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それは甘く蕩けて灰になる
初めての・・・
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町は悲惨な状態だった。
多くの建物は崩壊し、多数の住人が生き埋めになっていた。
せめてもの救いは多くの魔道士がすぐに駆けつけてくれたことだ。
だが・・・
「うげぇ~」
何処かで口から虹が流れ出たような音がした。
「あらあら、まさかAMSに助けられるなんて思わなかったわねぇ~」
リンシェンの提案にティーナは助けられていた。
多くの魔道士が懸念するボロニアの環境。その原因が濃すぎる“魔力”だ。
その影響で魔道士は酔った状態になり、体調不良を起こしてしまう。
解決方法は時間をかけて慣れる、または回復魔法で一時的に適応するの二つである。
一刻を争う場面では後者が選ばれるが、欠点としては時間が短い事と断続的に使用すると効果が弱まることだろう。
さらにそういう魔法を使う回復型魔道士にも同じことをしなければならないので、回復型魔道士の負担は大きくなる。
そこでリンシェンはAMSの効果範囲を複数設置し、一時的に“魔力”から逃れられる場所を用意した。
そして回復型魔道士は作業以外ではAMS内にいることで、魔法を使わなくても平気でいられるようにし、
さらに魔法を必要としない作業は全てAMS内で行えるようにすることで負担を軽減させた。
と言っても魔法を必要とする作業が多いので微々たるものではあるが、あるとないでは大きな違いがあった。
「ふにゅ~、整備終わったにゃ~」
範囲の外の地面に寝そべる魔道士が現れた。
「あらあら、おつかれさま。今回の陰の功労者ね」
「うにゅ~、休みたいにゃ~」
ティーナは身体の一部を外に出し魔法を使う。
「はい、回復魔法」
そう言いリンシェンを回復させると、即座に中へ戻った。
「うにょ!?」
「今は休む時間も惜しいから、早く行ってらっしゃい」
「うにょ!?余計にゃお世話にゃ!おいら休むにゃ!」
胡坐をかいて座り込むリンシェン。サボる気らしい。
(この災害でもマイペースでいるなんて・・・)
ティーナは呆れつつも最後の手を使う。
「・・・行け」
普段とは違う低い声に変わった。
「うにょ!?・・・わ、わかりました」
絶対に逆らってはいけない。リンシェンの本能がそう訴えてきたので、急いで救助に向かった。
「うふふ、あの性格面はどうにかしないといけないわね」
性格面を除けば彼女も優秀な魔道士と思えた。
「ティーナさん!こっちお願いします!」
「はあ~い」
呼ばれたので救助者の治療に切り替えた。
「ポーラさん、少しいいですか?」
突如通信が入る。
「どうしたの?」
「トウヤさんなんですが、レーダーで動きがありました」
「外に連れ出せたの!?」
「いいえ、それが・・・二人が別れてるんです」
「え?どういう・・・まさか、どちらかが動けなくなったんじゃ!?」
「かもしれません。なので至急ポイントを送りますので向かってください」
「了解!リンシェン!あの機械動かすよ!」
「はいにゃ!急いで用意するにゃ!」
通信の声が増える。
「うちらも行くべきか?」
「いや、状況が状況だけに分かれるべきだ」
「そうね。ファイゼンとリーシャは引き続き救助をお願い」
「わかった」
別れたならなぜ魔法で連絡してこないのか。ふとそう思ったがすぐに答えは出た。
外に向かってるのは彼女の方だからだ。となると、トウヤの身に何か起こったのだろう。
「ごめん、リーシャの手だけは必要になるかも・・・」
ポーラには最悪のシナリオが思い描けた。
案の定、森から出てきたのはあの彼女だった。
「あれ!手に持ってるのトウヤの荷物じゃないか?」
森に入る前に持たせた荷物に間違いない。
だが状況はさらに最悪だった。
「AMSが出ていない!リンシェン!動かして!」
荷物に取り付けたAMSのサンプルが故障したのか、あの結界が見えた。
急いで大型機械のAMSを作動させる。これで身を守れるが、魔法が使えなくなる。
時間が無かったお陰でこの機械はAMS作動中は持ち運びが出来ない。
「リンシェン!サンプル余ってる?」
大声で叫び確認する。
スルスルと滑るように降りてきたリンシェンは、持ち前の身軽さで近づいてきた。
「これがラスト一個にゃ」
「そっか、さすがに町で使っちゃったもんね」
もう一個あれば簡単に彼女と接触出来たかもしれない。
「これはリーシャが使って。彼女と一緒にトウヤを助けるの」
「どういうことだ?トウヤの身に何かあったのか?」
「たぶん身動きがとれないのよ」
「本当か!?」
「にゃは~ん、それで彼女に荷物を持たせて案内役にしたのかにゃ?」
「そう、そしてトウヤの服に付けたAMSは動いているから魔法が使えないの」
「それでうちの力が必要ってわけだな」
リンシェンはサンプルを起動させ、リーシャに渡した。
「範囲は?」
「5mにゃ」
そう確認すると、ポケットにしまった。
「いい?リーシャ。彼女から見るとまだ不審者だから逃げると思うわ。言葉も通じないし理解出来ないかもしれない。
それでも彼女からトウヤの場所を聞き出して向かってほしいの」
「まったく、世話のやける後輩だぜ」
そう言うとリーシャは飛び出し、彼女の元へ向かった。
思った通り彼女は不審者と思い、逃げ出した。
「待て!助けに来たんだ!」
彼女は見向きもせず逃げる。
「トウヤの居場所を教えてくれ!」
ふと彼女の足が止まった。
(どうした?)
何があったか知らないが止まってくれたおかげで追いつけた。
「とーや!とーや!とーや!」
彼女はそう言いながらリーシャの腕を引っ張った。
(なるほど、トウヤの名前だけは理解出来るようにしたのか)
言葉は知らなくても、聞き覚えのある言葉ならわかる。
まるでそれを見越してやっていたかのようだ。
彼女の案内で進むが、森の中はまるで目印の無い迷路だった。
(魔法がねぇだけでこんなにも不安なんだな)
それでもこの状態で前に進むしかない。
「チッ、遅せぇから担ぐぞ」
そう言うとリーシャは彼女を担いで走り出した。
「やあ!やあ!」
やはり初めて出会う人間に担がれるのは嫌なようだ。
「トウヤのためだ、我慢してくれ」
「とーや!とーや!」
そうすると彼女が指を指した。
「こっちか」
指した方に向きを変え進む。
(間に合ってくれ!)
言葉が通じない二人の想いは一緒だった。
多くの建物は崩壊し、多数の住人が生き埋めになっていた。
せめてもの救いは多くの魔道士がすぐに駆けつけてくれたことだ。
だが・・・
「うげぇ~」
何処かで口から虹が流れ出たような音がした。
「あらあら、まさかAMSに助けられるなんて思わなかったわねぇ~」
リンシェンの提案にティーナは助けられていた。
多くの魔道士が懸念するボロニアの環境。その原因が濃すぎる“魔力”だ。
その影響で魔道士は酔った状態になり、体調不良を起こしてしまう。
解決方法は時間をかけて慣れる、または回復魔法で一時的に適応するの二つである。
一刻を争う場面では後者が選ばれるが、欠点としては時間が短い事と断続的に使用すると効果が弱まることだろう。
さらにそういう魔法を使う回復型魔道士にも同じことをしなければならないので、回復型魔道士の負担は大きくなる。
そこでリンシェンはAMSの効果範囲を複数設置し、一時的に“魔力”から逃れられる場所を用意した。
そして回復型魔道士は作業以外ではAMS内にいることで、魔法を使わなくても平気でいられるようにし、
さらに魔法を必要としない作業は全てAMS内で行えるようにすることで負担を軽減させた。
と言っても魔法を必要とする作業が多いので微々たるものではあるが、あるとないでは大きな違いがあった。
「ふにゅ~、整備終わったにゃ~」
範囲の外の地面に寝そべる魔道士が現れた。
「あらあら、おつかれさま。今回の陰の功労者ね」
「うにゅ~、休みたいにゃ~」
ティーナは身体の一部を外に出し魔法を使う。
「はい、回復魔法」
そう言いリンシェンを回復させると、即座に中へ戻った。
「うにょ!?」
「今は休む時間も惜しいから、早く行ってらっしゃい」
「うにょ!?余計にゃお世話にゃ!おいら休むにゃ!」
胡坐をかいて座り込むリンシェン。サボる気らしい。
(この災害でもマイペースでいるなんて・・・)
ティーナは呆れつつも最後の手を使う。
「・・・行け」
普段とは違う低い声に変わった。
「うにょ!?・・・わ、わかりました」
絶対に逆らってはいけない。リンシェンの本能がそう訴えてきたので、急いで救助に向かった。
「うふふ、あの性格面はどうにかしないといけないわね」
性格面を除けば彼女も優秀な魔道士と思えた。
「ティーナさん!こっちお願いします!」
「はあ~い」
呼ばれたので救助者の治療に切り替えた。
「ポーラさん、少しいいですか?」
突如通信が入る。
「どうしたの?」
「トウヤさんなんですが、レーダーで動きがありました」
「外に連れ出せたの!?」
「いいえ、それが・・・二人が別れてるんです」
「え?どういう・・・まさか、どちらかが動けなくなったんじゃ!?」
「かもしれません。なので至急ポイントを送りますので向かってください」
「了解!リンシェン!あの機械動かすよ!」
「はいにゃ!急いで用意するにゃ!」
通信の声が増える。
「うちらも行くべきか?」
「いや、状況が状況だけに分かれるべきだ」
「そうね。ファイゼンとリーシャは引き続き救助をお願い」
「わかった」
別れたならなぜ魔法で連絡してこないのか。ふとそう思ったがすぐに答えは出た。
外に向かってるのは彼女の方だからだ。となると、トウヤの身に何か起こったのだろう。
「ごめん、リーシャの手だけは必要になるかも・・・」
ポーラには最悪のシナリオが思い描けた。
案の定、森から出てきたのはあの彼女だった。
「あれ!手に持ってるのトウヤの荷物じゃないか?」
森に入る前に持たせた荷物に間違いない。
だが状況はさらに最悪だった。
「AMSが出ていない!リンシェン!動かして!」
荷物に取り付けたAMSのサンプルが故障したのか、あの結界が見えた。
急いで大型機械のAMSを作動させる。これで身を守れるが、魔法が使えなくなる。
時間が無かったお陰でこの機械はAMS作動中は持ち運びが出来ない。
「リンシェン!サンプル余ってる?」
大声で叫び確認する。
スルスルと滑るように降りてきたリンシェンは、持ち前の身軽さで近づいてきた。
「これがラスト一個にゃ」
「そっか、さすがに町で使っちゃったもんね」
もう一個あれば簡単に彼女と接触出来たかもしれない。
「これはリーシャが使って。彼女と一緒にトウヤを助けるの」
「どういうことだ?トウヤの身に何かあったのか?」
「たぶん身動きがとれないのよ」
「本当か!?」
「にゃは~ん、それで彼女に荷物を持たせて案内役にしたのかにゃ?」
「そう、そしてトウヤの服に付けたAMSは動いているから魔法が使えないの」
「それでうちの力が必要ってわけだな」
リンシェンはサンプルを起動させ、リーシャに渡した。
「範囲は?」
「5mにゃ」
そう確認すると、ポケットにしまった。
「いい?リーシャ。彼女から見るとまだ不審者だから逃げると思うわ。言葉も通じないし理解出来ないかもしれない。
それでも彼女からトウヤの場所を聞き出して向かってほしいの」
「まったく、世話のやける後輩だぜ」
そう言うとリーシャは飛び出し、彼女の元へ向かった。
思った通り彼女は不審者と思い、逃げ出した。
「待て!助けに来たんだ!」
彼女は見向きもせず逃げる。
「トウヤの居場所を教えてくれ!」
ふと彼女の足が止まった。
(どうした?)
何があったか知らないが止まってくれたおかげで追いつけた。
「とーや!とーや!とーや!」
彼女はそう言いながらリーシャの腕を引っ張った。
(なるほど、トウヤの名前だけは理解出来るようにしたのか)
言葉は知らなくても、聞き覚えのある言葉ならわかる。
まるでそれを見越してやっていたかのようだ。
彼女の案内で進むが、森の中はまるで目印の無い迷路だった。
(魔法がねぇだけでこんなにも不安なんだな)
それでもこの状態で前に進むしかない。
「チッ、遅せぇから担ぐぞ」
そう言うとリーシャは彼女を担いで走り出した。
「やあ!やあ!」
やはり初めて出会う人間に担がれるのは嫌なようだ。
「トウヤのためだ、我慢してくれ」
「とーや!とーや!」
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