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15.自覚
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窓からそっと覗き見ていたシルフィをカーマインが抱き上げようとするが、シルフィはカーマインの腕を拒絶し後ろに下がった。 下がった分だけカーマインは窓を乗り越えシルフィを捕まえ抱き上げ、その体温を確かめるために頬を摺り寄せ、額を合わせる。
「熱、下がってない?」
そう言いながら、改めてカーマインはシルフィの首筋に触れる。
人の姿のままなのに、触れる優しい感触は狼の姿に抱き着くときと変わらないと……シルフィはフワフワとした気分になってしまい、カーマインの身体に両腕を回したくなるのを我慢した。
「でも、約束。 仕事手伝うって」
寄せられる頬から離れようとシルフィが身をよじらせれば、その腕からスルリと落ちそうになるからカーマインはシッカリとシルフィを抱きしめる事になる。
「危ないだろ? 大人しくするんだ」
言葉こそきついが風だけど、声の調子も声色も甘く優しく、なんだか勘違いしそうになって眩暈をしそうになる。
カーマイン様と出会うのは、王妃宮の貴族出身の方達の目につかない場所の業務をしている時、薪を割ったり運んだり、庭掃除に草刈り、洗濯……そう言うのをしている時によく来てくれて仕事を手伝ってくれていた。
……王子様だなんて知らなかったし……。
力仕事なんて一瞬で終わらせてくれて、余った時間はお話をして……ポケットから出してくれるクッキーや果物、甘いものを食べさせてくれた。
優しい人なのに……なんだか不思議で、特別扱いしてもらっていたような感じがして、胸がムズムズする……愛されている気になってしまっていた。
でも……それは……。
「ダメ」
「何が?」
その言葉の一言が、短くも甘い。
その瞳の一瞬が、優しい。
窓から覗き見ていた、美女と共にいた彼とは別人。 どっちが本当なのかと不安になってしまう。 不安を胸に抱え黙り込む僅かな間のうちに、執務室のソファに座り肩からカーマインの上着をかけられて、独特な煙草の匂いに包まれる。
お茶を淹れながら、カーマインはもう一度聞いた。
「何がダメなんだ?」
「あの……。 婚約者がいる人が気安く異性に触れるのは友達でも良くないと思うんですけど……」
小声で囁くように言うシルフィの心の中がモヤリとしていた。
私は何を望んでいるんだろう?
堂々と自分の思いを口にしていたさっきの女性はとても強く感じた。 自由で美しくて……カッコいい。 私の方が友達なのに、全然対等に思えない……特に今はなんだか弱っていて……小さな子供のようにされている。
強くなりたい。
強く? う~ん、違いますね……対等になりたい……。
「アレは婚約者じゃないから大丈夫。 気になるのか?」
「でも……お仕事を一緒にするのは普通は婚約者ですよね? 気になりますよ。 不貞は嫌です」
現王妃は、国王にとって妻ではなく信用も置けないと判断しているため、執務室に入れる事はほぼない。 が、この国での職務は夫婦で共に行う。
「安心しろ、そんなんじゃないから。 だからここにいないだろう? いま、居るのはシルフィだ」
そう言いながら目線を合わせるために姿勢を落とし、温かなお茶を私に私ながらカーマイン様は穏やかに笑って見せてくる。 そう言うのが、勘違いすると言うのに、わかってないんだから……。
「そっか……」
シルフィは心を隠して短く答えた。
なら、カーマイン様の婚約者は? 国を統治するために必要な知識を学ばなければいけないからと、王族の婚約者の決定は早いほど良いとされている。 マーティンも常に婚約者候補である女性を伴っていた。
聞きたい……。
けど、今は仕事が大事。
「仕事しよ?」
「そうだな」
ウンザリするようにカーマインは返事をした。
「ちょ、シルフィは寝てな」
「お手伝いする。 言い合っている時間は無駄になるよ? せめてカーマイン様はお仕事しないと」
ジッと真面目にいえば、少しだけ困った顔をしてそうだなと頷いた。
カーマインの執務室も机は2つ。
シルフィはカーマインの仕事の山をそっと束で持ち出そうとしたけれど、それはアッサリと見つかっていて、椅子に座れば腕から上が乗しかデスクの上に出なくて、チラ見をしたカーマインが堪えきれず笑っていた。
熱で熱い顔がいっそう熱くなる。
「ちょっと待ってろ」
カーマイン様は外の護衛に伝えて、新しい机を持ってくるよう伝えたが、私は椅子の上で正座をして仕事を始める。 熱のせいか……何時も以上に、目の前の書類に集中できた。
「シルフィ、シルフィ!!」
「は、はい……」
呼ばれてシルフィが顔を上げた瞬間、痺れた足がままならず椅子から転げ落ちそうになるところを、慌てたカーマインが拾い上げそのまま抱き上げてくる。
「びっくりした」
金色の瞳が丸くなる。
「足、痺れたの」
「そんなに一生懸命しなくていいから」
そう言ってシルフィ熱を確かめるように、カーマインは額を押し付ける。
「熱は……引いたな。 俺にとって都合がいいが、これがシルフィにとって慣れた環境だと言うなら、このまま手伝ってほしい。 ただし、椅子から転げ落ちないように……。 椅子の前に滑り落ちないように板でもつけるか?」
「……赤ちゃんじゃないんですから……」
よしよしと頭が撫でられた。
「でも、まぁ、ちょっと休憩な。 部屋から抜け出したのがポーラに報告したし、そろそろ、飯を持って来てくれるから」
そう言いながら椅子の上から抱き上げ、ソファに運ばれる。
「歩けますよ」
「本当に?」
ふくらはぎを触られれば、びりびりで涙ぐんで睨みつければ、また笑われた。
「にしても凄い処理速度だな」
「早く読んで、早く理解して、過去の事例を思い出して、あてはめて、紙に書くだけですし……」
「うん、凄いな」
「むぅ、子供扱いしています?」
「いえ、真面目に思っている……。 俺には無理だ、そもそもそこまでの集中力が無い」
自分がし終えた仕事量を見せつけて来る。
「でも、まぁ、一生懸命されているから良いと思います。 正式に職務につくようになれば、文官がサポートにつきますし」
「その文官にも認められない事には、仕事は上手く回らないんだがな……戦場なら、戦いなら……なんとかなるんだが、コレはなかなか難しい」
「でも、そのために、婚約者と側遣いが居るんですし」
「なるほど」
「えっと……先ほどの方は?」
「……エイデン・カナカレス侯爵令嬢。 俺の最初の婚約者候補だった奴。 最初にあったのは5歳の時で、相性が最悪だが仕事が山積みになると手伝いに来てくれていた」
「その、彼女は……えっとカーマイン様の事が好き?」
「まさか、アレは権力と金が好きで、俺はただのオマケ。 権力と金の手段に過ぎない」
「ポーラ、遅いね……仕事続けようか?」
「だな。 俺は続けるから、シルフィは少し休んでいてくれ、このままだと俺が情けなさ過ぎる」
そんな事無いよ。
そう言葉を変えそうとしたけれど、カーマインの視線は既に書類に向けられていて、ただ一言でも話しかければ邪魔をしてしまうと黙り込み。 そして、そっと机に戻り仕事を再開した。
次に仕事が中断されたのは、ポーラではなくシエルが軽食を持ってきた時だった。
「おや、シルフィ様、来ていらしたんですか?」
山積みとなった処理済みの書類を眺めて、驚いた顔をする。
「文官達から随分と評判が良いようでしたが、これならそうなるのも分かります。 これほど有能な方なら、是非、もごっ」
シエルの口がカーマインによって塞がれた。
「な、なんですか……」
「仕事が出来るから、求婚した何て思われたくない。 ちゃんと仕事は出来るけど、一緒にいたいからってしたい……」
ボソボソとした声。
内緒話をされるとムッとしてしまうから小精霊にお願いして、声を伝えてもらっていた……。
「えっと」
「どうかしたか?」
振り返るカーマインは焦っていた。
「顔が赤い、また熱があがったんじゃないのか?」
「カーマイン様が無茶をさせるからでしょう。 もう、カーマイン様は仕事をしていてください。 屋敷の方に連れて行きますから」
「いえ、私がお連れしますから。 お二人は仕事に集中してください」
そうトドメを刺すように言ったのは、食事を持ってきたポーラだった。
鼓動が早い。
顔が熱い。
妙にフワフワとした気分で……。
側にいるポーラが慌てていた。
「熱、下がってない?」
そう言いながら、改めてカーマインはシルフィの首筋に触れる。
人の姿のままなのに、触れる優しい感触は狼の姿に抱き着くときと変わらないと……シルフィはフワフワとした気分になってしまい、カーマインの身体に両腕を回したくなるのを我慢した。
「でも、約束。 仕事手伝うって」
寄せられる頬から離れようとシルフィが身をよじらせれば、その腕からスルリと落ちそうになるからカーマインはシッカリとシルフィを抱きしめる事になる。
「危ないだろ? 大人しくするんだ」
言葉こそきついが風だけど、声の調子も声色も甘く優しく、なんだか勘違いしそうになって眩暈をしそうになる。
カーマイン様と出会うのは、王妃宮の貴族出身の方達の目につかない場所の業務をしている時、薪を割ったり運んだり、庭掃除に草刈り、洗濯……そう言うのをしている時によく来てくれて仕事を手伝ってくれていた。
……王子様だなんて知らなかったし……。
力仕事なんて一瞬で終わらせてくれて、余った時間はお話をして……ポケットから出してくれるクッキーや果物、甘いものを食べさせてくれた。
優しい人なのに……なんだか不思議で、特別扱いしてもらっていたような感じがして、胸がムズムズする……愛されている気になってしまっていた。
でも……それは……。
「ダメ」
「何が?」
その言葉の一言が、短くも甘い。
その瞳の一瞬が、優しい。
窓から覗き見ていた、美女と共にいた彼とは別人。 どっちが本当なのかと不安になってしまう。 不安を胸に抱え黙り込む僅かな間のうちに、執務室のソファに座り肩からカーマインの上着をかけられて、独特な煙草の匂いに包まれる。
お茶を淹れながら、カーマインはもう一度聞いた。
「何がダメなんだ?」
「あの……。 婚約者がいる人が気安く異性に触れるのは友達でも良くないと思うんですけど……」
小声で囁くように言うシルフィの心の中がモヤリとしていた。
私は何を望んでいるんだろう?
堂々と自分の思いを口にしていたさっきの女性はとても強く感じた。 自由で美しくて……カッコいい。 私の方が友達なのに、全然対等に思えない……特に今はなんだか弱っていて……小さな子供のようにされている。
強くなりたい。
強く? う~ん、違いますね……対等になりたい……。
「アレは婚約者じゃないから大丈夫。 気になるのか?」
「でも……お仕事を一緒にするのは普通は婚約者ですよね? 気になりますよ。 不貞は嫌です」
現王妃は、国王にとって妻ではなく信用も置けないと判断しているため、執務室に入れる事はほぼない。 が、この国での職務は夫婦で共に行う。
「安心しろ、そんなんじゃないから。 だからここにいないだろう? いま、居るのはシルフィだ」
そう言いながら目線を合わせるために姿勢を落とし、温かなお茶を私に私ながらカーマイン様は穏やかに笑って見せてくる。 そう言うのが、勘違いすると言うのに、わかってないんだから……。
「そっか……」
シルフィは心を隠して短く答えた。
なら、カーマイン様の婚約者は? 国を統治するために必要な知識を学ばなければいけないからと、王族の婚約者の決定は早いほど良いとされている。 マーティンも常に婚約者候補である女性を伴っていた。
聞きたい……。
けど、今は仕事が大事。
「仕事しよ?」
「そうだな」
ウンザリするようにカーマインは返事をした。
「ちょ、シルフィは寝てな」
「お手伝いする。 言い合っている時間は無駄になるよ? せめてカーマイン様はお仕事しないと」
ジッと真面目にいえば、少しだけ困った顔をしてそうだなと頷いた。
カーマインの執務室も机は2つ。
シルフィはカーマインの仕事の山をそっと束で持ち出そうとしたけれど、それはアッサリと見つかっていて、椅子に座れば腕から上が乗しかデスクの上に出なくて、チラ見をしたカーマインが堪えきれず笑っていた。
熱で熱い顔がいっそう熱くなる。
「ちょっと待ってろ」
カーマイン様は外の護衛に伝えて、新しい机を持ってくるよう伝えたが、私は椅子の上で正座をして仕事を始める。 熱のせいか……何時も以上に、目の前の書類に集中できた。
「シルフィ、シルフィ!!」
「は、はい……」
呼ばれてシルフィが顔を上げた瞬間、痺れた足がままならず椅子から転げ落ちそうになるところを、慌てたカーマインが拾い上げそのまま抱き上げてくる。
「びっくりした」
金色の瞳が丸くなる。
「足、痺れたの」
「そんなに一生懸命しなくていいから」
そう言ってシルフィ熱を確かめるように、カーマインは額を押し付ける。
「熱は……引いたな。 俺にとって都合がいいが、これがシルフィにとって慣れた環境だと言うなら、このまま手伝ってほしい。 ただし、椅子から転げ落ちないように……。 椅子の前に滑り落ちないように板でもつけるか?」
「……赤ちゃんじゃないんですから……」
よしよしと頭が撫でられた。
「でも、まぁ、ちょっと休憩な。 部屋から抜け出したのがポーラに報告したし、そろそろ、飯を持って来てくれるから」
そう言いながら椅子の上から抱き上げ、ソファに運ばれる。
「歩けますよ」
「本当に?」
ふくらはぎを触られれば、びりびりで涙ぐんで睨みつければ、また笑われた。
「にしても凄い処理速度だな」
「早く読んで、早く理解して、過去の事例を思い出して、あてはめて、紙に書くだけですし……」
「うん、凄いな」
「むぅ、子供扱いしています?」
「いえ、真面目に思っている……。 俺には無理だ、そもそもそこまでの集中力が無い」
自分がし終えた仕事量を見せつけて来る。
「でも、まぁ、一生懸命されているから良いと思います。 正式に職務につくようになれば、文官がサポートにつきますし」
「その文官にも認められない事には、仕事は上手く回らないんだがな……戦場なら、戦いなら……なんとかなるんだが、コレはなかなか難しい」
「でも、そのために、婚約者と側遣いが居るんですし」
「なるほど」
「えっと……先ほどの方は?」
「……エイデン・カナカレス侯爵令嬢。 俺の最初の婚約者候補だった奴。 最初にあったのは5歳の時で、相性が最悪だが仕事が山積みになると手伝いに来てくれていた」
「その、彼女は……えっとカーマイン様の事が好き?」
「まさか、アレは権力と金が好きで、俺はただのオマケ。 権力と金の手段に過ぎない」
「ポーラ、遅いね……仕事続けようか?」
「だな。 俺は続けるから、シルフィは少し休んでいてくれ、このままだと俺が情けなさ過ぎる」
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そう言葉を変えそうとしたけれど、カーマインの視線は既に書類に向けられていて、ただ一言でも話しかければ邪魔をしてしまうと黙り込み。 そして、そっと机に戻り仕事を再開した。
次に仕事が中断されたのは、ポーラではなくシエルが軽食を持ってきた時だった。
「おや、シルフィ様、来ていらしたんですか?」
山積みとなった処理済みの書類を眺めて、驚いた顔をする。
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シエルの口がカーマインによって塞がれた。
「な、なんですか……」
「仕事が出来るから、求婚した何て思われたくない。 ちゃんと仕事は出来るけど、一緒にいたいからってしたい……」
ボソボソとした声。
内緒話をされるとムッとしてしまうから小精霊にお願いして、声を伝えてもらっていた……。
「えっと」
「どうかしたか?」
振り返るカーマインは焦っていた。
「顔が赤い、また熱があがったんじゃないのか?」
「カーマイン様が無茶をさせるからでしょう。 もう、カーマイン様は仕事をしていてください。 屋敷の方に連れて行きますから」
「いえ、私がお連れしますから。 お二人は仕事に集中してください」
そうトドメを刺すように言ったのは、食事を持ってきたポーラだった。
鼓動が早い。
顔が熱い。
妙にフワフワとした気分で……。
側にいるポーラが慌てていた。
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