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07.知らなかった私
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剥き出しの壁紙がない壁板。
天井近くにある小さな窓。
本棚と勉強机。
今の私には既に小さくなったベッドは撤去され、今は棺桶が置かれている。
棺桶には蓋がされていた。
規則正しいマナには触れる事ができる。
だから、蓋を開ける事も出来るのだけど……蓋を開ける気にならなかった。
誰だって……醜い自分を眺めていたい等とは思わないはず。
溜息と共に、私は棺桶の背中にしズルズルと腰を下ろした。
ゴトッ
そんな音に私はビビり、棺桶を見る……のだけど……やっぱり私は蓋を開く事が出来なかった。
家族と向かい合えず、自分とも向かい合えず、どうすればいいの?
私は、心の中で同じことを悩み呟くしかできない。
家族だと思っていた人達は、最初から私なんか最初から存在していないかののような日々を送りはじめていた。
何時もの日常を。
ただ私が居ないだけの日常を。
『やぁ、今日のこのスープは最高だね』
『ヴィヴィアンが手伝ってくれたのよ』
『はぁ~ぁ、何時になったら私達に相応しい生活が出来るのかしら』
『すぐ、すぐですよ』
ヨハンの甘い声が……ツライ。
私には語り掛けた事のない、どこまでも甘い声。
今はもう、私は……あの人達の会話を聞いていない。
4人が何を語っているのか?
何を思っているのか?
それを聞く事がとても怖くて……私は自室を出る事が出来なくなった。
姉とヨハンの関係……アレは何? 何なの?
私は、長い時間そんな自問自答を繰り返す事になるのだ。
ベッドの中で、抱き合うヨハンとヴィヴィアンを思い浮かべながら。
触れる唇。
奪うように、愛おしむように重ねられた身体。
触れ合う手は優しく……そして、何と言えば良いのか分からない気分になる。
甘い声は……切なくて、泣きたくなってくる。
知りたいのに、恐ろしい……。
私は愛されていなくて……ヨハンに愛されているのがお姉様だと言う事実。 酷い……卑怯だ……私は、私がこんな目に合うなんて知らなかった。 でも、私以外の4人が知っていたのなら……そう思えば、いっそう落ち込んでしまう。
お姉様が私からヨハンを奪ったのではなく、元々2人はお互いを思いやっていて、ヨハンは私の導き手となるために婚約者になっただけ……、ずっと2人はお互いを愛しあっていた……。
言葉にすると虚しさが増す。
もういい……。
もう考えるのは止めよう。
そして私は膝を抱え、顔を隠し、私の身体の横に……私の棺の横に座り込んだ。
1日、2日、3日までは、ヨハンは姉と一緒に来ていた。
私は……
もう私に気付いて!!
そう訴える気はなくなっていた。
なのに……2人は見せつけるように私の棺の前で口づけを交わすようになっていた。
止めて、止めて、止めて!!
姉は私が見えている訳ではなく、私の動かない身体を見ながら笑って見せる。
胸がきゅぅ~となるような泣きそうな思いが飛び、背筋がヒヤリとした。
ヨハンがただ好きで好きでどうしようもないだけ……ではなく、姉のヴィヴィアンは明らかに私に敵意を持っているのだと……今更ながら実感したのだ。
膝を抱え目を閉ざし、耳を塞いで、苦しそうなのに何処までも甘い嬌声を私は必死に追い出した。
4日目が訪れ、父と義母だけでなく、ヨハンや姉も来なくなった。
ご飯を食べなくても平気なものなのかな……。
あの人達は、私の肉体の死を望まないのだから……多分、きっと、大丈夫。
はぁ……。
私は、考えごとが少しだけ億劫になってきていた。
5日目、騒々しく玄関のノックがならされた。
やってきたのは、トロワ公爵家の執事を祖父の代から勤めているニウス。
冷たい雨に濡れており、老体に無理がかからないかと心配に思った。
タオル、タオル……。
私のマナの厚みを変え、正しく整える。 そうすれば、正しく整ったマナを持つ物であれば触れる事が出来る事を実体験で知っているから。
家族に疎まれていたと言う事は、落ち込みはしたけれど……けど……目の前の変化を無視し続ける事が出来る訳が無かった。 だって、このままだと、私は生きても居ないし、死んでもいないもの。
大きめのタオルを手に、私はニウスの元へ行き、どうせ目には見えないのだからと、そのタオルをふわりとかけた。
「ひぃっ!!」
祖父の代から仕えていたと言う執事の小さな悲鳴に、私は逆に驚いた。 だって、ニウスは私が生まれた時からお爺さんで、とても物知りで、公平で、冷静な人だと思っていたから。
(ご、ごめんなさい!!)
オロオロとしていれば、ふと、ニウスが真顔で周囲を見回した。 でも、気のせい?
ニウスは周囲を見渡しているが誰も来ない。
この離れには使用人は居ない。
私達……いえ、魔導師達家族だけが住んでいる。
そして建物は決して頑強ではなく、ニウスがやってきた慣らしたベルの音が聞こえていないと言う事はないだろう。
私は……出て来ない両親を姉とヨハンを探しに家の中を探しに回った。 決して広い屋敷ではないから、時間はかからない。 皆がいたのは家族の会議室のような? 部屋。 全員が寄り集まり笑っているのだ。
「お父様、無視をすればいいわ」
「そうです。 お師匠、無視をしましょう」
「そうだな、どうせ彼等が私達に何かを強制などできない」
「えぇ、無視をするのよ。 私達は長く待たされたわ……もったいぶればいいのよ」
「そうだ……困ればいいんだ」
「えぇ、お父様、その方が私達にとって優位になるはずだわ」
「「「「じらせばいい」」」」
頭を寄せ合いクスクス笑う姿は何処か不気味で、私は逃げるようにニウスの元に戻った。
もう、帰ったかと思ったのだけど……まだ、大丈夫だった。
(帰った方がいいわ。 だって、あの人達は相手にする気が無いんだもの)
きょろきょろとニウスは落ち着かないように、周囲を見回していた。
雨が降る。
雨が今も降り続いていた。
冷たく寒い雨。
こちらの窓と向こうの窓、その向こうにいる彼等が見えた。 こちらを向いた4人が……笑っていた。
(ニウス、帰りなよ。 帰った方がいいよ)
私は、驚かせると分かっていてその腕を引いた。
馬鹿にする視線、それを向けられるニウスが哀れだと思ったから……哀れな自分を同情するように……私は彼に同情してしまったの。
ニウスは、トロワ公爵家に古く仕える人で……古い竜の血脈が通っている。 濃いマナを持つ彼には……家族……であった人よりもずっと簡単に触れる事が出来る。
ニウスは少し考えたのちに、そっと、静かに声にする。
「お嬢様ですかな?」
目を凝らしたようにニウスは言う。
私は、見える等とは思ってないけど、頷いた。
言っても良いのだろうか? そう思いながらも……私は縋りついてしまったのだ。
(ニウス、助けて……)
「お嬢様……。 お嬢様はどちらに……」
(ここだよ)
私はもう一度、腕を引いた。
「お嬢様さえ宜しければ、本宅にいらっしゃいませんか? もし、お嬢様さえ自由になれるなら……」
出来るかどうかわからないけど……私は、行くことにした。 ここにいるのは、余りにも辛すぎるから。
でも……身体を放置していて大丈夫かしら?
身体を取り戻したい。
だけど……それを私は、どう伝えればいいのかな?
返事の変わりに、ニウスの腕を引けば、ニウスは静かに頷いた。
「では、参りましょう。 お嬢様」
ニウスの声が僅かに潤んだ。 そんな気がした。
私は、知らない事が多過ぎた……のかもしれない。
何時だって私は、父と義母、そしてヨハンと姉と一緒だった。
だから本宅に訪れた記憶がない。
だから……私は、私のための部屋と……私のために準備されたドレスを始めて見て……良く分からないけど、凄く泣きたい気分になったのです。
天井近くにある小さな窓。
本棚と勉強机。
今の私には既に小さくなったベッドは撤去され、今は棺桶が置かれている。
棺桶には蓋がされていた。
規則正しいマナには触れる事ができる。
だから、蓋を開ける事も出来るのだけど……蓋を開ける気にならなかった。
誰だって……醜い自分を眺めていたい等とは思わないはず。
溜息と共に、私は棺桶の背中にしズルズルと腰を下ろした。
ゴトッ
そんな音に私はビビり、棺桶を見る……のだけど……やっぱり私は蓋を開く事が出来なかった。
家族と向かい合えず、自分とも向かい合えず、どうすればいいの?
私は、心の中で同じことを悩み呟くしかできない。
家族だと思っていた人達は、最初から私なんか最初から存在していないかののような日々を送りはじめていた。
何時もの日常を。
ただ私が居ないだけの日常を。
『やぁ、今日のこのスープは最高だね』
『ヴィヴィアンが手伝ってくれたのよ』
『はぁ~ぁ、何時になったら私達に相応しい生活が出来るのかしら』
『すぐ、すぐですよ』
ヨハンの甘い声が……ツライ。
私には語り掛けた事のない、どこまでも甘い声。
今はもう、私は……あの人達の会話を聞いていない。
4人が何を語っているのか?
何を思っているのか?
それを聞く事がとても怖くて……私は自室を出る事が出来なくなった。
姉とヨハンの関係……アレは何? 何なの?
私は、長い時間そんな自問自答を繰り返す事になるのだ。
ベッドの中で、抱き合うヨハンとヴィヴィアンを思い浮かべながら。
触れる唇。
奪うように、愛おしむように重ねられた身体。
触れ合う手は優しく……そして、何と言えば良いのか分からない気分になる。
甘い声は……切なくて、泣きたくなってくる。
知りたいのに、恐ろしい……。
私は愛されていなくて……ヨハンに愛されているのがお姉様だと言う事実。 酷い……卑怯だ……私は、私がこんな目に合うなんて知らなかった。 でも、私以外の4人が知っていたのなら……そう思えば、いっそう落ち込んでしまう。
お姉様が私からヨハンを奪ったのではなく、元々2人はお互いを思いやっていて、ヨハンは私の導き手となるために婚約者になっただけ……、ずっと2人はお互いを愛しあっていた……。
言葉にすると虚しさが増す。
もういい……。
もう考えるのは止めよう。
そして私は膝を抱え、顔を隠し、私の身体の横に……私の棺の横に座り込んだ。
1日、2日、3日までは、ヨハンは姉と一緒に来ていた。
私は……
もう私に気付いて!!
そう訴える気はなくなっていた。
なのに……2人は見せつけるように私の棺の前で口づけを交わすようになっていた。
止めて、止めて、止めて!!
姉は私が見えている訳ではなく、私の動かない身体を見ながら笑って見せる。
胸がきゅぅ~となるような泣きそうな思いが飛び、背筋がヒヤリとした。
ヨハンがただ好きで好きでどうしようもないだけ……ではなく、姉のヴィヴィアンは明らかに私に敵意を持っているのだと……今更ながら実感したのだ。
膝を抱え目を閉ざし、耳を塞いで、苦しそうなのに何処までも甘い嬌声を私は必死に追い出した。
4日目が訪れ、父と義母だけでなく、ヨハンや姉も来なくなった。
ご飯を食べなくても平気なものなのかな……。
あの人達は、私の肉体の死を望まないのだから……多分、きっと、大丈夫。
はぁ……。
私は、考えごとが少しだけ億劫になってきていた。
5日目、騒々しく玄関のノックがならされた。
やってきたのは、トロワ公爵家の執事を祖父の代から勤めているニウス。
冷たい雨に濡れており、老体に無理がかからないかと心配に思った。
タオル、タオル……。
私のマナの厚みを変え、正しく整える。 そうすれば、正しく整ったマナを持つ物であれば触れる事が出来る事を実体験で知っているから。
家族に疎まれていたと言う事は、落ち込みはしたけれど……けど……目の前の変化を無視し続ける事が出来る訳が無かった。 だって、このままだと、私は生きても居ないし、死んでもいないもの。
大きめのタオルを手に、私はニウスの元へ行き、どうせ目には見えないのだからと、そのタオルをふわりとかけた。
「ひぃっ!!」
祖父の代から仕えていたと言う執事の小さな悲鳴に、私は逆に驚いた。 だって、ニウスは私が生まれた時からお爺さんで、とても物知りで、公平で、冷静な人だと思っていたから。
(ご、ごめんなさい!!)
オロオロとしていれば、ふと、ニウスが真顔で周囲を見回した。 でも、気のせい?
ニウスは周囲を見渡しているが誰も来ない。
この離れには使用人は居ない。
私達……いえ、魔導師達家族だけが住んでいる。
そして建物は決して頑強ではなく、ニウスがやってきた慣らしたベルの音が聞こえていないと言う事はないだろう。
私は……出て来ない両親を姉とヨハンを探しに家の中を探しに回った。 決して広い屋敷ではないから、時間はかからない。 皆がいたのは家族の会議室のような? 部屋。 全員が寄り集まり笑っているのだ。
「お父様、無視をすればいいわ」
「そうです。 お師匠、無視をしましょう」
「そうだな、どうせ彼等が私達に何かを強制などできない」
「えぇ、無視をするのよ。 私達は長く待たされたわ……もったいぶればいいのよ」
「そうだ……困ればいいんだ」
「えぇ、お父様、その方が私達にとって優位になるはずだわ」
「「「「じらせばいい」」」」
頭を寄せ合いクスクス笑う姿は何処か不気味で、私は逃げるようにニウスの元に戻った。
もう、帰ったかと思ったのだけど……まだ、大丈夫だった。
(帰った方がいいわ。 だって、あの人達は相手にする気が無いんだもの)
きょろきょろとニウスは落ち着かないように、周囲を見回していた。
雨が降る。
雨が今も降り続いていた。
冷たく寒い雨。
こちらの窓と向こうの窓、その向こうにいる彼等が見えた。 こちらを向いた4人が……笑っていた。
(ニウス、帰りなよ。 帰った方がいいよ)
私は、驚かせると分かっていてその腕を引いた。
馬鹿にする視線、それを向けられるニウスが哀れだと思ったから……哀れな自分を同情するように……私は彼に同情してしまったの。
ニウスは、トロワ公爵家に古く仕える人で……古い竜の血脈が通っている。 濃いマナを持つ彼には……家族……であった人よりもずっと簡単に触れる事が出来る。
ニウスは少し考えたのちに、そっと、静かに声にする。
「お嬢様ですかな?」
目を凝らしたようにニウスは言う。
私は、見える等とは思ってないけど、頷いた。
言っても良いのだろうか? そう思いながらも……私は縋りついてしまったのだ。
(ニウス、助けて……)
「お嬢様……。 お嬢様はどちらに……」
(ここだよ)
私はもう一度、腕を引いた。
「お嬢様さえ宜しければ、本宅にいらっしゃいませんか? もし、お嬢様さえ自由になれるなら……」
出来るかどうかわからないけど……私は、行くことにした。 ここにいるのは、余りにも辛すぎるから。
でも……身体を放置していて大丈夫かしら?
身体を取り戻したい。
だけど……それを私は、どう伝えればいいのかな?
返事の変わりに、ニウスの腕を引けば、ニウスは静かに頷いた。
「では、参りましょう。 お嬢様」
ニウスの声が僅かに潤んだ。 そんな気がした。
私は、知らない事が多過ぎた……のかもしれない。
何時だって私は、父と義母、そしてヨハンと姉と一緒だった。
だから本宅に訪れた記憶がない。
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