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7章 それぞれの歩み
71.敵と味方、味方と敵
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聞きたい事は沢山あった。
そのうちの多くは、この古城へと訪れた事で答えを得た。
来てよかった。
コレで良かった……。
たぶん、3日、たかが3日寝込んだ事で、状況は大きく変化していたのだ。 それでも、私は父様の元に来てよかったと自分を慰めた。
ヴェルの力を受け入れ寝込んでいた頃。
離宮へと誘い込まれた王位を望む者達と、彼等を誘いこんだ使用人達に入り込んだケガレの浄化が進み、わずかなケガレと、欲望を身に残しながらも、彼等は正気を取り戻した。
当然騒ぎとなった。
地位、財力、年齢、経験、迫力、欲望……あらゆる事で負けている少年と、その従者には、貴族でも上位にある大人達を止める事は難しかった。 当然と言えば当然である。 そして……魔導師長と神官長にも無理だった。 彼等は政治家ではなく研究者に近いのだから……仕方がない。
「貴方達は、宰相に騙されていたのです。 そこの、侍女達に伺って見てください。 誰の命令で動いていたか……。 そして、貴方達は結界の中で浄化される事無く、狂気に狂う事を望まれていた。 それを救ってくれたのが聖女様なのです!!」
神官長の言葉に、人々は怪訝そうな顔をしたが、宰相ならやりかねないと口々に呟いてはいた。 だが、……自分達の立場はどうなる? と彼等はそろって考えたのだ。
宰相は悪い意味で信頼があり、良い意味で信頼が無かった。
私達が生き抜くにはどうすればいい? 王位を望んだ者達は考えた。 癖のない者が王位に名をあげるはずもなく、欲が無ければケガレに堕ちる事も無かった。 そんな者達は少年と2人の長にこう口にした。
「私達が宰相の懐に入り込み、あなた方に情報を渡ししましょう」
そして同日。
謁見の間で彼等は、宰相にこう告げた。
「私共を閣下の傘下に加えて下さい」
王位を望み、ケガレに落とされ、浄化を受けた者達は宰相に頭を下げた。 宰相の油断を誘うため、時間を稼ぐため……なのか? 彼等の私欲のためなのか? 本人達も答えは出ないまま。
だが、宰相もまた彼等を味方とは信じず、手綱を緩めることはなく離宮に火を放ちこう言ったそうだ。
「聖女様は王子への憎しみでケガレに犯され、狂気に落ち、火を放って逃げた。 彼女を見かけたら迷うことなく殺せ!! 彼女は危険だ。 その武勲をもって私の味方であると証明しろ」
時間が……無い。
王位継承を先延ばしにしたい。
たった1つの利害の一致さえもままならず、宰相は人々にこう言葉を続けた。
「ケガレの地と呼ばれるこの国から王が消え、王族が消えた事を、他国の者達は不安を感じている。 膨大な魔物が発生し、この国で抑えきれなければ、魔物は他国へと流れていくから当然と言えば当然の話。 仮王でいい……すぐにでも外交的対応を行う王を立てよう!!」
数日中に王位の選定を行おうとしているらしいと連絡が入ったのは、今朝方の事だった……。
そんな訳で、私は父様を頼ろうとしたわけだけど。
父様と言えば、ニッコリ笑って剣を抜いて、こう言うのだ。
「落とそうか?」
そのうちの多くは、この古城へと訪れた事で答えを得た。
来てよかった。
コレで良かった……。
たぶん、3日、たかが3日寝込んだ事で、状況は大きく変化していたのだ。 それでも、私は父様の元に来てよかったと自分を慰めた。
ヴェルの力を受け入れ寝込んでいた頃。
離宮へと誘い込まれた王位を望む者達と、彼等を誘いこんだ使用人達に入り込んだケガレの浄化が進み、わずかなケガレと、欲望を身に残しながらも、彼等は正気を取り戻した。
当然騒ぎとなった。
地位、財力、年齢、経験、迫力、欲望……あらゆる事で負けている少年と、その従者には、貴族でも上位にある大人達を止める事は難しかった。 当然と言えば当然である。 そして……魔導師長と神官長にも無理だった。 彼等は政治家ではなく研究者に近いのだから……仕方がない。
「貴方達は、宰相に騙されていたのです。 そこの、侍女達に伺って見てください。 誰の命令で動いていたか……。 そして、貴方達は結界の中で浄化される事無く、狂気に狂う事を望まれていた。 それを救ってくれたのが聖女様なのです!!」
神官長の言葉に、人々は怪訝そうな顔をしたが、宰相ならやりかねないと口々に呟いてはいた。 だが、……自分達の立場はどうなる? と彼等はそろって考えたのだ。
宰相は悪い意味で信頼があり、良い意味で信頼が無かった。
私達が生き抜くにはどうすればいい? 王位を望んだ者達は考えた。 癖のない者が王位に名をあげるはずもなく、欲が無ければケガレに堕ちる事も無かった。 そんな者達は少年と2人の長にこう口にした。
「私達が宰相の懐に入り込み、あなた方に情報を渡ししましょう」
そして同日。
謁見の間で彼等は、宰相にこう告げた。
「私共を閣下の傘下に加えて下さい」
王位を望み、ケガレに落とされ、浄化を受けた者達は宰相に頭を下げた。 宰相の油断を誘うため、時間を稼ぐため……なのか? 彼等の私欲のためなのか? 本人達も答えは出ないまま。
だが、宰相もまた彼等を味方とは信じず、手綱を緩めることはなく離宮に火を放ちこう言ったそうだ。
「聖女様は王子への憎しみでケガレに犯され、狂気に落ち、火を放って逃げた。 彼女を見かけたら迷うことなく殺せ!! 彼女は危険だ。 その武勲をもって私の味方であると証明しろ」
時間が……無い。
王位継承を先延ばしにしたい。
たった1つの利害の一致さえもままならず、宰相は人々にこう言葉を続けた。
「ケガレの地と呼ばれるこの国から王が消え、王族が消えた事を、他国の者達は不安を感じている。 膨大な魔物が発生し、この国で抑えきれなければ、魔物は他国へと流れていくから当然と言えば当然の話。 仮王でいい……すぐにでも外交的対応を行う王を立てよう!!」
数日中に王位の選定を行おうとしているらしいと連絡が入ったのは、今朝方の事だった……。
そんな訳で、私は父様を頼ろうとしたわけだけど。
父様と言えば、ニッコリ笑って剣を抜いて、こう言うのだ。
「落とそうか?」
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