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第13章・悪役闘争
◆ 12・水の魔王(後) ◆
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ヒトガタであるヘクターだからこそ『壊す』は正しい表現だ。
拉致もない事を考えながら、少年を見つめる。
視線の意味を勘違いしたのか、彼はヘクターが人間でない事を改めて話す。
「あの、……お話中すみませんが、具体的にどうやればいいんですか?」
「なに?」
怪訝な顔をする水の魔王。後の炎の魔王は我関せずとばかりに、割れた窓ガラスをしゃがんで片付けている。
まるでメイドだ。
「危ないわぁ、誰か踏んだらどうすんよ」
ぼやきながら箒片手な姿は、むしろ下町のおばちゃんだ。
「ですから、どうやったら壊せるんですか? 私、前にあいつの首を絞めて殺しました。……殺したと思いました。ですが、あいつは生きてた……」
「あの体は人形だ、当然だろう」
事もなげに言われ、顔を顰めそうになる。
だからっ、どうやったら殺すかって聞いてるのに!
「ふむ、ベオルファから聞いてないのか」
あれ、ベオルファ……分かる、ルーファだ!
「そうだ、この空間は一段ズレた世界だからな」
やっぱり心が読めるらしい魔王は見た目にそぐわぬ厳かな声を出した。
「シャーロット・グレイス・ヨーク、炎の契約者にしてエルロリスを内包する者よ。よく聞くがいい。オマエからの提案を飲んでやろうと言うのだ、代わりに支払うものがあって然るべきだろう?:
「支払うっ……て、契約の代償って意味、ですか?」
「人間などと契約などせぬ。代償だけ支払え」
どう違うんだろ……。
だが、前に炎の魔王とした取引である『人界素通り作戦』に乗った報告で現れたらしい事は理解した。
ちゃんと他の魔王に話を通してくれてたんだ、あのおばちゃん魔王!
私自身、すっかり忘れてたのにっ。
「所詮は人形だ。四肢を破壊すれば動けなくなる。なんなら、頭も破壊しろ」
「つまり?」
「粉々にすりゃいい」
「……その、どうやって?」
過去を思い出せば、なかなか頑丈な男だった記憶がある。
「物理的にボコグシャにすりゃいい」
見た目繊細なのに、相当アレな魔王ね?
「アレやろ?! 分かるわぁ」
不意に炎の魔王が割り込んでくる。相変わらず片手には箒だ。
「まぁ、アレ……ですね」
大雑把というか、いい加減というか。
「ほう」
不穏な声を出す少年。
私はサッと絵を逸らした。
「今度、風の子ぉも連れてくるわ」
それ、風の魔王だよね??
「見つけられたら、な」
「そうやねぇ、あの子はいっつも旅で旅で旅や。まぁ10年くらいは覚悟してや?」
は??
「困ります! そんな時間っ」
抗議するが、相手は朗らかに笑う。
「んー、まぁまぁ、いつかは見つかるて」
「ぐれぐれもクソ天使共のゴミ配下に存在を許すな。確実に消し飛ばせ! できなければ、俺がオマエを……」
「ほな、帰るわ!」
「ブチ殺す」
明と暗がはっきりした夫妻がバルコニーへと向かう。
引き止めようと手を伸ばした瞬間、周囲の光源が消え去り、闇が訪れた。
拉致もない事を考えながら、少年を見つめる。
視線の意味を勘違いしたのか、彼はヘクターが人間でない事を改めて話す。
「あの、……お話中すみませんが、具体的にどうやればいいんですか?」
「なに?」
怪訝な顔をする水の魔王。後の炎の魔王は我関せずとばかりに、割れた窓ガラスをしゃがんで片付けている。
まるでメイドだ。
「危ないわぁ、誰か踏んだらどうすんよ」
ぼやきながら箒片手な姿は、むしろ下町のおばちゃんだ。
「ですから、どうやったら壊せるんですか? 私、前にあいつの首を絞めて殺しました。……殺したと思いました。ですが、あいつは生きてた……」
「あの体は人形だ、当然だろう」
事もなげに言われ、顔を顰めそうになる。
だからっ、どうやったら殺すかって聞いてるのに!
「ふむ、ベオルファから聞いてないのか」
あれ、ベオルファ……分かる、ルーファだ!
「そうだ、この空間は一段ズレた世界だからな」
やっぱり心が読めるらしい魔王は見た目にそぐわぬ厳かな声を出した。
「シャーロット・グレイス・ヨーク、炎の契約者にしてエルロリスを内包する者よ。よく聞くがいい。オマエからの提案を飲んでやろうと言うのだ、代わりに支払うものがあって然るべきだろう?:
「支払うっ……て、契約の代償って意味、ですか?」
「人間などと契約などせぬ。代償だけ支払え」
どう違うんだろ……。
だが、前に炎の魔王とした取引である『人界素通り作戦』に乗った報告で現れたらしい事は理解した。
ちゃんと他の魔王に話を通してくれてたんだ、あのおばちゃん魔王!
私自身、すっかり忘れてたのにっ。
「所詮は人形だ。四肢を破壊すれば動けなくなる。なんなら、頭も破壊しろ」
「つまり?」
「粉々にすりゃいい」
「……その、どうやって?」
過去を思い出せば、なかなか頑丈な男だった記憶がある。
「物理的にボコグシャにすりゃいい」
見た目繊細なのに、相当アレな魔王ね?
「アレやろ?! 分かるわぁ」
不意に炎の魔王が割り込んでくる。相変わらず片手には箒だ。
「まぁ、アレ……ですね」
大雑把というか、いい加減というか。
「ほう」
不穏な声を出す少年。
私はサッと絵を逸らした。
「今度、風の子ぉも連れてくるわ」
それ、風の魔王だよね??
「見つけられたら、な」
「そうやねぇ、あの子はいっつも旅で旅で旅や。まぁ10年くらいは覚悟してや?」
は??
「困ります! そんな時間っ」
抗議するが、相手は朗らかに笑う。
「んー、まぁまぁ、いつかは見つかるて」
「ぐれぐれもクソ天使共のゴミ配下に存在を許すな。確実に消し飛ばせ! できなければ、俺がオマエを……」
「ほな、帰るわ!」
「ブチ殺す」
明と暗がはっきりした夫妻がバルコニーへと向かう。
引き止めようと手を伸ばした瞬間、周囲の光源が消え去り、闇が訪れた。
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