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02.今の私を作る過去
11.子供の時間の終わり 02
「ラシェルは黙っていて!! 当主は僕だ……。 僕なんだから……僕がなんとかするから、ラシェルは……公爵家じゃなくて、僕を支えてよ……」
「まだ、成人にも達していない2人にここまで言わせて恥ずかしくはないのですか!!」
泣き虫なサシャがそう言って叫んだ。
責任を追及していた大人達の空気が変わった。
私は私より小さなユーグに抱きしめられながら、一族の者達に言った。
「自分にできる事を考えて下さい。 作戦を立てましょう。 私は……私は戦場に出向けば貴方達を死なせない」
「ダメだ!! そっちは僕が、僕がなんとかする……」
「なら……私は戦場に出向く者達が、家族の心配をせずにすむよう支えましょう。 戦場で十分に力が発揮できるよう尽力しましょう」
この時には、私はもう自分の魔力をしみこませて作る糸が、魔石と同等な価値を持つ事を知っていたから、ソレを作り出し、領地の女達に術札を作らせればいいと考えていた。 家族を守るために作らせてもいい。 生きるために、金にするために作らせてもいい。
私は、ミリヤ様に育てられた事で、自分をどう使うべきかを理解していたのだ。
そして……私達は、大人にならざるを得なくなった……。
色々あったが、一族の者達は、領民たちは、結束し戦う事を選んでくれたおかげで、首の皮一枚繋がった感じで私達はなんとか生かされた。 冗談ではない、馬鹿な大人達のせいで、処刑なんて本当勘弁して欲しい。
とは言え、状況は決して楽なものではない。
ユーグ達が戦場へと出発する先日。
寝室にユーグがやってきた。
人が寝入った時間、ノック音が鳴る。
「ラシェル」
弱弱しく幼い声が私を呼ぶ。
帰れ!! と言いたいが……明日戦場に向かうと知っていれば、怒鳴りつけ追い出す等できなかった。
「なによ……」
扉を挟んで私は聞いた。
「最後に、顔を見に来たんだ……」
「最後って、馬鹿じゃないの?! 自信がないなら、変わりなさい。 私が戦場に出るから」
「ダメだ!! いや、違うんだ。 そうではなくって……」
「なによ」
私は扉を開き、部屋の外にいるユーグを部屋に招き入れ、心を落ち着かせると言われるハーブティを淹れる。
「その……。 戦争に行くから」
「そうね」
「もしかすると、コレが最後かもしれないから」
「ふざけんな」
私は、私の嫌いな赤い髪に因縁をつける時以上の力で、拳骨を落とした。 手が痛かったし、ユーグは苦笑いしているし……。 まぁ、いいや。
「馬鹿げた事言わないでよね。 なんで、アンタが悪いのに、私が手を痛めないとだめなのよ」
「酷いな、僕は真面目に言っているのに」
お茶を出し、引こうとした手をユーグが取り、痛いと言って触れていた場所を子猫のように舐めて来た。 そして、私を見てこう言った。
「お願いがあるんだ……」
「だから、何よ。 任されたからには、守るべきものは守るし、支えるべきは支えるわよ」
「そうじゃなくって、いや、そうなんだけど……あのね……、ラシェルを抱かせてもらえないかな……もしかすると、ほら、もう二度と会えないかもしれない訳だし、心残りは残したくないと言うか?」
「はぁあ?! ふざけんなって奴ですよ。 そんな弱っちい人に、なんで初めてを上げないとだめなんですか!! そう言う交渉は、帰って来てからしてください」
「交渉って……僕たち一応婚約者だよね?」
「それ以前に、まだ子供ですぅ!! マセガキ。 明日に備えてさっさと寝なさい。 寝れないなら子守歌ぐらいサービスしてあげるから」
「え~~」
「不満なわけ?」
「そりゃぁ……こんなんじゃ、未練があって死ねない」
「死ななきゃいいだけの事でしょう。 公爵なんでしょ?」
「……口づけぐらいはいい?」
言われて私は触れるだけの口づけをする。
「はいは~い!! お休みなさいのキス終了、とっとと寝る!!」
そして……朝を迎え、
私達の子供の時間は終わりを告げた……。
「まだ、成人にも達していない2人にここまで言わせて恥ずかしくはないのですか!!」
泣き虫なサシャがそう言って叫んだ。
責任を追及していた大人達の空気が変わった。
私は私より小さなユーグに抱きしめられながら、一族の者達に言った。
「自分にできる事を考えて下さい。 作戦を立てましょう。 私は……私は戦場に出向けば貴方達を死なせない」
「ダメだ!! そっちは僕が、僕がなんとかする……」
「なら……私は戦場に出向く者達が、家族の心配をせずにすむよう支えましょう。 戦場で十分に力が発揮できるよう尽力しましょう」
この時には、私はもう自分の魔力をしみこませて作る糸が、魔石と同等な価値を持つ事を知っていたから、ソレを作り出し、領地の女達に術札を作らせればいいと考えていた。 家族を守るために作らせてもいい。 生きるために、金にするために作らせてもいい。
私は、ミリヤ様に育てられた事で、自分をどう使うべきかを理解していたのだ。
そして……私達は、大人にならざるを得なくなった……。
色々あったが、一族の者達は、領民たちは、結束し戦う事を選んでくれたおかげで、首の皮一枚繋がった感じで私達はなんとか生かされた。 冗談ではない、馬鹿な大人達のせいで、処刑なんて本当勘弁して欲しい。
とは言え、状況は決して楽なものではない。
ユーグ達が戦場へと出発する先日。
寝室にユーグがやってきた。
人が寝入った時間、ノック音が鳴る。
「ラシェル」
弱弱しく幼い声が私を呼ぶ。
帰れ!! と言いたいが……明日戦場に向かうと知っていれば、怒鳴りつけ追い出す等できなかった。
「なによ……」
扉を挟んで私は聞いた。
「最後に、顔を見に来たんだ……」
「最後って、馬鹿じゃないの?! 自信がないなら、変わりなさい。 私が戦場に出るから」
「ダメだ!! いや、違うんだ。 そうではなくって……」
「なによ」
私は扉を開き、部屋の外にいるユーグを部屋に招き入れ、心を落ち着かせると言われるハーブティを淹れる。
「その……。 戦争に行くから」
「そうね」
「もしかすると、コレが最後かもしれないから」
「ふざけんな」
私は、私の嫌いな赤い髪に因縁をつける時以上の力で、拳骨を落とした。 手が痛かったし、ユーグは苦笑いしているし……。 まぁ、いいや。
「馬鹿げた事言わないでよね。 なんで、アンタが悪いのに、私が手を痛めないとだめなのよ」
「酷いな、僕は真面目に言っているのに」
お茶を出し、引こうとした手をユーグが取り、痛いと言って触れていた場所を子猫のように舐めて来た。 そして、私を見てこう言った。
「お願いがあるんだ……」
「だから、何よ。 任されたからには、守るべきものは守るし、支えるべきは支えるわよ」
「そうじゃなくって、いや、そうなんだけど……あのね……、ラシェルを抱かせてもらえないかな……もしかすると、ほら、もう二度と会えないかもしれない訳だし、心残りは残したくないと言うか?」
「はぁあ?! ふざけんなって奴ですよ。 そんな弱っちい人に、なんで初めてを上げないとだめなんですか!! そう言う交渉は、帰って来てからしてください」
「交渉って……僕たち一応婚約者だよね?」
「それ以前に、まだ子供ですぅ!! マセガキ。 明日に備えてさっさと寝なさい。 寝れないなら子守歌ぐらいサービスしてあげるから」
「え~~」
「不満なわけ?」
「そりゃぁ……こんなんじゃ、未練があって死ねない」
「死ななきゃいいだけの事でしょう。 公爵なんでしょ?」
「……口づけぐらいはいい?」
言われて私は触れるだけの口づけをする。
「はいは~い!! お休みなさいのキス終了、とっとと寝る!!」
そして……朝を迎え、
私達の子供の時間は終わりを告げた……。
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