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第9章・思惑の行方
◆ 11・反組織の条件(後) ◆
しおりを挟む「ねぇ、カエルにするってどんな意味があると思う?」
私はエイベルに問いかける。
不思議よね? なんでカエルをカエルに戻したいんだろう?
やっぱりカエルの託宣が原因なんだろうけど、だからって殺すじゃなくてカエルに戻したり、私を狙ったりするのが遠回りすぎるというか。
今までだって、なんでカエル本人じゃなくて私を狙ったんだ?
で、何よりなんでカエルに戻したいんだ?? 正直、本で読むみたいに刺客とか送り込んだ方が楽じゃない?
「おいしいから?」
「エイベル……食事から離れてくれる? そのカエルは婚約者なのよ」
「……カエル……」
エイベルは驚いたように呟き黙り込んだ。
「あんたって、誰かを変身させたり、幻術的なことはできないの?」
「……オレ、勉強してないし? マホーの」
「できるかもしれないけど、勉強してないから分からないってこと?」
なら、この子を成長させて使えるように教育するのは簡単かもしれない。ポテンシャルはあるんだから。
もしカエルの帰還が遅れそうなら……いっそ幻術か何かでカエルに見えるようにするとか?
先ほど老婆にされた占いが気にならないといえば嘘になる。
迫る死の宣告をした時――私の後ろにはエイベルが立っていた。弟が強くなる事は、私にとって本当にプラスなんだろうかと不安になる。
現在の日々は知らない時間の延長戦にある。
新しい毎日を新しい人々を加えながら過ごしている。このエイベルが魔王であるなら、彼は過去の歴史がそうであったように大勢を殺すのだろう。
その中に私は――。
「オネーサマ?」
ふと顔をあげる。
弟が首を傾げている。
可愛いとは少しも思えないが、子供らしいふっくらとした頬を見つめていると複雑な気分になってくる。
母性のようなものはないけど、こんな子供が魔王って信じられない。
「あんたって物覚えいいの?」
「フツーかな」
まぁいいか……。
途中までも行けず何度もリスタートする羽目になるのは勘弁だわ。
エイベルへの魔法教授は……師匠に頼むか。あの人なら……。
私は悪役で、どちらにしろ途中までは魔王と共闘せざるを得ない身だ。魔王にはそれなりに強く、使える存在になってもらっていないである。
「計画ちょっと変更よ。あんたには勉強してもらうわ!」
「ベンキョー?」
「そうよ、魔法のね!」
「……オネーサマはベンキョーしてたんじゃないの?」
言外に「使えないの?」という彼に、私は黙り込んだ。
人には向き不向きがある。私も色々と取り組んできたので、できなくはない。だが、幻術となると話が変わる。
「……お、弟には、強くなってほしいのよ、これはあんたのためよ!」
釈然としない顔をしながらも、エイベルは頷く。
「どんな先生? ミルカみたい?」
どんな人かへの言及はとても難しい。
師匠は一言では言い表しにくいのだ。
「……変わった人よ。自分で見て、判断して」
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