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20.困惑は思考を閉ざす
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ノエルは喉の渇きに目を覚ました。
「水……」
ポソリと呟けば、生温かく柔らかな感触と共に、口内に水が流し込まれた。
眠い……。 そして、何より身体が熱っぽくて、気怠くて、熱い吐息がこぼれ落ちる。
髪を撫でる大きな手に、夢と現実の間を漂っていた意識が、現実へと引き寄せられ、私はユックリと瞳を開く。 目の前の男を見れば、昨日見ず知らずの相手に身体を好きなようにされ、醜態を見せたのは夢ではなかったのだと落ち込みたくなる。
「身体は大丈夫かい?」
そう問いかけてくる男は、ベッドの上に座りながらまるで大きな獣を撫でるかのように、私の頭や体を撫で続けている。 熱を持つ身体に彼の手は冷たくて心地よかった。 昨日の出来事はあまり理解が出来なかったので横に置くが、それでも男が自分だけ国王陛下でも迎えることが出来るほどに整った格好をしているのが、少しだけ腹立たしく思えた。
私は、男の手をすり抜けるようにしてシーツの中に潜り込もうとすれば、腹に腕を回され、胡坐をかいて座りなおした男の膝の上に納められた。
「大丈夫かと聞いているのだけど?」
口調も声も優しいが、妙に力のある声だった。
「倦怠感はありますが、痛みはありません。 あと、お腹の中が少々おかしな感じがします」
見上げた男の顔には、顔の4分の1を隠す仮面がつけられている。
「どれ、見せてごらん」
男は心臓部分に触れ、ついでのように胸元に口づけチュッとキツク吸いあげてくる。 唇を放せば、男性とは思えぬ肌の白さに良く映える赤い唇の色が移ったかのような跡が残った。
心臓とヘソの間部分に触れ、そしてヘソの下へと触れる。
「誓いの紋章は正常に働いている。 それに、もし今の君に何かあれば、俺にはソレが分かるはずなんだが。 とはいえ、誓いの契約自体は、今の時代にはそぐわないとされる古の術式だ。 医師でも……」
ボソボソと独り言のように語る男の声を聴きながらも、私は、何度も男に呼び掛けていた。
「あの、あの、」
服を軽くツマミ引いてみれば、声は止まり私へ視線を向けた。
「お腹が……」
下腹を撫でて見せれた。 強引に中を広げられ、押し付けられ、突き立てられ続けた。 それは甘い感触を残しながらも擦り傷のように熱っぽくジリジリとした痛みを残していた。
あぁ……と、男は頷いて見せる。
「すまないね。 君が乗ってきた馬車でやってくると伝えられていた人物だが、禁忌を愛し、淫乱な傍若無人、滅絶の炎と名付けられたほどの存在でね。 乱暴なくらいが丁度いいと思っていたんだ。 もし、その人物でないと知っていれば、もう少し優しくしたのだけどね」
自分が選ばれた訳ではない事は、とっくに知っていたが、やはり少しだけショックだった。
「今はきつくても、そのうち俺を受け入れることにも慣れるだろう」
チュッと目じりに口づけられる。
「ぇ?」
「どうか、したのかい?」
「慣れるって?」
「君は、もう俺の妻となった。 誓いの契約、古の契約、魂の誓い、共犯たる楔、様々な言い方があるが、昨日行ったのは、お互いを繋ぐ儀式。 君と俺はね、紙1枚で繋がれた気安い婚姻関係等とは比べ物にならない、もっと深い魂に関わる誓いをたてたんだよ」
「ぇ、でも」
「なんだい?」
「フレイが……本当はアナタの妻になるはずだったのでしょう? 手違いがあったとはいえ、間違っていました。 だけど、契約は終えたから仕方がない。 で、済むものなんですか?」
「どうせ一人で生きて、一人で死ぬつもりだった。 人の役に立てるなら、それも悪くないと思ったんだ。 だから、別に……俺と一緒にいて死なない相手なら誰でもいい」
「そう……ですか……」
もともと、フランとの婚姻だって望んだものではない。 なら相手が変わったからと言って変わりはない……でも、慣れるとか言った? って、また、あんな恥ずかしいことを、あぁ、言うことを、また、するわけ?
挙動不審になってしまう私を、宥めるように抱きしめ撫でてくる。
「よしよし、どうした?」
「ぇ、あ、その……いいえ……あぁ言う恥ずかしい事を、またするんですか?」
「今は、辞めておくよ。 まだ疲れているだろうからね」
そうじゃなくて!! と、言おうとしたら、ソレを遮るように言葉が続けられた。
「誓いの契約が解除されたという例は1つしか俺は知らない。 もし、君が俺から自由になりたいと望むなら。 俺を殺しなさい。 そうすれば、君は自由になれる。 いいよ、君になら殺されてあげよう」
男はどこまでも優しく笑って見せた。
「水……」
ポソリと呟けば、生温かく柔らかな感触と共に、口内に水が流し込まれた。
眠い……。 そして、何より身体が熱っぽくて、気怠くて、熱い吐息がこぼれ落ちる。
髪を撫でる大きな手に、夢と現実の間を漂っていた意識が、現実へと引き寄せられ、私はユックリと瞳を開く。 目の前の男を見れば、昨日見ず知らずの相手に身体を好きなようにされ、醜態を見せたのは夢ではなかったのだと落ち込みたくなる。
「身体は大丈夫かい?」
そう問いかけてくる男は、ベッドの上に座りながらまるで大きな獣を撫でるかのように、私の頭や体を撫で続けている。 熱を持つ身体に彼の手は冷たくて心地よかった。 昨日の出来事はあまり理解が出来なかったので横に置くが、それでも男が自分だけ国王陛下でも迎えることが出来るほどに整った格好をしているのが、少しだけ腹立たしく思えた。
私は、男の手をすり抜けるようにしてシーツの中に潜り込もうとすれば、腹に腕を回され、胡坐をかいて座りなおした男の膝の上に納められた。
「大丈夫かと聞いているのだけど?」
口調も声も優しいが、妙に力のある声だった。
「倦怠感はありますが、痛みはありません。 あと、お腹の中が少々おかしな感じがします」
見上げた男の顔には、顔の4分の1を隠す仮面がつけられている。
「どれ、見せてごらん」
男は心臓部分に触れ、ついでのように胸元に口づけチュッとキツク吸いあげてくる。 唇を放せば、男性とは思えぬ肌の白さに良く映える赤い唇の色が移ったかのような跡が残った。
心臓とヘソの間部分に触れ、そしてヘソの下へと触れる。
「誓いの紋章は正常に働いている。 それに、もし今の君に何かあれば、俺にはソレが分かるはずなんだが。 とはいえ、誓いの契約自体は、今の時代にはそぐわないとされる古の術式だ。 医師でも……」
ボソボソと独り言のように語る男の声を聴きながらも、私は、何度も男に呼び掛けていた。
「あの、あの、」
服を軽くツマミ引いてみれば、声は止まり私へ視線を向けた。
「お腹が……」
下腹を撫でて見せれた。 強引に中を広げられ、押し付けられ、突き立てられ続けた。 それは甘い感触を残しながらも擦り傷のように熱っぽくジリジリとした痛みを残していた。
あぁ……と、男は頷いて見せる。
「すまないね。 君が乗ってきた馬車でやってくると伝えられていた人物だが、禁忌を愛し、淫乱な傍若無人、滅絶の炎と名付けられたほどの存在でね。 乱暴なくらいが丁度いいと思っていたんだ。 もし、その人物でないと知っていれば、もう少し優しくしたのだけどね」
自分が選ばれた訳ではない事は、とっくに知っていたが、やはり少しだけショックだった。
「今はきつくても、そのうち俺を受け入れることにも慣れるだろう」
チュッと目じりに口づけられる。
「ぇ?」
「どうか、したのかい?」
「慣れるって?」
「君は、もう俺の妻となった。 誓いの契約、古の契約、魂の誓い、共犯たる楔、様々な言い方があるが、昨日行ったのは、お互いを繋ぐ儀式。 君と俺はね、紙1枚で繋がれた気安い婚姻関係等とは比べ物にならない、もっと深い魂に関わる誓いをたてたんだよ」
「ぇ、でも」
「なんだい?」
「フレイが……本当はアナタの妻になるはずだったのでしょう? 手違いがあったとはいえ、間違っていました。 だけど、契約は終えたから仕方がない。 で、済むものなんですか?」
「どうせ一人で生きて、一人で死ぬつもりだった。 人の役に立てるなら、それも悪くないと思ったんだ。 だから、別に……俺と一緒にいて死なない相手なら誰でもいい」
「そう……ですか……」
もともと、フランとの婚姻だって望んだものではない。 なら相手が変わったからと言って変わりはない……でも、慣れるとか言った? って、また、あんな恥ずかしいことを、あぁ、言うことを、また、するわけ?
挙動不審になってしまう私を、宥めるように抱きしめ撫でてくる。
「よしよし、どうした?」
「ぇ、あ、その……いいえ……あぁ言う恥ずかしい事を、またするんですか?」
「今は、辞めておくよ。 まだ疲れているだろうからね」
そうじゃなくて!! と、言おうとしたら、ソレを遮るように言葉が続けられた。
「誓いの契約が解除されたという例は1つしか俺は知らない。 もし、君が俺から自由になりたいと望むなら。 俺を殺しなさい。 そうすれば、君は自由になれる。 いいよ、君になら殺されてあげよう」
男はどこまでも優しく笑って見せた。
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