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第8章・侵入者
◆ 30・犯罪者たち(後) ◆
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エイベルの「広間においてる」との言により、私たち三人は移動した。
二人は小声で話していたが、あまり気にはならなかったし、この後の事に意識が持っていかれている。
◆◇◆
無言のまま辿り着けば、そこには縛られた黒装束たちがエビ反り状態で転がされていた。
男女の見分けはつかないが、五人いる。周到にも、顔の部分はむき出しにされていた。
うん、どれも知らない顔だわ。
エイベルの手に炎が燃え上がる。
「じゃあ、いい?」
「ま、待ちなさい、聞く事があるの」
炎を消すエイベル。
私は必死で質問をひねり出した。
「えー……っと、その、ボスは誰なの?」
相手は無言。
「ココがヨーク家って知ってるでしょ? まさかタダの強盗って事はないわよね?」
当然のように無言が続く。
「お姉さん、こんな時こそ! このヘクター・カービーの『誰でも口を割っちゃうでしょうジュース』を飲ませて見ましょうよ! ちょっと、臓腑が焼けただれるかもしれませんが、ギリで話せると思いますよ?!」
「却下で……。あと使用人は黙っててくれる?」
「おぅ……身分差ツラぃ」
ヘクターが悲し気な声を出すが知った事ではない。ココで拷問万歳をOKしたら、彼は今後も楽しく拷問会を開いていく事だろう。
彼は元々、狂った殺人鬼なのだから――。
まぁ、黙ってても関係ないわ。『何か』を考えてくれさえすれば……ねぇアーラ。あんたには心の声が聞こえてるんでしょ?
〈……明日の食事のコト考える人と〉
は?
〈ランディーって人のコト考えてる人と〉
誰よ。
〈エイベルに怯えてる人がいるよ〉
エイベルに? 今の発言からしたらヘクターの方が怖い気がするけど。って、誰も私の質問を考えてないのね。……彼らの心の声を全部、報告して頂戴。代わりに無駄な殺生はさせないわ。
〈……チャーリー〉
分かってる、これはあんたへの脅しになるってね。あんたが堕天してもお綺麗なままなのは分かってる。助けたいでしょ?
黙り込んだアーラを無視して、私はできるだけ厳かに声を発した。
「黙っていても無駄だ」
こんなに時に思い浮かべるのは大好きな本の主人公だったが、それも元の人物オリガと会話した事でしっかりと造詣が深まっている。
「私にはお前たちの卑小な考えなどお見通しだ。こうしているうちにも煩いくらいに、お前たちの事が次々に伝わってくるよ。そう、例えば私の弟に怯えている事や、……あぁ、ランディーの話もだな?」
一人の目が大きく見開かれた。
一番大柄の人物で、私の部屋の襲撃者だ。
〈……どうしてランディーの事をって、驚いてる。どこまで調べられたのか、心配してる〉
「驚く事はないだろう? 全部聞こえてくるのだ。あぁ、調べてはない。私は声が聞こえるんだよ、お前たちの心の声がね」
後は彼らの大事な人を『質』に取っている形で、とことん脅して脅して脅して情報を引き出すだけね。
〈チャーリー……ソレは良くないコトだよ〉
今更、罪が云々なんて気にしてられないわ。
自分でも分かる。我ながら人の悪い笑みを浮かべた事だろう。
だが、代わりに彼らの命を救ってやるのだ。感謝されてもいいくらいだと本気で思っていた。
二人は小声で話していたが、あまり気にはならなかったし、この後の事に意識が持っていかれている。
◆◇◆
無言のまま辿り着けば、そこには縛られた黒装束たちがエビ反り状態で転がされていた。
男女の見分けはつかないが、五人いる。周到にも、顔の部分はむき出しにされていた。
うん、どれも知らない顔だわ。
エイベルの手に炎が燃え上がる。
「じゃあ、いい?」
「ま、待ちなさい、聞く事があるの」
炎を消すエイベル。
私は必死で質問をひねり出した。
「えー……っと、その、ボスは誰なの?」
相手は無言。
「ココがヨーク家って知ってるでしょ? まさかタダの強盗って事はないわよね?」
当然のように無言が続く。
「お姉さん、こんな時こそ! このヘクター・カービーの『誰でも口を割っちゃうでしょうジュース』を飲ませて見ましょうよ! ちょっと、臓腑が焼けただれるかもしれませんが、ギリで話せると思いますよ?!」
「却下で……。あと使用人は黙っててくれる?」
「おぅ……身分差ツラぃ」
ヘクターが悲し気な声を出すが知った事ではない。ココで拷問万歳をOKしたら、彼は今後も楽しく拷問会を開いていく事だろう。
彼は元々、狂った殺人鬼なのだから――。
まぁ、黙ってても関係ないわ。『何か』を考えてくれさえすれば……ねぇアーラ。あんたには心の声が聞こえてるんでしょ?
〈……明日の食事のコト考える人と〉
は?
〈ランディーって人のコト考えてる人と〉
誰よ。
〈エイベルに怯えてる人がいるよ〉
エイベルに? 今の発言からしたらヘクターの方が怖い気がするけど。って、誰も私の質問を考えてないのね。……彼らの心の声を全部、報告して頂戴。代わりに無駄な殺生はさせないわ。
〈……チャーリー〉
分かってる、これはあんたへの脅しになるってね。あんたが堕天してもお綺麗なままなのは分かってる。助けたいでしょ?
黙り込んだアーラを無視して、私はできるだけ厳かに声を発した。
「黙っていても無駄だ」
こんなに時に思い浮かべるのは大好きな本の主人公だったが、それも元の人物オリガと会話した事でしっかりと造詣が深まっている。
「私にはお前たちの卑小な考えなどお見通しだ。こうしているうちにも煩いくらいに、お前たちの事が次々に伝わってくるよ。そう、例えば私の弟に怯えている事や、……あぁ、ランディーの話もだな?」
一人の目が大きく見開かれた。
一番大柄の人物で、私の部屋の襲撃者だ。
〈……どうしてランディーの事をって、驚いてる。どこまで調べられたのか、心配してる〉
「驚く事はないだろう? 全部聞こえてくるのだ。あぁ、調べてはない。私は声が聞こえるんだよ、お前たちの心の声がね」
後は彼らの大事な人を『質』に取っている形で、とことん脅して脅して脅して情報を引き出すだけね。
〈チャーリー……ソレは良くないコトだよ〉
今更、罪が云々なんて気にしてられないわ。
自分でも分かる。我ながら人の悪い笑みを浮かべた事だろう。
だが、代わりに彼らの命を救ってやるのだ。感謝されてもいいくらいだと本気で思っていた。
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