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2章 7年後
18.憂鬱な青年は思い出と出会う
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広いベンチにボンヤリと座り、セーデルバリ国騎士団の訓練をランメルトは眺め見ていた。
バウスコール王国は大国だ。 広大な国土に穀物が良く実る。 先々代の王が法を変えた頃から戦はない。 ただ、他国間では1トン当たりの穀物が5万ゼニーで取引されているが、バウスコール王国相手ではどの国も1トン当たり3万ゼニーで取引されている。 結果として、バウスコール王国→A国→B国と転売が行われているそうだ。
『善意で接すれば、人は善意で返してくれる。 それは人同士だけでなく、国同士でも同様だ』
先々代の王の言葉だ。
そのおかげで、争いを仕掛けられる事はなくなり、国軍からは戦力としての力は失われた。 結果としてその法が正しいのか、正しくないのか……いや、既に内乱が起こった時点で……。
騎士達の明るい戦闘訓練を見て、ランメルトは溜息をつく。
単純に筋肉量が違う。 武器の重量が重く、打ち込みも重い。 そんな攻撃があたってもダメージが少ない。 いや……そういう魔術を併用しているのか? もし、自分が数人に囲まれたら……どうフェリクス様の動きを確保する?
スピード、回避に特化させ……。
そんなことを真剣に考えて居れば、甲高い子供の声が聞こえた。 しかめ面が自然と緩みそうになる。 ランメルトは子供好きだった。
「俺は皇子だぞ!!」
生意気な幼い声に、心の中がほんわかする。
「皇子だから狙われるのに、皇子だから勝たせろっていうのは、甘えだと僕は思う」
甘さのある声はどこか聞き覚えがあるように思え、視線が向いた。 肩程の長さの金色の髪がサラリと動きに揺れるのに視線が奪われた。 騎士は細い木の枝で、幼い子供の剣を受け止め相手をしている。
金色の子がバランスを崩されコロンと転がり、砂まみれになる。 そんな姿まで可愛らしく思えて眉間の皺が珍しく隠れていた。
「うわっ、可愛いなぁ~」
ロリコンではない、子供好きである。 拗ねたような怒ったような目で、金色の子は騎士を睨みつけ、手を差し出されればいらないと首を大きく横に振っていた。 皇子に怒った手前、必死に自分の感情を抑えているのが分かる。
その姿にランメルトは唖然とした。 金色の子は……幼い頃の記憶に強く残っていたから。
「俺、とうとう頭がおかしくなったのか?」
古い記憶の再生。
走馬灯?
俺、死んだ?
「それに、十分手加減してくれているのに、馬鹿なの?」
幼い声が、顔をごしごしと腕で拭きながら、皇子にボソリと呟いていた。
「うるせぇ!! 俺より弱いくせに」
「僕は、料理人になるからいいんだよ。 なのに!!」
「料理人って、今は畑仕事しているだけだろう」
「食べ物の大切さを知らないなんて、馬鹿なの? 嫌い!」
幼い声が響き渡る。
硬直しているランメルトの横に、金色の幼い子が鞄と共に駆け寄り、小さな体でベンチによじ登って座る。 追いかけてくる黒髪の子に、金色の子は背中と足の裏を見せつけ鞄を抱えていた。
「食堂!! 飯食いに行くぞ!!」
「一人で行けば? 僕はルシェに準備してもらったから、行かない!!」
皇子、いきますよ~~~。
そんな声が遠くから聞こえる。
「なんだよ!! オマエばっかり!!」
腹立たしそうに、顔を赤らめ怒り爆発寸前と言うような顔の皇子が、金色の子の鞄を無理やり引っ張り奪い取ろうとすれば、金色の子はベンチから転がり落ちそうになって、慌ててランメルトが手のひらで背中を支え受け止めた。 それでも皇子は鞄を奪い取り、側を流れる広い用水に投げつけていた。
バウスコール王国は大国だ。 広大な国土に穀物が良く実る。 先々代の王が法を変えた頃から戦はない。 ただ、他国間では1トン当たりの穀物が5万ゼニーで取引されているが、バウスコール王国相手ではどの国も1トン当たり3万ゼニーで取引されている。 結果として、バウスコール王国→A国→B国と転売が行われているそうだ。
『善意で接すれば、人は善意で返してくれる。 それは人同士だけでなく、国同士でも同様だ』
先々代の王の言葉だ。
そのおかげで、争いを仕掛けられる事はなくなり、国軍からは戦力としての力は失われた。 結果としてその法が正しいのか、正しくないのか……いや、既に内乱が起こった時点で……。
騎士達の明るい戦闘訓練を見て、ランメルトは溜息をつく。
単純に筋肉量が違う。 武器の重量が重く、打ち込みも重い。 そんな攻撃があたってもダメージが少ない。 いや……そういう魔術を併用しているのか? もし、自分が数人に囲まれたら……どうフェリクス様の動きを確保する?
スピード、回避に特化させ……。
そんなことを真剣に考えて居れば、甲高い子供の声が聞こえた。 しかめ面が自然と緩みそうになる。 ランメルトは子供好きだった。
「俺は皇子だぞ!!」
生意気な幼い声に、心の中がほんわかする。
「皇子だから狙われるのに、皇子だから勝たせろっていうのは、甘えだと僕は思う」
甘さのある声はどこか聞き覚えがあるように思え、視線が向いた。 肩程の長さの金色の髪がサラリと動きに揺れるのに視線が奪われた。 騎士は細い木の枝で、幼い子供の剣を受け止め相手をしている。
金色の子がバランスを崩されコロンと転がり、砂まみれになる。 そんな姿まで可愛らしく思えて眉間の皺が珍しく隠れていた。
「うわっ、可愛いなぁ~」
ロリコンではない、子供好きである。 拗ねたような怒ったような目で、金色の子は騎士を睨みつけ、手を差し出されればいらないと首を大きく横に振っていた。 皇子に怒った手前、必死に自分の感情を抑えているのが分かる。
その姿にランメルトは唖然とした。 金色の子は……幼い頃の記憶に強く残っていたから。
「俺、とうとう頭がおかしくなったのか?」
古い記憶の再生。
走馬灯?
俺、死んだ?
「それに、十分手加減してくれているのに、馬鹿なの?」
幼い声が、顔をごしごしと腕で拭きながら、皇子にボソリと呟いていた。
「うるせぇ!! 俺より弱いくせに」
「僕は、料理人になるからいいんだよ。 なのに!!」
「料理人って、今は畑仕事しているだけだろう」
「食べ物の大切さを知らないなんて、馬鹿なの? 嫌い!」
幼い声が響き渡る。
硬直しているランメルトの横に、金色の幼い子が鞄と共に駆け寄り、小さな体でベンチによじ登って座る。 追いかけてくる黒髪の子に、金色の子は背中と足の裏を見せつけ鞄を抱えていた。
「食堂!! 飯食いに行くぞ!!」
「一人で行けば? 僕はルシェに準備してもらったから、行かない!!」
皇子、いきますよ~~~。
そんな声が遠くから聞こえる。
「なんだよ!! オマエばっかり!!」
腹立たしそうに、顔を赤らめ怒り爆発寸前と言うような顔の皇子が、金色の子の鞄を無理やり引っ張り奪い取ろうとすれば、金色の子はベンチから転がり落ちそうになって、慌ててランメルトが手のひらで背中を支え受け止めた。 それでも皇子は鞄を奪い取り、側を流れる広い用水に投げつけていた。
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