

せっかくなので久しぶりに彼女を出現させよう(出現って)

そう、きみ子の友達 虎鮫代ちゃんである。

虎鮫代ちゃんは今大切な夜食を食す大事な時間である。

今夜は好物のキムチうどん

舌はご機嫌だからか?高速回転中

ペロ ペロ ペロ ペロ~

「いっただっき~~マウス」

パクっ

ペロ ペロ ペロ ペロー 舌は時計回りに良く回る。

ハフ ハフ ハフ 

「しあわせ~~」

「辛い物、私の好物」虎鮫代ちゃんは七味トウガラシを追加しようとした。

アチョー アチョ アチョ アチョ アチョ~~
凄い速度で七味トウガラシの入るビンを振りまくる。
舌も同時進行、良く回っている。



ベチョ

蓋外れ~の、中身全漏れ~の。

いっちょ 七味トウガラシうどんの出来上がり

顔は引きつり、10回程舌が反時計回りに回る。

「っちっ」んで舌打ちする。

パクリ 

「わぎゃああああああああっ」
舌は反時計回りに高速回転

「あーっ、イライラするなぁ こーゆうの、空気読めよ蓋」キレる虎鮫代ちゃんであった。


チュン チュン チュン

翌朝

あー寝たいのに、この起きなきゃいけないシチュエーション 冬馬君の大嫌いなシチュエーションである。

「後2分」2分でも寝るのが増えるだけで嬉しいのだ。

すぐに2分がたつ。

えーい、思い切って後5分。

朝の5分はたまらない。

冬馬君は思う、僕に魔法が使えたら。
名づけて、時間を止め~る。
間違いなく、今使うのは確実である。

いよいよ、どうしても起きなきゃいけない時が到来。

あーもぅ。ふてくされる冬馬君だった。


では、大喜はどうだろう?

結構目覚めは良い。

時間になると起き、結構テキパキと動いていた。
朝のアニメを観て、ご飯を食べている。


では、多網


全く起きてこない多網を起こしに、母が部屋にやってくる。

しかし、多網は既に部屋に居ない。
普通の母は、あらっ もう起きたのかしら?
しかし、多網母は多網に鍛えあげられていた。

バッ 布団をめくる。
いない!!

ガラッ 押入れを開ける

発見

多網捕獲完了。

押入れで寝ていた。


サーは「あーもう朝?寝てる時だけ体感時間長くならないかな、寝てるから速く感じるんだよ」
訳のわからない愚痴を抜かしている。

「あー今日仕事休みにならないかな」毎朝一度は考えることであった。

多美はこの時間たまらない、皆が何処かに向かわなければならないこの時間に私は寝ていられる。

イッツア 多美 タァーイム

イメージの中、ドレスを着て壇上で踊っている。
そして多美は心の中
「チャーーーーーー」と叫び、幸福な笑みを浮かべ眠る。
さて、もう一眠りするかねぇ。こんな気分だろう。


次いで、きみちゃんは。

パッと目覚め、まずは一発ブッこきーの「しゃー始まった」

「お腹減ったー」全力で台所に向かう。

「ママ~今日朝食ステーキ食べれそう」
無論却下される。

空腹により目覚めるタイプの様だ。


んじゃまー虎鮫代ちゃんも。

唇は腫れ、名物の舌は(名物って)ヒィヒィ言っていた。

舌は思う。
虎鮫代め、普段あたいを回転させまくるくせに、昨日良くもあんな辛い物食わせたわね。(結局全部食した)
今日は絶対に回転してやんないんだから。

ペロ 回転させられてしまう。

「ママ、今日 口の中が辛いから休む」

無論却下される。


こうして、それぞれの一日が始まる。


「行って来まーすぅ」


皆様も今日も新たな一日を楽しもう!!


行ってらっしゃーいっ


さて、寝ようっと(誰じゃいっ?)



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