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第6章・喪失と再生
◆ 7・探る者たち(後) ◆
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聖女。
神に選ばれし乙女にして、闇を払う存在。
魔王と対極にあり、勇者を選出し共に戦い、世界を浄化する。
聖女のいる大神殿へと移動しながらライラは説明する。
説明を聞いても、ピンとこない。今はその任をシャーロットの――私の妹フローレンスが受け持っているというが、何だか違和感を感じる。
スライ先輩のいう以前の『シャーロット』が、とても妹愛に溢れていたという所もだ。
フローレンス・メイ・ヨーク。
一つ年下で、孤児院からの養女としてヨーク家に入った女の子。
「どんな子って言われても答えられませんわ。友達の妹なんて顔見知りよりやりにくいです」
ライラは困ったように視線を彷徨わせ、スライ先輩も大きく頷く。
「それより俺はお前が、本物のシャーロット・グレイス・ヨークかが気になる。確かに魔法の気配はないが、俺が知らないだけで見た目を変える薬や呪いはあるだろうからな。実際、カエルがカエルになっていた呪いも俺には、どうした手法だったのか分からなかった」
「そうなんですか?」
「カエル本人が解きたがってないのも理由で、あまり調べてないがな。だからこそ、あっさり人の姿になっている事自体が腑に落ちない。そもそもあの顔はシャーロットの従者だ」
「呪いなのに、解きたくない?」
意味が分からず繰り返す。
スライ先輩は肩を竦める。
「俺にはわからん。記憶云々、本人か云々もおいておくなら……以前のお前は婚約者だ、何か知っていたようだが?」
「そうでしょうね。チャーリーと殿下は仲が良かったですから」
「そうだ。アレックスは一目惚れだと言っていたしな」
「あら、そうだったんですか?」
彼らは何も知らない私に、色々教えてくれようとしている。
「あぁ、不思議な理由でな」
「不思議って、ルフスがシャーロットを好きになった理由?」
「いや、アレックスが、だ」
言い間違いを正すように先輩が強い口調で告げる。
「ルーファ、だったか。あの顔の男の事を、お前はそう呼んでいた。はっきり言って、あの王子は偽物だ! 第一に性格が違いすぎる!! 確かに似ている部分や真似をしている部分はあれど、俺は親しくしていたから、絶対的に違う事くらい分かるぞ! なんで皆、違和感を感じないんだ!!」
「それを言うなら、チャーリーだって! 今の方が親しみやすいと言われてますけど、あたしは前の方が好きですし!」
二人の言葉に自然に「ありがとう」が出そうになって、口を閉ざす。私が礼をいうのは何かが違う気がしたからだ。
でも、ルフスは一体なぜ……王子のフリを。悪い人、なんだろうか?
頭を振る。
考えてはいけない。
だって、心が聞こえなくても分かる事だってある。『なんだってできる』と言った彼に、嘘は感じなかった。彼の目を見ていたから分かる。真摯で思い詰めていた。
彼が何かを企んでいたとしても、だ。
私は、ルフスの言葉を信じたい……。
神に選ばれし乙女にして、闇を払う存在。
魔王と対極にあり、勇者を選出し共に戦い、世界を浄化する。
聖女のいる大神殿へと移動しながらライラは説明する。
説明を聞いても、ピンとこない。今はその任をシャーロットの――私の妹フローレンスが受け持っているというが、何だか違和感を感じる。
スライ先輩のいう以前の『シャーロット』が、とても妹愛に溢れていたという所もだ。
フローレンス・メイ・ヨーク。
一つ年下で、孤児院からの養女としてヨーク家に入った女の子。
「どんな子って言われても答えられませんわ。友達の妹なんて顔見知りよりやりにくいです」
ライラは困ったように視線を彷徨わせ、スライ先輩も大きく頷く。
「それより俺はお前が、本物のシャーロット・グレイス・ヨークかが気になる。確かに魔法の気配はないが、俺が知らないだけで見た目を変える薬や呪いはあるだろうからな。実際、カエルがカエルになっていた呪いも俺には、どうした手法だったのか分からなかった」
「そうなんですか?」
「カエル本人が解きたがってないのも理由で、あまり調べてないがな。だからこそ、あっさり人の姿になっている事自体が腑に落ちない。そもそもあの顔はシャーロットの従者だ」
「呪いなのに、解きたくない?」
意味が分からず繰り返す。
スライ先輩は肩を竦める。
「俺にはわからん。記憶云々、本人か云々もおいておくなら……以前のお前は婚約者だ、何か知っていたようだが?」
「そうでしょうね。チャーリーと殿下は仲が良かったですから」
「そうだ。アレックスは一目惚れだと言っていたしな」
「あら、そうだったんですか?」
彼らは何も知らない私に、色々教えてくれようとしている。
「あぁ、不思議な理由でな」
「不思議って、ルフスがシャーロットを好きになった理由?」
「いや、アレックスが、だ」
言い間違いを正すように先輩が強い口調で告げる。
「ルーファ、だったか。あの顔の男の事を、お前はそう呼んでいた。はっきり言って、あの王子は偽物だ! 第一に性格が違いすぎる!! 確かに似ている部分や真似をしている部分はあれど、俺は親しくしていたから、絶対的に違う事くらい分かるぞ! なんで皆、違和感を感じないんだ!!」
「それを言うなら、チャーリーだって! 今の方が親しみやすいと言われてますけど、あたしは前の方が好きですし!」
二人の言葉に自然に「ありがとう」が出そうになって、口を閉ざす。私が礼をいうのは何かが違う気がしたからだ。
でも、ルフスは一体なぜ……王子のフリを。悪い人、なんだろうか?
頭を振る。
考えてはいけない。
だって、心が聞こえなくても分かる事だってある。『なんだってできる』と言った彼に、嘘は感じなかった。彼の目を見ていたから分かる。真摯で思い詰めていた。
彼が何かを企んでいたとしても、だ。
私は、ルフスの言葉を信じたい……。
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