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前編
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子供の頃と同じようにラスティは剣を振るっていた。
ラスティを慕い共に剣を振るう姿も、
ソレを見る人々も、
頑張ってくださいと声をかける様子も、
飲み物やタオルが差し出される様も、全てがラスティにとって代割らない景色。
懐かしい。
故郷への思いと共に、生まれるだろう赤ん坊の事をラスティは思っていた。
故郷に帰って来て良かった。
「ラスティ様、アレを見て下さい!!」
上空を旋回する鳥に、従者がいち早く気づき声をかけた。
同僚である騎士が警戒するかのように剣を構える。 小さくとも空を飛ぶ小さな生き物の敵意が本物だったから。
だが、ラスティは剣を下ろした。
「どうした。 何か用か?」
『主様を、罠に嵌めましたね』
怒りの籠った声ではあるけれど、それは歌うように美しい。
「何を言っているんだ!!」
叫ぶのは従者で、ラスティは周囲を見回していた。
「そう言えば……カミラは、どうした?」
舌打ち交じりのラスティの声に、同僚騎士は周囲を見回し、そして……走った。
「あんな獣の言う事を信用するのですか!!」
従者の叫びに、
「あのような怒りを偽るなど、簡単ではない。 何があったか聞く必要があるだろう」
奴隷商人を裁くため、貿易港へと出向いたホリーが罠にあい捕まり、奴隷商人と共にカミラがいたことを鳥は告げた。
「そう……か。 それで私にどうさせたい?」
鳥はまだ、ホリーが海に放り出された事を知らない。
『私が、私達が望むのは主の解放だけ。 それが出来ないと言うなら、頼りません。 ただ、それだけの事です』
鳥は最初から期待はしていなかった。
鳥が次に命じられたのは、屋敷内にいる獣人をすべて集めて待機させる事。 相手が王家の騎士だからこそ何も出来ないが、見続け見張る事は出来る。
飛び去ろうとする鳥へとラスティは呼びかけた。
「直ぐに移行!! 案内を!!」
「ラスティ様!! 獣の戯言を信用なさるのですか!! ホリー様はカミラ様に嫉妬し罠にかけようとしているに決まっています!!」
不機嫌そうにラスティを止めようとする従者。
叫ぶ騎士同僚。
戻ってきた騎士同僚はカミラがいない事を告げた。
「そうか……馬の準備を、すぐに準備をしよう」
「なぜ!! カミラ様を疑うのですか!!」
共に王都を目指した従者と侍女達がラスティに叫べば、同僚騎士が視線で止めろと言う。
同僚達は、騎士学校に入った頃からのラスティの友人で、だからこそラスティに近づき距離を詰めていくカミラをオカシイと思っていた。
「一切女性を近づけなかった男が?」
「友情より女を選んだか。」
「それで立派な騎士になれるのか?」
「いや、守るべきものがいた方が……」
「だが、彼には妻がいたはずだ」
「らしくない……」
騎士同僚達はカミラと仲睦ましいラスティをオカシイと感じたが、同郷の従者と侍女達はホリーを嫉妬の目で見ていた事から喜ばしいと感じていた。
その差が、その場にあった。
騎士服に身を包みながら、同僚はラスティに笑みを向ける。
「まさか、オマエがカミラを疑うなんて思いもしなかった」
「私は自分の目を信じるだけだ」
その言葉に同僚達も従者達も肩を落とす。
だが、次の言葉には誰もが同意した。
「カミラがどうあれ、公爵家当主が罠にかけられ捕まったとなれば助けなければいけない。 彼女がいなければ試練を受ける事が出来ないからな」
そして、そんな彼等が見たのは……血の中で真っ赤に染まり泣くカミラの姿だった。 髪も顔も服も手も靴も何もかも赤く染め部屋で一人で泣いていた。
赤い液体の中には肉塊が混ざっている。
肌寒い季節で腐敗臭は無いが死臭が立ち込めていた。
「これは……」
誰もが声を失い、足を止め、吐き気を抑える。
「カミラ……」
凄惨な景色を前にラスティだけが足を進めた。
「ラスティ様……」
静かに涙をこぼしながらカミラは振り返り、ラスティを見上げる。
「赤ちゃんが……私とラスティ様の赤ちゃんが……ホリーさ……いえ、ホリーに殺されてしまいましたぁ!! あぁあああああああっ、そ、そし、て、彼女は……私に乱暴を働き……腹から落ちて来た赤ん坊を八つ裂きにしたのです!!」
「あぁ、なんて、酷い事を……お可哀そうに!!」
従者と侍女が共に涙すれば、騎士達は顔を見合わせてボソリとつぶやく。
「明らかに血の量がオカシイだろう」
そんな声は聞こえないとばかりにカミラは話し続ける。
「ホリーは、彼女は自らの仲間に、獣達に命じたのです。 自分を捕らえた奴隷商人達を八つ裂きにするようにと。 そして、こうつづけたのよ!! ここであなたを殺せばラスティ様は私の元に戻って来ると……。 そうして彼女は私に殴る蹴るの暴力を振るい、うぅうううううぁあっぁぁぁああ あ、恐ろしかった……嬉々として、私を楽しそうにいたぶり、わたしの、私達の……赤ん坊をナイフで切り裂いて八つ裂きに……」
カミラは泣いた。
「だが、女当主殿が奴隷撲滅のために活動していると言う話は聞いたことがあるが、なぜ、カミラ、あなたがココにいるのですか?」
騎士の1人が聞けば、どうしてもついてくるのだと言った侍女が身を清めるための水を持ってきて、涙を流しこみ上げる吐き気に耐えながら言った。
「耐えがたい屈辱を受けたカミラ様に、なんて事を!! あなた達には慈悲と言うものがないのですか!!」
「いいえ……私が、私が悪いんです。 どうしても彼女と話がしたくて、ラスティ様のお役に立ちたくて、彼女を説得する機会を得たくて、私は彼女を追ったのです。 それで……」
「それでホリーは?」
ラスティが静かに問うた。
「つい先刻……海に身を投げました。 ラスティ様の声と足音を聞き……正気を取り戻したのかもしれません。 自分が何をしたか……彼女はラスティ様に嫌われ疎まれていた事を知りながらも愛していた……だからこそ、彼女は……これから起こるべきことを想像して絶望したのでしょう。 一時の衝動に身を任せてしまった事を……なんて、愚かで哀れな方なのでしょう」
静かに泣き続けるカミラの側でラスティは立ち尽くし、そして……あけ放たれた扉をくぐりバルコニーから下を見下ろした。
険しく切り立った崖。
海風は強く吹き荒れる。
ラスティは冷えた内臓と焦る気持ちのままに、崖を見回し死体を探す。
そんなラスティの背後ではカミラが今も涙と共に語っていた。
「彼女が居なければ……試練も受けられない……。 せっかくラスティ様を助けるためについて来て下さったのに、私が不甲斐ないばかりに申し訳ありません」
カミラはラスティの同僚騎士に頭を下げた。
「カミラ様、今は、お身体をおいたわり下さいませ。 ラスティ様!!」
「ぇ、あぁ」
「カミラ様が震え怯えていられると言うのに!!」
「あぁ、すまない……」
ラスティは座り込んだままのカミラにマントをかけて包み込み、そして抱き上げる。 その手がラスティに伸ばされた。
「手……」
ボソリとラスティが言う。
「あぁ、申し訳ありません。 血が、ついてしまいますね」
「いや……構わない」
肉塊になり正体不明となるほどまで切り裂かれた人。 そして、その中心にいたカミラ……。 なぜ、カミラの掌まで赤いのか? 微かに感じた疑問だった。
だが、次の瞬間には身体を支えるのに床に手をついたのかもしれない。 それとも、切り刻まれる赤ん坊を胸に抱こうとしたのかもしれない。 と、自分に言い聞かせ……ながらも、違和感は拭えなかった。
カミラを抱き上げたラスティは同僚へと視線を送る。
「わざわざ、試練の手伝いに来てもらったのに申し訳ない事をした」
「いや、構わんよ。 ここはアレだが……良い土地だ。 色々と勉強になる」
「もし、良ければ、折角とった休暇をレイダー領で過ごしてくれ。 こんな事になって、十分なもてなしは出来ないかもしれないが……」
「そうだな……。 いや、当主が居なくなり、これからいろいろと忙しくなるだろう。 俺達は屋敷を出る事にする。 なぁ」
「ぇ、折角公爵家で贅沢三昧なのに?!」
「何、庶民の料理も悪くはないさ」
「血の海の中で、良くそんな事が言えますねぇ……さぁさぁ、ラスティあなたはカミラを連れて早く屋敷に戻ってあげてください」
「そうそう、俺達は色々と気晴らしをして帰るからさぁ」
そうしてラスティとカミラを追い払った。
騎士として数多の死体を見て来た。
あんな華奢な身体をした女性が? と言う思いと、勇猛果敢に剣を振るうカミラを知っていれば、この状況がオカシイと思うのも当然と言うもの。
だが、1人の騎士は呆れたように言い注目を浴びる事になる。
「にしても、精霊の加護って凄惨なものだなぁ。 正気じゃない」
ラスティを慕い共に剣を振るう姿も、
ソレを見る人々も、
頑張ってくださいと声をかける様子も、
飲み物やタオルが差し出される様も、全てがラスティにとって代割らない景色。
懐かしい。
故郷への思いと共に、生まれるだろう赤ん坊の事をラスティは思っていた。
故郷に帰って来て良かった。
「ラスティ様、アレを見て下さい!!」
上空を旋回する鳥に、従者がいち早く気づき声をかけた。
同僚である騎士が警戒するかのように剣を構える。 小さくとも空を飛ぶ小さな生き物の敵意が本物だったから。
だが、ラスティは剣を下ろした。
「どうした。 何か用か?」
『主様を、罠に嵌めましたね』
怒りの籠った声ではあるけれど、それは歌うように美しい。
「何を言っているんだ!!」
叫ぶのは従者で、ラスティは周囲を見回していた。
「そう言えば……カミラは、どうした?」
舌打ち交じりのラスティの声に、同僚騎士は周囲を見回し、そして……走った。
「あんな獣の言う事を信用するのですか!!」
従者の叫びに、
「あのような怒りを偽るなど、簡単ではない。 何があったか聞く必要があるだろう」
奴隷商人を裁くため、貿易港へと出向いたホリーが罠にあい捕まり、奴隷商人と共にカミラがいたことを鳥は告げた。
「そう……か。 それで私にどうさせたい?」
鳥はまだ、ホリーが海に放り出された事を知らない。
『私が、私達が望むのは主の解放だけ。 それが出来ないと言うなら、頼りません。 ただ、それだけの事です』
鳥は最初から期待はしていなかった。
鳥が次に命じられたのは、屋敷内にいる獣人をすべて集めて待機させる事。 相手が王家の騎士だからこそ何も出来ないが、見続け見張る事は出来る。
飛び去ろうとする鳥へとラスティは呼びかけた。
「直ぐに移行!! 案内を!!」
「ラスティ様!! 獣の戯言を信用なさるのですか!! ホリー様はカミラ様に嫉妬し罠にかけようとしているに決まっています!!」
不機嫌そうにラスティを止めようとする従者。
叫ぶ騎士同僚。
戻ってきた騎士同僚はカミラがいない事を告げた。
「そうか……馬の準備を、すぐに準備をしよう」
「なぜ!! カミラ様を疑うのですか!!」
共に王都を目指した従者と侍女達がラスティに叫べば、同僚騎士が視線で止めろと言う。
同僚達は、騎士学校に入った頃からのラスティの友人で、だからこそラスティに近づき距離を詰めていくカミラをオカシイと思っていた。
「一切女性を近づけなかった男が?」
「友情より女を選んだか。」
「それで立派な騎士になれるのか?」
「いや、守るべきものがいた方が……」
「だが、彼には妻がいたはずだ」
「らしくない……」
騎士同僚達はカミラと仲睦ましいラスティをオカシイと感じたが、同郷の従者と侍女達はホリーを嫉妬の目で見ていた事から喜ばしいと感じていた。
その差が、その場にあった。
騎士服に身を包みながら、同僚はラスティに笑みを向ける。
「まさか、オマエがカミラを疑うなんて思いもしなかった」
「私は自分の目を信じるだけだ」
その言葉に同僚達も従者達も肩を落とす。
だが、次の言葉には誰もが同意した。
「カミラがどうあれ、公爵家当主が罠にかけられ捕まったとなれば助けなければいけない。 彼女がいなければ試練を受ける事が出来ないからな」
そして、そんな彼等が見たのは……血の中で真っ赤に染まり泣くカミラの姿だった。 髪も顔も服も手も靴も何もかも赤く染め部屋で一人で泣いていた。
赤い液体の中には肉塊が混ざっている。
肌寒い季節で腐敗臭は無いが死臭が立ち込めていた。
「これは……」
誰もが声を失い、足を止め、吐き気を抑える。
「カミラ……」
凄惨な景色を前にラスティだけが足を進めた。
「ラスティ様……」
静かに涙をこぼしながらカミラは振り返り、ラスティを見上げる。
「赤ちゃんが……私とラスティ様の赤ちゃんが……ホリーさ……いえ、ホリーに殺されてしまいましたぁ!! あぁあああああああっ、そ、そし、て、彼女は……私に乱暴を働き……腹から落ちて来た赤ん坊を八つ裂きにしたのです!!」
「あぁ、なんて、酷い事を……お可哀そうに!!」
従者と侍女が共に涙すれば、騎士達は顔を見合わせてボソリとつぶやく。
「明らかに血の量がオカシイだろう」
そんな声は聞こえないとばかりにカミラは話し続ける。
「ホリーは、彼女は自らの仲間に、獣達に命じたのです。 自分を捕らえた奴隷商人達を八つ裂きにするようにと。 そして、こうつづけたのよ!! ここであなたを殺せばラスティ様は私の元に戻って来ると……。 そうして彼女は私に殴る蹴るの暴力を振るい、うぅうううううぁあっぁぁぁああ あ、恐ろしかった……嬉々として、私を楽しそうにいたぶり、わたしの、私達の……赤ん坊をナイフで切り裂いて八つ裂きに……」
カミラは泣いた。
「だが、女当主殿が奴隷撲滅のために活動していると言う話は聞いたことがあるが、なぜ、カミラ、あなたがココにいるのですか?」
騎士の1人が聞けば、どうしてもついてくるのだと言った侍女が身を清めるための水を持ってきて、涙を流しこみ上げる吐き気に耐えながら言った。
「耐えがたい屈辱を受けたカミラ様に、なんて事を!! あなた達には慈悲と言うものがないのですか!!」
「いいえ……私が、私が悪いんです。 どうしても彼女と話がしたくて、ラスティ様のお役に立ちたくて、彼女を説得する機会を得たくて、私は彼女を追ったのです。 それで……」
「それでホリーは?」
ラスティが静かに問うた。
「つい先刻……海に身を投げました。 ラスティ様の声と足音を聞き……正気を取り戻したのかもしれません。 自分が何をしたか……彼女はラスティ様に嫌われ疎まれていた事を知りながらも愛していた……だからこそ、彼女は……これから起こるべきことを想像して絶望したのでしょう。 一時の衝動に身を任せてしまった事を……なんて、愚かで哀れな方なのでしょう」
静かに泣き続けるカミラの側でラスティは立ち尽くし、そして……あけ放たれた扉をくぐりバルコニーから下を見下ろした。
険しく切り立った崖。
海風は強く吹き荒れる。
ラスティは冷えた内臓と焦る気持ちのままに、崖を見回し死体を探す。
そんなラスティの背後ではカミラが今も涙と共に語っていた。
「彼女が居なければ……試練も受けられない……。 せっかくラスティ様を助けるためについて来て下さったのに、私が不甲斐ないばかりに申し訳ありません」
カミラはラスティの同僚騎士に頭を下げた。
「カミラ様、今は、お身体をおいたわり下さいませ。 ラスティ様!!」
「ぇ、あぁ」
「カミラ様が震え怯えていられると言うのに!!」
「あぁ、すまない……」
ラスティは座り込んだままのカミラにマントをかけて包み込み、そして抱き上げる。 その手がラスティに伸ばされた。
「手……」
ボソリとラスティが言う。
「あぁ、申し訳ありません。 血が、ついてしまいますね」
「いや……構わない」
肉塊になり正体不明となるほどまで切り裂かれた人。 そして、その中心にいたカミラ……。 なぜ、カミラの掌まで赤いのか? 微かに感じた疑問だった。
だが、次の瞬間には身体を支えるのに床に手をついたのかもしれない。 それとも、切り刻まれる赤ん坊を胸に抱こうとしたのかもしれない。 と、自分に言い聞かせ……ながらも、違和感は拭えなかった。
カミラを抱き上げたラスティは同僚へと視線を送る。
「わざわざ、試練の手伝いに来てもらったのに申し訳ない事をした」
「いや、構わんよ。 ここはアレだが……良い土地だ。 色々と勉強になる」
「もし、良ければ、折角とった休暇をレイダー領で過ごしてくれ。 こんな事になって、十分なもてなしは出来ないかもしれないが……」
「そうだな……。 いや、当主が居なくなり、これからいろいろと忙しくなるだろう。 俺達は屋敷を出る事にする。 なぁ」
「ぇ、折角公爵家で贅沢三昧なのに?!」
「何、庶民の料理も悪くはないさ」
「血の海の中で、良くそんな事が言えますねぇ……さぁさぁ、ラスティあなたはカミラを連れて早く屋敷に戻ってあげてください」
「そうそう、俺達は色々と気晴らしをして帰るからさぁ」
そうしてラスティとカミラを追い払った。
騎士として数多の死体を見て来た。
あんな華奢な身体をした女性が? と言う思いと、勇猛果敢に剣を振るうカミラを知っていれば、この状況がオカシイと思うのも当然と言うもの。
だが、1人の騎士は呆れたように言い注目を浴びる事になる。
「にしても、精霊の加護って凄惨なものだなぁ。 正気じゃない」
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