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04.裏切者たちの叫び
40.告白 02
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「なんで、急にそうなるんだよ!!」
「嫌ならいいよ。 肉焼こう肉、肉」
「イヤじゃない。 だけど、何、この軽さ?!」
「……うん? だって、嫌なら嫌だし?」
「だから、嫌じゃないって。 ただ、びっくりしたと言うか。 どうしてこういう状況でと言うか……」
「ずっと考えていて、答えが出たから」
「考えるって?」
「あぁ、もう、肉の下処理するから邪魔しないでぇ!! 刃物を使っている時近寄らないで危ないから」
そう言っていれば、少し距離を取ったが……おろおろしているメイリーが叫ぶように言う。
「お肉は私が焼くので、お話を済ませてきてください!!」
「お話を済ませてから戻ると、ご飯がなくなっていそうですが?」
カリナが飢えている……。 見た目は小綺麗な女騎士なんだけど、食い意地が凄い……。 何かに呪われているのかな?
「お二人分、死守しておきますから。 はい、行った行った」
と、サージュに追い払われた。
「恥かしいからドサクサに紛れてすませたかったのに……一応、何度も、私の事が好きかって確認しましたし? 問題ないなら……それでいいかなって」
「いや、悪いとは言わないけど……。 食事のついでって言うのが何だか嫌だし、そのケヴィンへの思いは……いいのかよ……」
「悪いと思うなら、手を出さないでよ」
ケヴィンの事は、今は余り考えたくない。 あの優しさの全てが嘘だとしたなら……怖い……。 ぶっきらぼうで人情家で、怒りやすく、そして物知りで、優しい人。 まぁ、私にだけ優しい訳ではなかった訳ですけどね……。
考えるとモヤモヤするから聞かないで欲しい……。
「……なんか、欲望に負けてごめんなさい!! でも、愛しているから……愛して欲しい……。 愛してもらえるよう待つつもりだったし。 努力もするつもりだった。 だから、なんで、そんな気持ちになったか知りたい……です。 はい」
途中から激情のようなものは消え、ユーグは大人しく真面目な生徒のようにたずねて来た。 私はそんなユーグに甘えるように、胸の中に身を任せ抱き着き、表情を見せないようにと隠す。
「……世間が怖くて、誰が信用できるのか不安で、でもユーグは、ユーグだけは……私を裏切らないって思ったから……愛しているって言ってくれるから、ズルイけど、守って欲しくて媚びている。 利用しようとしている。 だから、嫌なら断ってくれていいよ」
「こ、とわる訳ない。 俺だって利用させてもらう。 側に居て好きになってもらえるように頑張る。 まぁ……時々欲望に負けるけど」
「時々?」
「結構、いつも頑張ってるんだぞ?」
そう言いながら、抱きしめた腕は優しいのだが、背中に回された手が妙にモジモジしているのが気にかかる訳で、
「どうしたの?」
「でも、その、ずっとケヴィンが好きだっただろう? いいのか?」
「そういうなら手を出さないでって、言っているの」
私は少しだけ考え、言葉を選び、騙された、嘘をつかれた。 そんな恐怖は隠す事にした。
「手間のかかる妹のようだからって言われて納得したのよ。 私も、誰かさんが手間のかかる弟のようで男性として見れなかったから」
「うん、なんか引っかかるんだけど……、今は、ちゃんと男として見てくれている?」
「正直……男性として興味があったし惹かれた。 ケヴィンに振られたばかりで自分のいい加減さがイヤになる程度にはね。 でも、結婚しようって言われたら、ユーグを思い出して無理だと思った。 でもまぁ、ユーグなら、ユーグだからいいよねって」
言わなくていい事を、私は言葉にしようとしている事はわかっている。 好きだよだけでいいのに……なんとなく、納得いかないところを、許して欲しいって……。
「それに、今の私はとても不安定なの。 頼れる人が欲しいの。 ねぇ……頼っても、いい? 甘えていい?許してくれる?」
「うん、頼って、守るから……」
悩んでいたのが馬鹿みたいに、ヘラリと嬉しそうに笑って返された。
「ずっと、上手くやっていると思ってたのに……」
「うん、ラシェルは頑張ってたよ。 ずっと」
「今回初めて知ったの……私は、世間知らずな子供だったって。 そりゃぁ、まぁ、馬鹿だって思っていた人にも、馬鹿にもされますよね?! 良いように踊らされていたんですから!!」
自棄になる私をユーグが抱きしめてくれた。 彼には彼の苦労があっただろうに……。 私は、全然足りていない。
「私でも良い? 全然、足りていない。 そんな私でもいいの? 私は弱いし、想像以上に臆病だったの……。 今だって、私をどん底に突き落としておいて、差し出す手の価値を高めようなどと考えているかもしれないって言うのに……。 私は、彼等に怒る事も出来ず、ただ怯えているだけなの」
「俺だって……何もできずに、ただ……チャンスを待つしか出来なかった。 もし、あの時、神が加護を与えてくれなかったら……そう思うと怖い……。 俺からあっさりと大切なものを奪っていこうとする奴らに、どれほど腸が煮えくり返ったか……」
気づけば、私達の間には、愛の告白なんて甘いものは何処にも存在していなくて、ただ同じ敵を前に身を寄せ合っている……そんな感じだった。
「ご飯、戻ろうか?」
「そうだな……」
甘い雰囲気になる事なく、私達は3人の待つ焚火側まで戻って行った。
「嫌ならいいよ。 肉焼こう肉、肉」
「イヤじゃない。 だけど、何、この軽さ?!」
「……うん? だって、嫌なら嫌だし?」
「だから、嫌じゃないって。 ただ、びっくりしたと言うか。 どうしてこういう状況でと言うか……」
「ずっと考えていて、答えが出たから」
「考えるって?」
「あぁ、もう、肉の下処理するから邪魔しないでぇ!! 刃物を使っている時近寄らないで危ないから」
そう言っていれば、少し距離を取ったが……おろおろしているメイリーが叫ぶように言う。
「お肉は私が焼くので、お話を済ませてきてください!!」
「お話を済ませてから戻ると、ご飯がなくなっていそうですが?」
カリナが飢えている……。 見た目は小綺麗な女騎士なんだけど、食い意地が凄い……。 何かに呪われているのかな?
「お二人分、死守しておきますから。 はい、行った行った」
と、サージュに追い払われた。
「恥かしいからドサクサに紛れてすませたかったのに……一応、何度も、私の事が好きかって確認しましたし? 問題ないなら……それでいいかなって」
「いや、悪いとは言わないけど……。 食事のついでって言うのが何だか嫌だし、そのケヴィンへの思いは……いいのかよ……」
「悪いと思うなら、手を出さないでよ」
ケヴィンの事は、今は余り考えたくない。 あの優しさの全てが嘘だとしたなら……怖い……。 ぶっきらぼうで人情家で、怒りやすく、そして物知りで、優しい人。 まぁ、私にだけ優しい訳ではなかった訳ですけどね……。
考えるとモヤモヤするから聞かないで欲しい……。
「……なんか、欲望に負けてごめんなさい!! でも、愛しているから……愛して欲しい……。 愛してもらえるよう待つつもりだったし。 努力もするつもりだった。 だから、なんで、そんな気持ちになったか知りたい……です。 はい」
途中から激情のようなものは消え、ユーグは大人しく真面目な生徒のようにたずねて来た。 私はそんなユーグに甘えるように、胸の中に身を任せ抱き着き、表情を見せないようにと隠す。
「……世間が怖くて、誰が信用できるのか不安で、でもユーグは、ユーグだけは……私を裏切らないって思ったから……愛しているって言ってくれるから、ズルイけど、守って欲しくて媚びている。 利用しようとしている。 だから、嫌なら断ってくれていいよ」
「こ、とわる訳ない。 俺だって利用させてもらう。 側に居て好きになってもらえるように頑張る。 まぁ……時々欲望に負けるけど」
「時々?」
「結構、いつも頑張ってるんだぞ?」
そう言いながら、抱きしめた腕は優しいのだが、背中に回された手が妙にモジモジしているのが気にかかる訳で、
「どうしたの?」
「でも、その、ずっとケヴィンが好きだっただろう? いいのか?」
「そういうなら手を出さないでって、言っているの」
私は少しだけ考え、言葉を選び、騙された、嘘をつかれた。 そんな恐怖は隠す事にした。
「手間のかかる妹のようだからって言われて納得したのよ。 私も、誰かさんが手間のかかる弟のようで男性として見れなかったから」
「うん、なんか引っかかるんだけど……、今は、ちゃんと男として見てくれている?」
「正直……男性として興味があったし惹かれた。 ケヴィンに振られたばかりで自分のいい加減さがイヤになる程度にはね。 でも、結婚しようって言われたら、ユーグを思い出して無理だと思った。 でもまぁ、ユーグなら、ユーグだからいいよねって」
言わなくていい事を、私は言葉にしようとしている事はわかっている。 好きだよだけでいいのに……なんとなく、納得いかないところを、許して欲しいって……。
「それに、今の私はとても不安定なの。 頼れる人が欲しいの。 ねぇ……頼っても、いい? 甘えていい?許してくれる?」
「うん、頼って、守るから……」
悩んでいたのが馬鹿みたいに、ヘラリと嬉しそうに笑って返された。
「ずっと、上手くやっていると思ってたのに……」
「うん、ラシェルは頑張ってたよ。 ずっと」
「今回初めて知ったの……私は、世間知らずな子供だったって。 そりゃぁ、まぁ、馬鹿だって思っていた人にも、馬鹿にもされますよね?! 良いように踊らされていたんですから!!」
自棄になる私をユーグが抱きしめてくれた。 彼には彼の苦労があっただろうに……。 私は、全然足りていない。
「私でも良い? 全然、足りていない。 そんな私でもいいの? 私は弱いし、想像以上に臆病だったの……。 今だって、私をどん底に突き落としておいて、差し出す手の価値を高めようなどと考えているかもしれないって言うのに……。 私は、彼等に怒る事も出来ず、ただ怯えているだけなの」
「俺だって……何もできずに、ただ……チャンスを待つしか出来なかった。 もし、あの時、神が加護を与えてくれなかったら……そう思うと怖い……。 俺からあっさりと大切なものを奪っていこうとする奴らに、どれほど腸が煮えくり返ったか……」
気づけば、私達の間には、愛の告白なんて甘いものは何処にも存在していなくて、ただ同じ敵を前に身を寄せ合っている……そんな感じだった。
「ご飯、戻ろうか?」
「そうだな……」
甘い雰囲気になる事なく、私達は3人の待つ焚火側まで戻って行った。
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