64 / 88
それは甘く蕩けて灰になる
生物が死んだ森
しおりを挟む
足取りがはっきりわかる川辺から探索することにした。
川は思ったよりも広く、所々深そうな場所がある。
と言っても最大で30cmくらいだろうか?川底がはっきりしているので深くないことはわかる。
それにしてもなんて綺麗な川だ。この綺麗さはやはり結界のお陰だろう。
生物を石化し、灰にする結界。つまり魚や微生物などの水生生物も全て灰となっている。
何もない。だから綺麗。歪んで作られた世界にも、こんな一面があるとは。
すこし辺りを探索すると、折れた枝を見つけた。
何かが落ちて折れたわけでもなく、朽ちたわけでもない。
彼女が通ったから折れたのだろう。
折れた箇所もまだ綺麗で真新しいように見える。
ごく最近、彼女が通ったのだろう。
それを頼りに、森の奥に進む。
「うお!?」
地面が思ったよりも柔らかかった。
朽ちて落ちた葉がクッションのようになっていた。
本来、微生物によって分解され土になる落ち葉も、結界の効果でそうならない。
ボロボロの繊維だけが網のように積み重なっているのだろう。
心なしか、森も朽ちているように見える。
生物に依存していた物が無くなったことで、森の植物の栄養も不足しているのだろう。
「生物も自然の一部なんだな」
植物も生物もお互い支え合って生きている。それが出来なくなったらどちらも滅するのを待つだけ。
意外な魔法で世界の成り立ちが解かった気がした。
「くっ!・・・はぁ・・はぁ・・・」
彼女の痕跡がわからなくなって、どれだけの時間が経っただろう?
鬱蒼とする森の中を右も左もわからないまま歩き続けた。
歩き慣れない道なき道。大きな木の根は進行を阻み、変化の無い景色は方向感覚を狂わせた。
「はは・・・目印置いとけばよかったな」
生憎、そのような物は持っていなかった。
中にいる彼女が歩いてるのだから、自分も歩けるなんて大間違いだった。
ずっとここで生活する彼女にとって、見慣れた景色を歩くのは造作もない。
対してトウヤは初めて歩く場所だ。魔法があれば簡単だが今は使えない。
「ちくしょう、こっちで合ってるのか?」
日の光を頼りに歩いているが、抜け出すことも出来ない。
時間は確か、昼ぐらいだったから、こっちが南か?
いや地球の常識は、ここでは通用しない。
せめてそれだけでも調べとくべきだった。
今さら後悔しても遅いので、諦めてただひたすら歩くしかない。
ふと、森にふさわしくない物が目に入った。
確認しに拾うと、それは男物の服だった。
「そういえば・・・彼女も男物の服を着ていたな」
初めて彼女を見た時に違和感を持ったのを思い出す。
「彼女の私物か?」
いや、森にいた彼女が洋服を手に入れることは無いだろう。
となるとこれは・・・
「被害者の物か」
石化の被害にあった人達。石化で体は無くなったが、こうやって着ていた服だけ残っているのだろう。
そしてその服を彼女が着ている。
生まれた瞬間からこの石化の能力が暴走した彼女は服を着る機会が無かった。
そして稀に見かける自分に似た生物が着ていたものを、
見よう見真似で着たところ、快適な生活に変わった。
だから身に着けている。
相手を見て、良いものを自分に取り入れていく。
「・・・もしかして・・・・彼女は・・・」
ある考えが浮かんだ。
となると説得はもっと簡単かもしれない。
そう思うと早く彼女の元へ急がないと。
疲れた身体を奮い立たせ、また歩き始めた。
早く。早く彼女の元へ行かないと。
焦る気持ちを抑えながら、彼女の捜索を続けた。
今はどのあたりだろうか?
しばらく彷徨い続けると、地面が盛り上がり、洞窟っぽいものが見えた。
「もしかしたら・・・」
洞窟は雨風を凌ぐのにはちょうどいい。
つまりここを拠点としている可能性が高い。
急いで近づき、中を確認したが彼女は居なかった。
その代わりあったのが、綺麗に整えられた男物の服だ。
この森の中でこんなことが出来るのは彼女の仕業だろう。
つまりここは彼女の拠点であることは間違いない。
「くそっ。どっか行ってるのか」
監視してた時も彼女はよく動いていた。
だがここに戻ってくるのは確実だ。
ここで待てば確実に接触出来る。
となると厄介なのがAMSになる。
近づくだけで魔法を打ち消すので、トウヤが接触してなくても近くにいるだけで結界が消える可能性がある。
それを見た瞬間、ポーラ達が範囲内に入るかもしれない。
そしてトウヤを見て逃げ出した彼女が、偶然AMSの範囲外に出たら、ポーラ達が石化してしまう。
これを避けるためには、彼女が逃げないように接触しなくてはならない。
洞窟はそんなに深くない。
なら洞窟に入った時にトウヤが入り口に立てば、彼女の逃亡を防ぎつつ接触できる。
となると、少し離れたところで身を潜めて様子を伺うべきだろう。
トウヤは洞窟を見渡せる位置に身を潜め、彼女の帰りを待つことにした。
しかし今まで慣れない道を彷徨った影響だろうか?潜めると同時に眠りについてしまった。
「チッ、おっせぇな。まだ接触出来ないのか?」
ただ待つだけの状態にリーシャは耐えられなくなってきた。
「広い森を魔法も無く彷徨ってるんです。時間がかかって当然です」
レナの答えは淡々としている。
「でも真っ直ぐ行けばいいんだから問題ないだろ?」
「映像で見る限り、かなり鬱蒼としています。道無き道を進んでいる可能性があります」
「チッ、ジッと待ってるのも何だ。少し体動かしても問題ないだろう」
「結界の急な拡大には気を付けてください」
「ああ、わかってる」
リーシャはそう言い、近くの大きな岩を持ち上げた。
「・・・・」
「・・・・なんだ?何か言いたげだな?」
「いえ・・・すみません、まだ見慣れなくて」
リーシャが持ち上げた岩は、体格の十倍以上はあるように見える。
それを易々と持ち上げ、上下に動かしている光景は、見慣れなければ驚くだろう。
「そう言えば最近だったな、あんたがうちらの担当になったの」
「・・・はい」
「うちの面々には驚くばかりってか?」
「いえ、お噂は常々聞いております。・・・でも驚いているのは事実です」
「はは、そうだな。うちも驚いているよ。特にトウヤにはな」
「・・・はい」
「噂よりもずっと甘ちゃんだ。むしろ危なっかしさのほうが強い」
「はい・・・早死にするタイプだと思います」
「でもそっちの方が好感が持てるんじゃねぇか?」
「え?」
「冷徹非情よりも助けたいって言って頑張っているやつの方が好感が持てる。
もちろんやり過ぎも良くないが、人のために頑張ろうってやつは応援したくなるだろ?」
「は・・・はい。でもそれが演技ってことは・・・」
「それは自分で判断しろ。自分の目で見て、自分の頭で考えて、確固たる証拠を示せ。
それが出来ないならただ否定するだけのやつに成り下がるぞ」
「・・・はい」
「まぁ気持ちは解らなくはない。でも何に対してもそんな風に疑うと何も信じられなくなるし、
必要なタイミングでの判断を鈍らせることになる。早めに解決させておけよ」
「しょ・・・承知しました」
まだトウヤを取り巻く環境は厳しい。そんな中で厄介ごとを持ってこようとするとさらに厳しくなる。
それをわかって仲間として迎えたが、苦労は多そうだ。
(せめてもの救いは、噂よりも甘い性格かな?)
川は思ったよりも広く、所々深そうな場所がある。
と言っても最大で30cmくらいだろうか?川底がはっきりしているので深くないことはわかる。
それにしてもなんて綺麗な川だ。この綺麗さはやはり結界のお陰だろう。
生物を石化し、灰にする結界。つまり魚や微生物などの水生生物も全て灰となっている。
何もない。だから綺麗。歪んで作られた世界にも、こんな一面があるとは。
すこし辺りを探索すると、折れた枝を見つけた。
何かが落ちて折れたわけでもなく、朽ちたわけでもない。
彼女が通ったから折れたのだろう。
折れた箇所もまだ綺麗で真新しいように見える。
ごく最近、彼女が通ったのだろう。
それを頼りに、森の奥に進む。
「うお!?」
地面が思ったよりも柔らかかった。
朽ちて落ちた葉がクッションのようになっていた。
本来、微生物によって分解され土になる落ち葉も、結界の効果でそうならない。
ボロボロの繊維だけが網のように積み重なっているのだろう。
心なしか、森も朽ちているように見える。
生物に依存していた物が無くなったことで、森の植物の栄養も不足しているのだろう。
「生物も自然の一部なんだな」
植物も生物もお互い支え合って生きている。それが出来なくなったらどちらも滅するのを待つだけ。
意外な魔法で世界の成り立ちが解かった気がした。
「くっ!・・・はぁ・・はぁ・・・」
彼女の痕跡がわからなくなって、どれだけの時間が経っただろう?
鬱蒼とする森の中を右も左もわからないまま歩き続けた。
歩き慣れない道なき道。大きな木の根は進行を阻み、変化の無い景色は方向感覚を狂わせた。
「はは・・・目印置いとけばよかったな」
生憎、そのような物は持っていなかった。
中にいる彼女が歩いてるのだから、自分も歩けるなんて大間違いだった。
ずっとここで生活する彼女にとって、見慣れた景色を歩くのは造作もない。
対してトウヤは初めて歩く場所だ。魔法があれば簡単だが今は使えない。
「ちくしょう、こっちで合ってるのか?」
日の光を頼りに歩いているが、抜け出すことも出来ない。
時間は確か、昼ぐらいだったから、こっちが南か?
いや地球の常識は、ここでは通用しない。
せめてそれだけでも調べとくべきだった。
今さら後悔しても遅いので、諦めてただひたすら歩くしかない。
ふと、森にふさわしくない物が目に入った。
確認しに拾うと、それは男物の服だった。
「そういえば・・・彼女も男物の服を着ていたな」
初めて彼女を見た時に違和感を持ったのを思い出す。
「彼女の私物か?」
いや、森にいた彼女が洋服を手に入れることは無いだろう。
となるとこれは・・・
「被害者の物か」
石化の被害にあった人達。石化で体は無くなったが、こうやって着ていた服だけ残っているのだろう。
そしてその服を彼女が着ている。
生まれた瞬間からこの石化の能力が暴走した彼女は服を着る機会が無かった。
そして稀に見かける自分に似た生物が着ていたものを、
見よう見真似で着たところ、快適な生活に変わった。
だから身に着けている。
相手を見て、良いものを自分に取り入れていく。
「・・・もしかして・・・・彼女は・・・」
ある考えが浮かんだ。
となると説得はもっと簡単かもしれない。
そう思うと早く彼女の元へ急がないと。
疲れた身体を奮い立たせ、また歩き始めた。
早く。早く彼女の元へ行かないと。
焦る気持ちを抑えながら、彼女の捜索を続けた。
今はどのあたりだろうか?
しばらく彷徨い続けると、地面が盛り上がり、洞窟っぽいものが見えた。
「もしかしたら・・・」
洞窟は雨風を凌ぐのにはちょうどいい。
つまりここを拠点としている可能性が高い。
急いで近づき、中を確認したが彼女は居なかった。
その代わりあったのが、綺麗に整えられた男物の服だ。
この森の中でこんなことが出来るのは彼女の仕業だろう。
つまりここは彼女の拠点であることは間違いない。
「くそっ。どっか行ってるのか」
監視してた時も彼女はよく動いていた。
だがここに戻ってくるのは確実だ。
ここで待てば確実に接触出来る。
となると厄介なのがAMSになる。
近づくだけで魔法を打ち消すので、トウヤが接触してなくても近くにいるだけで結界が消える可能性がある。
それを見た瞬間、ポーラ達が範囲内に入るかもしれない。
そしてトウヤを見て逃げ出した彼女が、偶然AMSの範囲外に出たら、ポーラ達が石化してしまう。
これを避けるためには、彼女が逃げないように接触しなくてはならない。
洞窟はそんなに深くない。
なら洞窟に入った時にトウヤが入り口に立てば、彼女の逃亡を防ぎつつ接触できる。
となると、少し離れたところで身を潜めて様子を伺うべきだろう。
トウヤは洞窟を見渡せる位置に身を潜め、彼女の帰りを待つことにした。
しかし今まで慣れない道を彷徨った影響だろうか?潜めると同時に眠りについてしまった。
「チッ、おっせぇな。まだ接触出来ないのか?」
ただ待つだけの状態にリーシャは耐えられなくなってきた。
「広い森を魔法も無く彷徨ってるんです。時間がかかって当然です」
レナの答えは淡々としている。
「でも真っ直ぐ行けばいいんだから問題ないだろ?」
「映像で見る限り、かなり鬱蒼としています。道無き道を進んでいる可能性があります」
「チッ、ジッと待ってるのも何だ。少し体動かしても問題ないだろう」
「結界の急な拡大には気を付けてください」
「ああ、わかってる」
リーシャはそう言い、近くの大きな岩を持ち上げた。
「・・・・」
「・・・・なんだ?何か言いたげだな?」
「いえ・・・すみません、まだ見慣れなくて」
リーシャが持ち上げた岩は、体格の十倍以上はあるように見える。
それを易々と持ち上げ、上下に動かしている光景は、見慣れなければ驚くだろう。
「そう言えば最近だったな、あんたがうちらの担当になったの」
「・・・はい」
「うちの面々には驚くばかりってか?」
「いえ、お噂は常々聞いております。・・・でも驚いているのは事実です」
「はは、そうだな。うちも驚いているよ。特にトウヤにはな」
「・・・はい」
「噂よりもずっと甘ちゃんだ。むしろ危なっかしさのほうが強い」
「はい・・・早死にするタイプだと思います」
「でもそっちの方が好感が持てるんじゃねぇか?」
「え?」
「冷徹非情よりも助けたいって言って頑張っているやつの方が好感が持てる。
もちろんやり過ぎも良くないが、人のために頑張ろうってやつは応援したくなるだろ?」
「は・・・はい。でもそれが演技ってことは・・・」
「それは自分で判断しろ。自分の目で見て、自分の頭で考えて、確固たる証拠を示せ。
それが出来ないならただ否定するだけのやつに成り下がるぞ」
「・・・はい」
「まぁ気持ちは解らなくはない。でも何に対してもそんな風に疑うと何も信じられなくなるし、
必要なタイミングでの判断を鈍らせることになる。早めに解決させておけよ」
「しょ・・・承知しました」
まだトウヤを取り巻く環境は厳しい。そんな中で厄介ごとを持ってこようとするとさらに厳しくなる。
それをわかって仲間として迎えたが、苦労は多そうだ。
(せめてもの救いは、噂よりも甘い性格かな?)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる