死亡回避困難で悪役令嬢は鬱ってる。―理想ENDは天使も悪魔も出し抜いて大往生ですけど?―

ムツキ

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第14章・灰は撒かれた

◆ 21・断罪者(中) ◆

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 相手の反応は至って普通だった。
 長老会とやらは、いい加減に圧力でねじ伏せるタイプの集団ではないらしい。なぜ私が選ばれたかを彼らは説明し、連行に至った経緯も話してくれた。それはもう長々と――。


 まぁ、つまり? 要約すれば、消去法で、この地のヨルク代理者が全員死亡しているって事か。で、ヨルク家は跡継ぎゼロの断絶状態に陥るわけだが、一応遠縁ながら私がいた……と。


 彼らは口々に言う。
 守護神死亡の責。
 町の混乱を放置した罪。
 これらの報告義務を怠った罪。
 なぜなら、守護神の死亡がもたらす町の崩壊は周囲の村落にも影響を及ぼすもので、責任ある立場の人間としての振る舞いがなされなかった事は重大なミスだ。


 と、まぁ……言い分は理解しないでもない。説明責任放棄問題って事よね。
 救いは、守護神死亡の原因って事を彼らが知らないっぽい事だわ。


「私はこの地に来て日も浅く、守護神の有り様、こうした連携集団の事などを知りませんでした。また『外部』の人間である私が『当主』を差し置いて行動するわけにはまいりません。せめて、早く混乱を鎮めるためにもとヨルク当主カリムを探しておりました」

 加えて、町の人間の誰に確認をとってもらっても構わないと続ける。
 理由は違えど、捜しまわっていたのは事実だ。
 彼らはひそひそと互いで意見を交わし合う。かすかに漏れ聞こえてくるのは『確認済』や『虚偽』などの言葉だ。


 時間の引き延ばしには成功してるけど、このまま真っ当な手段でココから出ていくのは無理よね。彼らは誰か……たぶん、本当に誰でも良くて、都合がいい地位の誰かに……責任を取らせたいだけなんだわ。


 暗くなる思考。
 やがて一人の長老会メンバーが立ち上がった。まだ一度も声を発していなかった仮面だ。

「まずは裁判に応じた事を嬉しく思う、シャーロット・グレイス・ヨーク」


 問答無用でしたけど??


 随分と若く細い声だ。男女差は分からないが、気は弱そうな印象を受ける。

「我々は公明正大に秩序を重んじている。一方の言葉のみで判断する事はないと約束しよう。その上で、何が起き、どう動いたのか、ヨルクの代理者として『ここ』で説明する意思はあるか問う」


 これは……困ったわね。


 イエスと言えばヨルクの代理を認めたようなものだ。罪を負う事にもなる。またノーと言えば相手が真っ当な事を言っているだけに無責任と謗られヨーク家評判、貴族としての矜持なども汚される。


 うん、ヨーク家の評判どうでもいいわ!! お父様も苦労すればいいんだわ! それに貴族の矜持とかもこの際、命や焼き印にの前では霞むわ!


「ありません。わたくし、シャーロット・グレイス・ヨークはそれら全てを拒否します」


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