悪い女は身勝手で、皇子の心と身体を奪い逃げた先で勝手に幸福を手に入れる

迷い人

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3章 変革

24.再びの逃亡

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 私達は、ランメルト先輩の提案で、研究に来ている魔術研究者達を巻き込む事になった。

 研究者の大半は、人生において自分のやりたい事を持ち、様々な物を切り捨て、妨害を乗り越え魔術師となった者達なだけあり、国や人に対して情はあっても、自分のために生きたいとする事に協力を求める事は難しくはなかった。

 先輩が彼等を巻き込もうとした中の1番の理由は、彼等が所有するとされる隠れ家。

 人は基礎魔術を生活に取り込み生きてはいるものの、魔術師達の行う研究は日常生活に関係のない無駄、生活に貢献しない人、暴力的な人、危険人物として白い目で見られると言うのが常。 その割に利用しようとする人も多いから、魔術師は人のいない場所に隠れ住む傾向があり、大半のものは隠れ家を持っている。

 そんな魔術師達へ私達が提示した利益。

 それは、セーデルバリの所有する秘密魔術資料。 エンマ様の後ろ盾で私も研究に参加していたし、エンマ様が私を怒らせたご機嫌とりに、秘密資料を結構見せてくれたのだ。 それに私の見解付きの資料も大盤振る舞いした。

 王国からの依頼に関しては、魔力的動きを見れば誰かが悪意を持って術を仕掛けていないのは一目瞭然であり、彼等はセーデルバリ王国での研究の機会を利用しただけで、最初から呪術的攻撃に対しては懐疑的でいたらしい。

 そうして、私達は、三か国の境界に位置する厳しい山岳地に、しばし住まいを移す事となる。 今でこそ魔術師達の隠れ家とされているが、数百年前、まだバウスコール王国もセーデルバリ王国も存在していなかった頃、雪山の戦闘訓練用の宿舎として長く使われていた古く丈夫で広い建物を改造したものである。

 ここでの生活準備が整った頃、ランメルト先輩は、皇子改めフェリクス様宛に、緊急救難信号を出した。

 順序的には、こんな感じ。

 魔術研究者+先輩の撤退。
 魔術研究者 → 避難先。
 先輩 → 断罪騎士に接触。
 先輩 → 避難先に移動(合流)

 先輩が避難先に戻るタイミングを見計らい、私もリックを連れて逃亡。 最初の撤退から2カ月と言うところでしょうか? リックのために必要なものは、先輩が断罪騎士達に会う際に戻ったバウスコール王国王都で購入してきてもらい、私とリックは必要最低限の荷物を持ち、街に買い物へ行く振りをして逃げ出した。



 そして、秋を終え、冬を迎えるころ、リック、先輩、魔術師達は山を下り、私は一人屋敷で生活していた。
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