16 / 19
16.嵐の来訪
しおりを挟む
非日常で熱が出るなら、コレはどうなのでしょう?
シルフィは、心地よい風が吹く庭で、温かな体温とふわふわの毛並みを持つ大きな狼を背もたれに空を眺め、お茶を飲んでいた。 ふわふわと舞う小精霊は、私の心を映しだすように幸福そうにふわふわと穏やかに踊る。
私の中に闇は無い。
何時だって味方がいた。
「カーマイン様は、私の味方?」
「当たり前だ」
眠そうにだけど甘く返される声に、背中に身を預けるようにカーマインの背を抱きしめた。
「シルフィ」
甘い呼びかけに、私は抱きしめる手に力を入れた。 ただその呼びかけ一言で、甘い幸福が胸を満たす。
「仕事、ありがとうな」
「いえ、マーティン様のお仕事を手伝っている時よりも、全然余裕ですよ」
「シルフィは強いな。 仕事を終えたら何をしようか?」
「仕事は毎日コツコツとですよ。 そうして余った時間に他の事をするんです」
言えばペタンと耳と尻尾が下がり私は笑ってしまう。
「でも、そうですね……資料を見ていて行ってみたい土地がありました。 マーティン様の手伝いをしていた時は、王妃様と一緒に視察に行っていたのですが、カーマイン様はそう言うのは?」
「そうだな……。 そう言うのには行った事が無いんだが、色々と教えてくれるか?」
「私で良ければ」
必死だった。
彼に対する好意を自覚すれば、対等になれるようにと……。 私は庶民と変わらない程度の貴族で、王族の方とこうやって時間を過ごすような立場にない。
金色の瞳が熱く……見つめて来る。
その熱に私は不安を覚えた。
ソレに気付いたカーマイン様は、獣らしく頬を大きな舌でペロンと舐めた。
「さぁ、部屋に戻ろう、本当に風邪をひいてしまったら……ポーラに叱られる」
強そうな牙を持つ狼が、はふぅと溜息をつけば、ちょっとだけ情けなくてそんな様子も可愛く見える私が居た。
やっぱり恋なんだと思う。
仕事と言う日常で熱が下がる。
そんな事実が切ないと嘆きながらポーラは、カーマインと共に仕事にでかけるシルフィを認めてくれた。 仕事を手伝うようになって3日。 山積みの仕事は処理を終え、その日の仕事をすればいいだけまでになり、カーマインはソワソワとし始めていた。
「良いですよ、騎士団の方に顔を出して来ても」
「いや……いい。 朝、ちゃんと訓練してきている」
それでも表情はソワソワで、見えない尻尾がパタパタ揺れているような気がした。
「良いんですよ。 これぐらい私一人で余裕ですし」
「俺の仕事なんだからそう言う訳には……」
「明日から、ちゃんと仕事をしてくれれば。 3日の間ずっと席について頑張っていたんですから」
言えば、そうか? と、ソワソワとした様子で窓から飛び出していこうとするのを止めて、ドアを開き護衛の騎士に自分とシエルとポーラ以外を通すなと念入りに言って訓練場へと向かって行った。
ペンが最後の文字を書く。
マーティンの時と違い一人で仕事をしている訳ではないと言うのは、大きな差となっていた。 カーマインも苦手は苦手なりに、必死に書類を進めてくれていたし、常に自分を気にかけてくれる相手がいると言うのは幸福だった。
「お茶でも飲みましょう」
何時カーマインが戻るだろうか? ポーラが持たせてくれた菓子を覗き見れば、戻って来るまで待とうかな? そんな気持ちになった。
ささやかな幸福の中に身を置く。
ソファに腰を下ろし、脱いでおいて行ったカーマインの上着を抱きしめ、頭から毛布をかぶるように上着をかぶり、身を包めば、大きな狼に寄り添った時のような穏やかな気持ちで眠くなりウトウトし始めた。
カツカツと言う音が遠くから近寄って来る。
「そこを通しなさい」
ドアの前で立ち塞がる騎士が拒絶した。
「どきなさいと言っているのよ!! この私が!!」
怒号とも言える声に、ビクッと目を覚ました。
「ここは誰も通すなと言われています!!」
「本当に? 本当に彼がそう言ったの? それでいいの? 後悔するのは貴方なのよ。 彼は追い詰められ後悔している頃……分からないの? そんな事も分からないの? 彼等はそう言う人なのだよ」
聞いた事のある声だった。
威圧的で艶やかで、印象的なその声は、エイデン・カナカレス侯爵令嬢。
感情をあからさまにした甲高い声。 それは獣の咆哮のようにすら感じた。 通せ、ダメです。 そんな言い合いが続き、ドンッと壁にぶち当たる重い音が響き、そして勢いよく扉が開かれた。
「貴方……何?」
不愉快そうに顔をしかめ歩み寄って来る。
前に見たのは、まだ数日前の事。
金色が光に輝くブルネットの髪。
挑発的な赤く濡れた唇。
光りの加減で朱金色となった瞳。
ギラギラとした瞳は、野生の獣のようだった。
美しく流れていたブルネットの髪はパサついて、乱れていた。
濡れた唇は、噛みしめ過ぎたのか血が滲み荒れていた。
僅か3日の間に何があったのだろうか? 想像がつかない姿をした女性が目の前にあった。
キツく燃えるような色をした瞳が、怒りと共に見下ろしてきた。
「アノ人の服で、何をしている訳?! あの方の匂いを嗅ぎ興奮し欲情しているのね。 薄汚い節操なしの淫乱女が!!」
シルフィからカーマインの上着を奪い取ろうと手を伸ばし、掴み、勢いのままに引きはがそうとすれば……軽々とシルフィの身体も宙を浮き、驚いたシルフィが手を離しそのまま1mほど飛ばされた。
机に背をうち、床にお尻をつき痛かったけれど……それ以上に驚きが強くて、訳がわからなくて侯爵令嬢を見上げた。
マジマジとエイデンはシルフィを見つめた。
コロコロと淡く変化する髪色、そしてハチミツ色の瞳。 それを見せつけられたエイデンは戸惑い、感情の堰が決壊したかのように怒り出す。
つかつかと歩み寄って来て、床に座り込んだままのシルフィを見下ろしたエイデンは、勢いよくシルフィの胸倉を掴み身体を引き上げる。
「ハチミツ色の瞳……巫女」
ボソボソと独り言のように呟き、そして耳が痛くなるほどの声で叫んだ。
「アンタのせいね!! 全部全部全部!! アンタのせいなのね!!」
胸倉を掴まれ宙づりとな、首がきつく締め上げられた。
「生まれも分からない下賤の者が、ただ、その瞳を持っていると言うだけで、カーマインをたらし込んで!! 彼の妻となるまでかけてきた時間を台無しにしやがって!!」
美しいはずの女性が乱れ、怒れる獣のようになっている様子に戸惑った。 何かを言いたいが首がしまって上手く声を出す事もできなかった。
「あはっ、苦しい? 苦しいのね。 いいわ、そのまま死んじゃいなさいよ。 精霊の巫女だと言うだけで心を奪われたカーマインが可哀そうだわ。 愛しても無い相手に欲情する衝動に苦しんでいるでしょうね。 ねぇ、自分がどういう存在か分かっている? 貴方はその瞳がある限り王族を従えるのよ。 奴隷にしてしまうの。 愛がなくても貴方を欲してしたがってしまうのよ!! なんて酷い女。 ねぇ、死んで!! 死んでよ!!」
「いやっ!!」
小精霊達が、シルフィの叫びにエイデンにぶつかった。
ぶつかったけれど、高いヒールを履きながらエイデンは耐えた。 彼女は獣の耳を頭上に持ち、そして大きな牙を剥き出しにしていた。
彼女は侯爵家の娘でありながら、王家の血が強い……。
カーマインの獣を嫌うのは自己嫌悪のようなもの。
「私達は愛し合っていたのよ!! 私達はお互いを求めあっていたの!! 貴方とは違い長い年月をかけてその関係を築いてきたのよ!! 愛しているの、愛されていたの!! 無条件で愛されるアンタとは違うのよ!! 死んで、死んでよ!! 早く死になさいよ!!」
そう叫ぶが、エイデンは意図した暴力は振るっていない。 振るいたいのにふるえない。 腹が立つのにハチミツ色の瞳が魅了する。 エイデンは身をもって、精霊の巫女の呪いを体験していた。
それでも胸倉を掴まれ締まる首は辛くて、意識が徐々に遠くなってくる。 ボンヤリとした意識の中で、エイデンは囁くように毒を吐く。
「ねぇ、この部屋に入る事を許されて、愛されているとでも思ったの? ここはずっと私の居場所だったの。 私こそが婚約者なの、彼が愛している女の。 彼を返してよ……。 死んでよ、今すぐ死んで、死んで、死になさい!!」
「止めるんだ!! その手を離せ!!」
カーマイン様
意識が遠くなる中で、私は呼んだ。
この部屋の主を。
侯爵令嬢の激情から私を救いだしたのはマーティンであることに気付かないまま。
シルフィは、心地よい風が吹く庭で、温かな体温とふわふわの毛並みを持つ大きな狼を背もたれに空を眺め、お茶を飲んでいた。 ふわふわと舞う小精霊は、私の心を映しだすように幸福そうにふわふわと穏やかに踊る。
私の中に闇は無い。
何時だって味方がいた。
「カーマイン様は、私の味方?」
「当たり前だ」
眠そうにだけど甘く返される声に、背中に身を預けるようにカーマインの背を抱きしめた。
「シルフィ」
甘い呼びかけに、私は抱きしめる手に力を入れた。 ただその呼びかけ一言で、甘い幸福が胸を満たす。
「仕事、ありがとうな」
「いえ、マーティン様のお仕事を手伝っている時よりも、全然余裕ですよ」
「シルフィは強いな。 仕事を終えたら何をしようか?」
「仕事は毎日コツコツとですよ。 そうして余った時間に他の事をするんです」
言えばペタンと耳と尻尾が下がり私は笑ってしまう。
「でも、そうですね……資料を見ていて行ってみたい土地がありました。 マーティン様の手伝いをしていた時は、王妃様と一緒に視察に行っていたのですが、カーマイン様はそう言うのは?」
「そうだな……。 そう言うのには行った事が無いんだが、色々と教えてくれるか?」
「私で良ければ」
必死だった。
彼に対する好意を自覚すれば、対等になれるようにと……。 私は庶民と変わらない程度の貴族で、王族の方とこうやって時間を過ごすような立場にない。
金色の瞳が熱く……見つめて来る。
その熱に私は不安を覚えた。
ソレに気付いたカーマイン様は、獣らしく頬を大きな舌でペロンと舐めた。
「さぁ、部屋に戻ろう、本当に風邪をひいてしまったら……ポーラに叱られる」
強そうな牙を持つ狼が、はふぅと溜息をつけば、ちょっとだけ情けなくてそんな様子も可愛く見える私が居た。
やっぱり恋なんだと思う。
仕事と言う日常で熱が下がる。
そんな事実が切ないと嘆きながらポーラは、カーマインと共に仕事にでかけるシルフィを認めてくれた。 仕事を手伝うようになって3日。 山積みの仕事は処理を終え、その日の仕事をすればいいだけまでになり、カーマインはソワソワとし始めていた。
「良いですよ、騎士団の方に顔を出して来ても」
「いや……いい。 朝、ちゃんと訓練してきている」
それでも表情はソワソワで、見えない尻尾がパタパタ揺れているような気がした。
「良いんですよ。 これぐらい私一人で余裕ですし」
「俺の仕事なんだからそう言う訳には……」
「明日から、ちゃんと仕事をしてくれれば。 3日の間ずっと席について頑張っていたんですから」
言えば、そうか? と、ソワソワとした様子で窓から飛び出していこうとするのを止めて、ドアを開き護衛の騎士に自分とシエルとポーラ以外を通すなと念入りに言って訓練場へと向かって行った。
ペンが最後の文字を書く。
マーティンの時と違い一人で仕事をしている訳ではないと言うのは、大きな差となっていた。 カーマインも苦手は苦手なりに、必死に書類を進めてくれていたし、常に自分を気にかけてくれる相手がいると言うのは幸福だった。
「お茶でも飲みましょう」
何時カーマインが戻るだろうか? ポーラが持たせてくれた菓子を覗き見れば、戻って来るまで待とうかな? そんな気持ちになった。
ささやかな幸福の中に身を置く。
ソファに腰を下ろし、脱いでおいて行ったカーマインの上着を抱きしめ、頭から毛布をかぶるように上着をかぶり、身を包めば、大きな狼に寄り添った時のような穏やかな気持ちで眠くなりウトウトし始めた。
カツカツと言う音が遠くから近寄って来る。
「そこを通しなさい」
ドアの前で立ち塞がる騎士が拒絶した。
「どきなさいと言っているのよ!! この私が!!」
怒号とも言える声に、ビクッと目を覚ました。
「ここは誰も通すなと言われています!!」
「本当に? 本当に彼がそう言ったの? それでいいの? 後悔するのは貴方なのよ。 彼は追い詰められ後悔している頃……分からないの? そんな事も分からないの? 彼等はそう言う人なのだよ」
聞いた事のある声だった。
威圧的で艶やかで、印象的なその声は、エイデン・カナカレス侯爵令嬢。
感情をあからさまにした甲高い声。 それは獣の咆哮のようにすら感じた。 通せ、ダメです。 そんな言い合いが続き、ドンッと壁にぶち当たる重い音が響き、そして勢いよく扉が開かれた。
「貴方……何?」
不愉快そうに顔をしかめ歩み寄って来る。
前に見たのは、まだ数日前の事。
金色が光に輝くブルネットの髪。
挑発的な赤く濡れた唇。
光りの加減で朱金色となった瞳。
ギラギラとした瞳は、野生の獣のようだった。
美しく流れていたブルネットの髪はパサついて、乱れていた。
濡れた唇は、噛みしめ過ぎたのか血が滲み荒れていた。
僅か3日の間に何があったのだろうか? 想像がつかない姿をした女性が目の前にあった。
キツく燃えるような色をした瞳が、怒りと共に見下ろしてきた。
「アノ人の服で、何をしている訳?! あの方の匂いを嗅ぎ興奮し欲情しているのね。 薄汚い節操なしの淫乱女が!!」
シルフィからカーマインの上着を奪い取ろうと手を伸ばし、掴み、勢いのままに引きはがそうとすれば……軽々とシルフィの身体も宙を浮き、驚いたシルフィが手を離しそのまま1mほど飛ばされた。
机に背をうち、床にお尻をつき痛かったけれど……それ以上に驚きが強くて、訳がわからなくて侯爵令嬢を見上げた。
マジマジとエイデンはシルフィを見つめた。
コロコロと淡く変化する髪色、そしてハチミツ色の瞳。 それを見せつけられたエイデンは戸惑い、感情の堰が決壊したかのように怒り出す。
つかつかと歩み寄って来て、床に座り込んだままのシルフィを見下ろしたエイデンは、勢いよくシルフィの胸倉を掴み身体を引き上げる。
「ハチミツ色の瞳……巫女」
ボソボソと独り言のように呟き、そして耳が痛くなるほどの声で叫んだ。
「アンタのせいね!! 全部全部全部!! アンタのせいなのね!!」
胸倉を掴まれ宙づりとな、首がきつく締め上げられた。
「生まれも分からない下賤の者が、ただ、その瞳を持っていると言うだけで、カーマインをたらし込んで!! 彼の妻となるまでかけてきた時間を台無しにしやがって!!」
美しいはずの女性が乱れ、怒れる獣のようになっている様子に戸惑った。 何かを言いたいが首がしまって上手く声を出す事もできなかった。
「あはっ、苦しい? 苦しいのね。 いいわ、そのまま死んじゃいなさいよ。 精霊の巫女だと言うだけで心を奪われたカーマインが可哀そうだわ。 愛しても無い相手に欲情する衝動に苦しんでいるでしょうね。 ねぇ、自分がどういう存在か分かっている? 貴方はその瞳がある限り王族を従えるのよ。 奴隷にしてしまうの。 愛がなくても貴方を欲してしたがってしまうのよ!! なんて酷い女。 ねぇ、死んで!! 死んでよ!!」
「いやっ!!」
小精霊達が、シルフィの叫びにエイデンにぶつかった。
ぶつかったけれど、高いヒールを履きながらエイデンは耐えた。 彼女は獣の耳を頭上に持ち、そして大きな牙を剥き出しにしていた。
彼女は侯爵家の娘でありながら、王家の血が強い……。
カーマインの獣を嫌うのは自己嫌悪のようなもの。
「私達は愛し合っていたのよ!! 私達はお互いを求めあっていたの!! 貴方とは違い長い年月をかけてその関係を築いてきたのよ!! 愛しているの、愛されていたの!! 無条件で愛されるアンタとは違うのよ!! 死んで、死んでよ!! 早く死になさいよ!!」
そう叫ぶが、エイデンは意図した暴力は振るっていない。 振るいたいのにふるえない。 腹が立つのにハチミツ色の瞳が魅了する。 エイデンは身をもって、精霊の巫女の呪いを体験していた。
それでも胸倉を掴まれ締まる首は辛くて、意識が徐々に遠くなってくる。 ボンヤリとした意識の中で、エイデンは囁くように毒を吐く。
「ねぇ、この部屋に入る事を許されて、愛されているとでも思ったの? ここはずっと私の居場所だったの。 私こそが婚約者なの、彼が愛している女の。 彼を返してよ……。 死んでよ、今すぐ死んで、死んで、死になさい!!」
「止めるんだ!! その手を離せ!!」
カーマイン様
意識が遠くなる中で、私は呼んだ。
この部屋の主を。
侯爵令嬢の激情から私を救いだしたのはマーティンであることに気付かないまま。
73
あなたにおすすめの小説
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、孤独な陛下を癒したら、執着されて離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!
※ 以下のタイトルにて、ベリーズカフェでも公開中。
【側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません】
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目の人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
【完結】今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
大人になったオフェーリア。
ぽんぽこ狸
恋愛
婚約者のジラルドのそばには王女であるベアトリーチェがおり、彼女は慈愛に満ちた表情で下腹部を撫でている。
生まれてくる子供の為にも婚約解消をとオフェーリアは言われるが、納得がいかない。
けれどもそれどころではないだろう、こうなってしまった以上は、婚約解消はやむなしだ。
それ以上に重要なことは、ジラルドの実家であるレピード公爵家とオフェーリアの実家はたくさんの共同事業を行っていて、今それがおじゃんになれば、オフェーリアには補えないほどの損失を生むことになる。
その点についてすぐに確認すると、そういう所がジラルドに見離される原因になったのだとベアトリーチェは怒鳴りだしてオフェーリアに掴みかかってきた。
その尋常では無い様子に泣き寝入りすることになったオフェーリアだったが、父と母が設定したお見合いで彼女の騎士をしていたヴァレントと出会い、とある復讐の方法を思いついたのだった。
あなたの妻にはなりません
風見ゆうみ
恋愛
幼い頃から大好きだった婚約者のレイズ。
彼が伯爵位を継いだと同時に、わたしと彼は結婚した。
幸せな日々が始まるのだと思っていたのに、夫は仕事で戦場近くの街に行くことになった。
彼が旅立った数日後、わたしの元に届いたのは夫の訃報だった。
悲しみに暮れているわたしに近づいてきたのは、夫の親友のディール様。
彼は夫から自分の身に何かあった時にはわたしのことを頼むと言われていたのだと言う。
あっという間に日にちが過ぎ、ディール様から求婚される。
悩みに悩んだ末に、ディール様と婚約したわたしに、友人と街に出た時にすれ違った男が言った。
「あの男と結婚するのはやめなさい。彼は君の夫の殺害を依頼した男だ」
地味な私を捨てた元婚約者にざまぁ返し!私の才能に惚れたハイスペ社長にスカウトされ溺愛されてます
久遠翠
恋愛
「君は、可愛げがない。いつも数字しか見ていないじゃないか」
大手商社に勤める地味なOL・相沢美月は、エリートの婚約者・高遠彰から突然婚約破棄を告げられる。
彼の心変わりと社内での孤立に傷つき、退職を選んだ美月。
しかし、彼らは知らなかった。彼女には、IT業界で“K”という名で知られる伝説的なデータアナリストという、もう一つの顔があったことを。
失意の中、足を運んだ交流会で美月が出会ったのは、急成長中のIT企業「ホライゾン・テクノロジーズ」の若き社長・一条蓮。
彼女が何気なく口にした市場分析の鋭さに衝撃を受けた蓮は、すぐさま彼女を破格の条件でスカウトする。
「君のその目で、俺と未来を見てほしい」──。
蓮の情熱に心を動かされ、新たな一歩を踏み出した美月は、その才能を遺憾なく発揮していく。
地味なOLから、誰もが注目するキャリアウーマンへ。
そして、仕事のパートナーである蓮の、真っ直ぐで誠実な愛情に、凍てついていた心は次第に溶かされていく。
これは、才能というガラスの靴を見出された、一人の女性のシンデレラストーリー。
数字の奥に隠された真実を見抜く彼女が、本当の愛と幸せを掴むまでの、最高にドラマチックな逆転ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる