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第9章・思惑の行方
◆ 10・反組織の条件(中) ◆
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ライラは学園へ、私は休むことにした。
数日やそこらの仮病が容認されてもいいくらいには、長い人生で学園に通ってきた。ライラを見送った私は一路、弟を引きつれ師匠の元に向かっている。
何でって勿論、辻馬車だ。
反組織には馬車を弁償して欲しいくらいだ。
「ししょー?」
不思議そうに弟が繰り返す。
「そうよ、私の武術指南役って感じの人」
「……へぇ」
「何その目?」
「別に……」
弟は目を逸らした。きっとろくでもないことを考えたのだろう。
「いいこと、私たちは試験を受けているところ。カエルをカエルにしないといけないの。そのカエルをカエルにする上での問題点が、悪魔ルーファよ」
「アクマ? 本物の?」
「そうよ。それも上級悪魔よ」
「ランクとかあったんだ」
弟は驚いたように口にする。
本人は魔王だというのに、悪魔やそれに付随する世界の常識は全く知らないらしい。不思議なものだ。未覚醒の魔王――しかも常識なしの魔王は、果たして上級悪魔よりも強いのか心配になる。
「その悪魔ルーファは、自分の信念のためなら同盟者の私も殺せたりするタイプの狂った一面があるの。まぁ悪魔だから仕方ないけどね?」
「オネーサマを殺されるのは困る」
「そうねそうね?! で、カエルをカエルにすることが、アイツ的な計画からズレてたら戦う羽目になると思うわすのよ。で、戦う上での頼みの綱が師匠ってわけ」
エイベルは納得しがたいらしく首を傾げている。
まぁ、師匠vsルーファにしてもエイベルvsルーファにしても可能性は薄いけど、師匠とエイベルにタッグを組んで貰って、なんならヘクターもそこに入ってもらって? それなら勝てそうじゃない?
「エイベル、私たちはルーファからのカエルを勝ち取る必要があるのよ。やれるわね? 相手は悪魔だけど」
「うん。ヤるよ」
「大丈夫よ、ミランダと師匠をサポートにつけるし、なんならヘクターとミルカも」
「まかせる」
なんて、物分かりのいい弟だろう。
「そのかわり……」
弟が続ける。
「そのかわり、一戦一食」
「は?」
「一回戦ったら、ゼッタイその後、一回食べたい」
それくらいならお安い御用だと頷く。
「いいわ、それであんたの能力値に関しても、師匠に測定してもらうつもりだから、よろしくね」
「いいけど、なにするの? 戦うの?」
「そうね、そこらへんは師匠にあった後ね。ちなみにあんた何ができるのよ、結局。ただ強いことくらいしか分かってないんだけど?」
エイベルは少し考えるような素振りをして話し始めた。
「その時、はらがへってたんだ」
なんの話よ……?
「はらがへってた時の方が、力はでるのかも」
力についての言及ではなく、どんな力があるかを聞きたかった私は失望の思いで口にする。
「普通、逆じゃない?」
数日やそこらの仮病が容認されてもいいくらいには、長い人生で学園に通ってきた。ライラを見送った私は一路、弟を引きつれ師匠の元に向かっている。
何でって勿論、辻馬車だ。
反組織には馬車を弁償して欲しいくらいだ。
「ししょー?」
不思議そうに弟が繰り返す。
「そうよ、私の武術指南役って感じの人」
「……へぇ」
「何その目?」
「別に……」
弟は目を逸らした。きっとろくでもないことを考えたのだろう。
「いいこと、私たちは試験を受けているところ。カエルをカエルにしないといけないの。そのカエルをカエルにする上での問題点が、悪魔ルーファよ」
「アクマ? 本物の?」
「そうよ。それも上級悪魔よ」
「ランクとかあったんだ」
弟は驚いたように口にする。
本人は魔王だというのに、悪魔やそれに付随する世界の常識は全く知らないらしい。不思議なものだ。未覚醒の魔王――しかも常識なしの魔王は、果たして上級悪魔よりも強いのか心配になる。
「その悪魔ルーファは、自分の信念のためなら同盟者の私も殺せたりするタイプの狂った一面があるの。まぁ悪魔だから仕方ないけどね?」
「オネーサマを殺されるのは困る」
「そうねそうね?! で、カエルをカエルにすることが、アイツ的な計画からズレてたら戦う羽目になると思うわすのよ。で、戦う上での頼みの綱が師匠ってわけ」
エイベルは納得しがたいらしく首を傾げている。
まぁ、師匠vsルーファにしてもエイベルvsルーファにしても可能性は薄いけど、師匠とエイベルにタッグを組んで貰って、なんならヘクターもそこに入ってもらって? それなら勝てそうじゃない?
「エイベル、私たちはルーファからのカエルを勝ち取る必要があるのよ。やれるわね? 相手は悪魔だけど」
「うん。ヤるよ」
「大丈夫よ、ミランダと師匠をサポートにつけるし、なんならヘクターとミルカも」
「まかせる」
なんて、物分かりのいい弟だろう。
「そのかわり……」
弟が続ける。
「そのかわり、一戦一食」
「は?」
「一回戦ったら、ゼッタイその後、一回食べたい」
それくらいならお安い御用だと頷く。
「いいわ、それであんたの能力値に関しても、師匠に測定してもらうつもりだから、よろしくね」
「いいけど、なにするの? 戦うの?」
「そうね、そこらへんは師匠にあった後ね。ちなみにあんた何ができるのよ、結局。ただ強いことくらいしか分かってないんだけど?」
エイベルは少し考えるような素振りをして話し始めた。
「その時、はらがへってたんだ」
なんの話よ……?
「はらがへってた時の方が、力はでるのかも」
力についての言及ではなく、どんな力があるかを聞きたかった私は失望の思いで口にする。
「普通、逆じゃない?」
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