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42.アッチ側とコッチ側
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「平なパンに、バターと蜂蜜かぁ。 パンの割に出来上がりは早くはあったけど、だからって異界の料理って言う特別な感じはしないかなぁ」
聖女様がパンケーキを手で掴もうとするのを私は慌てて止めた。 バターと蜂蜜でべちゃべちゃになるじゃないですか!!
「待った! コレは、ナイフとフォークで食べます」
「パン相手に、大げさな」
「大げさなものなんです」
真剣ににらめっこをして見せれば、聖女様はヤレヤレとナイフとフォークを手に取った。
「分かったわよ」
肉を切り分けるようにパンケーキを切り、バターとタップリの蜂蜜を塗り付け食べる。
「ふむ、ふわふわじゃないかい」
「ふわふわ、バターと蜂蜜がよく馴染むんですよ~。 トロリとした卵の黄身とカリカリベーコンと一緒に食べるのも美味しいので、さぁ食べて食べて!」
ゼルに不意打ちのように口づけられて驚いた。 横合いでラフィールが真っ赤な顔で停止しているが、当人である私も硬直していた。
「へっ?」
「リエルが食べてって言うので」
「いやいや、違うでしょう。 ソッチ食べて下さい」
慌てる私にゼルが優しい笑みを向けてくる。 その微笑みを見て、聖女、レオン、ラフィールのパンケーキを食べるが手止まった。
「「「笑うんだ」」」
「笑わないの?」
私がゼルに聞けば、憮然とした様子で答える。
「昔から笑うことぐらいありましたよ。 面白ければ」
何故か脳裏に浮かぶのは、魔王笑い。
「もしかして、私、面白がられている!?」
「いえ、愛しているだけです」
真面目な顔をして言っているが、脈絡がない……いや、あるのかな? 私は考え込む。 悩みに悩んでいるうちに、膝の上に乗せられ撫でまわされていた。
「ん~~~、餌付け完了?」
私は自分を抱くゼルを見上げて言えば、口元だけが僅かに笑っていた。
「ずいぶんと大物を餌付けしましたね」
レオンが苦笑する。
「その、ゼル様がこのように人間的な様子を見せるなんて、想像していませんでした」
ラフィールが何処かスッキリしない笑みを浮かべていた。
「私には、時折あらわれるお兄さんが、突然に他国のお偉いさんだって言われてびっくりと言う感じなんですけどね」
そんな雑談をしつつ、試食会は続く。
掃除用に使っている重曹を料理に使うと言った時の反応を見ている限り、料理に使う事がないことは想像できた訳で、異世界料理と言う事で認めて貰う事ができたようです。 ホッとしたところで、ふと思ったのですが、別に私は私が異世界の知識を持つ事を証明する意味ってなんなのでしょうかね?
まぁ、いっかと飲み物も勧めた。
「飲み物は、聖女様なら飲んだことはあるかもですが、簡単に作れるってことで許容してください」
何と言っても聖女様は、世界最高齢で、世界中から頼りにされている方、戦争中の国であっても敵、味方関係なく聖女様は受け入れられる。 そんな特別な方……だと、調理場で伺いました。
私はどうにもその手の知識に疎いのですよね。
敬い大事。
とりあえず両手をあわせておく。
「何をしているんだい?」
「聖女様は尊い方だとお伺いしたので、異世界流の敬意のようなものでしょうか?」
まぁ、違うけれど、相手に確認しようがないのだから、どうでもいい。
「リエル、気にするな。 長生きした分だけ知恵があるだけのババァだ」
王様は相変わらず口が悪いが、聖女様は飲み物を飲んでいて聞き流している。
「あぁ、確かに……このしゅわしゅわは、華国でこういう湧き水がでるところがあったよね?」
「はい、口内や胃がスッキリする特殊な水として、国で管理していますが、こう簡単に作られると保存のための苦労はなんだって気分ですよ」
華国王太子レオンが肩をすくめて苦笑する。
「あぁ、クソガキソッチの少し寄越し、味見するから」
「なら、ババァも、甘い奴を寄越せ」
「アンタは何時でも食べられるから良いじゃない。 それともチビちゃんを私に寄越すんでもいいよ」
聖女様にニヤリと笑いながら言われた王様は、ヤレヤレと卵とベーコン付きでパンケーキを切り分け渡す。
「う~ん、その、唐突にこんなことを言うのはなんですが……」
「なんだい、遠慮はいらないよ。 面白いものを食べさせてくれたから、何でも質問に答えてあげよう。 世界の真理がいいかい? 特別な魔法がいいかい?」
「王様と聖女様って似てますよね? 特に表情とか」
「えっと、リエル様。 聖女様がなんでも答えてくれるっていう事は非情に稀少で、そんな事で消費すると言うのは、勿体ないと思いますよ?」
そう言ったのはラフィール。
だが、王様は憮然とし、聖女様は大笑いする。
「そりゃぁ、親子なんだから似ていて当然というものだ」
「「「えぇえええええええ」」」
それは、それで意外と言うかなんというか、私と王太子と神官少年は大声で叫んでしまった。
「リエル、耳が痛いです。 急に大声を出さないでください」
ごめんごめんと謝罪する正面では、王太子レオンが再確認したりしている。
「本当なんですか!!」
「あぁ、本当さね。 別に秘密にもしていないよ。 長く生きているからそういうこともあるって。 まぁ、今生きているのはこの子だけだけど。 アンタだって、遠く先祖をさかのぼれば私がいる訳だし?」
何歳ですか? とは聞けないけど。 恐ろしく長寿な事だけは分かる。
「ゼルは何歳ですか?」
「30は、いってないはずですよ」
「28だ……俺と同じだし」
王太子レオンの言葉に興味なさそうな対応しながら、ゼルは膝の上のリエルを抱きしめ頭を撫でていた。
「だそうですよ」
「そうなんだ……」
私の視線は少年神官へと向かった。
「僕は13です」
「普通だね」
「えぇ、僕は寵児ではなく、神に誓いを立てそのお力をお借りしているに過ぎませんから。 年も普通に取りますし、ケガも病気も普通にして、普通に死にます」
そう語る少年は13歳とは思えないほどに悟って見え、そして……じっと見つめてくる視線を怖くすら感じた。
「よし!!」
私はゼルの膝上から立ち上がる。
「どうしました急に?」
「私はラフィール君よりもお姉さんなので、もう1つサービスにオヤツを作ってきます!」
なんて、その場をいそいそと離れる。
聖女様と、ゼルは、同種とも言えるような生き物で……、聖女様や王様を見ている限り、いずれゼルは年を取るのを止めて、いえ、もしかするともう止めているのかな? そうして永久の時を生きる訳で……。
そっか……私は、何れアノ人達と違い年を取り、死を迎える訳かぁ……。 当たり前のことなのに、なぜか切なくて……私はソレを誤魔化すために、フライパンカステラを作るためにメレンゲを必死に卵白をかき混ぜ、いつの間にか泣いていて、料理人達が交代しますからぁああ!! と背後で叫んでいるのも聞こえずに卵白を混ぜ続けた。
聖女様がパンケーキを手で掴もうとするのを私は慌てて止めた。 バターと蜂蜜でべちゃべちゃになるじゃないですか!!
「待った! コレは、ナイフとフォークで食べます」
「パン相手に、大げさな」
「大げさなものなんです」
真剣ににらめっこをして見せれば、聖女様はヤレヤレとナイフとフォークを手に取った。
「分かったわよ」
肉を切り分けるようにパンケーキを切り、バターとタップリの蜂蜜を塗り付け食べる。
「ふむ、ふわふわじゃないかい」
「ふわふわ、バターと蜂蜜がよく馴染むんですよ~。 トロリとした卵の黄身とカリカリベーコンと一緒に食べるのも美味しいので、さぁ食べて食べて!」
ゼルに不意打ちのように口づけられて驚いた。 横合いでラフィールが真っ赤な顔で停止しているが、当人である私も硬直していた。
「へっ?」
「リエルが食べてって言うので」
「いやいや、違うでしょう。 ソッチ食べて下さい」
慌てる私にゼルが優しい笑みを向けてくる。 その微笑みを見て、聖女、レオン、ラフィールのパンケーキを食べるが手止まった。
「「「笑うんだ」」」
「笑わないの?」
私がゼルに聞けば、憮然とした様子で答える。
「昔から笑うことぐらいありましたよ。 面白ければ」
何故か脳裏に浮かぶのは、魔王笑い。
「もしかして、私、面白がられている!?」
「いえ、愛しているだけです」
真面目な顔をして言っているが、脈絡がない……いや、あるのかな? 私は考え込む。 悩みに悩んでいるうちに、膝の上に乗せられ撫でまわされていた。
「ん~~~、餌付け完了?」
私は自分を抱くゼルを見上げて言えば、口元だけが僅かに笑っていた。
「ずいぶんと大物を餌付けしましたね」
レオンが苦笑する。
「その、ゼル様がこのように人間的な様子を見せるなんて、想像していませんでした」
ラフィールが何処かスッキリしない笑みを浮かべていた。
「私には、時折あらわれるお兄さんが、突然に他国のお偉いさんだって言われてびっくりと言う感じなんですけどね」
そんな雑談をしつつ、試食会は続く。
掃除用に使っている重曹を料理に使うと言った時の反応を見ている限り、料理に使う事がないことは想像できた訳で、異世界料理と言う事で認めて貰う事ができたようです。 ホッとしたところで、ふと思ったのですが、別に私は私が異世界の知識を持つ事を証明する意味ってなんなのでしょうかね?
まぁ、いっかと飲み物も勧めた。
「飲み物は、聖女様なら飲んだことはあるかもですが、簡単に作れるってことで許容してください」
何と言っても聖女様は、世界最高齢で、世界中から頼りにされている方、戦争中の国であっても敵、味方関係なく聖女様は受け入れられる。 そんな特別な方……だと、調理場で伺いました。
私はどうにもその手の知識に疎いのですよね。
敬い大事。
とりあえず両手をあわせておく。
「何をしているんだい?」
「聖女様は尊い方だとお伺いしたので、異世界流の敬意のようなものでしょうか?」
まぁ、違うけれど、相手に確認しようがないのだから、どうでもいい。
「リエル、気にするな。 長生きした分だけ知恵があるだけのババァだ」
王様は相変わらず口が悪いが、聖女様は飲み物を飲んでいて聞き流している。
「あぁ、確かに……このしゅわしゅわは、華国でこういう湧き水がでるところがあったよね?」
「はい、口内や胃がスッキリする特殊な水として、国で管理していますが、こう簡単に作られると保存のための苦労はなんだって気分ですよ」
華国王太子レオンが肩をすくめて苦笑する。
「あぁ、クソガキソッチの少し寄越し、味見するから」
「なら、ババァも、甘い奴を寄越せ」
「アンタは何時でも食べられるから良いじゃない。 それともチビちゃんを私に寄越すんでもいいよ」
聖女様にニヤリと笑いながら言われた王様は、ヤレヤレと卵とベーコン付きでパンケーキを切り分け渡す。
「う~ん、その、唐突にこんなことを言うのはなんですが……」
「なんだい、遠慮はいらないよ。 面白いものを食べさせてくれたから、何でも質問に答えてあげよう。 世界の真理がいいかい? 特別な魔法がいいかい?」
「王様と聖女様って似てますよね? 特に表情とか」
「えっと、リエル様。 聖女様がなんでも答えてくれるっていう事は非情に稀少で、そんな事で消費すると言うのは、勿体ないと思いますよ?」
そう言ったのはラフィール。
だが、王様は憮然とし、聖女様は大笑いする。
「そりゃぁ、親子なんだから似ていて当然というものだ」
「「「えぇえええええええ」」」
それは、それで意外と言うかなんというか、私と王太子と神官少年は大声で叫んでしまった。
「リエル、耳が痛いです。 急に大声を出さないでください」
ごめんごめんと謝罪する正面では、王太子レオンが再確認したりしている。
「本当なんですか!!」
「あぁ、本当さね。 別に秘密にもしていないよ。 長く生きているからそういうこともあるって。 まぁ、今生きているのはこの子だけだけど。 アンタだって、遠く先祖をさかのぼれば私がいる訳だし?」
何歳ですか? とは聞けないけど。 恐ろしく長寿な事だけは分かる。
「ゼルは何歳ですか?」
「30は、いってないはずですよ」
「28だ……俺と同じだし」
王太子レオンの言葉に興味なさそうな対応しながら、ゼルは膝の上のリエルを抱きしめ頭を撫でていた。
「だそうですよ」
「そうなんだ……」
私の視線は少年神官へと向かった。
「僕は13です」
「普通だね」
「えぇ、僕は寵児ではなく、神に誓いを立てそのお力をお借りしているに過ぎませんから。 年も普通に取りますし、ケガも病気も普通にして、普通に死にます」
そう語る少年は13歳とは思えないほどに悟って見え、そして……じっと見つめてくる視線を怖くすら感じた。
「よし!!」
私はゼルの膝上から立ち上がる。
「どうしました急に?」
「私はラフィール君よりもお姉さんなので、もう1つサービスにオヤツを作ってきます!」
なんて、その場をいそいそと離れる。
聖女様と、ゼルは、同種とも言えるような生き物で……、聖女様や王様を見ている限り、いずれゼルは年を取るのを止めて、いえ、もしかするともう止めているのかな? そうして永久の時を生きる訳で……。
そっか……私は、何れアノ人達と違い年を取り、死を迎える訳かぁ……。 当たり前のことなのに、なぜか切なくて……私はソレを誤魔化すために、フライパンカステラを作るためにメレンゲを必死に卵白をかき混ぜ、いつの間にか泣いていて、料理人達が交代しますからぁああ!! と背後で叫んでいるのも聞こえずに卵白を混ぜ続けた。
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