16 / 33
2章 7年後
16.断罪騎士団
しおりを挟む
善人の国は、7年の間に変わっていた。
最初こそ、
『俺は、王国を王位を守るために、王法が定めた善を守るための力を持ち、王に尽くすための騎士団を作りたい』
そうフェリクスは語っていた。
その言葉に国王陛下は喜び、王族を抜けたフェリクスの元にストイックに強さを求める騎士達を集めることを許した。 力を求めると言うことは、彼等は力を正義とする者達である。 彼等にとって力ある者こそが正義であり善である事を王は理解していなかった。
先々代の王によって定められた法。
『善人の集まる国の民は善人であるべき』
強迫観念を持って統治された人々は、月日と共に徐々に歪みだす。
地位や権力は、善なのか? 否!! 支配する者が善であるはずがない。
金を持つ者は、善なのか? 否!! 贅沢する者が善であるはずない。
知恵ある者は、善なのか? 否!! 惑わす者が善であるはずない。
自分達の善を挫く他者の善は無効である。 そのように考える民が徐々に増えてきたのだ。 それはもはや善ではなく屁理屈であり、王族・貴族を恐怖させる内乱へと駆り立てた。
自分達を捌こうとする騎士は善人か? 民を傷つける騎士が善人であるはずがない。 悪であれば、倒してもいい!! 悪として立ちはだかるなら、倒すべきだ!!
ルシェ……いや、シェリルがフェリクスに語った言葉をつかえば、
『恐怖を乗り切り、対価を支払う事を覚悟し、安穏たる生活を壊してでも欲しいものを得た』
という事になるが、実際には……王国軍と民の数を比較して見せて、王政を倒せぬわけがないと誰かが酒場で語り、ソレが広がったに過ぎない。
国王陛下は、千を超える王都在住の騎士達に告げた。
「国を崩壊させようとする悪を倒せ!!」
静まりかえる騎士達の中、背の高い美しい金色の髪をし鋼色の瞳をした青年が告げる。
「アレは、悪人ではありませんよ陛下、アレはアナタの民です。 王位を前に恐れ狂うとアナタ方が哀れんでいた庶民ですよ」
その言葉には、正義も善性も伴わない。
「お前は!! まだ根に持っているのか!! このままでは国が亡びると言うのに!!」
「まさか……彼等と陛下、どちらが善人なのか? 我々は、どちらのために戦うべきなのか? そうほんの少し疑問に思っただけです。 この場で陛下の声に人々が是と出来なかったのは、みな同じように考えたからでしょう」
「まさか……内乱を治めるべく……私を犠牲にしようと言うのか!」
「まさか、彼等は誰もが王のような生活を望み、王が王であることに反乱を起こしているのです。 最初から彼等の望みは破綻しています。 お話になりません。 王の首を与えれば満足するなんて類のものではありません」
「なら、何がいいたい……」
王の言葉に、ニヤリと魔物のようにフェリクスは笑ったと言う。
「悪を倒せではなく、はっきりと陛下の正義を示してください。 日常に変革をもたらそうとする民は悪であるから殺せと。 民を殺すことが正義であると。 王がソレを正義だから執行せよと言うなら、騎士も、貴族もソレが正義と従うでしょうからねぇ」
明らかに私怨だった。
大半の騎士団は民を殺すことは出来なかった。 そんな中『国王陛下の示した正義』と叫びながら人を蹴散らし殺し続けた一団がいた。
それは、断罪騎士団と呼ばれ恐れられることとなる。
最初こそ、
『俺は、王国を王位を守るために、王法が定めた善を守るための力を持ち、王に尽くすための騎士団を作りたい』
そうフェリクスは語っていた。
その言葉に国王陛下は喜び、王族を抜けたフェリクスの元にストイックに強さを求める騎士達を集めることを許した。 力を求めると言うことは、彼等は力を正義とする者達である。 彼等にとって力ある者こそが正義であり善である事を王は理解していなかった。
先々代の王によって定められた法。
『善人の集まる国の民は善人であるべき』
強迫観念を持って統治された人々は、月日と共に徐々に歪みだす。
地位や権力は、善なのか? 否!! 支配する者が善であるはずがない。
金を持つ者は、善なのか? 否!! 贅沢する者が善であるはずない。
知恵ある者は、善なのか? 否!! 惑わす者が善であるはずない。
自分達の善を挫く他者の善は無効である。 そのように考える民が徐々に増えてきたのだ。 それはもはや善ではなく屁理屈であり、王族・貴族を恐怖させる内乱へと駆り立てた。
自分達を捌こうとする騎士は善人か? 民を傷つける騎士が善人であるはずがない。 悪であれば、倒してもいい!! 悪として立ちはだかるなら、倒すべきだ!!
ルシェ……いや、シェリルがフェリクスに語った言葉をつかえば、
『恐怖を乗り切り、対価を支払う事を覚悟し、安穏たる生活を壊してでも欲しいものを得た』
という事になるが、実際には……王国軍と民の数を比較して見せて、王政を倒せぬわけがないと誰かが酒場で語り、ソレが広がったに過ぎない。
国王陛下は、千を超える王都在住の騎士達に告げた。
「国を崩壊させようとする悪を倒せ!!」
静まりかえる騎士達の中、背の高い美しい金色の髪をし鋼色の瞳をした青年が告げる。
「アレは、悪人ではありませんよ陛下、アレはアナタの民です。 王位を前に恐れ狂うとアナタ方が哀れんでいた庶民ですよ」
その言葉には、正義も善性も伴わない。
「お前は!! まだ根に持っているのか!! このままでは国が亡びると言うのに!!」
「まさか……彼等と陛下、どちらが善人なのか? 我々は、どちらのために戦うべきなのか? そうほんの少し疑問に思っただけです。 この場で陛下の声に人々が是と出来なかったのは、みな同じように考えたからでしょう」
「まさか……内乱を治めるべく……私を犠牲にしようと言うのか!」
「まさか、彼等は誰もが王のような生活を望み、王が王であることに反乱を起こしているのです。 最初から彼等の望みは破綻しています。 お話になりません。 王の首を与えれば満足するなんて類のものではありません」
「なら、何がいいたい……」
王の言葉に、ニヤリと魔物のようにフェリクスは笑ったと言う。
「悪を倒せではなく、はっきりと陛下の正義を示してください。 日常に変革をもたらそうとする民は悪であるから殺せと。 民を殺すことが正義であると。 王がソレを正義だから執行せよと言うなら、騎士も、貴族もソレが正義と従うでしょうからねぇ」
明らかに私怨だった。
大半の騎士団は民を殺すことは出来なかった。 そんな中『国王陛下の示した正義』と叫びながら人を蹴散らし殺し続けた一団がいた。
それは、断罪騎士団と呼ばれ恐れられることとなる。
0
あなたにおすすめの小説
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
雑草と呼ばれた令嬢は、氷の公爵の庭を咲かせる
もちもちほっぺ
恋愛
亡き母の形見の庭を守ることだけが、フェリシアの居場所だった。
継母に食卓での給仕を命じられ、義妹に母の形見の花を踏みにじられても、父は「仲良くしなさい」と言うだけだった。
植物魔法は「雑草いじり」と蔑まれ、フェリシアはルミナリス家の娘ではなく、使用人以下として生きてきた。
転機は突然訪れる。
「氷の魔王」と恐れられるギルバート・ウィンストン公爵との縁談。嵐の中、馬車も出してもらえず送り出されたフェリシアが辿り着いたのは、十年間何も育たなくなった荒廃した庭だった。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる