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改革
17.王家は色々面倒臭い 02
しおりを挟む子供をなだめるように言うが、納得いくわけがない。
「はぁ?! 何よソレ謝罪?」
不満そうに問い返した。 私の中では、謝罪を受けても謝罪しなければいけない事は思い浮かばなかったから。
「王妃は少しばかり面倒な人なんです。 良く言えば家族愛が強い。 悪く言えば嫉妬深い。 王妃はリーリヤを家族だと娘だと思っていた。 だから、貴方の態度にすごく傷ついたのですよ」
「そっちが勝手に思っていただけでしょ。 知らないわよ」
「婚約を、王妃と真の家族となる事を喜ばなかった。 なぜ嫌なのか? 会話をしようとしても拒絶された。 なのに、陛下とは仲良くする」
「拒絶したんじゃなくて公爵様を待っていたの。 それに陛下と仲良くしてないし……」
私はソッポを向いた。
「それでも、陛下に評価され必要とされています。 これは嫉妬の対象となってしまいます。 王妃はね陛下を愛しているんです。 凄く厄介なほどにね。 ですのでリーリヤは、危険を避けるために、陛下には興味はない、王妃を母と慕っている。 異性としては私を愛していると言う態度示すのが最善でしょう」
「え~~、業務契約なのに? 技術提供すればいいだけじゃないの?」
「お手数をおかけしますが、ものすごく感情的な方ですので、道理は通用しないと思って下さい。 万が一にも陛下とイチャイチャしている等と誤解をうけたなら」
「ありえないんだけど」
「万が一です」
「ぶー-」
「では、貴族令嬢が国王陛下に愛を語られたらどうすると思います?」
「……」
確かに拒絶は難しい。 特に陛下の覚えが悪い一族であれば、利益を得られない領地を抱えているなら……。 なんとかして陛下に媚びようとするだろう。
「積極的に愛を乞う?」
「えぇ、それを理解しているからこそ、王妃は陛下の女性関係には非常に敏感です。 機嫌が悪い程度であるなら良いのですが……王妃が嫁入りの際に花嫁道具として連れて来た呪術師達に呪いをかけるよう命じるから質が悪い。 だから本音はともかく王妃の機嫌をとってください。 準備は私の方でしますので」
「無茶ばかり言われる……面倒、納得できない」
「だからそう、これは私からのお願いです。 流石に代わりに謝って終わりと言う訳にはいきませんからね。 お願いごとを何でも聞いてさしあげますから」
「なら、婚約がい」
「それは却下です」
「嘘つき……。 もういいわよ。 本当に頭を下げ謝罪をすればいいの?」
「はい、それも出来るだけシンプルなほどがいいです」
「シンプルって?」
「お母さま。 突然の出来事に拗ねてしまってごめんなさい。 って、少し可愛く言えばソレで問題ありませんよ。 王妃は王妃なりに貴方を気に入っているのですから」
「よく、分からない」
「分からないところは、私が何とかします。 婚約者候補教育の時ほど王妃に会う必要もありませんから。 ほんの少し我慢してください。 お願いします」
毎日会う必要が無いと言う言葉にふと思った。 この、毎日のように私の元に通ってくる人に対して。
「殿下は毎日のように私と共にいますが、優先すべき事とかないのですか?」
こう、毎日優しくされていれば……多少なりとも好意的なものを持つようにはなると言うものだ。 だからこそ、多少なりとも相手を気遣える。 私のために彼の殆どの時間を使わせているのが申し訳なく思えてしまう。
「大丈夫ですよ。 父上からはリーリヤと仲良くなることを最優先とするようにと言われていますから。 そう言えば明後日観劇のチケットがとれたのですが、一緒にどうですか?」
仕事の話ではなく……恋人の1人や2人いるだろうって質問だったのだけど……。 私は、劇場で行われる新しい芝居に興味が……興味が引っ張られて……。
「行きたい!!」
私は、殿下に躊躇なく甘えていて、なぜかディック様に対して罪悪感を抱き始めていた。 そういえば……ディック様がどうしているのか、殿下は知っているのかなぁ……。
「どうかなさいましたか?」
「えっと、お願い」
「はいはい、なんでしょう?」
手を差し出され、朝食のセッティングがされたテーブルにエスコートされた。
「今、公爵様がどうしているか教えて欲しい」
私の質問に殿下の笑顔は凍り付いた。
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