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03.
17.歩み寄り 03
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懲罰房。
「なぜ、こんな所にいるのですか……」
分厚い板で作られた扉は、隙間が多い。
板に柔らかなものが当たる音がした。
バウマンが扉に近づけば、その香水の香りからマティルだと分かったのだ。
黙ってソコにいるつもりが、言い当てられた事にマティルは驚いた。 何時も、何かに集中していて、私の事を気に掛けると言う事が無かったバウマン様が声をかけてくるなんて。 それこそ「なぜ?!」と言う話ですわ。
なぜ? なぜなんて聞かれても……私自身が分からない。 それでも、扉の前に座る私に声をかけてくれる事は嬉しいと思った。 想像以上に安堵すれば泣けてきた。
泣いている私に気づいたバウマン様がおろおろとしているのが気配で分かる。
「何かあったのですか?! 何処か痛いのですか?! イジメられたのですか!!」
「おおきな、声は、嫌い」
「ぇ、ぁ……ごめんなさい。 えっと……」
しばらくの沈黙の後、バウマン様は静かにたどたどしく子守歌をうたった。 ビックリして泣き止めば、ホッとしたところで歌がとまり。
「もっと、歌って!!」
3曲歌わせてしまい、なんだか、とても変な気持ちになった。
「床に、直接座ってなんかいませんよね?」訊ねて
少し大きな声で言葉を発し、慌てて声を押さえて訊ねて来る。
「なぜ、そんな事を聞くのですか?」
「身体を冷やして、体調を崩して欲しく等ないからです」
「確かに……そうですね……部屋に戻ります。 何か欲しいものはありますか?」
少し冷えて来ていた。
今度は寒くならないように注意をしてこよう。
「お気遣いありがとうございます。 紙とペンがあれば退屈する事もありませんから、大丈夫ですよ」
翌日からは、毛布を持ってきてその上に座るようにした。 特に話をする事もないから、黙ったままで扉に背を預けていた。
カタンッと音を出してしまった。
「また、来たのですね」
「えぇ」
戻りなさいと言う言葉は聞きたくないと短い返事だけで終わらせた。
「いじめられたのですか?」
「いいえ、少しばかり不安で不快でしたの」
「そう……」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫……だと思います」
「良く分からない?」
「そう……なんだか、胸がモヤモヤするだけ……イジメでも、攻撃された訳でもないの」
「……私は、余り会話が得意ではありません。 なので、何時、何を見て、聞いて、気分を変えたのか知りたいです」
「なぜ?」
「……見えないから、でしょうか?」
「見えたらいいの? あぁ、侯爵家らしい所作かどうかが分かるから?」
少し嫌味っぽく言ってみれば、すぐに返事は無かった。
「見えていれば、体調ぐらいは分かります。 体調が分かれば心配が必要か分かる……。 本当にイジメられてはいないのですね?」
「……」
決してイジメではありません。 むしろ文字にすればソレは気遣いの言葉以外の何物でもなく、イジメにあっている(?)のは、バウマン様の方。
でも私は不快だった。
なんて、事を言う必要があるのかしら?
今まで、どれだけの会話をしてきただろうか? そう思えば、何を話して、何を話さないかに悩んだ。
「イジメを行った人がいるなら、ソレを記録しておいてください」
「暴力は良くないと思います」
慌てて止める言葉を吐けば、少し笑っているように聞こえた。
「私は真剣に言っているんですよ!!」
「そうですね。 もう滅多な事では暴力を振るわないと誓います。 1度見せておけばソレなりの効果はあるでしょうからね」
なんだか、会話がかみ合いませんが、ソレでも私を気遣ってくれていると言う事だけはわかる訳で、もやもやを話してもいいのでしょうか?
「なぜ、こんな所にいるのですか……」
分厚い板で作られた扉は、隙間が多い。
板に柔らかなものが当たる音がした。
バウマンが扉に近づけば、その香水の香りからマティルだと分かったのだ。
黙ってソコにいるつもりが、言い当てられた事にマティルは驚いた。 何時も、何かに集中していて、私の事を気に掛けると言う事が無かったバウマン様が声をかけてくるなんて。 それこそ「なぜ?!」と言う話ですわ。
なぜ? なぜなんて聞かれても……私自身が分からない。 それでも、扉の前に座る私に声をかけてくれる事は嬉しいと思った。 想像以上に安堵すれば泣けてきた。
泣いている私に気づいたバウマン様がおろおろとしているのが気配で分かる。
「何かあったのですか?! 何処か痛いのですか?! イジメられたのですか!!」
「おおきな、声は、嫌い」
「ぇ、ぁ……ごめんなさい。 えっと……」
しばらくの沈黙の後、バウマン様は静かにたどたどしく子守歌をうたった。 ビックリして泣き止めば、ホッとしたところで歌がとまり。
「もっと、歌って!!」
3曲歌わせてしまい、なんだか、とても変な気持ちになった。
「床に、直接座ってなんかいませんよね?」訊ねて
少し大きな声で言葉を発し、慌てて声を押さえて訊ねて来る。
「なぜ、そんな事を聞くのですか?」
「身体を冷やして、体調を崩して欲しく等ないからです」
「確かに……そうですね……部屋に戻ります。 何か欲しいものはありますか?」
少し冷えて来ていた。
今度は寒くならないように注意をしてこよう。
「お気遣いありがとうございます。 紙とペンがあれば退屈する事もありませんから、大丈夫ですよ」
翌日からは、毛布を持ってきてその上に座るようにした。 特に話をする事もないから、黙ったままで扉に背を預けていた。
カタンッと音を出してしまった。
「また、来たのですね」
「えぇ」
戻りなさいと言う言葉は聞きたくないと短い返事だけで終わらせた。
「いじめられたのですか?」
「いいえ、少しばかり不安で不快でしたの」
「そう……」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫……だと思います」
「良く分からない?」
「そう……なんだか、胸がモヤモヤするだけ……イジメでも、攻撃された訳でもないの」
「……私は、余り会話が得意ではありません。 なので、何時、何を見て、聞いて、気分を変えたのか知りたいです」
「なぜ?」
「……見えないから、でしょうか?」
「見えたらいいの? あぁ、侯爵家らしい所作かどうかが分かるから?」
少し嫌味っぽく言ってみれば、すぐに返事は無かった。
「見えていれば、体調ぐらいは分かります。 体調が分かれば心配が必要か分かる……。 本当にイジメられてはいないのですね?」
「……」
決してイジメではありません。 むしろ文字にすればソレは気遣いの言葉以外の何物でもなく、イジメにあっている(?)のは、バウマン様の方。
でも私は不快だった。
なんて、事を言う必要があるのかしら?
今まで、どれだけの会話をしてきただろうか? そう思えば、何を話して、何を話さないかに悩んだ。
「イジメを行った人がいるなら、ソレを記録しておいてください」
「暴力は良くないと思います」
慌てて止める言葉を吐けば、少し笑っているように聞こえた。
「私は真剣に言っているんですよ!!」
「そうですね。 もう滅多な事では暴力を振るわないと誓います。 1度見せておけばソレなりの効果はあるでしょうからね」
なんだか、会話がかみ合いませんが、ソレでも私を気遣ってくれていると言う事だけはわかる訳で、もやもやを話してもいいのでしょうか?
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