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07.双子と父 豊穣祭前後(☆)
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恥をかいた……。
恥をかかされた。
父に呆れられた。
フランはそう思った。
頭に血が上り、怒りが抑えられなくなった。 感情的な妹と共に育ったフランは感情をむき出しにすることは醜いと考えるようになっていたが、今だけは別。 この抑えられない感情を利用し、妹に、フレイに言うべきことがあった。
執務室に入れば視線にとまる金色の髪、そこに向かって真っすぐに歩きだす。
「いい加減にしてくれないかな? 仕事の邪魔になるんだよね」
木陰で木に抱きつき、剥き出しにした白い尻を背後から突かれ、肉を打つ音に合わせ甘い声をだしている双子の妹にフランがいえば、甘く蕩けた顔で、荒い呼吸で、フレイは言った。
「お兄さまが、私を無視するのがいけないんですのよ。 あぁ、ダメ、ダメよ、動くのを辞めては」
とは言え、次期辺境伯の前でそのような行為を、たかが目付け役が気にせず継続できるはずが……と思いきや、キュッと中で締め付けられれば、目付け役の萎えかけたものがフレイの中で大きく膨張した。
「あははははは、この変態が、お兄さまに見られて興奮しているのね!!」
肉を打つ音と、自分とよく似た声での甘い喘ぎ混ざりの罵倒にフランは吐き気を覚えた。
「いい加減にしないか!!」
妹の身を引きよせれば、剥き出しの白い胸が露わになり、目付け役はその急激な動きをきっかけに絶頂を迎えて、白濁の液が激しく飛び、フレイの尻を汚す。
「お兄さま……嫉妬していただけて嬉しいですわ。 でも、私は弱い女だから、お兄さまの愛を実感できなければ、やっぱり同じ事を繰り返し、お兄さまへの愛も尽きてしまうと思いますのよ」
フランが醜く顔をゆがめた。
どうしよう。
どうすればいい?
父に知られればフレイはバツを受けてしまうだろう。
それだけは避けたかった。
フレイは強い。
この土地の誰よりも強い。
だが、実際に戦う事はない。
奔放過ぎ、感情的すぎ、学ばなすぎ。
次世代を生み出すための才能だと、周囲は割り切っていた。
だから、剣武会、ランキング戦、特殊討伐部隊、式典時の王族護衛、数多くの国家主体とする戦闘を伴う行事にフランではなくフレイが出ている等とは誰も考えて居なかった。
最初は、幼少期の悪戯。
入れ替わっても気づかない大人が楽しかった。
お利巧なフラン、奔放でワガママで悪戯好きなフレイ。 そういう役付けをすればより演技やすく、二人は頻繁に入れ替わっていた。
運命が分かれたのは、幼い王子を主体とした茶会。 辺境伯は、物分かりの良いフランのみを連れていくことにした。
「次は、私の順番だから、私が行く!!」
そうして茶会に参加したフレイは、王子を狙った暴徒をフランとして制圧し、将来の王の剣候補として期待されるようになったのだ。
大きな期待。
身体能力は高く、真摯な特訓は戦闘技術を高めた。 それでも……何もせず菓子を食べ遊びまわるばかりのフレイに勝てない。 フランは期待に応えるべく王国行事の大半をフレイに任せてしまったのだ。
ずっと、十何年にも渡って。
次の剣武会で優勝すれば、王太子の第一の剣に任命される。
「子どもが出来れば、一族の者全ては大喜びするでしょうね。 お兄さま以外は……。 もし、子供が出来たなら、王国行事には参加できなくなるでしょう? でも、お兄さま以外はとても喜びますわよね?」
大きくなったお腹を身振りで表現してみせた。
仮定の話だった。
だが、実際にそうなれば、王太子殿下の一の剣の座を獲得できなくなってしまうだろう。 次の大会さえ優勝すれば……その栄誉が得られると言うのに!!
「僕たちは、生まれた時から2人で1人だった……」
泣きそうな声で言うフランを抱きしめ、フレイは言う。
「お兄さま、理解していただけて嬉しいですわ」
そして、今まで以上にフランはフレイを恋人扱いするが、フランは辺境伯にソレを必死に隠す。 隠そうとすればするほどに、その行為は周囲にアヤシク見える。
そしてトドメが、豊穣祭に購入した装飾品。
辺境伯は豊穣祭を前にフランにこういったのだ。
「王宮で行われる新年の祝いの場で、未来の辺境伯夫人が身に着けるにふさわしいものを、婚姻の品として選び贈るように。 事前に連絡は入れ相応しい品を仕入れさせておく、オマエは余計な事をせずに店員に任せておけばいい」
その噂は、直ぐに領地中に広まり、領民たちは婚姻祝いをどのように祝おうかと色めき立った。
豊穣祭当日を迎えるまでは。
恥をかかされた。
父に呆れられた。
フランはそう思った。
頭に血が上り、怒りが抑えられなくなった。 感情的な妹と共に育ったフランは感情をむき出しにすることは醜いと考えるようになっていたが、今だけは別。 この抑えられない感情を利用し、妹に、フレイに言うべきことがあった。
執務室に入れば視線にとまる金色の髪、そこに向かって真っすぐに歩きだす。
「いい加減にしてくれないかな? 仕事の邪魔になるんだよね」
木陰で木に抱きつき、剥き出しにした白い尻を背後から突かれ、肉を打つ音に合わせ甘い声をだしている双子の妹にフランがいえば、甘く蕩けた顔で、荒い呼吸で、フレイは言った。
「お兄さまが、私を無視するのがいけないんですのよ。 あぁ、ダメ、ダメよ、動くのを辞めては」
とは言え、次期辺境伯の前でそのような行為を、たかが目付け役が気にせず継続できるはずが……と思いきや、キュッと中で締め付けられれば、目付け役の萎えかけたものがフレイの中で大きく膨張した。
「あははははは、この変態が、お兄さまに見られて興奮しているのね!!」
肉を打つ音と、自分とよく似た声での甘い喘ぎ混ざりの罵倒にフランは吐き気を覚えた。
「いい加減にしないか!!」
妹の身を引きよせれば、剥き出しの白い胸が露わになり、目付け役はその急激な動きをきっかけに絶頂を迎えて、白濁の液が激しく飛び、フレイの尻を汚す。
「お兄さま……嫉妬していただけて嬉しいですわ。 でも、私は弱い女だから、お兄さまの愛を実感できなければ、やっぱり同じ事を繰り返し、お兄さまへの愛も尽きてしまうと思いますのよ」
フランが醜く顔をゆがめた。
どうしよう。
どうすればいい?
父に知られればフレイはバツを受けてしまうだろう。
それだけは避けたかった。
フレイは強い。
この土地の誰よりも強い。
だが、実際に戦う事はない。
奔放過ぎ、感情的すぎ、学ばなすぎ。
次世代を生み出すための才能だと、周囲は割り切っていた。
だから、剣武会、ランキング戦、特殊討伐部隊、式典時の王族護衛、数多くの国家主体とする戦闘を伴う行事にフランではなくフレイが出ている等とは誰も考えて居なかった。
最初は、幼少期の悪戯。
入れ替わっても気づかない大人が楽しかった。
お利巧なフラン、奔放でワガママで悪戯好きなフレイ。 そういう役付けをすればより演技やすく、二人は頻繁に入れ替わっていた。
運命が分かれたのは、幼い王子を主体とした茶会。 辺境伯は、物分かりの良いフランのみを連れていくことにした。
「次は、私の順番だから、私が行く!!」
そうして茶会に参加したフレイは、王子を狙った暴徒をフランとして制圧し、将来の王の剣候補として期待されるようになったのだ。
大きな期待。
身体能力は高く、真摯な特訓は戦闘技術を高めた。 それでも……何もせず菓子を食べ遊びまわるばかりのフレイに勝てない。 フランは期待に応えるべく王国行事の大半をフレイに任せてしまったのだ。
ずっと、十何年にも渡って。
次の剣武会で優勝すれば、王太子の第一の剣に任命される。
「子どもが出来れば、一族の者全ては大喜びするでしょうね。 お兄さま以外は……。 もし、子供が出来たなら、王国行事には参加できなくなるでしょう? でも、お兄さま以外はとても喜びますわよね?」
大きくなったお腹を身振りで表現してみせた。
仮定の話だった。
だが、実際にそうなれば、王太子殿下の一の剣の座を獲得できなくなってしまうだろう。 次の大会さえ優勝すれば……その栄誉が得られると言うのに!!
「僕たちは、生まれた時から2人で1人だった……」
泣きそうな声で言うフランを抱きしめ、フレイは言う。
「お兄さま、理解していただけて嬉しいですわ」
そして、今まで以上にフランはフレイを恋人扱いするが、フランは辺境伯にソレを必死に隠す。 隠そうとすればするほどに、その行為は周囲にアヤシク見える。
そしてトドメが、豊穣祭に購入した装飾品。
辺境伯は豊穣祭を前にフランにこういったのだ。
「王宮で行われる新年の祝いの場で、未来の辺境伯夫人が身に着けるにふさわしいものを、婚姻の品として選び贈るように。 事前に連絡は入れ相応しい品を仕入れさせておく、オマエは余計な事をせずに店員に任せておけばいい」
その噂は、直ぐに領地中に広まり、領民たちは婚姻祝いをどのように祝おうかと色めき立った。
豊穣祭当日を迎えるまでは。
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