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第8章・侵入者
◆ 4・父の封書(中) ◆
しおりを挟む「まぁ、そういった理由で、開けちゃった。ついでに、知ってる事あるなら教えてよ」
ルーファ扮する元カエル王子に手紙を差し出す。
相手は顔を引き攣らせながらも、受け取る。
「いや、俺様はいいんだけどよ? 流石に淑女としてどうなんだろうな、チャーリー」
「で、カエルから何か聞いてないの?」
「形だけでも無事の確認しろよ」
見るからにピンピンしている相手に聞いてどうする?
私からの好意的な反応は見込めないと分かったのだろう。ルーファは手紙に目を通す。
「アレックスはお前の親父と教団調べてたらしいから、足掴まれたんだろうな」
「スパイ送り込んでるのがカエルって?」
「ま、命狙われた以上そうだろ。真正面から短刀で襲いかかって来たんだぜ? そりゃこっちも避けるだろ」
避けられる能力がルーファにはあったが、カエルなら無理だ。武力全般放棄でやってきたのだから――。
「なんで二人が手を組んでたかも気になるわ」
「婚約者だからじゃねぇーの?」
お父様に限ってそんな理由なわけ……。
「お前の親父の事は分かんねぇーが、アレックスは教団を排除したがってるな。ちなみに、反教団派の事もよく思ってない」
何でだよ! どっちかとは手を組んでなさいよ!
これではどちらが敵で、カエルを狙ったのかも分からない。
ある意味、カエルは託宣の被害者でもある。教団との確執は根深かかった。
でも気になるのは、託宣の内容が酷かったって意味では第二王子ヴィンセントも同等よ? なんであっちはこっそり勇者枠に入れられてるの?
「ルーファは何も言われてないわけ? カエルからこう動いて欲しいとか」
「政治関連ではねぇな。あ、そういや、一つだけあったか」
「なになに?!」
「お前の親父とは協調行動しろってさ」
お父様と?!
いや、婚約者の父と反目状態はちょっと可笑しいかも?
驚いたもののよく考えれば納得もする。
カエルがいない以上、聞く相手は一人しかいない。まともに会話が出来る気はしないし、したくもないが――父と向き合うしかないだろう。
〈チャーリー、お父様と話したくないの?〉
話して相手にしてくれるなら、まだ話そうって気もあるけど。多分お父様にとっての私は政治の道具で、それ以上は求められてないのよ。
昔は苛立ったり憎んだりもあったが、時が心を癒すというのは本当らしい。
今は、父と最低限以上の会話だって出来るのだ。
「じゃルーファ、帰るわ。精々がんばって」
「おいっ、言い方、他にあるだろ」
「ない」
私はその場を辞する旨を伝え、帰宅を急いだ。
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