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第14章・灰は撒かれた
◆ 18・問われる罪(中) ◆
しおりを挟む握った拳をふるう間などなく、事は一瞬で決していた。
何者かに背後から足を払われ、地面に転がった所を三人がかりで取り押さえられたのだ。絶妙な連携すぎて言葉もなく、悲鳴も怒声もあげる暇はなかった。
打ち付けた背中も足も、肩も痛い。舌をかまなかっただけマシと思うべきだろう。
「れ、連携、すごすぎない?」
床に転がったままの私を見降ろし、仮面の女は無感情に言う。
「審問会に出席してもらいます」
「うわぁ……それって、私の意見聞いてくれるトコなのかしら?」
女が三人に頷き、三人は心得たように私を手際良く縛り上げる。
これ、マジでヤバい……!!!!
フローレンスに処刑より前に、全然関係ないパターンで断罪されるなんてっ、誰が気付くよ?!
「あれぇ? チャーリーなにしてるの?」
耳元でする声は堕天使フローラのものだ。
目をむき、顔を向ければそこには少女のドアップ。
「待ってたわ!!!! 何とかしてよ! あんた導き手なんでしょ!?」
叫ぶ私に、四人が周囲を見回す。
気狂いと思われても構わない。今の所、この場で味方枠にいるのは堕天使だけなのだ。
「がんばって!」
「がん……ばれるかーー!!!!」
「チャーリーならできるよ!」
「いやいやいや、あんたの導きって応援だけなわけ?! それなんの役にも立たないから!!!!」
ひそひそと人間四人組が言葉を交わしあう。かすかに聞こえるのは「ポーズ」だとか「気が触れた」とか言った失礼なものばかりだ。
「そうだ、そうよ! あんたが役に立たないなら、エイベルを呼んできて! あの子なら私を救えるでしょ!?」
「んー……ん、あんなのと、おはなししたくない」
「わ、……」
わがまま言うなーー!!!!
ギリリと歯がみし、怒りを収める。
「フローラ、お願いよ。私を助けるためにいるんでしょ?」
「ううん」
「……え?」
困惑する私にフローラが笑う。
「ちゃんとシナリオにしたがってしんでくれないとねって話だよー!」
あぁ、そうか、……世界なんて、運命なんてこんなもんなんだわ……っ。希望なんてどこにもないのよ! チラ見えしては絶望を煽って笑って去っていくんだわ。
「それに、チャーリーはじぶんでできるよ! だってタリスマンを『して』あげたじゃない?」
タリスマン? 頭にぶっこんでくれたアレね。現在翻訳分しか役に立ってないけど。
「いのればいいとおもうよ?」
「祈る?」
女の合図で三人に無理やり引き立てられる。彼らは私と会話する気もなくなったらしく、粛々とズタ袋に私を詰めこみ、口を縛った。
暗くなる視界。
「いのって、チャーリー」
誰によ……!
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