【R18】私は運命の相手ではありません【完結】

迷い人

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蛇足(R18)

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 タイミングを逃したまま時ばかりが過ぎ、新年を迎えていた。

 王家を守る四家とされる公爵家だが、王が代替えを果たし、その後押しをレイダー公爵家が行い、現国王が可愛がりそしてその命を守った弟がレイダー公爵の婚約者に宛がわれた。 そのような噂が世間に蔓延しており、王宮で行われた新年の祭りではレイダー女公爵であるホリーの周りに人が途絶える事は無かった。

 そして、その周囲を守る3人の騎士達も立ち姿も美しく、それが獣人であると知れば、獣人でハーレムを作っていると以前からあった噂に拍車をかけていた。

 直接事実を問いかける者も少なくはなく、日頃からモフモフ天国やら、モフハーレムやら開き直っているホリーは、上手く交わす事が出来ずルカの苦労ばかりが増えていくのだった。

「ちょっと休憩」

 そう言ってルカは、給仕が配って歩く酒を1杯手にとってバルコニーへと向かい黄昏ていた。

 もともと仲は良かった。

 いや、だからこそ進み損ねたと言える。

「あ~~、この旅行で色々と代わるはずだったんだがなぁ……」

 環境を変えればと言う下心は、若くて愛らしい公爵の前にぶっ潰された。 夫人や令嬢達は、社交会に馴染むことが出来ず不愛想にしながらも、時々静かに笑みを向けるホリーをチヤホヤした。

 あら、可愛い。
 照れ屋なのね。

 好意的に言われるが、単純に背後に持つ権力に向けるギラギラとした欲望がみなぎっていた。 そして、貴族当主、子息たちは、獣人を侍らせるぐらいなら自分達が、自分達の子が等と明らかな欲を抱いている。

 それでも社交の場であれば、適度にあしらう必要が出て来る。 そう言う悪意に気付いているのかいないのか? コッソリと事務職採用出来ないかしら? と、袖を引いて場違いな事を聞いてくるのが、可愛いとか思ってしまう俺も大概馬鹿だと思う。

 どれぐらい真っ暗な空を眺めていたか?

 飾りのふりをして側に寄り添っていたはずの白フクロウの獣人が飛んできて、バルコニーの手摺に降り立った。

「主様とブラン殿に問題が発生しました。 直ぐにお戻りください」

 言われて残っていた酒を飲み尽くし、グラスをフクロウに渡し、ルカは戻る。

 ざわざわとする雑踏を押し分け戻れば、ホリーとブランが酒に潰れて真っ赤になっていた。 ホリーには飲むなと言っていたし、ブランは酒に潰れるような……2人を支えオロオロするラスティを横に人目もはばからずルカはホリーに口づけた。

 もぞもぞと避けようとしたが、唇を分け口内の香りを確認する。 単純に匂いをかぎ分けるには……少しばかりその場の匂いが強すぎたから……と、後で言い訳する事になるが。

 その匂いの元を見つけるのは容易だったと言いたいが、思ったよりも多くてビックリしたと言うところだろう。

「陛下、これは問題です……王家の祝いの場で、女性達を思う通りにしようとした者達がいるようですよ……」

 先王の頃の悪習。 以前は許されたと犯人とされた者達は暴れるが、ソレをそのままにできるはずはなく、折角の祝いの場は閉会となった。 後日どれだけの賠償が発生するか? 新年早々の喧噪を前に王族達の混乱を他人事のように眺めながら、ルカはホリーを抱き上げ部屋へと戻った。





 身体が熱い。
……皮膚がジリジリする……。

 騒々しさが鬱陶しくて泣きたくなるような感覚に、ホリーはルカに助けを求めた。

「るか、るか……」

「はいはい、大丈夫だ。 部屋に戻ろうな」

 甘く優しい声に酔うように、意識を閉ざした。



 どれくらい眠っていただろうか?

 身体に帯びた熱は、収まってはいないけれど。 着なれない身体を締め付けるタイプのドレスから解放され、息をつくぐらいは出来るようになっていた。

 サイドテーブルに置かれた水を飲み干し……ルカを探そうと視線を巡らした。

「いない……?」

 不安が襲ってくる。

 王宮には綺麗な女性達が側にいた。 そして何よりも自分を守るブランの簡素なドレス姿が何よりも美しかった。 何時も、だれよりも、何よりも自分を大切にしてくれるブランに嫉妬を覚えると言うのは……間違っている事は理解している。

 それでも、ルカは自分と一緒にいた時間だけブランとも一緒に居たのだと思えば、やっぱり辛いと思った。 辛いと思いながらもブランに申し訳なさを覚えてグルグルしてしまう。

「ぁ、起きたか? ここは公爵邸じゃないからなぁ……良い薬が無くて悪い。 一応、一般的な中和剤は飲ませたが、気分はどうだ?」

 風呂に入っていたのだろう濡れた身体を拭きながら戻ってきたルカから視線をそらした。

「まだ、身体が熱いけど平気」

 剥き出しの上半身は程よく筋肉がつき引き締まっていて……ドキドキとして……体の中心がぐらぐらとするような……そんな息苦しさを覚えていた。

「どうか、したのか?」

 ベッド脇まで歩み寄ってきたルカが金色の瞳でじっと見下ろしてくれば、何時もとは違う光を瞳にうつしているように見えた。 そう言えば……口づけをした時に……。

 ホリーは手を伸ばしルカの頬に触れ、唇に触れた。

「本当にどうした? まだ、辛いのか?」

 困ったような苦笑い。

「薬、ルカは大丈夫?」

「あぁ……まぁ……匂いを嗅いだ程度だったからな」

 抱きしめられ髪と背が撫でられる。 身体と身体を近寄せれば……、欲情を露わにした熱が身体に触れ、ルカは慌てて身体を引き離した。

「ルカ?」

「気にするな……。 ちょっと獣人にはキツイ匂いだっただけだ……」

 おかげでブランが直ぐに気付き、ホリーから薬入りの酒を最後まで飲む事なく取り上げる事が出来たと言う事だった。

「大人しく寝てろ」

 起き上がった身体を強引に横にされ、そして布団がかけられる。

「ちょ……えっと……ルカだって、その……つらいんじゃないかなって……」

 何を言っているんだ私!! 顔が赤く心臓が早くなり、速攻後悔する事となるが……このまま何もないままで他所の女に奪われる方が余程嫌だ。

 ソファに行こうとしているらしいルカの手を掴み、ベッドに連れ込もうとすれば……。 もともとの腕力差が災いして顔面からベッド落下と言うオチへと向かいそうになり、ルカは慌てて受け止めてくれた。

「な、何がしたいんだ……」

「えっと……。 エッチなこと?」

「……」

「いや、おかしくないよね?! 私達ほら、婚約者な訳だし? ぇ、王宮だから、不味い? ダメ?」

 やばかった?? と、布団の中に戻って行けば……布団ごと抱きしめられた。

「なんか、気を遣わせたみたいで悪い」

 布団ごしなのに肌の熱も鼓動も伝わって……そして……口づけられた。



 好き……。

 交わされる口づけは、甘く優しいものから……少しずつ熱を帯びていっていた。 舌先を舐めあい、口内を犯すように擦り撫でられる。 唾液が溢れ、唇の隙間から吐息が零れ落ちる。

 唇を合わせ、舐めあう、舌先を絡めあう。 いつもの口づけなのに……何時もの口づけと違い、息をつく間がない……。

「ぁっ、ぁっ……」

 嫌な訳じゃない、追い詰められていく感覚が、熱を煽って来る。

 自分から零れ落ちる吐息と甘い声を遠くに聞いているようで、熱い身体に触れられる優しい手がざわざわとする肌を刺激する。

 唇がゆっくりと話され唾液が意図をひく。
 耳元に囁かれる声が……熱く、艶っぽくてゾクゾクとした。

「ツライ?」

 大きな手が、太腿を撫でてくる。

「あっ……ぁ、んっ」

 嫌って言葉を飲み込んだ。 主従関係が長かったせいか、ルカは私の顔色を伺い過ぎる。 その奥にある真実にまで強引に割り言ってくる事はない。

 ホリーとブレンダは娘で母だったが、良い友達どうしでもあり、悪友でもあった。 性的な知識を教え込まれてない訳ではなく……。 自分の身体の熱が、ジリジリとする肌、それがどういうものか知らされていた。

「ルカ……」

「どうした?」

 甘く優しく見つめる瞳が、狂暴な光を帯びている。

「肌がジリジリとするの……」

「そうか……」

 短い返事と共にチュッと首筋に口付けられ、舐められた。

「あっ……」

 ピクッとホリーの身体が震える。

 両足の間を撫でる手が徐々に上がって行く。 するすると触れられる肌は、ジットリと汗をかき、両足の間は熱を帯び、お腹のおくがグズグズと焦れたように熱く、切なくなっていて、太腿を摺り寄せるように足を閉ざせば、ルカの手はあっけなく引いた。

「んっ、ダメ、もっと……」

「もっと、何?」

「……さわ、って」

「あぁ」

 身近な返事と共に熱を帯び濡れた場所に、ゴツゴツと筋張った指が触れる。 長い指は溢れ出る蜜を絡めながら肉の花弁を押し広げ……蜜口をぬちゅぬちゅと音を立て撫で、悪戯に肉を指先で撫で引っ掻き、指で探る上部、硬くなった肉の芽に刺激があたえられた途端……快楽が弾け、熱が溢れた……。
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