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01.序章

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 私の最も古い記憶は満点の星空の中。 夜明けの光に崩れ壊れる夜で出来たような、とても繊細そうな子供のドラゴンと空を散歩した事。

 私達は、舞い踊り空を駆けた。

 初めて空を飛んだ小さな小鳥でしかなかった私は、途中でボロボロに崩れかけたドラゴンのぎこちない手に抱かれながら眠った。 彼からは何処までも静かな死と夜の匂いがしていた。

 あれは幼い初恋。
 いえ、卵からかえった雛鳥の刷り込みに近い。

 死と夜を愛した私は、母の死に嘆き悲しむことは無く……母を羨ましいと感じた。

 私の死と夜の化身は、母が亡くなる頃にはもう訪れる事が無くなっていたから。
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