死亡回避困難で悪役令嬢は鬱ってる。―理想ENDは天使も悪魔も出し抜いて大往生ですけど?―

ムツキ

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第7章・二つの心

◆ 14・カエルの予定は? ◆

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 いや、可笑しいよね?!
 ルーファの顔がどんなに良かろうが、カエルの元の顔を誰も知らなかろうが……だ。ルーファの顔は両親のどちらにも似ていないし、色合いだってそうだ。性格なんか、もう雲泥の差がある。
 ……なぜ受け入れられてるんだ?
 第一に言っちゃなんだが、元々アレックスは出来が良かった。顔問題をルーファの顔で挿げ替えたなら、継承権の放棄にも無理がでる。


「今のあんたって、カエル本人と思われてるのよね?」
「おう」
「俺は可笑しいと気づいたがな!」

 スライ先輩が声を上げる。ライラとミランダも頷いた。


 この場にいるメンバー以外は気付いてないののか、気づいても王家のゴタゴタに関わりたくなくて放置?


「アレックスは王位継承を放棄する気だったのよ? 喰われるわ、顔は挿げ替えるわ、今後の予定がどうだったのか聞かなきゃ話が始まらないわ! さっさと吐き出してよ!」

 詰めよれば、ルーファがその分また距離を開ける。

「悪いな。まだ無理だ。アレックスとは『契約』中なんでな、共闘中のお前よりもルールが優先される」
「私がこれだけぶっちゃけたのに、あんたは『契約』なんて言葉で終わらせる気?! 流石に虫が良すぎでしょ」

 彼は内容には黙秘する気らしい。
 これ以上無駄だと分かる。


 聞き方を変えるとしたら、アーラを絡める事くらいしか。いや、……そういえば。


「アレックスから伝言とかないの?」
「伝言?」
「そうよ、婚約者の私に対しての伝言的なものよ! あんたにはアーラの伝言もちゃーんと伝えてあげたんだからさ。なんか出しなさいよ、それっぽいの」

 ルーファは考え込む。
 沈黙が落ちる。
 全員の心は一致している。すなわち「あぁ、伝言ないんだ」である。


 いやいや、可笑しいでしょ! カエル!!!! あんた、私が好きなんじゃないの?! 喰われるにあたって何かしら伝えたい事なかったわけ!? アーラみたいなあやふやなのじゃなくて、意味のある事がさ!


 やがてルーファが申し訳なさそうな顔で切り出す。

「……あー……、その、恥の感覚ってな、色々あってだな。その、素直に気持ちを表現できない奴もいてだな、黙して語らずタイプってのかな、うん。つまり、言えないから、ないってのとは違うんだぜ?」


 いや、お前、何のフォローだ……そしてどんな気の使い方をしてるんだ!!!!


「大丈夫、そこじゃないだわ、ルーファ」
「いやいや聞いてくれ、チャーリー! アレックスがお前に伝言を忘れたのは恐らく色々考える事が多すぎてちょっと抜け落ちてただけで別にお前を後回しにしたとかそういうんねぇしどうでもいいとかでもねぇしだからさ!」

 ルーファが息継ぎなしで漏らす言葉は半分も耳に残らない。

「いや、お前が落ち着け」

 私の言葉には残り三名も大きく頷いた。

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