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06.そして私は偽りの愛だったと知る
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何が……起こったの?
理解が追い付かなかった。
私は棺桶に納められた自分を見た。
マナだけの身体で……私は私に触れる。
そっと指先で恐る恐る触れた。
もしかしたら、死んでいるのでは?と思ったから。
でも、私の身体はミイラのように枯れたけれど、その内側には潤沢なマナが、ヨハンのマナが……体の中に感じ取ることが出来た。
(不思議ね……。 こんな状態なのに死なないのだから……ヨハンのぬくもり……)
私は倒れ込むように自分の身体に縋りつく。
幼い頃から、私の中を巡っていたヨハンのマナを求めて……心を落ち着けるために。
(温かい……)
幼い頃はマナ量を増やすために、何時だって私の中にはヨハンのマナで満ちていた。
ヨハンは魔術の才能に溢れた戦災孤児で、その才能を見込んで父が……ジェフリーが育てた子。 私より随分と年上だけど、だからこその魅力を感じていた。
金色の髪に、優しい緑の瞳。
甘く囁く声。
彼の全てが私のものだった。
あぁ、そうだわ……お姉様もヨハンに憧れていたのね!!
眠っている私よりも、疲れたお姉様を気遣うのは当然の事だわ。
だって、ヨハンは私の婚約者だもの。
そう思いながら1つの疑問を感じた。
あれ?? そう言えば……王様が私を王子の妃に迎えるとか言っていたような?? まぁ、私のこの姿を見てなかった事にしていたけど。 それってどういう事? 私はヨハンの婚約者、未来の妻なのですよね??
ヨハンの手をかり、マナ循環を行うと決めた時、生みの母が見守る中、私とヨハンは婚約を交わした。 それはとても嬉しい事でちゃんと覚えている。
もう少し、もう少し頑張れば……ヨハンなら私に気付いて、身体に戻してくれるかもしれない。
そんな事を考えれば、私はヨハンの部屋へと向かった。
今の私は、マナが濃く整っている存在であれば触れる事も出来るけど、マナが薄かったり、乱れたりしていると素通りしてしまうようだ。 一応、ヨハンの部屋に行く前に、自室で色々と試してみたのだ。
そして、私はヨハンの部屋に来た。
結界が張られているかもと、どう通り抜けようかと色々考えたのだけど、そんな心配は全く必要なくて私はアッサリとヨハンの部屋の中へと入って行った。
そこで見たのは……口づけするヨハンと姉……。
お互いの身体を撫で合い、服を脱がしていく。
(な、にをしているの……?)
「ヨハン、ヨハン……愛しているわ。 もう、あの子に譲るなんて耐えられない。 ずっとずっと苦しかったの……」
お姉様は、やっぱりヨハンに片思いをしていたのね。
ダメよ、ヨハンは私の婚約者なんだから……。
ヨハンは婚約者である私のもの。
そんな思いで、姉の片思いだと自分に言い聞かせようとしたのに上手くいかない。
二人が交わすのは、触れるだけの口づけじゃない。
食らいあうように、呼吸を阻むように、深さをかえ角度を変えていた。
な、何をしているの??
分からないけれど、胸が痛い。
二人の手はお互いを触れて、撫でて、吹くを脱がせていく。
「あぁ……ヨハン、愛しているわ」
「私も愛していますよ」
甘い声で、ヨハンは姉の耳にささやいていた。
私の中で何かが崩れた。
私は……大泣きしながら部屋を飛び出した。
何時もなら、ヨハンが慌てて追いかけてきて、抱き上げて、抱きしめてくれるのに……今日は……一人……。
今も、姉の名前を呼んでいるのだろうか?
そう思えば、涙が止まらなかった。
雨が降っている。
雨がざぁざぁと降っている。
静かに悲しげな雨が降り続けた。
誰もシーラの部屋に訪れなくなった後も、雨は降り続けていた。
理解が追い付かなかった。
私は棺桶に納められた自分を見た。
マナだけの身体で……私は私に触れる。
そっと指先で恐る恐る触れた。
もしかしたら、死んでいるのでは?と思ったから。
でも、私の身体はミイラのように枯れたけれど、その内側には潤沢なマナが、ヨハンのマナが……体の中に感じ取ることが出来た。
(不思議ね……。 こんな状態なのに死なないのだから……ヨハンのぬくもり……)
私は倒れ込むように自分の身体に縋りつく。
幼い頃から、私の中を巡っていたヨハンのマナを求めて……心を落ち着けるために。
(温かい……)
幼い頃はマナ量を増やすために、何時だって私の中にはヨハンのマナで満ちていた。
ヨハンは魔術の才能に溢れた戦災孤児で、その才能を見込んで父が……ジェフリーが育てた子。 私より随分と年上だけど、だからこその魅力を感じていた。
金色の髪に、優しい緑の瞳。
甘く囁く声。
彼の全てが私のものだった。
あぁ、そうだわ……お姉様もヨハンに憧れていたのね!!
眠っている私よりも、疲れたお姉様を気遣うのは当然の事だわ。
だって、ヨハンは私の婚約者だもの。
そう思いながら1つの疑問を感じた。
あれ?? そう言えば……王様が私を王子の妃に迎えるとか言っていたような?? まぁ、私のこの姿を見てなかった事にしていたけど。 それってどういう事? 私はヨハンの婚約者、未来の妻なのですよね??
ヨハンの手をかり、マナ循環を行うと決めた時、生みの母が見守る中、私とヨハンは婚約を交わした。 それはとても嬉しい事でちゃんと覚えている。
もう少し、もう少し頑張れば……ヨハンなら私に気付いて、身体に戻してくれるかもしれない。
そんな事を考えれば、私はヨハンの部屋へと向かった。
今の私は、マナが濃く整っている存在であれば触れる事も出来るけど、マナが薄かったり、乱れたりしていると素通りしてしまうようだ。 一応、ヨハンの部屋に行く前に、自室で色々と試してみたのだ。
そして、私はヨハンの部屋に来た。
結界が張られているかもと、どう通り抜けようかと色々考えたのだけど、そんな心配は全く必要なくて私はアッサリとヨハンの部屋の中へと入って行った。
そこで見たのは……口づけするヨハンと姉……。
お互いの身体を撫で合い、服を脱がしていく。
(な、にをしているの……?)
「ヨハン、ヨハン……愛しているわ。 もう、あの子に譲るなんて耐えられない。 ずっとずっと苦しかったの……」
お姉様は、やっぱりヨハンに片思いをしていたのね。
ダメよ、ヨハンは私の婚約者なんだから……。
ヨハンは婚約者である私のもの。
そんな思いで、姉の片思いだと自分に言い聞かせようとしたのに上手くいかない。
二人が交わすのは、触れるだけの口づけじゃない。
食らいあうように、呼吸を阻むように、深さをかえ角度を変えていた。
な、何をしているの??
分からないけれど、胸が痛い。
二人の手はお互いを触れて、撫でて、吹くを脱がせていく。
「あぁ……ヨハン、愛しているわ」
「私も愛していますよ」
甘い声で、ヨハンは姉の耳にささやいていた。
私の中で何かが崩れた。
私は……大泣きしながら部屋を飛び出した。
何時もなら、ヨハンが慌てて追いかけてきて、抱き上げて、抱きしめてくれるのに……今日は……一人……。
今も、姉の名前を呼んでいるのだろうか?
そう思えば、涙が止まらなかった。
雨が降っている。
雨がざぁざぁと降っている。
静かに悲しげな雨が降り続けた。
誰もシーラの部屋に訪れなくなった後も、雨は降り続けていた。
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