【R18】アナタとの結婚なんてありえません

迷い人

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14.完結

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 ポスポスと言う音と、僅かな衝撃でヴィーゲルトは目を覚ました。

「どうしたどうした」

 上体を起こせば、ポスっと身体を預けてきて顔を見上げてくる。

「お腹すいたぁあ」

 勝手に食べればいいのに……と言うのとは違うのは容易に分かる。 知り合った頃からシャルの意識は自立傾向が強かったから、それこそ熱があっても人を頼ることなんてない。

「身体、辛いのか?」

 よしよしと腹を撫でれば、図星なのか余計に殴ってくる。

「はいはい、無理させて悪かった。 今日は手取り足取り、抱っこもしてお世話しましょう。 何食べたい?」

「抱っこ」

「抱っこかぁ、抱っこでは腹は膨れんぞ~」

 笑いながらヴィーゲルトは言う。 今日はずいぶんと甘えん坊ならしいと、ソレはソレで楽しくもあり、腕の中に抱き入れて背を撫でれば、剥き出しの肌にキスをしてくる。

「辞めな、しんどいんだろう?」

「ん~~~」

「こら、噛むな……シャル?」

「ん~~~」

「ご飯作りに行けないんだが?」

「ん~~~」

「お腹すいたんだろう?」

「ん」

 ガジガジかじってくるが、痛くはないので無視して背を、髪を撫でる。

「世話をしてくれる人を雇うか?」

「やっ」

「そっかぁ、いやか」

「なら、困った時に助けてもらえるよう、俺の実家近くに引っ越すか?」

「んっ」

「だめかぁ……」

「……」

「ぇ?」

「いいよ」

「どうした?」

「本、実家の本、読み終わったから」

「……マジで、本で断ってたのか?」

 コクコクと頷くシャルに、ヴィーゲルトが呆れていた。 シャルは少し拗ねたそぶりをしたが、直ぐに笑みを浮かべて理由を告げる。

「それに最近、王都がきな臭い……、昨日も貴族狙ったテロがあったんでしょう? 私は弱くて、自分を守れるほど強くはないし、この国の頼るべき人達は私には余り優しくないから」

「テロは、未然に防がれたらしいが……いいのか? あんなに嫌がっていたのに」

「別に未練はないよ。 本、読み終わったし、私は安全に研究したいだけ」

 そういう面は、彼女は彼女の一族と変わりないのだと、言葉にはせずにヴィーゲルトは納得する。

「安全は約束するが。 好みの獣人いても誑し込むなよ? そう言う面倒は、洒落にならんからな」

 猫獣人は延々と飢え続け人を襲い続け、やがて人にかられることになるだろう。 それはただの憶測でしかなかったが、しばらく後にヴィーゲルトが見かけた猫獣人は、濃い血の匂いをその身に纏わせていた。

「わかってます」

 返事は良いが……、まぁ、ソレはおいおい身体に教え込めばいいかぁ等と考えるヴィーゲルトの未来は明るく。 そして、この国の未来は仄かに暗いが、ソレはまた別の話である。
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