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1章 婚約破棄したら負け
05.王都へ召喚されるも……私、殺されかける
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ナターナエル様の恋人の到来から3日後。
王都から1台の馬車が1通の手紙と共に豪雨が続く中やってきた。 それは、ステニウス家の台所事情から考えれば、ずいぶんと豪華な馬車。
私は手紙を受け取れば、ニッコリと微笑んだ。
「ありがとうございます」
さぁ、何処にでも去るが良い!!
そう言わんばかりに。 今までも何度か王都に顔を出せ、戻れと言うような手紙を受け取ったが、そこに謝罪文が無い事と、仕事がたまった、金が無い、金が無い、金が無い!! という主張が激しすぎるため、こう……戻るメリットと言うか、心の妥協点が見いだせず。 放置し続けてきた。
結果、痺れを切らしたようで。
「あの……王都までお連れするようにと言われておりまして」
そう御者の男は困った様子で告げた。 ここでステニウス家の馬車と御者ではなく、王都内の馬車レンタル業者から借りていると言うのが、姑息だ!! 赤の他人を巻き込むのか? いや、赤の他人だからこそ業務的にお断りできるというものか?
「お断りします!!」
「そう、申されましても……私がここに留まるごとに1日これだけの追加料金を頂く事になりますが?大体これほどです」
契約書面を見せられれば、1日のレンタル料が庶民の1月分の生活費を超えていた。
「……マジ?」
「マジです」
王都から3日、もしかすると雨でもっとかかっている可能性もある。 いや、わざわざこんな豪華な馬車を使っているのだから、ここに来るまでナターナエル様が使っていた可能性がある。 あの方のことだ……先日の女性をコチラに押し付けた頃には、もう次の女性がいた可能性が高く、その女性と観光等していた可能性、あ~~~ありそうだなぁ。
チラリと御者を見て、ボソリと私の想像を口にすれば、言い難そうにただ静かに御者は頷いて、私は大きく項垂れた。
少しだけ話をすれば、明らかに先日の女性よりも、地位、権力、財力、美貌、そんなものが確実に上な可能性が高い。 いや、高くなければ、先日の女性のような人を、私に会うように仕向けないでしょう。 なにせ、見た目は派手なのに妙に初心で、ナターナエル様の好みだから。
「最低の男だなぁ……」
「ぇ?」
御者がギョッとした。
仕方がないとはいえ、収穫した山の幸を放置するのも勿体ないし、何よりこの農作業着で王都に行くのは私でも気が引けると言うものだ。
そんな訳で1日の猶予を貰う事にした。
さて、その間に少しは足元が良くなればいいのですが……。
なんて思っていましたが。 降り続いた雨に山の状態も悪く、河川の氾濫、橋の決壊、土砂崩れ等の発生に注意が必要なレベルになってきていました。 何かあれば、長期間高い日当がつく馬車を足止めしてしまう事になる訳で、予定通り翌日には領地を出発。
「フォル様、車輪がぬかるみにはまったようで」
「手伝いますよ」
「いえ、おやめください。 お客様に手伝わせては、私が首になってしまいます」
なんて言ってからシバラク雨音を聞きながら大人しくしていた。 車輪がはまったと言っていたから、馬車にドンドンと何かがぶつかる音がしたけれど余り気にしておらず、ガタンと言う大きな音と身体が椅子から投げ出されて初めて、自分の状況を理解した。
ゴーーーという大きな水音を間近に聞いた。
外の様子は分からない。
分かるために扉を開くのは怖い。
既に泥水が浸入してきていますし?
ドンと大きな石がぶつかる音と共に、大量の汚れた水が入ってきた。
「ぁ、死んだ……」
そして序章の状況へと至る。
王都から1台の馬車が1通の手紙と共に豪雨が続く中やってきた。 それは、ステニウス家の台所事情から考えれば、ずいぶんと豪華な馬車。
私は手紙を受け取れば、ニッコリと微笑んだ。
「ありがとうございます」
さぁ、何処にでも去るが良い!!
そう言わんばかりに。 今までも何度か王都に顔を出せ、戻れと言うような手紙を受け取ったが、そこに謝罪文が無い事と、仕事がたまった、金が無い、金が無い、金が無い!! という主張が激しすぎるため、こう……戻るメリットと言うか、心の妥協点が見いだせず。 放置し続けてきた。
結果、痺れを切らしたようで。
「あの……王都までお連れするようにと言われておりまして」
そう御者の男は困った様子で告げた。 ここでステニウス家の馬車と御者ではなく、王都内の馬車レンタル業者から借りていると言うのが、姑息だ!! 赤の他人を巻き込むのか? いや、赤の他人だからこそ業務的にお断りできるというものか?
「お断りします!!」
「そう、申されましても……私がここに留まるごとに1日これだけの追加料金を頂く事になりますが?大体これほどです」
契約書面を見せられれば、1日のレンタル料が庶民の1月分の生活費を超えていた。
「……マジ?」
「マジです」
王都から3日、もしかすると雨でもっとかかっている可能性もある。 いや、わざわざこんな豪華な馬車を使っているのだから、ここに来るまでナターナエル様が使っていた可能性がある。 あの方のことだ……先日の女性をコチラに押し付けた頃には、もう次の女性がいた可能性が高く、その女性と観光等していた可能性、あ~~~ありそうだなぁ。
チラリと御者を見て、ボソリと私の想像を口にすれば、言い難そうにただ静かに御者は頷いて、私は大きく項垂れた。
少しだけ話をすれば、明らかに先日の女性よりも、地位、権力、財力、美貌、そんなものが確実に上な可能性が高い。 いや、高くなければ、先日の女性のような人を、私に会うように仕向けないでしょう。 なにせ、見た目は派手なのに妙に初心で、ナターナエル様の好みだから。
「最低の男だなぁ……」
「ぇ?」
御者がギョッとした。
仕方がないとはいえ、収穫した山の幸を放置するのも勿体ないし、何よりこの農作業着で王都に行くのは私でも気が引けると言うものだ。
そんな訳で1日の猶予を貰う事にした。
さて、その間に少しは足元が良くなればいいのですが……。
なんて思っていましたが。 降り続いた雨に山の状態も悪く、河川の氾濫、橋の決壊、土砂崩れ等の発生に注意が必要なレベルになってきていました。 何かあれば、長期間高い日当がつく馬車を足止めしてしまう事になる訳で、予定通り翌日には領地を出発。
「フォル様、車輪がぬかるみにはまったようで」
「手伝いますよ」
「いえ、おやめください。 お客様に手伝わせては、私が首になってしまいます」
なんて言ってからシバラク雨音を聞きながら大人しくしていた。 車輪がはまったと言っていたから、馬車にドンドンと何かがぶつかる音がしたけれど余り気にしておらず、ガタンと言う大きな音と身体が椅子から投げ出されて初めて、自分の状況を理解した。
ゴーーーという大きな水音を間近に聞いた。
外の様子は分からない。
分かるために扉を開くのは怖い。
既に泥水が浸入してきていますし?
ドンと大きな石がぶつかる音と共に、大量の汚れた水が入ってきた。
「ぁ、死んだ……」
そして序章の状況へと至る。
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