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28.神と依り代と審神者
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オルグレン国国王ヒューバートと、将軍ゼルは、王城地下深くに存在する神殿へと向かっていた。
一筋の明かりすら存在しない地下空間。 延々と続くかのように思える階段は、幅も高さも不規則で歩きにくい。
深く深く降りるほど、2人を見つめる気配が増えていく。
時折、壁に浮かび見える顔は、薄く、存在も不確かで何の力ももってはいないが、この世界の定義でいうなら神と呼ばれる存在だ。
我を崇めよ。
我を讃えよ。
そんな声が永遠と聞こえるが、拝み崇め讃えられるような何かを持っている訳ではなく、消滅を待つだけの存在。 せめて幼い子のいる家などで小さな子を脅せば、信仰の欠片ぐらい集める事ができるかもしれないが、神力無き場所に行けば消滅してしまう儚い存在。
「鬱陶しい奴等だ……」
ヒューバートの不遜とも言える言葉に、儚き神は吠えるしかできず、余りにも弱い神は、ヒューバートとゼルという2人の人間に否定されただけで消滅する。
そんな弱き神々が嘆く地下階段を延々と降りて行った先、神域と呼ばれる最下層。 深く強き神々が出現可能とする場に2人は辿り着く。
濃い神力にヒューバートは息苦しさを覚えて、カッチリとした服の襟元を緩める。 反してゼルはといえば、失われた力が補充され力を取り戻す感覚に安堵の息をついていた。
最深部に存在する広い空間。 その岩肌には高さ8m、幅4m程の扉を見る事ができる。
巨大な扉を前に、ヒューバートは立ち止まった。
扉の前で、簡易的な祭壇を作り上げ、神を招かなければならない。 選べる神は、国に属する神、そしてゼルの身体に印を刻んだ神と、選択の幅は広い。
目的が探し人である以上、他国にも出入りできる汎用性の高い神が望ましい。 そんなことを考えていれば、神は選択することを許さず、オルグレン最大の力を持つ闇の神が、扉をどんどんと叩き開こうとしていた。
ヒューバートとゼルは視線を見合わせた。
強い神に願いを乞う場合、必要となる贄の量が増えるのだ。
「足りない代償分は、私が身体を貸す事で調整してください」
ゼルは告げる。
自身の身体を明け渡す行為は、人であるゼルには心理的に受け入れがたいが、今はリエルを探す事を優先したのだ。
「分かっ……」
ヒューバートが全てを言い終える前に、中から扉が開かれ、中から濃厚な密度を保つ闇の塊が襲い来る。 そしてソレはゼルへと向かいまとわりつき、その体内へと入り込みゼルの身体を乗っ取った。
『何ようだ?』
ゼルに憑依した神は鷹揚に問う。
オマエじゃないと言っておかえりいただけたなら楽なのだけど、そんな風に内心考えながらヒューバートは問いかけに答えた。
「お力をお借りいただけませんでしょうか?」
『都合よくつかわれるのは、面白くないのだが?』
憑依した神は人のように話す。
神にとって人を真似ることは、神様の最大娯楽である。
「決してそのような事はありません。 偉大なる方と思うからこそ、ここぞと言う場でのみお頼みするのです。 そして、今回願いを聞き届け頂けたなら、新たな信仰が民に根付くでしょう」
ヒューバートは『ゼルの使徒』と自らを呼ぶ者達の裏切りを公開するようにと指示を出してきた。使徒たちの今までの貢献など全く顧みることもせず、罪の深さや重さをはかることなく、使徒と言う自ら特別であろうとマーキングを行った者達を神に捧げると告げた。
そしてヒューバートは言葉を続ける。
「彼等の人生は、只人とは違い波乱に溢れ、血に濡れて、心乱れ、楽しんで味わってもらえる事でしょう」
『ふぅん……』
興味なさそうな声だが、今1人の使徒と名乗る獣オチが塵となり消えた。 神は単体で人に影響を与える事は難しい。 神が人に介入するためには条件が必要となる。
自らの所有物を捧げると誓いを受ける。
憑依、力の封印などで人を偽る。
自らの代理を選出する。
他にも抜け道はあるが、神々が物理的に、人間に介入することは、とても難しいことなのだ。
『人としての時間をもらおう』
ゼルの身体をシバラク使わせろと言うのは想定内。
「半日」
『短いな……』
「人を探さなければなりません。 私が行けば、国政が滞るため代理が必要となります。 俺を真似て政治を行ってくださるなら話は別ですが」
ヒューバートを『真似る』と言う条件に納得を得られれば、神の無法は回避できると冷や冷やしながら返事を待てば、神は人の浅はかさを笑いつつも了承した。
『人のふりもまた一興だ……了承しよう。 新たな期限を定めよ』
「では、最大3日で……それ以上はゼルの身が心配です」
『ふん、分かった。 望みを言うがいい』
もっと格下の神を対象とするなら、ゼルの使徒を捧げるだけで済んだだろう。 オルグレンの主神相手に無難な対価で済んだことにヒューバートは安堵した。
「人を探しております。 詳細はゼルの記憶から」
告げればしばしの沈黙が起こり、神はにやけた様子で笑い出す。
『そうか、そうか……異界の娘は、我が子等の手中に落ちたか……いや、今は……あぁ、ダメだ……水の奴が……。 我が子よ、人の王よ、急げ。 稀なる異界の娘を闇の元へと連れ戻せ』
ゼルに憑依した神が告げれば、ヒューバートは闇に飲まれそして地下神殿から姿を消した。
「横暴神めぇえええ!!」
一方に神を憑依させ、一方が神と語る。 依り代と審神者の関係は神が存在する世界ではよくある交渉方法である。 そして、ヒューバートは最終的には、リエルがいるだろう場所に自身を送り届けるようにと願うつもりだった。
何の不都合も異常もないはずだった。
急いではいたが旅の準備はした。
だが、行われた転送は、ヒューバートが知る神の行動と比較して、余りにも唐突で余裕が無いように感じた。 神は隠し事はするし、嘘もつく、完全に頼るべき相手ではない事は知っている。
リエルにまだ何かあるのか?
そんな疑問が脳裏をよぎった。
だが、それどころではないのも事実である。
宙高く放り出されたヒューバートの落下地点が巨大な川だったのだ。
「俺はなぁあああ、泳げないんだぞぉおおおおお」
そして大きな水音が響いた。
一筋の明かりすら存在しない地下空間。 延々と続くかのように思える階段は、幅も高さも不規則で歩きにくい。
深く深く降りるほど、2人を見つめる気配が増えていく。
時折、壁に浮かび見える顔は、薄く、存在も不確かで何の力ももってはいないが、この世界の定義でいうなら神と呼ばれる存在だ。
我を崇めよ。
我を讃えよ。
そんな声が永遠と聞こえるが、拝み崇め讃えられるような何かを持っている訳ではなく、消滅を待つだけの存在。 せめて幼い子のいる家などで小さな子を脅せば、信仰の欠片ぐらい集める事ができるかもしれないが、神力無き場所に行けば消滅してしまう儚い存在。
「鬱陶しい奴等だ……」
ヒューバートの不遜とも言える言葉に、儚き神は吠えるしかできず、余りにも弱い神は、ヒューバートとゼルという2人の人間に否定されただけで消滅する。
そんな弱き神々が嘆く地下階段を延々と降りて行った先、神域と呼ばれる最下層。 深く強き神々が出現可能とする場に2人は辿り着く。
濃い神力にヒューバートは息苦しさを覚えて、カッチリとした服の襟元を緩める。 反してゼルはといえば、失われた力が補充され力を取り戻す感覚に安堵の息をついていた。
最深部に存在する広い空間。 その岩肌には高さ8m、幅4m程の扉を見る事ができる。
巨大な扉を前に、ヒューバートは立ち止まった。
扉の前で、簡易的な祭壇を作り上げ、神を招かなければならない。 選べる神は、国に属する神、そしてゼルの身体に印を刻んだ神と、選択の幅は広い。
目的が探し人である以上、他国にも出入りできる汎用性の高い神が望ましい。 そんなことを考えていれば、神は選択することを許さず、オルグレン最大の力を持つ闇の神が、扉をどんどんと叩き開こうとしていた。
ヒューバートとゼルは視線を見合わせた。
強い神に願いを乞う場合、必要となる贄の量が増えるのだ。
「足りない代償分は、私が身体を貸す事で調整してください」
ゼルは告げる。
自身の身体を明け渡す行為は、人であるゼルには心理的に受け入れがたいが、今はリエルを探す事を優先したのだ。
「分かっ……」
ヒューバートが全てを言い終える前に、中から扉が開かれ、中から濃厚な密度を保つ闇の塊が襲い来る。 そしてソレはゼルへと向かいまとわりつき、その体内へと入り込みゼルの身体を乗っ取った。
『何ようだ?』
ゼルに憑依した神は鷹揚に問う。
オマエじゃないと言っておかえりいただけたなら楽なのだけど、そんな風に内心考えながらヒューバートは問いかけに答えた。
「お力をお借りいただけませんでしょうか?」
『都合よくつかわれるのは、面白くないのだが?』
憑依した神は人のように話す。
神にとって人を真似ることは、神様の最大娯楽である。
「決してそのような事はありません。 偉大なる方と思うからこそ、ここぞと言う場でのみお頼みするのです。 そして、今回願いを聞き届け頂けたなら、新たな信仰が民に根付くでしょう」
ヒューバートは『ゼルの使徒』と自らを呼ぶ者達の裏切りを公開するようにと指示を出してきた。使徒たちの今までの貢献など全く顧みることもせず、罪の深さや重さをはかることなく、使徒と言う自ら特別であろうとマーキングを行った者達を神に捧げると告げた。
そしてヒューバートは言葉を続ける。
「彼等の人生は、只人とは違い波乱に溢れ、血に濡れて、心乱れ、楽しんで味わってもらえる事でしょう」
『ふぅん……』
興味なさそうな声だが、今1人の使徒と名乗る獣オチが塵となり消えた。 神は単体で人に影響を与える事は難しい。 神が人に介入するためには条件が必要となる。
自らの所有物を捧げると誓いを受ける。
憑依、力の封印などで人を偽る。
自らの代理を選出する。
他にも抜け道はあるが、神々が物理的に、人間に介入することは、とても難しいことなのだ。
『人としての時間をもらおう』
ゼルの身体をシバラク使わせろと言うのは想定内。
「半日」
『短いな……』
「人を探さなければなりません。 私が行けば、国政が滞るため代理が必要となります。 俺を真似て政治を行ってくださるなら話は別ですが」
ヒューバートを『真似る』と言う条件に納得を得られれば、神の無法は回避できると冷や冷やしながら返事を待てば、神は人の浅はかさを笑いつつも了承した。
『人のふりもまた一興だ……了承しよう。 新たな期限を定めよ』
「では、最大3日で……それ以上はゼルの身が心配です」
『ふん、分かった。 望みを言うがいい』
もっと格下の神を対象とするなら、ゼルの使徒を捧げるだけで済んだだろう。 オルグレンの主神相手に無難な対価で済んだことにヒューバートは安堵した。
「人を探しております。 詳細はゼルの記憶から」
告げればしばしの沈黙が起こり、神はにやけた様子で笑い出す。
『そうか、そうか……異界の娘は、我が子等の手中に落ちたか……いや、今は……あぁ、ダメだ……水の奴が……。 我が子よ、人の王よ、急げ。 稀なる異界の娘を闇の元へと連れ戻せ』
ゼルに憑依した神が告げれば、ヒューバートは闇に飲まれそして地下神殿から姿を消した。
「横暴神めぇえええ!!」
一方に神を憑依させ、一方が神と語る。 依り代と審神者の関係は神が存在する世界ではよくある交渉方法である。 そして、ヒューバートは最終的には、リエルがいるだろう場所に自身を送り届けるようにと願うつもりだった。
何の不都合も異常もないはずだった。
急いではいたが旅の準備はした。
だが、行われた転送は、ヒューバートが知る神の行動と比較して、余りにも唐突で余裕が無いように感じた。 神は隠し事はするし、嘘もつく、完全に頼るべき相手ではない事は知っている。
リエルにまだ何かあるのか?
そんな疑問が脳裏をよぎった。
だが、それどころではないのも事実である。
宙高く放り出されたヒューバートの落下地点が巨大な川だったのだ。
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