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第14章・灰は撒かれた
◆ 20・断罪者(前) ◆
しおりを挟む塔の中はすりばち状に階段席があり、すでに半分ほどが埋まっていた。
みな一様に白装束の仮面姿だ。一番底辺の中心に人が入れるほどの檻が置かれている。十中八九、私を入れる檻だろう。
場所が悪いわね……。
出入り口が今入ってきた道しかないのだとすれば、下まで降りるわけにはいかない。退路を断たれてしまう。
案内されるまま、罪人のように下を向いて歩く。観客のような彼らは私の方を見て、静まり返った。
居心地の悪さだけが上がっていく。
「これが長老会のメンバー? それとも観客? 当事者なんだから、それくらいは答えてくれるわよね?」
前を歩く女に問う。足が止まればと思わないでもなかったが、やはり彼女は足を止めず答えた。
「今この場にいる者はスポンサーですね」
「すぽんさー?」
「長老会への出資などを行っている各町の長たちです」
なんだ、それ……っ。それって、つまり……長老会ってのは変な宗教的な集まりのトップとかじゃなくて、国の機構の一部なわけ?
「今から始まる『会』に、どう関わる人たちなわけ?」
「投票権を持っています」
「……なんの……?」
「あなたを罰するかを決める一票を持っている方々です。段階があります。過半数越えで罪人の烙印は押されますが、刑の執行は七割越えからです」
七割……っ。
「烙印の場所は選べます」
「は?」
「場所です。手でも背中でも足でも、好きな所を選んでください」
「烙印って、まさか……マジで印をつけるって意味?」
「そうですね」
「……っ!!!!」
冗談じゃないわ……っ。ココでもそういうパターンなわけ????
「一階席が長老会のメンバーですが、挨拶は不要です」
「……する気も、ないわね……」
言う間に、底辺へとたどり着く。確かに一階席のメンバーの仮面は、他と違い目を引く文様が入れられており、一目で違いを察せられる。
案の定、私は檻に入れられた。
逆らわなかったのは、無駄に暴れてより強固な縛りを付けられる事を恐れたからだ。
女が長老会の方を見て礼を取る。
「シャーロット・グレイス・ヨークを、ヨルク家の代理として連行いたしました」
重々しく彼らが頷く。
「お待ちくださいっ!」
私は怒鳴りとは違う、大きな声をあげた。
「わたくしはシャーロット・グレイス・ヨーク、ヨルクの遠縁ヨーク家の娘です。ヨーク侯の名代として、ヨルク家に親書を携えやってまいりました。しかし、肝心のヨルク当主は行方知れず、あまつさえヨルクの代理としてこちらに案内されました」
毅然と彼らを見上げる。
「説明があってしかるべきでしょう。わたくしはなぜ今、このような場に引き出されているのでしょうか?」
話せば分かるなどとは思っていない。
だが情報を引き出さねば、逃げ道も見えない。
まずは、対話から……始めようっ。
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