40 / 50
04.裏切者たちの叫び
40.告白 02
「なんで、急にそうなるんだよ!!」
「嫌ならいいよ。 肉焼こう肉、肉」
「イヤじゃない。 だけど、何、この軽さ?!」
「……うん? だって、嫌なら嫌だし?」
「だから、嫌じゃないって。 ただ、びっくりしたと言うか。 どうしてこういう状況でと言うか……」
「ずっと考えていて、答えが出たから」
「考えるって?」
「あぁ、もう、肉の下処理するから邪魔しないでぇ!! 刃物を使っている時近寄らないで危ないから」
そう言っていれば、少し距離を取ったが……おろおろしているメイリーが叫ぶように言う。
「お肉は私が焼くので、お話を済ませてきてください!!」
「お話を済ませてから戻ると、ご飯がなくなっていそうですが?」
カリナが飢えている……。 見た目は小綺麗な女騎士なんだけど、食い意地が凄い……。 何かに呪われているのかな?
「お二人分、死守しておきますから。 はい、行った行った」
と、サージュに追い払われた。
「恥かしいからドサクサに紛れてすませたかったのに……一応、何度も、私の事が好きかって確認しましたし? 問題ないなら……それでいいかなって」
「いや、悪いとは言わないけど……。 食事のついでって言うのが何だか嫌だし、そのケヴィンへの思いは……いいのかよ……」
「悪いと思うなら、手を出さないでよ」
ケヴィンの事は、今は余り考えたくない。 あの優しさの全てが嘘だとしたなら……怖い……。 ぶっきらぼうで人情家で、怒りやすく、そして物知りで、優しい人。 まぁ、私にだけ優しい訳ではなかった訳ですけどね……。
考えるとモヤモヤするから聞かないで欲しい……。
「……なんか、欲望に負けてごめんなさい!! でも、愛しているから……愛して欲しい……。 愛してもらえるよう待つつもりだったし。 努力もするつもりだった。 だから、なんで、そんな気持ちになったか知りたい……です。 はい」
途中から激情のようなものは消え、ユーグは大人しく真面目な生徒のようにたずねて来た。 私はそんなユーグに甘えるように、胸の中に身を任せ抱き着き、表情を見せないようにと隠す。
「……世間が怖くて、誰が信用できるのか不安で、でもユーグは、ユーグだけは……私を裏切らないって思ったから……愛しているって言ってくれるから、ズルイけど、守って欲しくて媚びている。 利用しようとしている。 だから、嫌なら断ってくれていいよ」
「こ、とわる訳ない。 俺だって利用させてもらう。 側に居て好きになってもらえるように頑張る。 まぁ……時々欲望に負けるけど」
「時々?」
「結構、いつも頑張ってるんだぞ?」
そう言いながら、抱きしめた腕は優しいのだが、背中に回された手が妙にモジモジしているのが気にかかる訳で、
「どうしたの?」
「でも、その、ずっとケヴィンが好きだっただろう? いいのか?」
「そういうなら手を出さないでって、言っているの」
私は少しだけ考え、言葉を選び、騙された、嘘をつかれた。 そんな恐怖は隠す事にした。
「手間のかかる妹のようだからって言われて納得したのよ。 私も、誰かさんが手間のかかる弟のようで男性として見れなかったから」
「うん、なんか引っかかるんだけど……、今は、ちゃんと男として見てくれている?」
「正直……男性として興味があったし惹かれた。 ケヴィンに振られたばかりで自分のいい加減さがイヤになる程度にはね。 でも、結婚しようって言われたら、ユーグを思い出して無理だと思った。 でもまぁ、ユーグなら、ユーグだからいいよねって」
言わなくていい事を、私は言葉にしようとしている事はわかっている。 好きだよだけでいいのに……なんとなく、納得いかないところを、許して欲しいって……。
「それに、今の私はとても不安定なの。 頼れる人が欲しいの。 ねぇ……頼っても、いい? 甘えていい?許してくれる?」
「うん、頼って、守るから……」
悩んでいたのが馬鹿みたいに、ヘラリと嬉しそうに笑って返された。
「ずっと、上手くやっていると思ってたのに……」
「うん、ラシェルは頑張ってたよ。 ずっと」
「今回初めて知ったの……私は、世間知らずな子供だったって。 そりゃぁ、まぁ、馬鹿だって思っていた人にも、馬鹿にもされますよね?! 良いように踊らされていたんですから!!」
自棄になる私をユーグが抱きしめてくれた。 彼には彼の苦労があっただろうに……。 私は、全然足りていない。
「私でも良い? 全然、足りていない。 そんな私でもいいの? 私は弱いし、想像以上に臆病だったの……。 今だって、私をどん底に突き落としておいて、差し出す手の価値を高めようなどと考えているかもしれないって言うのに……。 私は、彼等に怒る事も出来ず、ただ怯えているだけなの」
「俺だって……何もできずに、ただ……チャンスを待つしか出来なかった。 もし、あの時、神が加護を与えてくれなかったら……そう思うと怖い……。 俺からあっさりと大切なものを奪っていこうとする奴らに、どれほど腸が煮えくり返ったか……」
気づけば、私達の間には、愛の告白なんて甘いものは何処にも存在していなくて、ただ同じ敵を前に身を寄せ合っている……そんな感じだった。
「ご飯、戻ろうか?」
「そうだな……」
甘い雰囲気になる事なく、私達は3人の待つ焚火側まで戻って行った。
「嫌ならいいよ。 肉焼こう肉、肉」
「イヤじゃない。 だけど、何、この軽さ?!」
「……うん? だって、嫌なら嫌だし?」
「だから、嫌じゃないって。 ただ、びっくりしたと言うか。 どうしてこういう状況でと言うか……」
「ずっと考えていて、答えが出たから」
「考えるって?」
「あぁ、もう、肉の下処理するから邪魔しないでぇ!! 刃物を使っている時近寄らないで危ないから」
そう言っていれば、少し距離を取ったが……おろおろしているメイリーが叫ぶように言う。
「お肉は私が焼くので、お話を済ませてきてください!!」
「お話を済ませてから戻ると、ご飯がなくなっていそうですが?」
カリナが飢えている……。 見た目は小綺麗な女騎士なんだけど、食い意地が凄い……。 何かに呪われているのかな?
「お二人分、死守しておきますから。 はい、行った行った」
と、サージュに追い払われた。
「恥かしいからドサクサに紛れてすませたかったのに……一応、何度も、私の事が好きかって確認しましたし? 問題ないなら……それでいいかなって」
「いや、悪いとは言わないけど……。 食事のついでって言うのが何だか嫌だし、そのケヴィンへの思いは……いいのかよ……」
「悪いと思うなら、手を出さないでよ」
ケヴィンの事は、今は余り考えたくない。 あの優しさの全てが嘘だとしたなら……怖い……。 ぶっきらぼうで人情家で、怒りやすく、そして物知りで、優しい人。 まぁ、私にだけ優しい訳ではなかった訳ですけどね……。
考えるとモヤモヤするから聞かないで欲しい……。
「……なんか、欲望に負けてごめんなさい!! でも、愛しているから……愛して欲しい……。 愛してもらえるよう待つつもりだったし。 努力もするつもりだった。 だから、なんで、そんな気持ちになったか知りたい……です。 はい」
途中から激情のようなものは消え、ユーグは大人しく真面目な生徒のようにたずねて来た。 私はそんなユーグに甘えるように、胸の中に身を任せ抱き着き、表情を見せないようにと隠す。
「……世間が怖くて、誰が信用できるのか不安で、でもユーグは、ユーグだけは……私を裏切らないって思ったから……愛しているって言ってくれるから、ズルイけど、守って欲しくて媚びている。 利用しようとしている。 だから、嫌なら断ってくれていいよ」
「こ、とわる訳ない。 俺だって利用させてもらう。 側に居て好きになってもらえるように頑張る。 まぁ……時々欲望に負けるけど」
「時々?」
「結構、いつも頑張ってるんだぞ?」
そう言いながら、抱きしめた腕は優しいのだが、背中に回された手が妙にモジモジしているのが気にかかる訳で、
「どうしたの?」
「でも、その、ずっとケヴィンが好きだっただろう? いいのか?」
「そういうなら手を出さないでって、言っているの」
私は少しだけ考え、言葉を選び、騙された、嘘をつかれた。 そんな恐怖は隠す事にした。
「手間のかかる妹のようだからって言われて納得したのよ。 私も、誰かさんが手間のかかる弟のようで男性として見れなかったから」
「うん、なんか引っかかるんだけど……、今は、ちゃんと男として見てくれている?」
「正直……男性として興味があったし惹かれた。 ケヴィンに振られたばかりで自分のいい加減さがイヤになる程度にはね。 でも、結婚しようって言われたら、ユーグを思い出して無理だと思った。 でもまぁ、ユーグなら、ユーグだからいいよねって」
言わなくていい事を、私は言葉にしようとしている事はわかっている。 好きだよだけでいいのに……なんとなく、納得いかないところを、許して欲しいって……。
「それに、今の私はとても不安定なの。 頼れる人が欲しいの。 ねぇ……頼っても、いい? 甘えていい?許してくれる?」
「うん、頼って、守るから……」
悩んでいたのが馬鹿みたいに、ヘラリと嬉しそうに笑って返された。
「ずっと、上手くやっていると思ってたのに……」
「うん、ラシェルは頑張ってたよ。 ずっと」
「今回初めて知ったの……私は、世間知らずな子供だったって。 そりゃぁ、まぁ、馬鹿だって思っていた人にも、馬鹿にもされますよね?! 良いように踊らされていたんですから!!」
自棄になる私をユーグが抱きしめてくれた。 彼には彼の苦労があっただろうに……。 私は、全然足りていない。
「私でも良い? 全然、足りていない。 そんな私でもいいの? 私は弱いし、想像以上に臆病だったの……。 今だって、私をどん底に突き落としておいて、差し出す手の価値を高めようなどと考えているかもしれないって言うのに……。 私は、彼等に怒る事も出来ず、ただ怯えているだけなの」
「俺だって……何もできずに、ただ……チャンスを待つしか出来なかった。 もし、あの時、神が加護を与えてくれなかったら……そう思うと怖い……。 俺からあっさりと大切なものを奪っていこうとする奴らに、どれほど腸が煮えくり返ったか……」
気づけば、私達の間には、愛の告白なんて甘いものは何処にも存在していなくて、ただ同じ敵を前に身を寄せ合っている……そんな感じだった。
「ご飯、戻ろうか?」
「そうだな……」
甘い雰囲気になる事なく、私達は3人の待つ焚火側まで戻って行った。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
愛を知った私は、もう二度と跪きません
阿里
恋愛
泥だらけのドレス、冷え切った食事、終わりのない書類仕事。
家族のために尽くしてきたエカテリーナに返されたのは、あまりにも残酷な追放宣告だった。
「呪われた男にでも喰われてこい」
そう笑って送り出した彼らは知らなかった。辺境伯ゼノスが、誰よりも強く、美しく、そして執着心が強い男だということを。
彼の手によって「価値ある女」へと生まれ変わったエカテリーナ。
その輝きに目が眩み、後悔して這いつくばる元家族たち。
「エカテリーナ様、どうかお助けを!」
かつて私を虐げた人たちの悲鳴を聞きながら、私は最愛の夫の腕の中で、静かに微笑む。
夫が運命の番と出会いました
重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。
だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。
しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました
由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。
ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。
遠い存在になったはずの彼。
けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。
冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。
側妃の条件は「子を産んだら離縁」でしたが、陛下は私を離してくれません!
花瀬ゆらぎ
恋愛
「おまえには、国王陛下の側妃になってもらう」
婚約者と親友に裏切られ、傷心の伯爵令嬢イリア。
追い打ちをかけるように父から命じられたのは、若き国王フェイランの側妃になることだった。
しかし、王宮で待っていたのは、「世継ぎを産んだら離縁」という非情な条件。
夫となったフェイランは冷たく、侍女からは蔑まれ、王妃からは「用が済んだら去れ」と突き放される。
けれど、イリアは知ってしまう。 彼が兄の死と誤解に苦しみ、誰よりも孤独の中にいることを──。
「私は、陛下の幸せを願っております。だから……離縁してください」
フェイランを想い、身を引こうとしたイリア。
しかし、無関心だったはずの陛下が、イリアを強く抱きしめて……!?
「離縁する気か? 許さない。私の心を乱しておいて、逃げられると思うな」
凍てついた王の心を溶かしたのは、売られた側妃の純真な愛。
孤独な陛下に執着され、正妃へと昇り詰める逆転ラブロマンス!