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第13章・悪役闘争
◆ 27・聖女捕獲作戦(前) ◆
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『三日以内にフローレンスを誘拐監禁し、無力化する!』
と、決めたわけだけど――事はそう簡単じゃない。
まず居場所だ。
そもそも旅の一行でもないフローレンスだ。予想としてはヘクターが救出し、そのまま行動を共にしていたのだろう。
そのヘクターはといえば、監視役気分なのか、はたまた約束は守るつもりなのか、カリム探しに協力的だったらしい。アレックス談である。
私が失踪している間も、普通にスライ先輩たちとカリム探しをしていたというのだ。
そう、私もフローを捕まえる前にカリムを見つけなきゃなのよね。
「もう町にいないんじゃない? この町の先行き不安で逃亡みたいなアレで」
モニークと二人、町を歩きながらボヤく。
どうせ反論されるのだろうと思っていたが、意外にも彼女は頷いた。
「ありえない話じゃないわね」
日も翳った夕闇、昨日戻ったばかりだというのにスライ先輩の言うまま駆り出されている。どちらがボスだか知れない。
「彼は正式な当主でもないみたいですし、いっそ今回の不祥事で責任取って……、もしくは責任逃れに……どれもありそうな道ですよ」
そうよね……。
「ヨルク家の親族ってどうなってるのかな?」
「あなたが言うの? あなたの親族でしょ?」
呆れたように言う彼女に肩を竦める。
「貴族の親族なんて、案外他人より扱いにくいものよ」
「……それは貴族でなくても……ですよ」
彼女の本心が垣間見えた気がして、二度見する。
翳りはすぐに消え、モニークは歩く速度をあげた。
「こうしてても埒があきませんね……一度帰りましょう」
親族……か。
フローレンスが逃げ出した事をお父様が知らないとも思えないし、こちらに来ている事も知っている可能性が高い。これもお父様の策略だったりするのかな?
「私はもう少し、捜すわ」
私には時間がないのだ――モニークと別れ、路地裏にも足を延ばす。
「こんにちは」
そんな折、不意に話しかけられた。
路地に座り込んでいた灰色の塊が立ち上がる。
薄汚れたボロを纏った少女だ。
十才にも満たないだろう少女は灰色の髪に灰色の瞳をしている。顔立ちは可愛いが、一目見て危険だと本能が告げる。
「あら、わたしったら、まちがえたのね? こんばんは、だわ! チャーリー、こんばんは!」
あぁ、嫌な予感的中だわ。
この顔、……この顔に見覚えがあるのよね……なぜだか。
「あのね、チャーリー? あなたがさがしてる人がいたでしょう? あの人のいばしょをつたえたいなって思ったの」
「……いや、結構です……自分で、捜すんで」
絶対に借りを作りたくない。
だが、彼女はクスクス笑って続ける。
「あのね、このさきの川だったところに、うかんでるわ」
うかんで????
「そうよ、うかんでるの」
……心を……?
その瞬間、彼女が強引に手を掴んだ。
「ええ、よんでるわ。わたしは、『上』にいたもの!」
と、決めたわけだけど――事はそう簡単じゃない。
まず居場所だ。
そもそも旅の一行でもないフローレンスだ。予想としてはヘクターが救出し、そのまま行動を共にしていたのだろう。
そのヘクターはといえば、監視役気分なのか、はたまた約束は守るつもりなのか、カリム探しに協力的だったらしい。アレックス談である。
私が失踪している間も、普通にスライ先輩たちとカリム探しをしていたというのだ。
そう、私もフローを捕まえる前にカリムを見つけなきゃなのよね。
「もう町にいないんじゃない? この町の先行き不安で逃亡みたいなアレで」
モニークと二人、町を歩きながらボヤく。
どうせ反論されるのだろうと思っていたが、意外にも彼女は頷いた。
「ありえない話じゃないわね」
日も翳った夕闇、昨日戻ったばかりだというのにスライ先輩の言うまま駆り出されている。どちらがボスだか知れない。
「彼は正式な当主でもないみたいですし、いっそ今回の不祥事で責任取って……、もしくは責任逃れに……どれもありそうな道ですよ」
そうよね……。
「ヨルク家の親族ってどうなってるのかな?」
「あなたが言うの? あなたの親族でしょ?」
呆れたように言う彼女に肩を竦める。
「貴族の親族なんて、案外他人より扱いにくいものよ」
「……それは貴族でなくても……ですよ」
彼女の本心が垣間見えた気がして、二度見する。
翳りはすぐに消え、モニークは歩く速度をあげた。
「こうしてても埒があきませんね……一度帰りましょう」
親族……か。
フローレンスが逃げ出した事をお父様が知らないとも思えないし、こちらに来ている事も知っている可能性が高い。これもお父様の策略だったりするのかな?
「私はもう少し、捜すわ」
私には時間がないのだ――モニークと別れ、路地裏にも足を延ばす。
「こんにちは」
そんな折、不意に話しかけられた。
路地に座り込んでいた灰色の塊が立ち上がる。
薄汚れたボロを纏った少女だ。
十才にも満たないだろう少女は灰色の髪に灰色の瞳をしている。顔立ちは可愛いが、一目見て危険だと本能が告げる。
「あら、わたしったら、まちがえたのね? こんばんは、だわ! チャーリー、こんばんは!」
あぁ、嫌な予感的中だわ。
この顔、……この顔に見覚えがあるのよね……なぜだか。
「あのね、チャーリー? あなたがさがしてる人がいたでしょう? あの人のいばしょをつたえたいなって思ったの」
「……いや、結構です……自分で、捜すんで」
絶対に借りを作りたくない。
だが、彼女はクスクス笑って続ける。
「あのね、このさきの川だったところに、うかんでるわ」
うかんで????
「そうよ、うかんでるの」
……心を……?
その瞬間、彼女が強引に手を掴んだ。
「ええ、よんでるわ。わたしは、『上』にいたもの!」
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