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08.怒りの矛先、優しい癒し
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シルフィはシエルに付き添われ、ヒッソリと窓から巫女宮からカーマインが利用している紅宮へと移動し、身を清めている中、巫女宮ではカーマインの所有する騎士団によって大きな捕り物が行われていた。
「俺達は巫女に仕える者だ!!」
「こんな事をして、ただで済むと思っているのか?!」
ギャーギャーと騒ぎ立てる
ヴァナル国は、荒れ果てた大地に生まれた精霊の巫女を愛し、物質化した大精霊が王となり築いた国であり、その大精霊の因子は脈々と王族に受け継がれている。 そのためヴァナル国において精霊の巫女は何時だって特別な存在とされており、宮、宮付の使用人、騎士が存在している。
庶民生まれの精霊の巫女であっても身を守れるように、巫女宮の者には巫女のためであれば王族に対して攻撃する事も許されていた。
華騎士と呼ばれる者達が、反撃をしてくるが……権力だけに頼り、その身を鍛える事も怠り、戦場も経験した事も無く、巫女の援護も無い巫女の騎士はアッサリと制圧された。
「何がしたいんだコイツ等は……」
地面に縫い留めるように、地面に伏せさせていた。
「なぁ、巫女を守れと命じたよなぁ?」
苛立ちのままに重苦しい全身鎧の兜までとざさせ蹴りを入れた。 死なせない程度の手加減には丁度良く、中は騒音に満ち、多くの打撲跡を身体に残す事になった。
巫女宮の人員選抜には、王の住まう聖宮に勤め、信頼できるとされた人物が、侍女頭、筆頭執事、騎士団長に任命され、その3名により厳選された人物がテストを行い、調査をしたうえで巫女宮付きとされた。
「このような蛮行、許されるとお思いですか!!」
そう声を荒げたのは、侍女頭だった。
その瞬間、剣は抜かれ、その太刀筋が見えないまま侍女頭の首に突きつければ、流石に部下が止めに入った。
「正式な任命がなされていないとは言え、宮の主を危険にさらす不審者を宮に招き入れる無能を罰するのは当然の事だろう?」
靴で肩口をぐりぐりと嫌がらせのように肩を突く。
「巫女宮は、王族達の宮と違い独立されたものです。 例えカーマイン様であっても勝手を通されるものではありません」
マーティンを不審者として欠片も認識していないと言う事実にカーマインは金色の瞳を薄めて侍女頭を見、そして……夜空に響きわたる狼の遠吠えを連想させる様子で、カーマインは笑う。
「ふっざけんな!! 始祖の因子を持つ者あっての巫女宮だ!! 巫女を望む王族がなければ巫女となれない事すら理解できない愚か者に、侍女頭が務まるとは思えんな。 首だ首」
「私は、王によって……聖宮の侍女頭ポーラ様によって選任された侍女頭ですよ!!」
「だからどうした……。 お前のようにものを考えられない愚か者は、頭は不要だ」
シュンと軽い音と共に剣が横に一閃され、コトンと首が大地に転がった。
「ひっ!!」
「うわぁあああああああ」
「た、助けてくれ!!」
「王子が宮の主に会いに来たと言うのを、私共が拒否できるはずがないじゃないですか!!」
「その程度の事もできないなら、騎士はやめろ。 それとも人間を止めるか?」
何処までも収まらないイライラを必死に我慢していた。
「お前達の主は誰だ? 有益なネタを話したものは減刑を与えよう。 さぁ、早い者勝ちだ」
一人の見せしめに次々に、王妃との関わりを語りだした。
聞けば、現王妃による巫女宮に影響を与え始めたのは、彼女が王妃の座に就いた頃からだったと言う話だった。 侍女同士、使用人同士、騎士同士、近寄らせ親交を持たせ友情を築かせ、取り入り、主無き宮の主は何時の間にか王妃となっていたと言う事だった。
国王が、最愛の妻を亡くし、思い出から逃げるように巫女宮を避けている間の出来事だったらしい。
「なるほどな。 後で同じことを書面にして提出してもらおう。 無価値な奴等は敵だ、死ね」
巫女宮には下っ端と言われるような存在を置いてはいない。 真面目に働いたなら、他国の王族すら褒め讃えるほどの仕事が出来るはずだったのだ。
十分な調査の上、死刑、採掘所での労働義務、王宮への出入り禁止、一族の主たちに監禁を任せる、等の罰があたえられる事となった。
太子宮。
カーマインの母が巫女宮で使っていた使用人の大半が、母を亡くしたカーマインのための宮に勤めた。 新しい巫女が連れて来られ、侍女達は王族の愛情とも言える暴力を癒すべき勤めを果たす事に慣れた者も居る。
「あらあら、大変、すぐに湯を準備します」
「傷の具合は、お風呂に入る前に治療を必要な傷はありますか?」
かなり年配の母よりも年配の女性が、顔を望みこみながら優し気な笑みを向けて来た。
「す、少し……」
シエルの不安そうな様子を見れば、他の侍女に命じた。
「精霊寄せの月の華の香を焚きなさい、そうすれば近隣の精霊がよってくるわ。 この状態では小精霊も寄り付きにくいでしょう」
大精霊の因子を持つ者がマーキングすれば、小精霊は遠慮し近寄らなくなる。 その影響で今は小精霊が側におらず、シルフィの不安の1つとなっていた。
身を清められたシルフィは、肌触りの良いガウンに身を包んでいた。
「もう少しキッチリとした恰好をさせた方がいいのでは?」
「精霊との親和性を上げるには、むしろ全裸の方が良いぐらいですよ。 傷を癒し、マーキングを消さないといけませんからね。 大丈夫ですよ~~。 シエル閣下には雄としての威圧感を感じませんから」
「失礼な人だ」
「チビの時から見てますからねぇ~」
侍女は豪快に笑って見せれば、シエルは怒る気になれるはずも無く、気になるのはさっきからボーとしながら無言、無表情で要るシルフィの事だった。
温かな飲み物を貰ったシルフィは、ソレを手にとって弄ぶだけ。
小精霊がわさわさと集まっていて、手のひら大のふわふわぽわぽわの身体をシルフィに押し付け、癒しとなり、毛布にくるまったような感覚を受けたが、それでも緊張は解ける事はなかった。
護衛として側にいるシエルは、大気が小精霊にざわついている様子に、落ち着かない気持ちに部屋中を歩き回りチラリとシルフィを見れば、痣や噛み跡が見える。 はぁ……溜息と共に本棚に身を預けたシエルは1冊の本に気付き手にした。
本を手にソファに座るシエルに侍女は聞いた。
「シエル様も如何ですか?」
「ぁ、俺は紅茶に酒多めで」
「……わかりました」
目の前のソファに座るシルフィは無言でうつむいていた。
シエルはシルフィに話しかける事もせず、幼い年の離れた妹弟たちに聞かせていた時のように本を読み始めた。
少しずつ、緊張を溶かすように……シルフィはソファに身を預け出し、その視線はシエルへと向けだし、シエルはホッとした。
やがて扉は開き、黒に金瞳の大型の狼が現れる。
始祖の因子が強いとはそう言う事。
ぽてぽてと何処か落ち込んだ様子で歩み寄ってくるカーマインは無言のままシルフィの前に座り込んだ。
様子をうかがうようにジッと見つめれば、そっと腕を伸ばし抱きしめ、首回りに顔を埋めれば氷が溶けるように緊張が解けて……シルフィは泣き出した。
「あぁ……遅くなって悪かったな……」
されるままになりながら、殴られて赤くなったままもの頬を遠慮がちに戸惑いながらカーマインは舐めれば、ふわふわと周囲を淡く輝き飛び回る精霊達も寄り添う。
そうしてカーマインはシルフィが眠るまで寄り添い、部屋を後にした。
部屋の外では、椅子に座り、空を眺め酒入りのグラスを傾けるシエルがいた。
「警備中に飲むな」
「違いますよ、お月見です」
「俺には月が見えないが?」
「私にも見えませんよ」
「王妃が暴れますよ」
「仮にでも、精霊の巫女として認定を終えてしまえば、立場は王妃よりも上になる」
「ですね。 染みついた習性は抜けないでしょうけど」
肩を竦めながら言ったシエルにイラっとしたカーマインは、あ~むっと声に出しながら、その脚を咥えた。
「ちょ、止めて下さいよ。 早く人型に戻ってください」
「分かってる。 行くぞ」
「良いんですか? 警備」
「小精霊がいる」
「役に立つんですか?」
「巫女と一緒にいれば力が倍増されるからな。 絶対に裏切りはないし下手な騎士を側に置いておくより役に立つ、あの軟弱者ぐらいは余裕で捻り潰せる。 少し、話をしようか?」
「俺達は巫女に仕える者だ!!」
「こんな事をして、ただで済むと思っているのか?!」
ギャーギャーと騒ぎ立てる
ヴァナル国は、荒れ果てた大地に生まれた精霊の巫女を愛し、物質化した大精霊が王となり築いた国であり、その大精霊の因子は脈々と王族に受け継がれている。 そのためヴァナル国において精霊の巫女は何時だって特別な存在とされており、宮、宮付の使用人、騎士が存在している。
庶民生まれの精霊の巫女であっても身を守れるように、巫女宮の者には巫女のためであれば王族に対して攻撃する事も許されていた。
華騎士と呼ばれる者達が、反撃をしてくるが……権力だけに頼り、その身を鍛える事も怠り、戦場も経験した事も無く、巫女の援護も無い巫女の騎士はアッサリと制圧された。
「何がしたいんだコイツ等は……」
地面に縫い留めるように、地面に伏せさせていた。
「なぁ、巫女を守れと命じたよなぁ?」
苛立ちのままに重苦しい全身鎧の兜までとざさせ蹴りを入れた。 死なせない程度の手加減には丁度良く、中は騒音に満ち、多くの打撲跡を身体に残す事になった。
巫女宮の人員選抜には、王の住まう聖宮に勤め、信頼できるとされた人物が、侍女頭、筆頭執事、騎士団長に任命され、その3名により厳選された人物がテストを行い、調査をしたうえで巫女宮付きとされた。
「このような蛮行、許されるとお思いですか!!」
そう声を荒げたのは、侍女頭だった。
その瞬間、剣は抜かれ、その太刀筋が見えないまま侍女頭の首に突きつければ、流石に部下が止めに入った。
「正式な任命がなされていないとは言え、宮の主を危険にさらす不審者を宮に招き入れる無能を罰するのは当然の事だろう?」
靴で肩口をぐりぐりと嫌がらせのように肩を突く。
「巫女宮は、王族達の宮と違い独立されたものです。 例えカーマイン様であっても勝手を通されるものではありません」
マーティンを不審者として欠片も認識していないと言う事実にカーマインは金色の瞳を薄めて侍女頭を見、そして……夜空に響きわたる狼の遠吠えを連想させる様子で、カーマインは笑う。
「ふっざけんな!! 始祖の因子を持つ者あっての巫女宮だ!! 巫女を望む王族がなければ巫女となれない事すら理解できない愚か者に、侍女頭が務まるとは思えんな。 首だ首」
「私は、王によって……聖宮の侍女頭ポーラ様によって選任された侍女頭ですよ!!」
「だからどうした……。 お前のようにものを考えられない愚か者は、頭は不要だ」
シュンと軽い音と共に剣が横に一閃され、コトンと首が大地に転がった。
「ひっ!!」
「うわぁあああああああ」
「た、助けてくれ!!」
「王子が宮の主に会いに来たと言うのを、私共が拒否できるはずがないじゃないですか!!」
「その程度の事もできないなら、騎士はやめろ。 それとも人間を止めるか?」
何処までも収まらないイライラを必死に我慢していた。
「お前達の主は誰だ? 有益なネタを話したものは減刑を与えよう。 さぁ、早い者勝ちだ」
一人の見せしめに次々に、王妃との関わりを語りだした。
聞けば、現王妃による巫女宮に影響を与え始めたのは、彼女が王妃の座に就いた頃からだったと言う話だった。 侍女同士、使用人同士、騎士同士、近寄らせ親交を持たせ友情を築かせ、取り入り、主無き宮の主は何時の間にか王妃となっていたと言う事だった。
国王が、最愛の妻を亡くし、思い出から逃げるように巫女宮を避けている間の出来事だったらしい。
「なるほどな。 後で同じことを書面にして提出してもらおう。 無価値な奴等は敵だ、死ね」
巫女宮には下っ端と言われるような存在を置いてはいない。 真面目に働いたなら、他国の王族すら褒め讃えるほどの仕事が出来るはずだったのだ。
十分な調査の上、死刑、採掘所での労働義務、王宮への出入り禁止、一族の主たちに監禁を任せる、等の罰があたえられる事となった。
太子宮。
カーマインの母が巫女宮で使っていた使用人の大半が、母を亡くしたカーマインのための宮に勤めた。 新しい巫女が連れて来られ、侍女達は王族の愛情とも言える暴力を癒すべき勤めを果たす事に慣れた者も居る。
「あらあら、大変、すぐに湯を準備します」
「傷の具合は、お風呂に入る前に治療を必要な傷はありますか?」
かなり年配の母よりも年配の女性が、顔を望みこみながら優し気な笑みを向けて来た。
「す、少し……」
シエルの不安そうな様子を見れば、他の侍女に命じた。
「精霊寄せの月の華の香を焚きなさい、そうすれば近隣の精霊がよってくるわ。 この状態では小精霊も寄り付きにくいでしょう」
大精霊の因子を持つ者がマーキングすれば、小精霊は遠慮し近寄らなくなる。 その影響で今は小精霊が側におらず、シルフィの不安の1つとなっていた。
身を清められたシルフィは、肌触りの良いガウンに身を包んでいた。
「もう少しキッチリとした恰好をさせた方がいいのでは?」
「精霊との親和性を上げるには、むしろ全裸の方が良いぐらいですよ。 傷を癒し、マーキングを消さないといけませんからね。 大丈夫ですよ~~。 シエル閣下には雄としての威圧感を感じませんから」
「失礼な人だ」
「チビの時から見てますからねぇ~」
侍女は豪快に笑って見せれば、シエルは怒る気になれるはずも無く、気になるのはさっきからボーとしながら無言、無表情で要るシルフィの事だった。
温かな飲み物を貰ったシルフィは、ソレを手にとって弄ぶだけ。
小精霊がわさわさと集まっていて、手のひら大のふわふわぽわぽわの身体をシルフィに押し付け、癒しとなり、毛布にくるまったような感覚を受けたが、それでも緊張は解ける事はなかった。
護衛として側にいるシエルは、大気が小精霊にざわついている様子に、落ち着かない気持ちに部屋中を歩き回りチラリとシルフィを見れば、痣や噛み跡が見える。 はぁ……溜息と共に本棚に身を預けたシエルは1冊の本に気付き手にした。
本を手にソファに座るシエルに侍女は聞いた。
「シエル様も如何ですか?」
「ぁ、俺は紅茶に酒多めで」
「……わかりました」
目の前のソファに座るシルフィは無言でうつむいていた。
シエルはシルフィに話しかける事もせず、幼い年の離れた妹弟たちに聞かせていた時のように本を読み始めた。
少しずつ、緊張を溶かすように……シルフィはソファに身を預け出し、その視線はシエルへと向けだし、シエルはホッとした。
やがて扉は開き、黒に金瞳の大型の狼が現れる。
始祖の因子が強いとはそう言う事。
ぽてぽてと何処か落ち込んだ様子で歩み寄ってくるカーマインは無言のままシルフィの前に座り込んだ。
様子をうかがうようにジッと見つめれば、そっと腕を伸ばし抱きしめ、首回りに顔を埋めれば氷が溶けるように緊張が解けて……シルフィは泣き出した。
「あぁ……遅くなって悪かったな……」
されるままになりながら、殴られて赤くなったままもの頬を遠慮がちに戸惑いながらカーマインは舐めれば、ふわふわと周囲を淡く輝き飛び回る精霊達も寄り添う。
そうしてカーマインはシルフィが眠るまで寄り添い、部屋を後にした。
部屋の外では、椅子に座り、空を眺め酒入りのグラスを傾けるシエルがいた。
「警備中に飲むな」
「違いますよ、お月見です」
「俺には月が見えないが?」
「私にも見えませんよ」
「王妃が暴れますよ」
「仮にでも、精霊の巫女として認定を終えてしまえば、立場は王妃よりも上になる」
「ですね。 染みついた習性は抜けないでしょうけど」
肩を竦めながら言ったシエルにイラっとしたカーマインは、あ~むっと声に出しながら、その脚を咥えた。
「ちょ、止めて下さいよ。 早く人型に戻ってください」
「分かってる。 行くぞ」
「良いんですか? 警備」
「小精霊がいる」
「役に立つんですか?」
「巫女と一緒にいれば力が倍増されるからな。 絶対に裏切りはないし下手な騎士を側に置いておくより役に立つ、あの軟弱者ぐらいは余裕で捻り潰せる。 少し、話をしようか?」
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